杉久武の発言 (本会議)
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○杉久武君 公明党の杉久武です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度決算について、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
初めに、先ほどの決議にもありましたとおり、私は、北朝鮮による弾道ミサイル発射に断固抗議します。北朝鮮に核を放棄させ、対話のテーブルに着かせるためにも、私は、北朝鮮に最大限の圧力を掛ける政府の方針を支持するとともに、政府には各国との連携を一層図るよう求めます。
中でも、韓国、中国との連携は重要です。公明党では、山口那津男代表が十一月二十二日から韓国を、十一月三十日からは中国を訪問し、韓国では、私も山口代表とともに文在寅大統領と会談しました。その際、文大統領から、一日も早く日中韓サミットに出席するために日本を訪れたいとの意欲が示されました。
北朝鮮問題が重大局面を迎えた今こそ、韓国、中国との対話の継続は不可欠です。しかし、日中韓サミットは前回から二年以上開かれておりません。私は、日中韓サミットの早期開催を強く求めます。
次に、平成二十八年度決算検査報告について質問します。
会計検査院は、十一月八日に平成二十八年度決算検査報告を内閣へ送付しました。この検査報告に記載された総件数は四百二十三件、指摘金額は約八百七十四億円となっています。
検査報告での指摘事項は様々ではありますが、税金が不適切に使われることのないよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
次に、財政健全化の取組について伺います。
検査報告の中に、特定検査対象に関する検査状況という項目があります。これは、国民の皆様の会計検査に対する一層の理解と信頼を得るために、関心の高い分野について検査院の検査状況が記載されたものです。
今回そこで取り上げられたのは、国の財政健全化への取組についてです。これまでの財政健全化目標がどの程度達成されたのか、また取組方針の実施状況はどうなっているのか、さらには取組方針に従って編成された当初予算が予算総額や決算でどうなったのかがまとめられており、検査院では、平成九年から平成二十八年までの二十年間について検証しています。その結果、第一に、健全化目標や取組方針がそもそも設定されていない年が三年、第二に、当初予算の時点で取組方針を達成していない年が三年、第三に、当初予算では取組方針を達成していたものの決算額で達成できていなかった年が七年あったと報告をしております。
もちろん、震災やリーマン・ショックなど、取組方針が達成できないようなやむを得ない状況の年もあったとはいえ、財政健全化は我が国最重要の課題です。政府には、適切な健全化目標を設定した上で、目標達成に向けた取組を確実に実施するとともに、毎年度の取組に関しては、当初予算だけでなく予算総額や決算額を用いることで国民の皆様への説明責任を一層果たすべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
次に、行政コストの見える化について伺います。
公明党は財政の見える化を一貫して主張してまいりましたが、公明党の主張を受け、財務省では、平成二十六年度決算から個別事業のフルコスト情報の開示を行っています。
これは、ある事業を行うに当たり、事業の直接的な経費である事業費だけではなく、事業に付随する人件費や物品購入費といった様々な費用を含めて、事業全体のフルコストを把握し、その上で、人口一人当たり、利用者一人当たり、あるいは業務一日当たりといった単位当たりの金額を算出して開示するものです。
一例を挙げますと、例えば平成二十六年度の法務省による刑務所や少年院の運営などの矯正業務の場合、フルコストは二千七百六十六億円となりますが、それを刑務所等への収容者一人につき一日当たりのコストとして換算すると、一人につき一日一万一千七百三十四円と、感覚的にもより分かりやすい金額が明示されます。
これらは現在試行的な取組という位置付けですが、フルコスト情報の対象範囲拡充を強く訴えるとともに、将来的には行政コストの見直しにも活用すべきと考えますが、財務大臣の見解を求めます。
次に、民間資金の活用について伺います。
民間資金の活用方法の一つに、ソーシャル・インパクト・ボンド、いわゆるSIBがあります。SIBは公明党が中心となって衆参両院の様々な委員会で取り上げておりますが、SIBは、行政の成果連動型の支払契約と民間資金の活用を組み合わせた官民連携手法の一つで、社会的利益と経済的利益の双方の実現を目指すもので、欧米を中心に広まっています。
我が国ではまだ環境整備の段階ですが、経済産業省では平成二十九年度に、SIBを活用して、神戸市での糖尿病の重症化予防や八王子市での大腸がん早期発見事業に着手しています。また、厚生労働省でも、健康づくりや生活困窮者支援など十一の事業を採択しています。
公明党は、十一月二十四日、総理に対し、人生百年時代構想中間報告に対する提言を提出しましたが、その中でも触れているとおり、SIBの更なる活用促進のためにも、まずはモデル事業の実施や成果指標の整備等を進めるなど、政府全体として取り組むべきと考えますが、総理の見解を求めます。
続けて、総理に伺います。
十一月十七日に公表された平成二十九年度版の犯罪白書によると、刑法犯の認知件数は、戦後最多であった平成十四年をピークに十四年連続で減少し、平成二十八年には戦後初めて百万件を下回りました。しかしながら、出所者の約四割が五年以内に刑務所へと再入所しています。
これは、日本社会において犯罪が減少し、安全な社会に向かう一方で、罪を重ねることから脱却できない社会構造が残っていることにほかなりません。
このような社会構造を変革すべく、私の地元大阪にあります七つの企業と日本財団との協力により、平成二十五年から職親プロジェクトがスタートをしました。このプロジェクトは、出所者に対し企業が職場を提供するだけでなく、出所者の更生と社会復帰を企業が親のように支え、再び罪を犯さぬよう職親、つまり職の親となって自立更生を促すというプロジェクトです。
このプロジェクトは、大阪を皮切りに、東京、福岡、和歌山、新潟へと拡大し、現在では九十企業、団体まで広がっておりますが、出所者を雇用するための費用負担を始め、社会に適応するための教育、職場への定着促進など、いまだ多くの課題があります。
出所者の更生と社会復帰は、本来、国を挙げて取り組むべき課題です。より安全で安心な社会の構築のためにも、政府は適切な支援を行うべきと考えますが、総理の見解を求めます。
最後に一言申し上げます。
国会の決算審査は、予算の執行状況をつぶさに検証し、その結果を次の予算編成に生かしていく、言わばPDCAサイクルのチェック機能を担っております。私も決算の参議院の一員として、平成二十八年度決算の審査をできる限り速やかに行い、かつ充実した質疑となるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕