曽我孝之の発言 (経済産業委員会)

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○曽我参考人 日本商工会議所の中小企業経営専門委員会の共同委員長を務めます前橋商工会議所会頭の曽我と申します。
 群馬県前橋市にあります中屋商事という会社を中心といたしまして、全国展開する企業を含めまして数社の卸業を経営しております。
 まず最初に、商工会議所の概要について御説明をさせていただきたいと思います。
 商工会議所は、今から百四十年前の一八七八年に東京、大阪、神戸で設立されたのを皮切りに、現在では全国各地に五百十五の拠点を持ちまして、大企業から個人事業主まで包括した公的性格を持つ総合経済団体であります。地域に密着した民間組織でありながら、国や県など行政が進める施策を代行する役割も担っております。全国の総会員数は、百二十五万となっております。
 日本商工会議所は、この全国五百十五の商工会議所を会員といたしまして、各地の商工会議所が、その地区内における商工業の総合的な発展を図り、兼ねて社会一般の福祉増進に資するという目的を円滑に遂行できるよう、全国の商工会議所を総合調整し、その意見を代表している団体でございます。
 我が国の経済の景況や課題について所見を申し上げさせていただきます。
 我が国の経済は、個人消費の動きにはいまだ力強さを欠くものの、設備投資に動きが見られ、世界経済の改善を受けて輸出が堅調に推移するなど、総じて緩やかに改善してきていると思っております。特に、一時期ゼロ%近くまで落ち込んでおりました潜在成長率が、昨年四月―六月期以降、一・一%で推移するようになりました。
 我が国の最大の課題は、日本経済の成長する力、すなわち潜在成長率の引上げです。一%をようやく超えた潜在成長率を更に引き上げていくために、生産性の向上に向けた強力な政策を実行し、今のうちに持続的な成長基盤を構築することが重要であると考えております。
 そして、何よりも、我が国の持続的な成長と地域活性化の実現のためには、企業数の九九・七%を占め、雇用の七割を担い、給与支払いから発生する所得税収入の約四割、社会保険料負担のうち民間事業主拠出分五割を負担している中小企業、小規模事業者の活力強化が不可欠であります。
 その中小企業、小規模事業者は、現在、人手不足という大きな経営課題に直面しております。この課題に対応するためには、設備投資やIT、IoT、ロボット、AIなどの先端技術の活用などを促進し、生産性の向上に積極果敢に取り組んでいくことが必要であります。
 このような状況の中、本委員会で御審議なされている生産性向上特別措置法案などによって中小企業等の生産性向上を力強く推し進めていただけることは、まことに心強い限りであります。
 そこでまず、生産性向上特別措置法案に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、プロジェクト型の規制のサンドボックス制度についてです。
 本制度の導入により、さまざまな革新的な取組が生み出されることが期待されます。その際、中小企業にも活用しやすいように、わかりやすいガイドラインの提供などの御配慮をお願いしたいと存じます。
 二点目は、データの共有、連携のためのIoT投資の減税についてです。
 IoTの活用は、今後、大企業だけではなく、中小企業においても必要であり、導入を促進する設備投資に係る減税等の支援措置は重要と考えます。そして、中小企業への一層の普及を図るためには、好事例の横展開も非常に効果的です。政府におかれましては、中小企業におけるIoT活用に関する好事例の収集とその普及をお願い申し上げます。
 三点目は、中小企業の設備投資に係る固定資産税の減免等についてです。
 中小企業の生産性向上を図るためには、設備投資の促進が欠かせません。固定資産税の減免であれば、赤字法人であってもその恩典を受けることが可能となり、より多くの中小企業に対する設備投資のインセンティブになると考えております。この制度が、多くの地域の中小企業に使われることを期待しております。
 続いて、産業競争力強化法案の改正に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、技術等の情報に係る認定機関の認定制度の創設についてであります。
 情報漏えいは、会社の信用力を大きく損ないかねません。情報漏えい防止を図る認定制度を創設していただくとともに、中小企業が対応できるように、情報管理の手法を解説した重要技術管理ガイドラインの周知徹底や支援もあわせて行っていただきたいと思っております。
 二点目は、大学ファンドの支援対象の拡大についてであります。
 前橋商工会議所では、十数年前から産学官金連携推進会議を開催し、地元大学や金融機関、行政等が集まりまして、研究開発にかかわるセミナー、相談会等を実施しており、法改正により、東京大学など四大学発のベンチャーが各地方大学と連携する場合もファンドの投資対象に加えていただくことは、地域の活力向上に大いに資するものと期待しております。
 三点目は、創業の啓発に関する次世代の担い手確保であります。
 創業の新たな担い手をふやすためには、創業への関心を高める取組が非常に重要であると期待しているところであります。
 一方で、政府は開業率一〇%を目標としているのに対し、現在の開業率は六%弱にとどまっております。その中で、創業補助金の縮小や創業スクール事業の廃止など、創業支援予算は大幅に減少しています。政府目標の実現に向け、創業支援予算の拡充も必要だと考えております。
 最後に、中小企業等経営強化法の改正に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、再編による事業承継加速化についてであります。
 団塊世代の経営者が大量引退期を迎えます今後五年から十年の間は、まさに大事業承継時代の到来となります。
 事業承継が急がれる中、平成三十年度税制改正において、先生方の御尽力によりまして、日本商工会議所が強く要望しておりました事業承継税制の抜本拡充を実現していただきましたことに、心から感謝申し上げます。
 さて、自社の話で恐縮でございますけれども、当社は八年前に、同業他社と事業部門を統合し、新しい事業会社を設立するという事業再編を行いました結果、おかげさまで経営力が向上してまいりました。その結果を受けて、県内そして近県の後継者が不在等の理由で廃業に追い込まれつつあった数社から、事業統合や吸収合併、子会社等の形で当社にその事業、会社を引き継がせていただいた次第であります。
 今回、法改正によりまして、経営力向上計画において、MアンドA等による事業承継を伴うものを対象に追加していただき、税制優遇等の支援をいただくことになっておりますが、事業承継税制とあわせまして、事業承継、再編が加速することを強く期待しております。
 二点目は、経営基盤強化のための支援能力の確保として、商工会議所を始めとする認定支援機関の認定制度に更新制等の導入が盛り込まれております。商工会議所といたしましては、更新制等への対応を通じて、一層の支援能力の向上に努めてまいります。
 なお、商工会議所、商工会では、平成二十六年に改正されました小規模支援法を踏まえ、事業者や地域の課題に応じて、国や地方自治体の施策の周知、活用支援等により、きめ細かい伴走支援を行い、実績を上げてきております。
 また、平成二十六年に設立されました小規模企業振興基本法に基づく小規模企業振興基本計画は、今後、見直しに向けた検討が開始されていると聞いております。
 商工会議所、商工会の役割は、今後、事業承継、生産性の向上、消費税引上げ、軽減税率、働き方改革など、ますます拡大し、業務量も増大の一方ですが、そのために必要な都道府県からの予算は減少傾向にあります。今後の基本計画の見直しにあわせまして、商工会議所、商工会の経営支援体制の強化に向けて、さらなる強力な御支援を心からお願い申し上げます。
 三点目といたしましては、IT導入の加速化のための支援体制整備についてであります。
 日本商工会議所は、かねてより、中小企業が安心してクラウドサービス等を活用できるようにするために、良質なIT事業者のリスト化、認定制度の創設を要望してまいりました。今回の法改正によりITベンダーの見える化がなされれば、中小企業のIT活用に弾みがつくものと期待しております。
 終わりに当たりまして、全国五百十五商工会議所といたしましては、経営支援力を更に向上させつつ、行政、議会や他の支援機関との連携を強化しながら、中小企業、小規模事業者の活力強化と地域経済の活性化に努力してまいる所存でございますので、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。
 御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 曽我孝之

speaker_id: 29726

日付: 2018-04-10

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会