経済産業委員会

2018-04-10 衆議院 全296発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 城内  実君 理事 平  将明君
   理事 辻  清人君 理事 冨樫 博之君
   理事 吉川 貴盛君 理事 落合 貴之君
   理事 田嶋  要君 理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    石川 昭政君
      石崎  徹君    岩田 和親君
      上野 宏史君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    大見  正君
      岡下 昌平君    鬼木  誠君
      勝俣 孝明君    門  博文君
      神谷  昇君    神山 佐市君
      神田  裕君    木村 哲也君
      国光あやの君    小林 鷹之君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      佐藤 明男君    佐藤ゆかり君
      杉田 水脈君    田畑  毅君
      根本 幸典君    百武 公親君
      福山  守君    藤井比早之君
      船橋 利実君    穂坂  泰君
      星野 剛士君    本田 太郎君
      松本 洋平君    三谷 英弘君
      三原 朝彦君    宮内 秀樹君
      宮澤 博行君    八木 哲也君
      中谷 一馬君    堀越 啓仁君
      松平 浩一君    山崎  誠君
      浅野  哲君    吉良 州司君
      斉木 武志君    山岡 達丸君
      國重  徹君    菊田真紀子君
      笠井  亮君    谷畑  孝君
    …………………………………
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   環境副大臣      とかしきなおみ君
   経済産業大臣政務官    大串 正樹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 高橋 泰三君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房総括審議官)         飯田 祐二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    福島  洋君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中石 斉孝君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           佐藤 文一君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策局長)          糟谷 敏秀君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局長)            多田 明弘君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局長)          寺澤 達也君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官)            吉本  豊君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁次長) 保坂  伸君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        小野 洋太君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            高島 竜祐君
   参考人
   (株式会社経営共創基盤代表取締役CEO)     冨山 和彦君
   参考人
   (森・濱田松本法律事務所弁護士)         増島 雅和君
   参考人
   (日本商工会議所中小企業経営専門委員会共同委員長)
   (前橋商工会議所会頭)  曽我 孝之君
   参考人
   (日本労働組合総連合会会長)           神津里季生君
   参考人
   (駒澤大学名誉教授)   福家 秀紀君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十日
 辞任         補欠選任
  上野 宏史君     杉田 水脈君
  大見  正君     宮澤 博行君
  勝俣 孝明君     藤井比早之君
  小林 鷹之君     門  博文君
  國場幸之助君     佐藤 明男君
  佐々木 紀君     鬼木  誠君
  穂坂  泰君     百武 公親君
  八木 哲也君     福山  守君
  中谷 一馬君     堀越 啓仁君
同日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     佐々木 紀君
  門  博文君     岩田 和親君
  佐藤 明男君     神谷  昇君
  杉田 水脈君     上野 宏史君
  百武 公親君     本田 太郎君
  福山  守君     石崎  徹君
  藤井比早之君     宮内 秀樹君
  宮澤 博行君     船橋 利実君
  堀越 啓仁君     中谷 一馬君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     根本 幸典君
  岩田 和親君     小林 鷹之君
  神谷  昇君     国光あやの君
  船橋 利実君     三谷 英弘君
  本田 太郎君     木村 哲也君
  宮内 秀樹君     勝俣 孝明君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     穂坂  泰君
  国光あやの君     國場幸之助君
  根本 幸典君     八木 哲也君
  三谷 英弘君     大見  正君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 生産性向上特別措置法案(内閣提出第二一号)
 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
     ――――◇―――――
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稲津久#1
○稲津委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、株式会社経営共創基盤代表取締役CEO冨山和彦君、森・濱田松本法律事務所弁護士増島雅和君、日本商工会議所中小企業経営専門委員会共同委員長・前橋商工会議所会頭曽我孝之君、日本労働組合総連合会会長神津里季生君、駒澤大学名誉教授福家秀紀君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず冨山参考人にお願いいたします。
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冨山和彦#2
○冨山参考人 おはようございます。冨山でございます。
 本日は、こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 私の方から、お手元の「リスクマネーを巡る喫緊の重要課題」というレジュメをベースにして、とりわけ政府の、機関の側でいかにこのリスクマネーの問題に対峙していくかという点について、私自身の問題意識をお話ししたいと思っております。
 まず一つ目ですが、「本格的なグロースキャピタルの不在」というふうに書いてございますが、とりわけ現在、今、それこそ第四次産業革命であるとかイノベーションの時代と言われております。
 これは皆さん御案内のとおりで、現在、特にグローバル経済の経済圏で活躍している企業群あるいは産業群の成長の鍵というのは、圧倒的にイノベーションの力ということになります。そのイノベーションのドライバーというのは、やはり圧倒的にメガベンチャーということになるわけで、結局、特に上場企業の上の方のレベルの成長力を比較しますと、日米欧で見てみても、やはり日本は圧倒的にメガベンチャーがないんですね。アメリカはほとんどが、上位は全部メガベンチャーです。それから、欧州でもSAPのような会社が出てきております。
 これをどうしていくかというのは、要は極めて産業マクロ的に大きな問題でありまして、今やベンチャーの議論というのは、マージナルな話ではなくて、むしろ産業の中核をどうするかという議論になってきております。
 その上で、メガベンチャーをつくれるかどうかというのは、もちろんスタートアップの数をふやしていくことは大事なんですが、ここはゼロを一にする議論でありまして、問題は、この一を百にできるか、百を一万にできるかという百倍百倍のゲームになるわけでありまして、そうすると、今、おかげさまで、こういった皆さんのいろいろなサポートもあって、ゼロから一はかなり出てくるようになっています。問題は、一から百、百から千をどうするかなんですが、ここで、いわゆるユニコーンファイナンス、ユニコーンというのは一千億円を超える時価総額の未上場のベンチャーのことをいうんですが、こういった会社が、それこそウーバーとか、続々出てきているわけです。
 要は、そこにどこまで早く持っていけるかというところが勝負でありまして、むしろ今、そこで上場しないのが一般的で、上場しちゃいますと、むしろ上場コスト、いろいろな手間もかかっちゃって、ある意味ではリスクをとれなくなっちゃうんですね。したがって、かなりまとまったお金をどんと入れて、プロのお金を入れて、むしろもっと大きくしてから上場するという流れに今はなっています。
 これは、いわゆるラウンドB、ラウンドA、B、Cというのは、ファイナンスをするタイミングのことをA、B、Cというんですが、大体、ラウンドB、二回目の本格的なファイナンスで数百億円のお金をぼんと入れちゃうというのがむしろ今一般的でありまして、こういうお金というのは、数年で上場するということを想定していませんから、要は五年、十年という単位で数百億円のお金が寝るわけであります。
 ということは、裏返して言っちゃうと、そういったお金を誰が出すんですかということになってくるわけで、今の日本のベンチャーキャピタルの普通のスタンダード、これはまず不可能です。というのは、ファンドのサイズが二百億円ぐらいしかないので、一発入れたら一社しか入れられなくなっちゃいますし、大体ファンドの期限が十年ですから、そうすると、一つの会社を持てるのが五年ですから、すぐIPOをしないといけないということになりますので、要は、こういった超長期のまとまったお金を誰が出すんですかという問題が非常にここにおいて大きな課題となります。
 実際に私もユニコーンファイナンスをやったことがあるんです、我々の投資先で。我々がアーリーをやる、ラウンドAをやって、ラウンドBでやったことがあるんですが、結局どこから持ってくるかというと、アメリカのかなり大きな金融機関です。ゴールドマン・サックスとかモルガン・スタンレー、ああいうところですね。アメリカを除きますと、ほぼほかの国はソブリン・ウエルス・ファンドです。私どもが実際やったのはGICでした、シンガポールのソブリン・ウエルス・ファンドです。要は、ソブリン・ウエルス・ファンドというのは、超長期、期間は無限大でありますので、したがって、彼らはこういうゲームができるということであります。
 これが今現状でありまして、要は、日本国内にこういうプレーヤーはいないという問題が今ございます。ですから、一番おいしいところを、結局、今の状況、もし仮に日本からすばらしいスタートアップが出てきて、このメガベンチャーになる過程で一番おいしいところは、多分海外のお金でやられてしまうという状況があるわけであります。
 それから、次、二番目。もう一つのリスクキャピタルがある意味では機能していない領域というのは、エンゲージメントファンドというやつでありまして、これはどういうものかというと、物を言う責任与党株主です、わかりやすく言っちゃうと。要は、物を言うんだけれども、安定的に長期に株を持ってくれて、真面目にその会社に寄り添って、その会社に物を言う、そういうタイプの株主であります。これは、少なくとも日本以外ではどんどん存在感を増しております。
 今、日本では、いわゆる持ち合い株の解消をしようという流れがあるわけです。この後問題になるのは、持ち合い株のいい面、悪い面があるんですが、いい面は、長期保有株であったということは私はいい面だと思っていて、ただ、問題は、持ち合い株というのは、長期保有なんだけれども、物を言わない、やや無責任与党みたいなところがあって、これがちょっと問題なんですね。そうすると、やはりちゃんと言うべきことを経営者に言う、そういう安定株主をつくっていかなきゃいけない。これがいわゆるエンゲージメントファンドのモデルであります。
 要は、今いろいろな意味で企業統治改革をやっておりますが、会社の統治というのは基本的には資本民主主義であります。もうここにいらっしゃる皆さんには釈迦に説法ですが、やはり資本民主主義の質というのは、結局、最終的には、国民の民度であるとか、あるいはそこで選ばれてくる国民の代表の質で決まるわけでありますから、その最終的な担い手はやはり株主なんですね。
 そうすると、株主の質を上げるということは極めて大事でありまして、今、持ち合い株を出していくのはいいんですが、それがいわゆる短期的な、投機的な株主のところに行っちゃいますと、非常にむしろ資本民主主義が不安定になりますので、こういうエンゲージメントファンドをやはり大きくしていくということは非常に大事な課題でありまして、これもまた、日本には余りないんですね。ないんです。少なくとも国内ベースではないです。
 大体、今入ってきている、海外から来ている連中は、どちらかというとちょっとハゲタカに近い人、いわゆる物言う株主というか、どちらかというとグリーンメーラーというか、そういうタイプの人、日本は狙われやすいので。
 普通、エンゲージメントファンドというのは、その国の企業、その国の産業のことをすごくよく知っている人がやりますから、普通、その地域にベースのものがやはり強くなるというのがベースです。ですから、やはり日本ベースのちゃんとしたエンゲージメントファンドをどうつくっていくかというのも、これも非常に重要です。
 通常、こういったところというのは、言葉で言うと「「働く株主」「モノ言う責任与党株主」」と書いてございますが、大体、金融系の知見と、もちろん事業あるいは経営の知見の両方とも持っているような、そういう人たちでないとできない。欧米、ヨーロッパに結構多いんですけれども、大体そういうメンバーでやっているファンドになります。
 その後ろにあるお金というのは、これは当然超長期でないとこういう投資はできません。私の経験で言っちゃうと、私は、オムロンという会社の、これは非常に優良な会社なんですが、この会社の役員を十年ほどやっていましたが、これは、残念ながら国内ではなくて、海外のこの手のファンドが一つ二つ、ずっとくっついていました。こういった会社は本当に長期保有です。私のいる間はずっと株主でした。やはりちゃんとしたエンゲージメントをやってくれていました。
 ですので、彼らの背景にあるお金は、大体、年金基金とか大学のエンダウメントとか財団とかという、やはりすごく長期のお金を預かっているアセットオーナーがそういうところにお金を預けております。ですから、そういった仕組みをやはり日本で今後つくっていくというのは、非常に今のガバナンス改革の流れでいうと大事な課題だと思っております。
 それから、最後に、これはやや非常手段的な話ですけれども、これは私が昔やっていた産業再生機構と同じモデルなんですが、やはり金融危機時にどう、いろいろな再編とかいろいろな企業のリシャッフルが起きるわけですが、そのときにどうリスクマネーを供給するかというのは、これは潜在的にあるテーマです。
 要は、金融危機というのは今非常に起きやすい環境にありまして、かつ、これはグローバル化しやすいので、それが起きたときにどうするかという、一応、フォー・ア・レイニー・デー、いざというときのリスクマネーをどう用意しておくかという問題があります。
 実は、前回のリーマン・ショックのときは、ここでも実はソブリン・ウエルス・ファンドが大活躍をしております。ですから、さっき申し上げたGICとかテマセクとかという会社が実は、要は市場のお金はこういうときにはなくなっちゃうんですね。ですので、ちょうど日本航空の問題もこのときに起きていまして、このときは政府のお金で再編、再生をしたわけですけれども、こういった問題も一応あるにはあります。
 一応、この三つが恐らくリスクマネーをめぐる我が国の非常に大きな課題だと私は認識しております。
 ということで、こういった状況を考えますと、繰り返しになりますが、こういうイノベーションが極めて経済成長を規定する時代、特に、破壊的イノベーションの時代において、ここで必要となるべきリスクマネー、これはアメリカが多分私は例外だと思うんですが、アメリカは異常に多種多様なリスクマネーが民間に大量に蓄積されています。ただ、これはもうほとんどアメリカだけと言っていいような例外的状況でありまして、欧州や新興国などでは、むしろ、より純粋なプレーヤーとしてのリスクマネーを扱うソブリン・ウエルス・ファンドというのが存在感を増しております。
 ちょっと余計なことを申し上げると、孫さんがビジョン・ファンドというのをつくりました。あれは、実体はソブリン・ウエルスです。あれはアラブの、中東のソブリン・ウエルスのお金が入ってきているので、ああいう超長期のまとまった投資ができているんですね。民間の普通に集めてきたお金では、あれはできません。要は、そういうのが今の世界の流れだと思っていただいて結構かと思います。
 裏返して言うと、今、官民ファンドに向けていろいろな議論があるんですけれども、私も産業再生機構のときにいろいろな議論をされましたが、ここまで民業圧迫論とか民間が絶対政府よりも優位であるという議論がされているのは、今や日本だけだと思います。ちょっと、ややナイーブな感じがいたします。
 むしろ、重要な問題は、官か民かではなくて、どういう目的原理で、いかなる動機づけとガバナンス構造で組織と個人が機能するのかが鍵でありまして、要は、シンガポールってどっちかというと市場原理主義の国みたいに思われていますが、シンガポールのこういうリスクマネーの主役は、GICとテマセクという正真正銘の政府系のソブリン・ウエルス・ファンドであります。
 ただ、彼ら、あのファンドは、世界で最もある意味では尊敬されているリスクマネープレーヤーでありまして、要は、超一流の人材が集まって、超一流の市場プレーヤーとしての機能を果たしておりますので、超長期にわたって高いパフォーマンスを上げている、そういうことであります。それが機械的にシンガポールの国富になっている、そういう構図であります。
 ですので、むしろ大事なことは、これをどうしていくのかというのを、官か民かというある種原理主義ではなくて、どういう動機づけでどういう組織をつくっていくのかということが多分鍵なので、そこをどうしていくかということをやはり考えるべきだろうと思っています。
 裏返して言っちゃうと、ちょっとまたこれも余計なことを申し上げますと、日本の民間企業の中には、必ずしもどうかなという、そういう意味で言っちゃうと、官よりも官っぽい民間の組織がいっぱいありますので、要は、出自が官か民かというよりは、むしろ、繰り返しになりますが、どういうふうにガバナンス構造、組織、あるいはそこで働いている人間の動機づけをデザインするか、こちらの方が私は重要だと思っております。
 そういった意味合いでいうと、そこでいかに政府系の機関がどういう機能を果たしていくかというのは、検討すべき、検討する価値がありますし、実は、シンガポールにおいては、いっぱい民間のファンドもございます。民間の、世界でもかなりいい線をいっているファンドがどんどん出てきていますが、大体こういったファンドはGICとテマセクの出身者です。要は、まずGIC、テマセクで経験を積んで、やはり世界でそれなりに名をなしてから、スピンオフして自分でファンドをつくるというのが非常に典型的な流れになっております。
 私は、どちらかというと、日本はそのモデルの方がフィットがいいんではないかなと個人的には思っていまして、自分が経験した産業再生機構もそういう性格を持ちましたので、ですので、その辺、ぜひぜひ前向きに御検討いただければというふうに思っている次第であります。
 以上でございます。ありがとうございました。
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稲津久#3
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、増島参考人にお願いいたします。
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増島雅和#4
○増島参考人 御指名いただきました、森・濱田松本法律事務所、増島でございます。おはようございます。
 本日は、このような機会をいただきまして法案に意見を述べる機会をいただき、大変光栄に存じます。
 今般審議されております生産性向上特別措置法について、少し御意見を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 本日の私の参考人としての役割は、既存の法令が想定していない新たなビジネスモデルというのが起こってくる、こういうことに対して、民間の事業者の方と各省庁の担当官がみずからの職務に忠実であればあるほどイノベーションを推進する芽を摘んでしまう、こういう現象が世界で共通して起こっている、こういうふうなことに今なっておるわけでございまして、このメカニズムを打破するために開発された新たな政策枠組みとしてのレギュラトリーサンドボックス、これが一体何を狙っているのか、どのように機能していくべきなのか、こういうお話を少しさせていただいて、審議の参考としていただきたいというふうに思っております。
 まず初めに、私が本日この場で法案審議についての参考人として呼ばれている背景について少しお話しすることをお許しください。
 私は、東京に主たる事務所を構えております、国内の各都市のほか、アジア各地に拠点を置いて国際的な法律業務を担当しております森・濱田松本法律事務所でパートナーとして勤務しております。
 リーマン・ショックの直前の二〇〇六年、二〇〇七年のころに、米国のシリコンバレーにあります、元駐日大使を務められたジョン・ルースさんが代表をやっておりましたウィルソン・ソンシーニという法律事務所で勤めておりまして、現地のイノベーションのダイナミズムというのを実地で経験してまいりました。
 帰国後は、金融庁の監督局におきまして課長補佐として保険と銀行の行政を担当しまして、こちらで行政庁における意思決定のメカニズムみたいなものを学んでまいりました。
 二〇一二年に民間に復帰後は、金融業、これは情報産業であろうというふうな確信を得まして、IT、情報技術の観点から、金融機関に対する規制のアドバイスですとかMアンドAのアドバイスなんかに取り組みながら、また同時に、革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップ企業に対するリスクマネーの円滑な供給というテーマで活動に従事しておりました。
 その中で、金融とITをかけ合わせた新たな事業領域としてのフィンテックというのがこれからどうも世界を席巻しそうだというふうに見えまして、日本の金融全体が海外の新しい金融の勢力にディスラプトされる前にみずから革新を起こしていかなければいけないんだということを訴えまして、これに共感する事業者の皆さんと革新のために行ういろいろな試行錯誤の実践を支援する、こういうことをやってきた、こういう出自でございます。
 我々、こういうふうな活動をしていく中で、イノベーションに取り組むということをやるわけですが、このときに直面する重大な課題の一つとして、革新的な技術を採用した新たなビジネスモデルの適法性というのを検討するわけですけれども、そのときに既存の法令がそのビジネスモデルを想定していないということが往々に起きてまいります。特に、事業者の活動を規制する業法の世界は、制定時の社会とか技術環境をもとに法令をつくっていますので、いかに一般的、抽象的な法令を書いたとしても、必ず後ろ側に想定する技術とかビジネスモデルが存在しております。
 現在、第四次産業革命と呼ばれるIT分野における急速な技術革新が進展をするというふうな中で、既存の法令が想定した技術やビジネスモデルとは異なる技術とかビジネスモデルを使う、こういうものが出てきて、これに既存の法令を一生懸命当てはめるということをやっているわけですけれども、それで適法性を判断してくださいというふうなことになるわけですが、我々法律の実務家からしても、もともとこれは法令が想定していないので適法なのか違法なのかよくわからないということが非常にいっぱい発生してきている、こういうことでございます。
 こういうものに対する民間の方の対応の一つとしては、一つは、割とリスクテークをするプロアクティブな事業者は、弁護士なんかと相談をしまして、これは適法だというアーギュメントを自分でつくって、それで前に進む、こういう方もいらっしゃるわけですけれども、他方で、行政庁による法令解釈と違う解釈で前に進むということにリスクを感じる事業者さんというのも、やはり特に大企業さんなんかを中心におりまして、そうすると、行政庁にやはり事前に法令照会をして自分の事業の適法性を確認するということをすることになります。そうすると、そもそも法令が想定していないので、行政庁に行ってこれは適法ですかと言っても、確とした回答が戻ってこないということが普通に起こっているということであります。
 これも、行政庁の現場の担当官の立場からすると、一生懸命皆さん、先例を調べてくださったりなんかして方向性を出すために頑張ってくださるんですけれども、結論が出ないということが非常に多くあります。彼らもほかの業務がいっぱいありますので、そんな中で、何とかしなきゃいけない、結論を出せというふうに言われますと、一番安全な回答としては、法令に適合していない可能性があります、こういう回答をするわけでございます、これが一番安全だということでありまして。
 でも、もともと、よく考えてみると、法令上黒か白かよくわからない、こういうものでありまして、これを民間の人が持っていって、おまえ、これを白と言えというふうに言われても、白ではないので白とは言えないわけですね。グレーという言い方をするのが許されるのであれば、グレーはグレーであって、それはどんな行政庁であっても白にも黒にもならぬだろう、こういうふうなことでございます。しかも、彼らは大体二年でさまざまな部署をローテーションしているゼネラリストでございますので、彼らに専門的な見地からこれを適法かどうか判断してくれというのもちょっと無理があるのではないか、こういうふうな感じがしているわけでございます。
 このような形で、民間と行政の方々がそれぞれ真面目に法令を解釈する。まずは民間の人たちが、法令が想定していない新しいビジネスモデルがある、じゃ、これの適法性を判断してもらおうというふうなことで行政庁に行く、そうすると、真面目な行政庁の担当官が、非専門家の立場でありながら可能な限り職務に忠実に働こうとすると、適合していない可能性があります、こう答えなければいけない、こういうふうになりまして、この結果、結局、革新的なビジネスモデルの実施が頓挫してしまう。これが今起こっている課題だというふうに思っております。
 このような状態の中で、本来どういうふうな活動であるべきなのかというふうなことで、少し法令の話をさせてください。
 そもそも、法律を支える正当性というのは、立法事実というものに支えられているということになっております。ビジネスというのは、その法律の上で展開をされている。こういう三段構造になっているというふうに理解をしているわけですが、技術の進展というのは、まさにこの立法事実という土台が変動する、こういう状態だというふうに思っております。
 この土台である立法事実が変動したときに起こることは何なのかというのが、ここで大事なポイントであります。
 土台である、技術が変動したときに、何か法律が自動的に変わりまして、自動的に変わった法律の上に新しいビジネスが起こるというのは、これは全くの幻想だというふうに思っております。立法事実が動くと、まず初めにこれに反応するのは実はこの三段目にあるビジネスの方だ、こういうことでございます。まずビジネスが動いて、そのビジネスが多数の人々に支持される、要するに、みんながそのビジネスを使ってくれる、こういうことになると、このようにみんなに支持されているビジネスの法律上の位置づけが明確でないのはおかしいということで、民主主義の力が法律を変えていく、こういうことだというふうに思っております。
 決して、法律が抽象的に変わって、その上に法律に適合したビジネスができてくるなんということは起こらないというふうに思っております。まさに、新たなビジネスなくして法改正というのは起こらないだろう、こういうふうなことでございます。
 もしそうでありますと、今般の技術革新の大波みたいなところで、我々、我が国が生き残っていくということを考えたときには、まず新たなビジネスを試してみないとわからない。試してみて、これが人々が支持するかどうか、要するに、このビジネスモデルが成立するのかどうかというのを試してみないとしようがない。試してみて、もし本当に多くの人々がそれを支持するのであれば、この民主主義という偉大な力が、そのビジネスが適法になるように法律を変えるはずでございます。
 具体的に、いい例として、恐らく、エアビーアンドビーというのがあると思います。まずビジネスがあって、これがみんなの役に立つ、みんながこれを使うということになる。でも、法律がうまく当てはまらないねということになって、でも、みんながこれは新しい法律をつくらないといけないよねと考えて、民主主義の力で住宅宿泊事業法というのができたのではないでしょうか。
 これが恐らく現実だというふうに思っておりまして、実は、私がかつて勤めていたシリコンバレーではこのサイクルが高速に回っていまして、ルールを変える、ルールを変えると、そこは定義上ブルーオーシャンになっていますから、ここのブルーオーシャンを切り開いて、それを世界じゅうに広めて、先ほどありましたユニコーンと呼ばれるメガベンチャーを数多く輩出する。これが実はシリコンバレーのメカニズムであります。
 さらに、もっと申しますと、実はこれは中国も全く同じ方式でやっておりまして、中国もこの方式でイノベーションのサイクルをつくっている。これが今の中国の躍進につながっているんだというふうに思っております。
 日本を始めとする多くの国は、多分、コンプライアンスに対する考え方がこのシリコンバレーのようにはなっていないんだろうというふうに思っております。なので、先ほど申しましたように、官民の各プレーヤーが社会から期待されるところに忠実に動く、動けば動くほどイノベーションが起こらない、こういう構造になっているのではないかというふうに思います。
 この構造を変えるために、新たな枠組みとして各国で提唱されているのがレギュラトリーサンドボックスでございます。
 もともと、このサンドボックスというのは、テクノロジーの領域で新たなシステムを導入する際に行われる、一定の領域を切って新たなシステムを本番環境に入れてみて稼働状況を試す、こういうふうなITの用語であったわけですけれども、これをもとに、ビジネスの世界で、イノベーションを起こせない大企業の組織体制を打破するための経営手法として、オープンイノベーションの文脈で開発されたのがビジネスサンドボックスと呼ばれているものであります。
 このビジネスサンドボックスの要素というのは三つございまして、一つはまず、組織のトップがイノベーションにコミットするということでございます。イノベーションは既存の組織ではできないので、トップのコミットメントが第一に大事だ、こういうことであります。
 第二に、イノベーションを専担する小さな組織をつくれというふうに言われています。イノベーションの担当部署というのは素早く意思決定をする必要があるので、なるべく小回りがきく部署がいいというふうに言われております。
 第三に、既存の決裁パスとは異なる決裁パスをつくれというふうに言われています。この既存の決裁パスというのは、既存のビジネスに適合するようにつくっておりますので、そのような既存の決裁パスの中に既存のビジネスをディスラプトするようなビジネスアイデアを通そうとしても、まず潰れるでしょう。企画が潰されちゃうんですね。これは、仕組みが正常に動いていれば動いているほど企画が潰れてしまう。なぜなら、既存のビジネスモデルを推進しようとする決裁パスだからであります。
 そういうふうに考えますと、結局、イノベーションにコミットしたトップとイノベーションを専担する小さな組織を直結させて、イノベーションの部署はトップに直接報告して決裁を仰ぐ、こういう仕組みを既存の組織の中に一つ通しておく、これがビジネスサンドボックスと呼ばれているものであります。
 これを入れますと、既存の組織とは離れたところで、既存のビジネスモデルを壊しかねない革新的なスタートアップと協業することができるわけであります。その協業を通じて、失敗もありますけれども、発見された成功事例みたいなものが大企業の古いビジネスモデルを動かしていく、こういうことが起こるのでございます。
 英国を始めとする各国は、厳格な規制がしかれている金融分野を中心に、フィンテックを推進するんだというのを目的に、このビジネスサンドボックスの仕組みを行政部門に応用しております。これがレギュラトリーサンドボックスの成り立ちだ、こういうことになるわけです。
 このレギュラトリーサンドボックスのもと、民間事業者が、規制が想定していない新しいビジネスモデルを一定の領域を切ってまず試してみる、こういうことをします。それが利用者保護ですとか金融システムに悪影響を与えることがなく、人々の支持を得ることに成功するのであれば、これは許されるモデルだろうということになりまして、そのサンドボックスの中で、成功のもの、失敗のものがあるわけですけれども、これでデータを集める。このデータを使って、次の法令の改正、規制をどういうふうに変えていくかということを考える。これをぐるぐる回していくというのがレギュラトリーサンドボックスの真髄でございます。
 今般審議いただいています生産性向上特別措置法案というのは、金融分野に限らず、幅広い規制領域でレギュラトリーサンドボックスを展開することを可能とするものというふうに承知をしております。この点は、恐らく、各国でも余り見ない、日本独自の工夫であろうというふうに思っております。
 また、この法案は、新技術等実証計画と呼ばれている個別の対象プロジェクトに、主務官庁とそのプロジェクトに当たる事業を所管する担当官庁の両方を関与させる形で、対象プロジェクトを評価、認定をして、これを適切に行わせるよう支援する仕組みというふうに承知をしております。
 プロジェクトの評価に当たって、民間の専門家から構成される革新的事業活動評価委員会というのが意思決定を支援する、こういう形をとることによって、先ほどお話をしました、職務に忠実な余り決めることができない行政担当官というボトルネックを打破しよう、そういう仕掛けが施されているものだというふうに承知をしております。
 諸外国で展開されているレギュラトリーサンドボックスは、またそれぞれの諸外国のモデルがあるわけですが、今回のものは、それを参考に、我が国の官僚機構の行動パターンみたいなものを恐らく冷静に分析をしまして、民間の専門家の力をかりて、仕組みによって、行政庁の意思決定をイノベーション促進的なものに変えていこう、こういうことだというふうに理解をしておりまして、私としては、すぐれた仕組みだというふうに考えております。
 最後に、本委員会の先生方のリーダーシップによって、今回、このサンドボックスのもとで適法性や安全性を確保しつつ、我が国の民間事業者のイノベーションが力強く推進される仕組みが日本の法制度の中にインストールされる、これを我々は確信しておりますし、そのために私がお答えできること、また、それ以外にも何かお役に立てることがあれば何なりとお申しつけいただければと思います。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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稲津久#5
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、曽我参考人にお願いいたします。
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曽我孝之#6
○曽我参考人 日本商工会議所の中小企業経営専門委員会の共同委員長を務めます前橋商工会議所会頭の曽我と申します。
 群馬県前橋市にあります中屋商事という会社を中心といたしまして、全国展開する企業を含めまして数社の卸業を経営しております。
 まず最初に、商工会議所の概要について御説明をさせていただきたいと思います。
 商工会議所は、今から百四十年前の一八七八年に東京、大阪、神戸で設立されたのを皮切りに、現在では全国各地に五百十五の拠点を持ちまして、大企業から個人事業主まで包括した公的性格を持つ総合経済団体であります。地域に密着した民間組織でありながら、国や県など行政が進める施策を代行する役割も担っております。全国の総会員数は、百二十五万となっております。
 日本商工会議所は、この全国五百十五の商工会議所を会員といたしまして、各地の商工会議所が、その地区内における商工業の総合的な発展を図り、兼ねて社会一般の福祉増進に資するという目的を円滑に遂行できるよう、全国の商工会議所を総合調整し、その意見を代表している団体でございます。
 我が国の経済の景況や課題について所見を申し上げさせていただきます。
 我が国の経済は、個人消費の動きにはいまだ力強さを欠くものの、設備投資に動きが見られ、世界経済の改善を受けて輸出が堅調に推移するなど、総じて緩やかに改善してきていると思っております。特に、一時期ゼロ%近くまで落ち込んでおりました潜在成長率が、昨年四月―六月期以降、一・一%で推移するようになりました。
 我が国の最大の課題は、日本経済の成長する力、すなわち潜在成長率の引上げです。一%をようやく超えた潜在成長率を更に引き上げていくために、生産性の向上に向けた強力な政策を実行し、今のうちに持続的な成長基盤を構築することが重要であると考えております。
 そして、何よりも、我が国の持続的な成長と地域活性化の実現のためには、企業数の九九・七%を占め、雇用の七割を担い、給与支払いから発生する所得税収入の約四割、社会保険料負担のうち民間事業主拠出分五割を負担している中小企業、小規模事業者の活力強化が不可欠であります。
 その中小企業、小規模事業者は、現在、人手不足という大きな経営課題に直面しております。この課題に対応するためには、設備投資やIT、IoT、ロボット、AIなどの先端技術の活用などを促進し、生産性の向上に積極果敢に取り組んでいくことが必要であります。
 このような状況の中、本委員会で御審議なされている生産性向上特別措置法案などによって中小企業等の生産性向上を力強く推し進めていただけることは、まことに心強い限りであります。
 そこでまず、生産性向上特別措置法案に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、プロジェクト型の規制のサンドボックス制度についてです。
 本制度の導入により、さまざまな革新的な取組が生み出されることが期待されます。その際、中小企業にも活用しやすいように、わかりやすいガイドラインの提供などの御配慮をお願いしたいと存じます。
 二点目は、データの共有、連携のためのIoT投資の減税についてです。
 IoTの活用は、今後、大企業だけではなく、中小企業においても必要であり、導入を促進する設備投資に係る減税等の支援措置は重要と考えます。そして、中小企業への一層の普及を図るためには、好事例の横展開も非常に効果的です。政府におかれましては、中小企業におけるIoT活用に関する好事例の収集とその普及をお願い申し上げます。
 三点目は、中小企業の設備投資に係る固定資産税の減免等についてです。
 中小企業の生産性向上を図るためには、設備投資の促進が欠かせません。固定資産税の減免であれば、赤字法人であってもその恩典を受けることが可能となり、より多くの中小企業に対する設備投資のインセンティブになると考えております。この制度が、多くの地域の中小企業に使われることを期待しております。
 続いて、産業競争力強化法案の改正に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、技術等の情報に係る認定機関の認定制度の創設についてであります。
 情報漏えいは、会社の信用力を大きく損ないかねません。情報漏えい防止を図る認定制度を創設していただくとともに、中小企業が対応できるように、情報管理の手法を解説した重要技術管理ガイドラインの周知徹底や支援もあわせて行っていただきたいと思っております。
 二点目は、大学ファンドの支援対象の拡大についてであります。
 前橋商工会議所では、十数年前から産学官金連携推進会議を開催し、地元大学や金融機関、行政等が集まりまして、研究開発にかかわるセミナー、相談会等を実施しており、法改正により、東京大学など四大学発のベンチャーが各地方大学と連携する場合もファンドの投資対象に加えていただくことは、地域の活力向上に大いに資するものと期待しております。
 三点目は、創業の啓発に関する次世代の担い手確保であります。
 創業の新たな担い手をふやすためには、創業への関心を高める取組が非常に重要であると期待しているところであります。
 一方で、政府は開業率一〇%を目標としているのに対し、現在の開業率は六%弱にとどまっております。その中で、創業補助金の縮小や創業スクール事業の廃止など、創業支援予算は大幅に減少しています。政府目標の実現に向け、創業支援予算の拡充も必要だと考えております。
 最後に、中小企業等経営強化法の改正に関しまして、三点意見を申し上げます。
 一点目は、再編による事業承継加速化についてであります。
 団塊世代の経営者が大量引退期を迎えます今後五年から十年の間は、まさに大事業承継時代の到来となります。
 事業承継が急がれる中、平成三十年度税制改正において、先生方の御尽力によりまして、日本商工会議所が強く要望しておりました事業承継税制の抜本拡充を実現していただきましたことに、心から感謝申し上げます。
 さて、自社の話で恐縮でございますけれども、当社は八年前に、同業他社と事業部門を統合し、新しい事業会社を設立するという事業再編を行いました結果、おかげさまで経営力が向上してまいりました。その結果を受けて、県内そして近県の後継者が不在等の理由で廃業に追い込まれつつあった数社から、事業統合や吸収合併、子会社等の形で当社にその事業、会社を引き継がせていただいた次第であります。
 今回、法改正によりまして、経営力向上計画において、MアンドA等による事業承継を伴うものを対象に追加していただき、税制優遇等の支援をいただくことになっておりますが、事業承継税制とあわせまして、事業承継、再編が加速することを強く期待しております。
 二点目は、経営基盤強化のための支援能力の確保として、商工会議所を始めとする認定支援機関の認定制度に更新制等の導入が盛り込まれております。商工会議所といたしましては、更新制等への対応を通じて、一層の支援能力の向上に努めてまいります。
 なお、商工会議所、商工会では、平成二十六年に改正されました小規模支援法を踏まえ、事業者や地域の課題に応じて、国や地方自治体の施策の周知、活用支援等により、きめ細かい伴走支援を行い、実績を上げてきております。
 また、平成二十六年に設立されました小規模企業振興基本法に基づく小規模企業振興基本計画は、今後、見直しに向けた検討が開始されていると聞いております。
 商工会議所、商工会の役割は、今後、事業承継、生産性の向上、消費税引上げ、軽減税率、働き方改革など、ますます拡大し、業務量も増大の一方ですが、そのために必要な都道府県からの予算は減少傾向にあります。今後の基本計画の見直しにあわせまして、商工会議所、商工会の経営支援体制の強化に向けて、さらなる強力な御支援を心からお願い申し上げます。
 三点目といたしましては、IT導入の加速化のための支援体制整備についてであります。
 日本商工会議所は、かねてより、中小企業が安心してクラウドサービス等を活用できるようにするために、良質なIT事業者のリスト化、認定制度の創設を要望してまいりました。今回の法改正によりITベンダーの見える化がなされれば、中小企業のIT活用に弾みがつくものと期待しております。
 終わりに当たりまして、全国五百十五商工会議所といたしましては、経営支援力を更に向上させつつ、行政、議会や他の支援機関との連携を強化しながら、中小企業、小規模事業者の活力強化と地域経済の活性化に努力してまいる所存でございますので、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。
 御清聴、まことにありがとうございました。拍手
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稲津久#7
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、神津参考人にお願いいたします。
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神津里季生#8
○神津参考人 改めまして、おはようございます。
 働く者の立場から、こういった形で意見を述べさせていただく機会をいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
 まず、総論的に、生産性向上ということに対しての連合としての課題認識について、若干述べさせていただきたいと思います。
 まず、生産性三原則の重要性を、いま一度、社会的合意としていくことが大事だという点であります。
 御承知のとおり、私ども連合は、今、春闘のさなかにあります。私どもは、底上げ春闘、底上げこそ大事だということを標榜しておりまして、まさに今その真っただ中におきまして、全ての働く者の賃金の底上げ、底支え、格差是正の実現、そして全ての労働者の立場に立った働き方の見直しの実現、これを目指して取組を重ねています。
 そのもとで、昭和三十年以来、日本生産性本部が唱道をし、長年にわたって労使で確認をされてきています生産性の三原則、すなわち、雇用の維持拡大、そして労使の協力と協議、成果の公正分配、この三原則に基づいた生産性向上、このことの重要性をいま一度社会的合意としていかなければならない、こういったことを、この春闘、春季生活闘争の考え方の中に改めて入れ込んでいるところであります。
 経済、社会の健全な維持発展のためには、異なる立場にある労使が、生産性向上とそこから得られる成果の公正配分、これを実現するために徹底した協議を重ねる、この緊張感と相互信頼に基づく関係こそが生産性三原則の根本理念だと思っております。
 政府が我が国産業の生産性向上に正面から取り組む、このときには、まずこの原則の重要性の認識が社会的合意となることを目指しつつ施策を講じていただくということが重要だというふうに考えております。
 次に、企業間における公正かつ適正な取引関係を確立する観点であります。
 中小企業の生産性向上を妨げている根本の課題として、取引における構造的な問題があると思います。中小企業の多くは、原材料費の高騰やエネルギーコスト増に加えまして、人材不足による人件費の高騰などを価格転嫁できていない、そういう実態に少なからずあると認識せざるを得ません。
 この間の関係省庁あるいは産業横断的な取引の適正化に向けたさまざまな取組、これにつきましては一定程度評価をするものでありますけれども、まだまだ多くの中小零細企業にまでは及んでいないというのが現実ではないかと思います。
 中小企業の生産性向上には、取引の適正化が不可欠であると思います。サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配を実現するため、企業間における公正かつ適正な取引関係の確立に向けて、下請法を始めとする関係法令の周知とその遵守を徹底する必要があります。幾らいい製品やサービスが生まれても、その価格が上がらなければ生産性向上にはつながらないわけでありまして、そういった中では全ての施策はお題目に終わってしまう危険性が高いということを申し上げておきたいと思います。
 次に、変化に適切に対応するためにも、労使が参画する枠組みの構築を求めたいというふうに思います。
 我が国におきましては、IoT、ビッグデータ、AI等の技術革新が急速に進むと同時に、既に始まっている人口減少、超少子高齢化が急速に進んでまいります。このような中で、産業構造や就業構造には大規模な変化が必須だと思っております。
 これらに的確に対応するためには、政府と研究機関、産業界、労働界などが連携して、総がかりとなって、イノベーションによる新たな価値の創出及び組織の枠を超えたオープンイノベーションの促進に向けて、研究開発や設備投資に取り組むことが求められるところであります。
 また、これらの構造変化に対応したセーフティーネットの構築や、働く者の学び直し、企業の職業能力開発に対する支援、これらを強化する必要があります。その際には、持続的、安定的かつ包摂的な成長を実現する観点から、特に中小企業を含めた支援体制の構築が重要であります。
 連合に参画をいたします多くの労働組合は、日本生産性本部及び全国労組生産性会議の枠組みにおきまして、労使の共同参画により、これらの問題への深掘りを行ってきております。関係する施策を円滑に進めていく上では、これらの点も踏まえまして、労使が参画する枠組みを構築する必要があると考えます。
 次に、今回の具体的な法案への受けとめについて、幾つか申し述べさせていただきたいと思います。
 今回の法案につきましては、中小企業における設備投資やIT化を支援する施策が多く盛り込まれていると思います。中小企業の負担軽減、底上げ、底支えに資するという方向性についてはおおむね評価できるというふうに考えております。
 その上で、個別の課題につきまして、生産性三原則、先ほど改めて申し述べましたけれども、その中でも、とりわけ雇用の維持拡大、労使の協力と協議、それらの重要性などの観点も交えて、以下、幾つか意見を申し述べたいと思います。
 まず、生産性向上特別措置法案における主な措置事項についてであります。
 幾つか申し述べたいと思いますが、まず、プロジェクト型規制のサンドボックス制度についてです。
 この制度につきましては、新技術の実証実験を行おうとする取組を促進させるものでありますから、その意義については理解をするところであります。
 また、参加者や期間を限定することでリスクの適切な管理を図ること等によりまして、既存の新事業特例制度やグレーゾーン解消制度に比べて環境整備が進んでいることや、新たに評価委員会、革新的事業活動評価委員会や一元的窓口を設置することによりまして意見聴取や検討プロセスが充実する点については評価ができるというふうに考えます。
 しかし、この制度のもとで、新たな規制の特例措置を雇用、労働に関する諸規制に適用するというようなことによって労働基準を後退させるようなことがあってはならないのは当然であります。また、同様に、国民の安全や健康の確保、環境保全など、社会の質にかかわる規制は除外をすべきだと思います。つきましては、その点を明確にされるよう強く求めておきたいと思います。
 加えまして、実証計画の認定の透明性や納得性を高めるための措置を講じることも重要であると考えます。
 次に、データの共有、連携のためのIoT投資の減税等についてであります。
 ビッグデータの活用促進を目的とする制度創設に当たりましては、データのセキュリティー対策、共有されるデータと個人情報との遮断などが厳格に行われるべきであり、そのための万全の対策を講じるとともに、監視、チェックを行う体制整備が求められます。
 また、この仕組みは、一定レベルのセキュリティー対策が確認できた事業者について、国や独法等に対しデータ提供を要請できる手続を創設するという制度でありますから、その対象は大手企業が中心となり、中小企業との格差が拡大するということも懸念をされるのではないかと思います。中小企業にも広く適用されるよう支援が必要だということを申し述べておきたいと思います。
 加えまして、そもそも、IT人材、セキュリティー人材は必ずしも十分ではない、いかに確保、育成するかという課題もあります。これらの対策を講じることも極めて大事だということも申し述べておきたいと思います。
 次に、中小企業の生産性向上のための設備投資の促進についてであります。
 中小企業における設備投資の必要性がある一方で、その設備を使いこなす人材確保と教育が伴っていないという課題があります。そのため、産業界と教育機関等が連携し、中核的人材の確保、育成、技能、技術の伝承の充実に向けた支援を行う必要があると考えます。
 また、この制度の対象となる設備投資の要件として、導入により労働生産性が年平均三%以上向上とあるわけでありますが、その算出方法をわかりやすく示す必要があると思います。
 あわせまして、生産性向上を図るためには、投入時間とアウトプットだけの問題ではなくて、多能工化や付加価値を生むことができる人材教育、育成が必要であります。そのための支援を同時に進めるべきと考えます。
 さらに、中小企業の経営者にとって使い勝手のよい制度として有効に活用されるよう、窓口の一元化や手続の簡素化をあわせて進める必要があると思います。
 次に、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案における主な措置事項について幾つか申し述べたいと思います。
 まず、会社法の特例措置等についてであります。
 MアンドAによります企業買収におきましては、現実に労使関係が悪化をし、雇用問題や組合潰しが生じているケースも間々生じている、散見をされているところであります。また、そこまで行かずとも、事業の再編、再生は、雇用の維持、確保に大きな影響を与える可能性があることは言うまでもありません。従業員の主体的な関与と理解、協力なくしては事業の発展はあり得ないのでありますから、産業競争力強化法のそもそものあり方として、計画の策定、実施に際して、雇用の安定に十分な配慮を行うこと及び労働組合等との協議を前提とすることは不可欠であると考えるところであります。
 そのため、産業競争力強化法を補強すべき点として、計画認定の要件に、計画の実施に際しては雇用の安定に最大限の考慮を払うこと、そして、労働組合等と十分な協議を行い合意を得ることを盛り込むこと、また、第百四十二条、雇用の安定等におけます雇用の安定、これにつきましては、直接雇用に限らず、派遣や請負といった間接的な雇用も対象とすることを盛り込むこと、これらをそれぞれ求めたいと思います。
 次に、事業継承や創業の促進によります新陳代謝の加速化についてであります。
 昨今、黒字企業が継承者不足により廃業するケースが増加していることは問題であります。再編統合による事業承継を後押しすることにより、社外承継における課題の解決を支援する点は評価ができると考えます。地域活性化あるいは特徴ある技能、技術の継承等、輝く中小企業づくりを後押しする施策の実行につなげていくことが必要であると考えます。
 あわせまして、経営力向上計画を策定、申請し、認定を受けるまでの手続の簡素化が求められると思います。
 もう一つ、時代に対応した経営支援体制の基盤強化であります。
 中堅・中小企業におけますIT導入において、ITに精通した人材が企業内に不足していることは大きな課題であります。本施策によりまして、支援体制が整備される点は評価ができると考えます。
 先ほどの事業承継や創業の促進とも共通の課題でありますが、必要なときに指導、相談に乗ってくれる専門家の派遣や地域の経済団体との連携を含めた支援策の強化が必要であると思います。
 以上、私どもからの発言とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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稲津久#9
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、福家参考人にお願いいたします。
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福家秀紀#10
○福家参考人 駒澤大学名誉教授の福家でございます。
 きょうは、法案の審査に当たり、意見を述べる機会を与えていただいて、大変光栄に存ずる次第でございます。
 まず、私の問題意識といたしましては、お手元の資料に即してお話をさせていただきたいと思うんですが、アメリカのIT企業、この市場支配力の問題があります。
 表の一、ちょっと字が細かくて、一枚の表にしたものですから、申しわけないんですけれども、GAFAと言われているグーグルそれからアップル、フェイスブック、アマゾン、それに加えてマイクロソフトのここ数年の営業実績を表にしてありますが、これをごらんいただいてもわかるように、各社とも売上高の伸び率というのは非常に大きい。二〇%は超えている。それから、売上高の営業利益率を見ましても、小売業のアマゾンを除きまして二十数%。我が国で、もうけ過ぎじゃないかといってたたかれることの多い携帯電話事業にしても、売上高の営業利益率というのは十数%、たかだか。これをはるかに上回る利益を確保している。いかに収益性が高いかということが御理解いただけるんじゃないかと思います。
 この中でも、ちょっと付言しておきますと、グーグルとフェイスブック、これは広告収入に依存をしております。グーグルは、徐々に低下はしてきておりますけれども、やはり九割近い売上げは広告からだ。それから、フェイスブックに至りましては、ほぼ全額、これが広告収入。したがって、彼らが、個人データを収集してカスタマイズした広告を出そう、こういう戦略に躍起になるのは、こういう背景があるからだろうというふうに思っております。
 同時に、広告をベースにしてこれだけ利益を稼いで、じゃ、それを何に充てているかというと、これからの新しい技術に対応したAI等最新部門に投資をしていっているわけでございまして、日本の企業でこういう余裕があるところは非常に少ないんではないかというふうに思っております。
 アマゾンの場合は、利益率が低いと申し上げましたけれども、二重線の上にAWS、アマゾンウエブサービスというのを挙げておりますが、これはクラウドサービスなんですね。これは非常に利益率が高くて、アマゾン自体は、このウエブサービス、クラウド事業で稼いで、それで会社が存続していると言っても過言ではないというふうに思います。
 それでは、どうしてこういう企業が稼ぐことができるのか、高い収益性を確保しているのかということに移らせていただきたいと思うんですが、ここでは、ネットワークの外部性、特に両面性市場と言われておりますが、英語ではツーサイディドマーケットと言っておりますけれども、この特徴をうまく利用しているということが言えると思います。
 経済学では、ネットワークの外部性というのは、取引所の当事者以外に取引によって何らかの影響を与える、これを外部性というわけですが、これは、ネットワークに関して言われるときにはネットワークの外部性というふうに称しております。一言で申し上げますと、ネットワークの利用者がふえればふえるほど、そのネットワークの効用が増し、消費者にメリットがあるから、ますますネットワークが巨大化をしていく、こういう現象でございます。
 その中でも特に特殊なのがツーサイディドマーケットでありまして、これはどういうことかというと、ある企業の顧客に二つのタイプがある、例えばグーグルでいいますと、検索サービスの利用者、それから一方で広告主がいるわけで、その両者の関係をうまく利用してビジネス展開しているわけです。ですから、検索サービスの利用者がふえれば、それを対象に広告を出していく、広告を出す人がふえればアマゾンは懐が潤いますから、検索サービスを充実させることができる、そうすると利用者がふえる、利用者がふえればますます広告主がふえてくる、こういう好循環が生ずるわけでございまして、GAFAはいずれもこういう関係を利用しております。
 こういうことをなぜ申し上げているかと申し上げますと、革新的なデータ産業という場合に、こういう仕組みをうまく利用していくということも必要なことではないかというふうに考えているわけでございます。
 ただ、一つ問題がございまして、ネットワークの外部性、これを利用してどんどん事業が大きくなってくると、寡占化、独占化という現象が生じます。そういうことになると、経営者全員が善人というわけではないので、この市場支配力を濫用していこうではないかということが生じる可能性がありますので、独占禁止法の観点から、すぐに規制するということでないにしても、監視を強めていく必要があるんではないかと考えております。こういう点で日本の公正取引委員会はいささか規制に及び腰ではないかという危惧を抱いているわけでございます。
 アメリカのIT企業に規制適用に対して消極性ということで、今のとは直接は関係しないところでございますが、通信の秘密というものがございます。通信の秘密は、先生方は御存じのように、憲法で保障され、それを受けて、電気通信事業法で、電気通信事業者は通信の秘密を遵守しなければいけないということが定められているわけでございますが、ここで、何が、どういう企業が通信事業者かということでありまして、NTTのような通信会社、携帯電話会社、これは明らかに通信事業者なんですけれども、じゃ、グーグルはどうなんだということなんですね。
 通信事業者の条件というのはいろいろありますけれども、第三者間の通信の媒介をしている、そうすると、グーグルのメールサービス、これは、皆様方がやりとりされる情報、これを媒介しているわけですから、通信事業者じゃないかということになるわけです。ところが、日本では、じゃ、これをどうするか。
 グーグルは、例えば、行動ターゲティング広告と言っていますけれども、Gメールなどの内容を分析して、個々にカスタマイズした広告を出してきているわけですけれども、これはメールを見ているからなんですね。グーグル自体は、人が見ているんじゃない、機械が見ているから問題はないんだと称しているわけですけれども、これからAIがどんどん普及していってそういうことが言えるのかという疑問を持っているわけでございます。
 これに対して、日本の、例えばヤフーが数年前にインタレストマッチという同様のサービスを提供しようとしたときに、これは通信の秘密の観点から問題があるということで、いろいろな条件をつけられたわけです。ところが、グーグルに対しては実質手をつけられない。こういうことが続きますと、ますます日本の企業の国際競争力、これをそぐことになるのではないか。やはり、日本のあるいはアメリカの企業の間で、規制の適用について非対称性があってはならないのではないかと思うわけです。
 じゃ、これに対して世界ではどうかということになりますと、参考資料の二ページ目に表二というのがございますけれども、個別の御説明は省略させていただきますが、いろいろな機会を捉えて、日本の独占禁止法に相当する競争法に違反しているではないかと告発しているわけです。現実に、一番上の買物検索については、昨年六月に、二十四億二千万ユーロ、三千億円近い課徴金を課しているわけです。こういうことに対して沈黙しているのはいかがなものかというのが一つ、問題意識であります。
 このことだけ言うとやはりまずいかなと思って、公正取引委員会も、最近、去年あたりから研究会で報告書を出したり、あるいは、先月末の日本経済新聞の記事によりますと、委員長がデータに関して独占禁止法の観点から検討すると言われておりますので、これは今後に期待したいと思うわけであります。
 それからもう一つ、ネットワークの外部性にも関連するんですけれども、IoTあるいはビッグデータ、これをAIを活用して分析していくというときには必ずネットワークが使われます。そのネットワークが独占的になってきた場合に、これをどう考えるかということですね。
 だから、いろいろなネットワークがあるときに、その間のインターフェースを標準化してやらないと競争が働かないという現象が生じます。例えば携帯電話ですと、三社のネットワークをお互いに接続をしているということで、先行事業者であるNTTドコモの独占力が働かないような仕組みが入れられているわけですけれども、これを考えていかなければいけないと思うんですけれども、なかなか厄介なのは、この分野というのは、そういう場合に標準化が必要になるんですが、公的な標準化がうまく機能するかというと、必ずしもそうではないわけですね。
 グーグルの検索サービス、どこかが認めた標準かというと、そうではなくて、いろいろな人が圧倒的に使うからこれが事実上標準になってきている。そういう分野についてこれからどういうふうに考えていくか。これは単純な規制は難しいかもしれないけれども、やはり、監視をして、問題があれば是正をしていくということも必要になってくるのではないかと思います。
 三番目に、次に、表が二つ、三の一と三の二とつけさせていただきましたが、我が国が個人情報保護の仕組みでやはりEUに立ちおくれているのではないかということでございまして、EUは、この二枚目のところに、九番目に、域外へのデータの移転という項目がありますけれども、EUと同様の個人情報の保護の仕組みが、個人データの保護の仕組みができていない国には個人データを移転してはいけない。
 これは常に生ずるわけですね。日本企業がEUの利用者宛てにオンラインサービスを提供しようとすると、必ず利用者の情報がこちら側に来ないと提供できないわけです。そういう意味で、向こうのデータベースにあるデータをこっちへ持ってこようということではなくて、ビジネス展開する場合に必ず必要になってくる。
 そういう意味では、ここで立ちおくれるということは、EUからEU向けのサービスを禁止されるおそれもあるということでありまして、特にどういうところが私が気になっているかといいますと、表の三の二に六から八までありますけれども、それから、その前のページに、五番目に、忘れられる権利、これは一番下にありますが、データが必要でなくなったり、要は、データを提供するという同意を取り消すとどうなるかというと、これは削除しなきゃいけないということになっておりまして、これは本当に真面目にやり始めているんですね。
 先週も、SSRNという国際的な論文のデータベースを提供している機関があるんですけれども、そこからメールが来まして、おまえ、最近利用していない、今後も利用する気がないのならデータを削除する、利用する気があるのならその旨申し出よ、もう既にそういう行為をとっているわけですね。
 次のページ、先ほど申し上げましたが、データポータビリティー、個人のデータを自分で取り戻してほかの企業に移転する、あるいはプロファイリングですね、AIで個人のデータを集めてきて、この人間はどういう人間だというのを分析をする、こういうことに対しても規制をかけている。それから、データの保護の責任者を置かなきゃいけないと言われているんですが、これは日本企業で本当に対応できているところはあるのだろうかということは危惧を抱いております。
 しかも、十番目にありますように、違反に対しては巨額の罰金を科す、制裁金を科すということで実効性を高めているわけでございまして、この仕組み、日本ではここは対応がおくれている。おくれているからといってそれでいいのかというと、事実上ビジネスができなくなる可能性がありますので、しっかり対応していく必要があるのではないかなと思います。
 以上に基づいて、まとめてでございますけれども、事業者が革新的な技術、ビジネスモデルの実証プロジェクトを行う際に規制のサンドボックス制度を設けるということがうたわれておりますが、これはどの分野でやるということは決められていないので、データを利用する可能性というのは非常に高まってくるわけです。あらゆる分野のデータが対象になる可能性がございまして、これを、いろいろな仕組みの中でセキュリティーを確保していこうということはうたわれておりますが、現実にはどうなるんだろうか。
 この法律自体は三年の時限立法ということになっていますけれども、集めたデータ、データは皆様方御存じのように、フェイスブックで問題になっていますけれども、一旦集めてデータベース化されると、取り戻す、もとへ戻すということはなかなかあり得ないところでありまして、じゃ、そういうものをどうしていくんだというようなことも考えていかなければならないということであります。
 そういうことを考えていきますと、フェイスブックもまずいな、年金情報も漏れていっているのはまずいなということで、利用者から見ますと、こういうデータの提供、利用について消極的にならざるを得ないわけです。
 そうならないようにするというのは何が必要か。個人が安心して個人情報を提供できる仕組みをつくり上げていかなければならない。利用者の保護がやはり確保されて初めて革新的データ産業の育成という、競争力の強化につながっていくんだろう。
 消費者の安心感、信頼性の確保、ここがまず産業競争力強化のベースになるんではないかということを強調いたしまして、私のまとめとさせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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稲津久#11
○稲津委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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稲津久#12
○稲津委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。
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勝俣孝明#13
○勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。
 本日は、各参考人の皆様方におかれましては、それぞれのお立場の中で貴重な御意見をいただきましたこと、まずもって心より御礼を申し上げる次第でございます。
 今回、生産性向上特措法及び産業競争力強化法案という形で、この両法案に対してそれぞれ参考人の皆様方のお立場でお答えをいただければというふうに考えております。
 まず最初の御質問でございますので、参考人の先生方全員に、IT人材の不足について少しお話をさせていただきたいなというふうに思っております。
 今回の両法案の背景にある問題というのは、皆さんも御承知のとおり、やはり我が国が直面している少子高齢化、そして人口減少社会の進展に伴い生産年齢人口が減少傾向にあるということでございます。
 昨年の平均の有効求人倍率は一・五倍ということで高水準になりましたけれども、逆に言えば、非常に人手不足に陥っている状況でもございます。これが、労働市場が非常に逼迫しているということも言えるのでありまして、経済成長に非常にストップがかかっているということも言えるわけでございます。
 私は地元が伊豆半島でございまして、観光地でございます。今、熱海も非常に多くのお客様が来ていただいているんですが、宿泊客数が熱海市で今三百万人。これは三年間ずっと頭が三百万人で、なかなか抜け出せない状況です。人はにぎわっているんですけれども、働く方がなかなかいらっしゃらないということで、機会損失になってしまっているということが身近でもあるんですね。
 各業界で、介護の業界もそうですけれども、さまざまな形で、人手不足ということで、経済成長の制約要因になっているという指摘もあります。
 このような中で、私たちは、IoT、ビッグデータ、ロボット、AIといった第四次産業革命によって、ビジネスや社会のあり方を根本的に変革し、そして新技術を駆使して生産性革命をなし遂げて、そして人口減少に伴う供給制約や人手不足を克服し、経済成長を遂げていくということを狙いにしているわけでございます。要するに、人づくり革命と生産性革命という二つの革命を実現していくことで成長と分配の好循環を確立していくということでございます。
 しかしながら、その生産性革命によって人手不足を補うということをする前に、その革命を起こすべく中心となる我が国のIT人材の不足が懸念されているわけでございます。
 そこで、最初の質問でございますけれども、中小企業庁の調査の中でも、先ほども曽我参考人の方からもお話が出ましたけれども、IT投資を行わない理由のうち、四三・三%の中小企業はITを導入する人材がいないという結果も出ております。また、経産省の調査の中でも、IT人材の不足は、現在でも十七万人不足している、また二〇二〇年には約三十七万人の不足、二〇三〇年には七十九万人の不足とも言われております。
 この各産業の人手不足を解消する前にIT人材の不足を解消していかなければならない中で、第四次産業革命に向けた人材力の強化を図っていかなければなりませんけれども、参考人の皆様のお立場で、IT人材の不足の解消策がございましたら、それぞれお答えいただければというふうに思います。
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稲津久#14
○稲津委員長 それでは、順次参考人の方々に伺います。
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冨山和彦#15
○冨山参考人 御質問、どうもありがとうございます。
 多分、御案内の方もいらっしゃるでしょうけれども、私ども、地方でバス会社を経営しております。東北地方、北関東で約五千人ぐらいの雇用を抱えております。
 恐らく、生産性指標的にいいますと、地方バスの中では多分断トツに高い生産性になっておりまして、なぜそうなっているかというと、やはり今先生御指摘のように、実はITを非常に活用しております。例えば、ICカードを導入することによって路線別の収支をちゃんと把握する。あるいは、今入っていますドライブレコーダーというのを実は運転手の生産性向上にも使っております。
 問題は、おっしゃるとおりで、なぜ我々ができてほかのバス会社ができないかというと、私どもは、ある意味では、それなりの人材を抱えている組織でございますので、そういった人間がそれぞれの地域のバス会社に張りついて、ある種、既存の技術だけでもそれだけの生産性を上げられるということになりますから、今後また新しい技術が自動運転を含めて出てまいりますと、多分そこで物すごく差がつきます。
 ただ、そこで気をつけなきゃいけないのは、いわゆるITの専門家である必要はなくて、大事なことは、今既に世の中に存在しているITの技術を使いこなせるかどうか、自分で開発するわけではありませんので、あるいはITの専門家を使いこなせるか、そういうことだと思います。
 そういった意味合いでいいますと、どちらかというと、経営側のITリテラシーの問題は私はすごく重要だと思っていて、必ずしも、いわゆるばりばりの、ちょっとナーディーなというかオタッキーなITの人をたくさん抱える必要はなくて、むしろ、ITがわかっている経営人材あるいは経営を補助する人材というものをどれだけ社会全体で厚みが持てるか。そういった人材が、私どもが青森から神奈川まで、そういう人はうちの会社は張りついていますが、そういった人間をもう一度地方に循環できるか、あるいは中堅・中小企業に循環できるか、この循環がつくれるかどうかが私は鍵だと思っております。
 以上です。
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増島雅和#16
○増島参考人 私はITの会社にいろいろアドバイスをするということをしておるわけですけれども、あとは金融機関のアドバイスが非常に多くなっております。
 その金融機関の方の方々は、とにかく今、フィンテックが来るということで、人材が余ります、どんどん人を減らすんですということをしている一方で、中にITの人材がいません、こういうことになっているわけでございまして、この中の人たちをどんどん、ITの人材化、切りかえていく、こういうような活動が必要なのではないか、こういうお話をしておるわけでございます。
 その観点からいいますと、例えば、アップルの創業者のスティーブ・ウォズニアックという方がいますけれども、この方が今やっているビジネスは、企業向けにオンラインで、従業員の方のスキルチェンジのための、ITの人材化に切りかえるような、こういうサービスを今展開しているということをやっていまして、アメリカなんかでも同じような状況だというふうに理解はしていますが、既存の人たち、従業員、この人たちを切っていくということではなくて、雇いながらそのスキルをIT人材化していく、こういうサービスがいろいろ出てきているというのがあり、恐らく、日本もこういうことをやっていかなければいけないのだろうというのが一点でございます。
 もう一点は、我々、MOOCsという形で申し上げておりますけれども、実は、ITの話というのは今、学ぼうと思えばほとんどただで学べる、こういう状態になっておりまして、あとは、これをどういう形で人々にインセンティブを持ってやってもらうか、こういうふうな大きな問題がある。
 恐らく、それぞれの人たちはみんな、自分の今まで持っていたスキルがITから離れていたということで、どうしてもなかなかそこに向かうことができない、こういう状態にあると思うんですけれども、でも、ますますそういう人たちはこれから活躍の場がなくなってしまうということでありますので、実際、そういうただで提供されているサービスが存在して、それによって実はIT人材化することができる、こういうことなんですが、そのことすらも余り知られていない、こういう状態になっている。このあたりをどういう形で人々に知らせていって変わっていってもらうのか、ここは非常に大事なポイントなのではないかというふうに思いました。
 ありがとうございます。
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曽我孝之#17
○曽我参考人 生産性の向上や中小企業の経営強化のためにITだとかIoTだとかAIが必要だということについて、まだ残念ながら十分理解されていない経営者がおりますので、まずそのことを気づかせるというふうなことがすごく大事じゃないかなと思っています。
 そのためには、セミナーや相談会や専門家の派遣などの普及啓発の事業をやっていくというようなことが一つでございまして、そして、人材に関しましては、社員に対していわゆるIT教育をすることがすごく重要だと考えています。社員教育にかかわる支援というのを充実を図っていただければなと思っているところでございます。
 なお、日本商工会議所では、来年からプログラミングに関する検定試験を開始いたしまして、IT人材の育成に努める所存であります。
 ただし、社員教育を行うにしても、すぐに対応できるものではないことから、専門家の活用が不可欠となります。その場合、小規模事業者でも利用しやすいクラウドサービス、中でも複数のビジネスアプリの導入や活用に精通したIT支援人材の認定制度を創設していただきまして、中小企業者や小規模事業者がこれを活用してIT化を推進していく。そして、それらの方々、専門家の方々の業務を見ながらOJT的に社内の人材を育てていくというようなことが中小・小規模事業者にとっては大事なことじゃないかなと思っています。
 以上です。
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神津里季生#18
○神津参考人 IT人材の問題については、先ほど意見で申し述べた中でも若干触れているんですけれども、やはり人材教育、育成に力を入れるということはまず必須だと思います。
 その上でなんですが、二つ申し述べたいなと思うんですが、一方で、やはりITというのはもう別に特殊なことでも何でもなくて、普通に我々、身近なところでいかにこの力を活用していくかという、そういう世界だと思います。
 そういう中では、二つ申し上げたいと言っておりますうちの一つなんですけれども、やはり教育そのものの基礎的な力を日本はもう一度取り戻さなきゃいかぬということだと思います。
 この二十年間、デフレの経済状況の中にあって最も日本にとって深刻なのは、やはり格差が開いてしまったということでありますし、教育の貧困だとか貧困の連鎖ということが、本当にこれは現実、重たい問題となってしまっているということだろうと思います。
 これは、世界を見渡しても、私ども労働組合の国際的な連携もあるんですが、やはり貧困なり格差の拡大というのは世界で共通した問題です。これは、そのことの背景に、グローバル化そしてIT化ということがあることも事実だと思います。
 そのこと自体は、これは時間を巻き戻すなんということはできるわけではありませんから、所与の前提として、IT化、グローバル化の中で、しからば日本としてこれからどうあるべきかということで考えると、教育においてITをしっかりと科目としてやるなんというのは当たり前の話だと思いますから、そもそもそういうことが受けられるような教育、教育の無償化ということも今非常にスポットを浴びていますけれども、本格的に奨学金の問題も含めて進める必要があるんだろうというふうに思います。
 それから、二点目は中小企業にとっての視点ということで、これは今、曽我委員がおっしゃったこととかぶるかもわかりませんが、やはり、中小企業あるいは本当に小規模事業の方々は、IT人材を中に取り込むということがなかなか難しい実態もあろうかと思います。日本の中で、あるいは世界の中で、どういう人材が、どういう能力を持った人たちがいて、どういう利用ができるのかというようなことがわかりやすく提示されるということは極めて重要ではないかというふうに思います。
 以上です。
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福家秀紀#19
○福家参考人 必ずしも専門分野ではないので的確にお答えできるかどうか自信がないわけでありますが、二点お話をさせていただければと思います。
 一つは、ITの活用という場合に、日本の企業はとかく自前主義に陥りやすいわけでありますが、外部サービスを利用するということであれば人材の不足を補える、しかも、分母をふやすことによってそのサービスのコストを下げるということもできるわけでございますので、そういった視点も重要ではないかというのがまず第一点です。
 それから、大学で教育に携わってきた経験で申し上げますと、ことしこそ就職難というのは解消してきているようでありますが、就職難の時代でも、ITの分野に希望すればいいじゃないかということを学生によく言っていたんですけれども、彼らは何と答えるかというと、ITは働かされるから嫌だ、そういう答えが多いわけですね。
 ということは、やはり、ITの人材を確保したいということを考えると、労働条件、ともかく奴隷のように働かされると言われるところもあるわけですけれども、そうではないように労働条件をきっちり改善していくということもIT分野の人材確保という視点から重要なのではないかというふうに感じております。
 以上、素人の意見で恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。
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勝俣孝明#20
○勝俣委員 時間が来ましたので、本当に貴重な意見をありがとうございました。
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稲津久#21
○稲津委員長 次に、國重徹君。
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國重徹#22
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 本日は、何かと御多用な中、五名の参考人の皆様に当委員会までお越しいただきまして貴重な御意見を賜りましたこと、まずもって心より感謝と御礼を申し上げます。
 まず、増島参考人にお伺いいたします。
 先ほど意見陳述の中で、技術進展によって、立法事実、この土台が変動するんだ、立法事実が動くとビジネスが動く、多数の人が支持をする、そして民主主義の力で法律ができたり法改正がされる、これが現実なんだということをおっしゃいました。また、シリコンバレーではこういったサイクルが高速に回っている、また、中国もこの方式で躍進しているというようなことをおっしゃられました。
 第四次産業革命で主導権をとろうと各国の競争が激化している中で、特に今回のサンドボックス制度というのは日本独自のものなんだ、諸外国とは少し違うんだというようなことでおっしゃった上で、このサンドボックス制度を評価するというふうに述べられました。
 一方で、これまで、類似の制度として、新事業特例制度、またグレーゾーン解消制度、これが約四年前からスタートしたわけでありますけれども、新事業特例制度についての利用実績は十一件、また、グレーゾーン解消制度の利用実績は百十六件ということで、活用状況は低調になっております。
 そういった中で、今回のこのサンドボックス制度、これを活用をより広げていくためにはどういったことが必要になってくるのか、ポイントになってくると思われるのか。また、先ほど言った、類似の制度は四年間でそのような低調な活用状況でありますけれども、今回のこのサンドボックス制度というのは三年間の時限法になっております。そういった中で、どのように広げていくことがポイントになってくるのか、三年間で足りるのか。こういったことについてまずお伺いしたいと思います。
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増島雅和#23
○増島参考人 ありがとうございます。
 今回の規制のサンドボックス制度がグレーゾーン解消制度ですとか特例制度の低調な状況のような二の舞にならないか、こういうふうなお話だというふうに思っていますが、我々、民間の事業者さんにアドバイスをする際に、グレーゾーンありますよ、特例制度ありますよ、こういうお話を申し上げるわけですけれども、皆様がこの制度を使わない要因として一様にありますのが、遅いということを申し上げるという、こういうことになっているということでございます。もう一つは、やはり、それで本当にうまくいくのかどうかよくわからない、こういうふうなことをおっしゃるということであります。
 今回のこの制度は、実はグレーゾーンとか特例制度とやはり大きく違っておりまして、いいかどうかよくわからないけれども、まずやる、こういう制度だというふうに承知をしております。
 そのまずやるというのを行うに当たっては、やはり、まずスピードを持ってやるんだ、こういうふうなことだというふうに承知をしておりますし、あと、ビジネスをやられる方としては、やった結果、できなかったみたいなのが一番まずい、こういうことだと思いますので、そのやりたいことが一〇〇%もしかしたらできないかもしれないけれども、ここまでだったらできるよ、こういう形だったらできるよという形で、その領域ですとか期間ですとか人ですとか、こういうのを制限をして、前向きな形で一つ落着をさせることが恐らくこの制度ではできるのではないかと思っております。
 ここでその実験をしてみる、結局、これはできるじゃないですかという話になれば前に進める、こういうふうな話だと思っておりますので、この制度のほかの制度との違い、特徴ですね、速い、そして、できる、ここを何かアピールすることができるとよいのではないかというふうに思っております。
 ありがとうございます。
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國重徹#24
○國重委員 ありがとうございます。
 続きまして、今の続きですけれども、この規制のサンドボックス制度につきまして、革新的な技術やビジネスモデルの実証計画は、主務大臣がヘッドになって、革新的事業活動評価委員会に意見を聞いた上で認定することになっております。この評価委員会の役割というのは、私は極めて重要になってくると思います。
 規制所管省庁に前向きな検討をさせるためにはどのようなことが肝になってくるとお考えか、お伺いいたします。
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稲津久#25
○稲津委員長 國重質問者、増島参考人でよろしいですか。
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國重徹#26
○國重委員 はい。
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増島雅和#27
○増島参考人 ありがとうございます。
 結局、専門家の方であれば判断ができるということが幾つか起こってくるだろうと思っています。行政官の方は、そこの中で上がっていかなければいけないという中で、無謬性といいますか、間違えちゃいけないという問題意識から、比較的やはり保守的にお答えをされるというふうな中で、専門家の人たちはもう少し判断がより正確にできるのではないかという部分。
 あとは、実際にやるものの中で、ここまでであればいいという限定解釈みたいなのがある程度できることによって、例えば、社会全体に行うとするとちょっと適法性が確保できないかもしれないけれども、この領域でやるのであればそれは業とは言えないのではないかとか、こういうような解釈を使っていって、できる領域というのを広げる。
 こういうような評価、アドバイスというのが恐らくこの専門委員の方々に求められているんだろうというふうに思います。
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國重徹#28
○國重委員 ありがとうございました。
 それでは、曽我参考人にお伺いいたします。
 先ほど、事業承継の重要性についてもお話をいただきました。二〇一五年に中小企業庁が実施した調査によりますと、在任期間が短いほど、親族内承継の割合の減少と従業員や社外の第三者による承継の増加傾向が見られる、特に直近五年間では、親族内承継の割合が全体の約三五%にまで減少し、親族外承継が六五%以上に達しているとの結果が示されております。
 こういった親族外の第三者に事業承継をする場合、登録免許税また不動産取得税の軽減措置を、今回、講ずることとされておりますけれども、これだけで事業再編等、事業承継が促進されるとお考えかどうなのか、また、別に何が必要とお考えか。MアンドA、先ほど実際にされたというような御経験もお伺いしましたけれども、そういった御経験も踏まえた上での見解をお伺いできればと思います。
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曽我孝之#29
○曽我参考人 おっしゃるとおりでございまして、なかなか法的措置だけでは無理な部分がございまして、基本的には企業と企業のつながりでございますので、それをうまく組み合わせられるようなシステムあるいは組織が必要なんじゃないかな。
 私どものケースの場合には、やはり金融機関が中に立っていただきまして、それで縁組ができたという形でございまして、ある意味では、企業承継のうちでのMアンドAなり吸収なり子会社化なりということについては、本当にその御縁をどうつくれるかがポイントだと思っていますので、会議所といたしましても、この事業承継につきましては、各会議所の分野の中で、そういう申出があったときにはつなぎ役を務めるように努力してまいりたいと考えています。
 以上であります。
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