更田豊志の発言 (原子力問題調査特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 四点についてお答えをいたします。
 まず、地震に係る審査に時間を要していること。
 これは、申し上げるまでもありませんけれども、各施設の置かれているサイトごとに状況が違いますので、プラントに対する審査に比べますと、やはり、地震に係る審査は、それぞれの置かれている施設の位置に応じて個別の議論を行わなければならないというのが主な要因でもあります。
 また、我が国の置かれている自然環境を鑑みて、原子力施設にとって最も守りにくいハザードといいますか脅威は、やはり地震だと考えるべきだと私は考えております。地震に関しては、やはり審査において妥協があってはならないと考えており、厳正な審査を進めることを心がけております。
 そういった意味で、やはり、審査というプロセスは、科学的、技術的な議論を通じて申請者との間の共通理解を形成していくものでありますので、どうしてもこの地震に係る審査には時間を要してしまうとは思っております。もとより効率的な審査を心がけてまいりますけれども、地震に係る審査について時間を要することについては御理解をいただきたいと思っております。
 二点目、研究炉などの比較的出力の低い炉、リスクが低いと見られる炉。
 確かに、リスクに応じた規制というのは、これも一つの重要な観点であります。いわゆるグレーデッドアプローチといいますけれども、リスクが低いものに対しては、安全が合理的に確保できるという判断があれば商業用発電炉等に比べて対策の幾つかを求めないなどの、リスクに応じた規制は行っております。一方で、ジェー・シー・オー事故の教訓をかんがえましても、リスクが低いと考えられている施設においても、なおあのような事故が起きてしまうということは忘れてはいけないと思っております。
 今後とも、リスクに応じた、ただ、リスクというのは、やはり、人が考えることには限界がありますので、十分慎重な考慮を尽くした上で、私たちが理解できるリスクに応じた対策を求めていきたいというふうに考えております。
 三つ目の安全目標でありますが、安全目標に関する議論というのは大変重要な議論ではありますけれども、いわゆる上位概念の議論であって、私たちが戒めなければならないのは、かつての旧規制当局において私は見られたと思っておりますけれども、上位概念の議論に時間を弄して具体的な対策に手を打つのにおくれをとったということ、これは私たちは避けなければならないと思っております。
 安全目標に関する議論も、平成二十五年四月に私たちなりの見解を取りまとめておりますけれども、その後、原子炉安全専門審査会並びに核燃料安全専門審査会に対して安全目標に関する検討をお願いをしまして、ごく最近でありますけれども回答をいただいたところです。本年四月五日付で回答が取りまとめられて、五月、今月の九日に原子力規制委員会に対して意見交換の場でもお伝えいただきました。
 この両安全専門審査会からの回答は三点から成りまして、一点目が、原子力規制委員会が示す安全の目標は、安全神話に陥ることなく、不断に安全性向上を図るとの姿勢に基づくものであり、規制基準の策定などに当たり参照すべきものであること。二つ目が、安全の目標と、規制基準への適合によって達成される安全の水準を、確率という尺度で比較評価し、説明することはできないし、行うべきものではないこと。三点目が、安全の目標については、このような点を国民に説明すべきものであることといった点が記されております。
 原子力規制委員会としては、この両審査会からの回答も踏まえて、安全目標に関する継続的な議論、検討、さらに厳正な規制を進めてまいりたいというふうに考えております。
 四点目ですが、これは、いわゆる産業界並びに規制当局、人知を結集して投入して、これは、なれ合いになることなく、きちんとしたコミュニケーションを図りながら、更に言えば、難しい表現ですけれども、ふさわしい、適正な、対立関係ではないですけれども、やはり、事業を進めようとする主体とそれから規制組織とが、成熟したよい関係で対峙して議論を続けていくという形が最もふさわしいだろうと思っています。
 ただ、人材の育成については、これは双方に同じような課題を抱えております。例えば米国の例をとりますと、産業界においても規制当局においても、米国海軍において原子力技術を習熟した者が大きな人材のソースとなっております。我が国はこのようなソースを持ちません。
 こういったことは、今後とも、規制当局それから産業界双方が、頭をひねってと申しますか、きちんと考えていかなければならない点で、こういった点については、先生の御指摘のように、双方の知識経験を集中して取り組んでいくべきような課題であるというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 119604194X00220180517_011

発言者: 更田豊志

speaker_id: 21642

日付: 2018-05-17

院: 衆議院

会議名: 原子力問題調査特別委員会