尾辻かな子の発言 (厚生労働委員会)
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○尾辻委員 立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。
森山委員に引き続き、大阪・大阪コンビで水道法の改正案について質問をさせていただきたいと思います。
今回、改正案ということで見させていただきました。まず、第一条の条文の「目的」が変更になっているかと思います。一条、「この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化する」、ここが変わりました、「ことによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする。」
以前であれば、「水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する」ということでしたけれども、これが水道の基盤強化という文言に変わったということで、先日の高橋委員の議論の中でも、大臣の方からは、計画的な整備、保護育成も水道の基盤強化に含むという答弁をされておられるかと思います。ですので、今回、改正案が本当に水道の整備、育成、こういう意味を含む基盤強化になっているのか、この視点で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、二〇一三年三月に策定された新水道ビジョン、ここでは、強靱、持続、安全な水道を目指す、この三つを目指すということが書かれているわけです。しかし、先ほど森山委員からの質問にもあったとおり、二十四条にコンセッション、公共施設運営権の設定をできるというふうにしたコンセッション方式は、本当に新水道ビジョンの強靱、持続、安全な水道を目指す方向性と整合性がとれているのか、私は非常に疑問を感じております。
また、水道法の第六条第二項では、「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」というふうになっております。人口減少時代にダウンサイジングもしなければいけないことは理解をしていますし、垂直統合や水平統合を含めた広域連携も必要であるとは思います。しかし、その方向と、本当にコンセッション方式がその解決策なのかということについては、先ほどからあるように、疑問があるところであります。
皆様のお手元に配付資料を配らせていただきました。実は、ヨーロッパ、そしてPFIの生みの親でありますイギリスでは、今、PFIは反省の時代に入っています。これは資料なんですが、もう一つ、実はこのイギリスで、カリリオンという建設会社がこの一月に、十六億ポンド、約二千四百四十億円の負債を抱えて経営破綻して、会社清算することになりました。ここはイギリスのPFI事業を多数受託している会社でありまして、病院や道路の建設を手がけるほか、刑務所の保守管理や学校給食の提供も行っていた。新聞記事によると、イギリス政府はまずこうした約四百五十件の契約で支障が生じないように対応しなければならないというふうに記してあります。
公共事業を民間会社に委託するリスクというのは、こういった経営破綻ですね。そうなると契約が履行されないわけですから、次の委託先はどうするんだとか、非常に困難な対応を探らなくてはいけない。イギリスで起こった、このPFIを受けていた会社の破綻というのが、じゃ、本当に日本は関係ないんでしょうか。
さらに、先ほどの配付資料にありますとおり、イギリスの会計検査院がPFIの費用対効果をまとめた報告書というのを出しました。それをイギリスのガーディアンという新聞が記事にした部分を、これは国会図書館にちょっと訳してもらったんですね。そうすると、納税者はPFI契約の二百億ポンド負担、二百億ポンドというのは二兆九千億円、負担している。中には、公的資金による事業よりも四〇%高いPFI事業のコストがあるんだということが書いてあるわけです。
ここに書いてあるのを見ると、例えば二つ目のパラグラフには、イギリス会計検査院はPFI及び、PF2というんですけれども、プライベートファイナンス2の利点については言及していないと。つまり、PFIで何の利点があるかわからないというふうにここで書いてあると。
四つ目のパラグラフでは、PFI調達の便益に関する利用可能なデータが依然として不足している。
そして、五つ目のパラグラフでは、その他、報告書では、PFI事業の費用に含まれる保険料が過大となっていることが、実施中のPFI事業を途中で中止して公営事業に戻した場合、多額の追加費用が生じることを指摘しているということで、今やイギリスの会計検査院も、そして同様のことは、実はEUの会計監査院でも同じようなことが指摘をされています。
ですから、今、日本に必要なのは、PFIやコンセッション方式をこのように広げて進めることではなくて、これらの、先にPFIを導入した国で起こっているさまざまな現象についてまず検証すべきではないかというふうに思います。
今回、水道法にコンセッション方式を導入するということですけれども、私、この導入の仕方も非常に強引だなというふうに思いました。
二〇一四年の六月二十四日に閣議決定された日本再興戦略の中で、公共施設等運営権方式について、二〇一六年度末までの三年間を集中強化期間に設定し、この期間内に達成すべき目標を設定する。この中には、わざわざ上水道と書いてあって、六件というふうに件数まで書いてあります。そして、この三年間ではできなかったということで、さらに日本再興戦略二〇一六で交付金も補助金もつけて、そして、昨年六月のPPP/PFI推進アクションプランでは、「集中強化期間を平成三十年度末まで伸ばし、次に掲げる措置等により、六件のコンセッション事業の具体化を目標とする。合わせて、既に検討に着手している案件について、事業開始まで切れ目ない支援を行うことにより、コンセッション事業の着実な導入促進を図る。」ここまで書かれているわけです。
先ほど大臣は、コンセッションは行けるところは行ってほしいみたいなことを言っていたわけですけれども、ここには、こうして具体的な六件という目標まで挙げているわけです。
確認ですけれども、この六件というのは、厚労省の目標ということでいいんでしょうか。