竹下義樹の発言 (国土交通委員会)
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○竹下参考人 座ったままで失礼いたします。日本盲人会連合の竹下といいます。よろしくお願いいたします。
今回の法律につきましては、四点について私の方からまず意見を述べたいと思います。
まず一点目は、今回の法律改正で理念を設けたこと、そして、国民の理解を促進するための規定が入ったことは重要だと思っております。
共生社会というものを目指す、そのための社会的障壁を除去するという大きな目標を定めたわけでありますが、そうしたものを実現するためには、ハード面のバリアフリー化だけでは現実化しない。そこには、国民の理解あるいは関係者の理解という心のバリアフリーが不可欠だと思っております。
二番目には、バリアフリーに関する評価についての規定が含まれてきたことです。
いろいろなバリアフリー化がこの間進められてきました。しかし、そうしたバリアフリー化の改善が、現実に障害者にどういう今影響を及ぼしているのか、あるいはどこに問題が残っているのか、そうした常に評価を繰り返さないと、大きなバリアフリー化は実現しない。せっかくの工事が中途半端に終わってしまうということもあり得るわけですから、そうした評価が強化されたことを大事だと思っております。
三点目には、鉄道事業者を含めた各事業者によるバリアフリー計画を作成していただくことになったことを、非常に重要な規定というふうに評価しております。
どの事業者においても、どういう目標を持って、どういうバリアフリー化を進めるかということが外からも見える、あるいは事業者自身もその目標が理解してもらえるという形になることが、大きな社会の前進に結びつくのではないかと思っております。
できれば、この計画を作成する段階で障害当事者の声も聞いていただくこともお願いしたいと思っております。
四点目は、市町村による移動円滑化促進方針の策定と基本構想の策定が、努力目標とはいえ、規定されたことを重視したいと思います。
それぞれのバリアフリー化がばらばらでは、我々の移動は現実にはスムーズには進みません。そうした、地域とかあるいは市町村単位とか、もっと広域的な面でのバリアフリー化を考えるときには、こうした市町村や広域単位での計画策定や方針の議論が必要かと思っております。
ただ、この法律に賛成するものの、少しお願いしたい点もあります。
まず一点は、地域生活あるいは社会参加が今回の法律でどこまで前進するのかという視点であります。
私たちの日常生活においてこのバリアフリー化が促進されることによって、本当に地域での生活が自由になったのか、あるいは、自分自身の行きたいところに本当に行けるようになったのか、あるいは、社会参加、特に就労がスムーズに促進されるようになったのか。そういう、社会生活あるいは日常生活における円滑な移動がこの法律によって実現するかどうかということをきちっと見ていきたいというふうに思うわけであります。
二点目は、動線の確保といいましょうか、一人の障害者が、家から買物先、あるいは家から勤務先、そういう目的地まで移動することが有機的につながっているかどうか。
駅の中のバリアフリー化が進んでも、道路との接点においてその意識がされていなければ、我々は移動ができません。我々視覚障害者は、悲しいかな、駅のバリアフリー化、道路にも点字ブロックがついている、目の見える人にとったらこれは非常によくなったなと思うわけですが、その間がちょっとでも切れていると、我々にとっては何の役にも立たない社会資源に残念ながらなってしまうわけであります。
そういう意味では、動線を意識した事業施設と道路などの有機的な連続性というものをぜひ意識していただきたい。
三点目には、地方と都会の問題、あるいは小規模事業施設の問題。
私は今京都に住んでおりますけれども、東京に来ますと、非常にバリアフリー化の進んだ環境というものを実感できます。しかし、京都といえども、そこまでは進んでおりません。そういう意味では地域間格差が大きくなってきている。
さらには、我々にとって最も重要なのは安心、安全ということでありますが、その安心、安全という点でいうと、東京ではホームドアがたくさんふえてきました。それでも、残念ながら、我々視覚障害者の仲間が線路に落ちて悲惨な死亡事故が発生しているわけですが、関西や地方へ行くとホームドアはほとんどありません。その点で、地域格差、あるいは地方と都会との格差、小規模事業所と大規模事業所、あるいは鉄道事業駅の差というものをどう埋めていくのか、こうした点についても意識していただければありがたいと思っております。
最後に、私たちは、こういうバリアフリー化が進んだ後で本当に安心、安全がもたらされることを強くお願いして、私からの発言にさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)