国土交通委員会

2018-04-13 衆議院 全101発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十三日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西村 明宏君
   理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君
   理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君
   理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君
   理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君
      秋本 真利君    岩田 和親君
      大塚 高司君    大西 英男君
      加藤 鮎子君    門  博文君
      神谷  昇君    工藤 彰三君
      鈴木 憲和君    田中 英之君
      高木  毅君    谷川 とむ君
      中谷 真一君    中村 裕之君
      根本 幸典君    鳩山 二郎君
      藤井比早之君    三浦  靖君
      三谷 英弘君    宮内 秀樹君
      望月 義夫君    簗  和生君
      山本 公一君    神谷  裕君
      初鹿 明博君    道下 大樹君
      森山 浩行君    早稲田夕季君
      井上 一徳君    伊藤 俊輔君
      大島  敦君    近藤 和也君
      森田 俊和君    北側 一雄君
      高木 陽介君    広田  一君
      宮本 岳志君    井上 英孝君
    …………………………………
   国土交通大臣政務官    秋本 真利君
   国土交通大臣政務官    簗  和生君
   参考人
   (近畿大学名誉教授)   三星 昭宏君
   参考人
   (社会福祉法人日本盲人会連合会長)        竹下 義樹君
   参考人
   (DPI日本会議事務局長)            佐藤  聡君
   参考人
   (株式会社社会構想研究所代表取締役)
   (交通権学会理事)    森 すぐる君
   国土交通委員会専門員   山崎  治君
    —————————————
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  中谷 真一君     三浦  靖君
  初鹿 明博君     神谷  裕君
  もとむら賢太郎君   近藤 和也君
同日
 辞任         補欠選任
  三浦  靖君     中谷 真一君
  神谷  裕君     初鹿 明博君
  近藤 和也君     井上 一徳君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 一徳君     もとむら賢太郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
     ————◇—————
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西
西村明宏#1
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、近畿大学名誉教授三星昭宏君、社会福祉法人日本盲人会連合会長竹下義樹君、DPI日本会議事務局長佐藤聡君及び株式会社社会構想研究所代表取締役・交通権学会理事森すぐる君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、三星参考人、竹下参考人、佐藤参考人、森参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度挙手の上、委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。御発言は、その場で起立して行っていただいても、また、着席のままでも結構です。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず三星参考人にお願いいたします。
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三星昭宏#2
○三星参考人 おはようございます。御紹介いただきました近畿大学の三星昭宏と申します。よろしくお願いします。
 まず私の自己紹介からになるわけですが、私は、二〇〇〇年の交通バリアフリー法のときに、それまで政府と、何とか日本のバリアフリーを大幅に進めたいものだなという思いのもとに議論をしてまいりまして、二〇〇〇年のバリアフリーのときも参考人を務めさせていただきました。
 その後、直ちに地元の関西で移動円滑化基本構想づくりに取り組みました。数多くの自治体の委員、委員長を務めまして、直近ですと、一昨年、奈良市を最後に、ほとんどつくるべき自治体が大体終わったわけであります。特に大阪府におきましては、全て終わっているということでございます。
 この間、現場での基本構想づくりの経験をもとにいたしまして今から、十分間という時間でございますので、できれば、最初はざっとしたレビューぐらいをやらせていただきたいと思います。
 御案内のように交通バリアフリー法というのは、つくり方が二本の大きな柱があるわけであります。つまり、バリアフリー化するにはこういう基準を満たさなければいけない、こういう規制法的な性格と、もう一つが、非常にユニークな、世界の中でもユニークなたてつけになるわけでありますけれども、移動等円滑化基本構想という計画行政なんです。
 これはそれまでにない新しい概念でありまして、それまでは、当事者と事業者とがちょうちょうはっしと要求型で議論して、ともすると物別れになることが多かったのに対して、この計画行政は、最後は結論を持たなきゃいけない。プランにしなきゃいけないわけです。ですから、とことん議論する。
 そういう意味では、民主主義としては、私がまちづくりで応援してきましたさまざまな審議会、委員会の中では、見たことのない議論が進展したわけでございます。
 そのような中で特にポイントになりましたのが、まず第一に、最近よくこういうことを言われるんですが、障害当事者の方々が、私たちのいないところで勝手に決めないでください、まさにこの言葉に尽きますが、参加、参画、これが大きいポイントになりました。
 また、今申しましたように、関係者が一堂にテーブルで集まって、しかも、このテーブルは最終的にはラウンドテーブルです。お互いに言いたいことを言い合って、最後は何とか結論を出していくという、全ての関係者の集まり、そして結論を出す。これが二つ目のポイントです。
 全体を通じてPDCAサイクルを回していくということでございます。そのような議論の中の縛りとして、基準やガイドラインは、これは、ナショナルスタンダードとして最低のレベル設定があるわけでございます。
 そんな中で、課題となりますのが幾つかあります。具体例がもし御質問あれば後からお伺いできると思いますが、項目だけ挙げていきますと、大阪府を始めとする関西、非常に熱心に取り組んだので、策定率は上がりました。
 よい方の話をいたしますと、その中で、これはちょっと感覚的な物言いになりますけれども、やはり最初の志が高い自治体というのは、後もしっかり続いております。私流に言えば志。今回の法案では、促進のための方針、あるいはマスタープランづくりという形でその部分を独立して強化したわけでございます。
 それから、まちづくりですから、各市の固有の条件があります。風土があります。その中でなじむ格好でバリアフリー化を進めていきたい。これがポイントになります。
 それから、参加、参画を広げる。これは、役所もやったことのない全く新しい考え方だったわけであります。
 更に進んだところは、というか、これはやって当然なんですけれども、これは後で申し上げますが、やっていないところが多いんです、残念な例ですが。継続協議会、つまり当事者が、役所だけでやる継続協議じゃないんです、当事者が参画して、現地点検もして定期的にレベルアップを図る。我々はこれを継続協議会と呼んでおりますが、これをやった。
 これはよい方の例ですから例を申しますと、豊中市であるとか高槻市であるとか堺市であるとか、これは現在も活発にやっております。これが大変大事だということもわかりました。
 そんなことで、それまでの二〇〇〇年以前にありました個別のバリアフリー対策を、更に総合的な政策として、私は二〇〇〇年型と呼んでおりますが、レベルを上げるということに取り組んだわけでございます。
 ただし、残念ながら、その中でまだ課題もあります。今申し上げた成果をそのままひっくり返しますと、まだまだのところが多いわけであります。
 策定率が全国的に見ますと低い。これはやはり大きな問題です。というのは、やったところとやらないところと全然違います。それから、法律が決まったから、とにかくもうエレベーターをつけなきゃいけないから、補助金をおろすためにやりましょうだけで始めたところはそれで終わりです。志が低いというのはやはりよくない。
 さらに、地方の今衰退であるとかシャッター通りの話も全部含めた総合政策としてやはり展開されていないと言わざるを得ないので、せっかくの志だけではやはりうまくいかないみたいなところがあります。
 ということで、課題として特に強調したいのは、当事者が参画した継続協議会を早く定着しなきゃいけない。大阪においても、今申しましたように、三つ、四つの自治体しか継続協議会を持っているところはないんです。
 一番それがすぐれた、私は評価する立場じゃないんですが、芦屋市は、ずっと長い間、半年に一回継続協議会をやっている。それをやっても毎回議題に事欠くことはないんです。もう時間が全然足りないんです。それくらいやることがあるんです。そんなことで、これは全国的に広めたい。
 ざっとお話しいたしましたが、こういうことを受けて今回政府の方から出ました法案が、概ね、私の言う二〇二〇年型に拡大しているように思います。何とか今回の法律によって、ワンレベルまた上の、特に国際的観点からも、レベルの高いバリアフリーを推進していきたいと思っております。
 以上でございます。拍手
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西
西村明宏#3
○西村委員長 ありがとうございました。
 次に、竹下参考人にお願いいたします。
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竹下義樹#4
○竹下参考人 座ったままで失礼いたします。日本盲人会連合の竹下といいます。よろしくお願いいたします。
 今回の法律につきましては、四点について私の方からまず意見を述べたいと思います。
 まず一点目は、今回の法律改正で理念を設けたこと、そして、国民の理解を促進するための規定が入ったことは重要だと思っております。
 共生社会というものを目指す、そのための社会的障壁を除去するという大きな目標を定めたわけでありますが、そうしたものを実現するためには、ハード面のバリアフリー化だけでは現実化しない。そこには、国民の理解あるいは関係者の理解という心のバリアフリーが不可欠だと思っております。
 二番目には、バリアフリーに関する評価についての規定が含まれてきたことです。
 いろいろなバリアフリー化がこの間進められてきました。しかし、そうしたバリアフリー化の改善が、現実に障害者にどういう今影響を及ぼしているのか、あるいはどこに問題が残っているのか、そうした常に評価を繰り返さないと、大きなバリアフリー化は実現しない。せっかくの工事が中途半端に終わってしまうということもあり得るわけですから、そうした評価が強化されたことを大事だと思っております。
 三点目には、鉄道事業者を含めた各事業者によるバリアフリー計画を作成していただくことになったことを、非常に重要な規定というふうに評価しております。
 どの事業者においても、どういう目標を持って、どういうバリアフリー化を進めるかということが外からも見える、あるいは事業者自身もその目標が理解してもらえるという形になることが、大きな社会の前進に結びつくのではないかと思っております。
 できれば、この計画を作成する段階で障害当事者の声も聞いていただくこともお願いしたいと思っております。
 四点目は、市町村による移動円滑化促進方針の策定と基本構想の策定が、努力目標とはいえ、規定されたことを重視したいと思います。
 それぞれのバリアフリー化がばらばらでは、我々の移動は現実にはスムーズには進みません。そうした、地域とかあるいは市町村単位とか、もっと広域的な面でのバリアフリー化を考えるときには、こうした市町村や広域単位での計画策定や方針の議論が必要かと思っております。
 ただ、この法律に賛成するものの、少しお願いしたい点もあります。
 まず一点は、地域生活あるいは社会参加が今回の法律でどこまで前進するのかという視点であります。
 私たちの日常生活においてこのバリアフリー化が促進されることによって、本当に地域での生活が自由になったのか、あるいは、自分自身の行きたいところに本当に行けるようになったのか、あるいは、社会参加、特に就労がスムーズに促進されるようになったのか。そういう、社会生活あるいは日常生活における円滑な移動がこの法律によって実現するかどうかということをきちっと見ていきたいというふうに思うわけであります。
 二点目は、動線の確保といいましょうか、一人の障害者が、家から買物先、あるいは家から勤務先、そういう目的地まで移動することが有機的につながっているかどうか。
 駅の中のバリアフリー化が進んでも、道路との接点においてその意識がされていなければ、我々は移動ができません。我々視覚障害者は、悲しいかな、駅のバリアフリー化、道路にも点字ブロックがついている、目の見える人にとったらこれは非常によくなったなと思うわけですが、その間がちょっとでも切れていると、我々にとっては何の役にも立たない社会資源に残念ながらなってしまうわけであります。
 そういう意味では、動線を意識した事業施設と道路などの有機的な連続性というものをぜひ意識していただきたい。
 三点目には、地方と都会の問題、あるいは小規模事業施設の問題。
 私は今京都に住んでおりますけれども、東京に来ますと、非常にバリアフリー化の進んだ環境というものを実感できます。しかし、京都といえども、そこまでは進んでおりません。そういう意味では地域間格差が大きくなってきている。
 さらには、我々にとって最も重要なのは安心、安全ということでありますが、その安心、安全という点でいうと、東京ではホームドアがたくさんふえてきました。それでも、残念ながら、我々視覚障害者の仲間が線路に落ちて悲惨な死亡事故が発生しているわけですが、関西や地方へ行くとホームドアはほとんどありません。その点で、地域格差、あるいは地方と都会との格差、小規模事業所と大規模事業所、あるいは鉄道事業駅の差というものをどう埋めていくのか、こうした点についても意識していただければありがたいと思っております。
 最後に、私たちは、こういうバリアフリー化が進んだ後で本当に安心、安全がもたらされることを強くお願いして、私からの発言にさせていただきます。
 ありがとうございました。拍手
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西
西村明宏#5
○西村委員長 ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いいたします。
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佐藤聡#6
○佐藤参考人 おはようございます。DPI日本会議事務局長の佐藤聡です。本日はお招きいただき、ありがとうございます。
 バリアフリー法改正法案に対する私の意見を述べさせていただきます。
 まず、積極的に評価できる改善点は二点です。
 社会的障壁の除去が入り、障害者権利条約の社会モデルの考え方が導入されました。これを更に充実させるために、障害者基本法と障害者総合支援法にはある、「等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、」を加えていただきたいと思います。
 二つ目は、障害者を構成員とした定期的な評価会議が新設されたことです。
 障害者権利条約の精神であるナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たち抜きに私たちのことを決めないで、これを実現する取組として大いに期待しております。検討段階からの当事者参画と評価をぜひこの会議で実現していただきたいと思います。
 続きまして課題です。
 一つ目は、移動の権利と移動の連続性の確保の明記が必要だと考えます。
 障害者権利条約一般的意見二号では移動の権利を明確に認めています。条約の理念を国内法に反映させるために、バリアフリー法に移動の権利を明記することが必要です。
 また、移動はさまざまな交通機関を連続して利用するものですが、障害者に関しては移動の連続性が確保されてきませんでした。鉄道の乗り継ぎ、鉄道からバスへの乗り継ぎ、タクシーへの乗り継ぎ等ができなかったり、極端な遠回りをしなければならなかったりということがあります。これを改善するために、基本理念に移動の連続性の確保をぜひ加えていただきたいと思います。
 二つ目は、障害者の定義を、障害者基本法、障害者総合支援法に合わせて、心身の機能上の制限を受ける者とすべきです。
 改正法案では「身体の機能上の制限を受ける者」となっており、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難病等が含まれておりません。これでは障害者基本法とそごが生じており、日本の法制度には障害者の定義が二つ存在することになります。障害者基本法、障害者総合支援法に合わせた定義にすべきです。
 三つ目は、障害者差別解消法の環境整備の実現です。
 障害者差別解消法第五条では、社会的障壁を除去するための環境整備を行政機関と事業者に求めております。改正法案では社会的障壁の「除去に資する」と入っており、社会的障壁除去のための合理的配慮の環境整備を進めることは必要不可欠であり、バリアフリー法で環境整備を明文化することが必要です。
 四つ目は、小規模店舗のバリアフリー化を進めるために、捕捉率を踏まえた施策が必要です。
 日本では、車椅子三人集まりますと、御飯を食べに行こうとすると、何を食べるかではなく、どのお店なら入れるかで選んでいます。車椅子で入れるお店が極端に少ないためです。
 私は昨年アメリカに行ったんですけれども、ほとんどの店舗が車椅子で入店できました。食べたいもので自由にお店を選ぶことができ、人間とは本来こんなに自由なものなのかと初めて気づかされました。これは、ADAによって小規模店舗もバリアフリー化が進んだ成果です。
 日本は、床面積二千平米以上の特別特定建築物しかバリアフリーの整備義務がありません。二千平米以上という基準は一九九四年のハートビル法から変わっておらず、デパートや大型のショッピングセンターくらいしか含まれません。さらに、店舗内のバリアフリー整備は義務づけられていないため、デパートの中のお店でも、段差があって入れないところがたくさんあります。日本の店舗のうちバリアフリー化されて入店できるお店は一体何%あるのか。実態の把握が必要です。
 東京都が二〇一七年に実施した飲食店調査では、床面積百五十平米以下の店舗が八五・九%でした。これから見ても、二千平米以上だけを整備しても、入れるお店は数%にしかなりません。
 例えば、入店可能なお店を五〇%以上にするというような目標を定め、そのために床面積何平米以上を義務づけるという、捕捉率を踏まえた施策が必要です。
 五点目は、公共性の高い地域施設として、学校のバリアフリー化の推進です。
 私は一九九五年の阪神・淡路大震災のときに兵庫県宝塚市に住んでおりましたが、障害者の友人は避難所となっていた地域の小学校に行ったんですが、入り口は階段しかなく、車椅子で使えるトイレもなかったため、避難所には入れませんでした。東日本大震災、熊本地震でも同じ事例が報告されており、この問題は改善されておりません。
 誰もが避難できる避難所とするためにも、公共性の高い地域施設として、学校のバリアフリー化が必要です。大雨被害で三階以上に避難する事例もあり、体育館だけでなく、学校全体をバリアフリー化しなければなりません。特別特定建築物に一般の学校を含め、基準適合義務を課すことが必要です。
 六点目は、地方のバリアフリー整備の推進です。
 国交省がまとめた「平成二十八年度駅のバリアフリー化状況」によると、一日の乗降客三千人以上の駅のバリアフリー化は八七%でしたが、三千人未満の駅のバリアフリー化は二〇・八%にとどまっており、地方のバリアフリー整備が極端におくれていることがわかります。障害者権利条約第九条では都市及び農村の双方においてバリアフリー整備を求めており、地方のバリアフリー整備を推進する施策が必要です。
 改正法案では、マスタープラン、基本構想は努力義務化されておりますが、積極的な一部自治体以外は改善されないのではないでしょうか。三千人未満の駅も含めた地方のバリアフリー化が進展する施策が必要です。
 さらに、改正法案ではハード、ソフト一体的な取組が掲げられておりますが、近年増加している無人駅ではソフト対策は不可能ですので、ソフト対策のための人員配置が必要です。
 七番目は、駅ホームからの転落防止と単独乗降の実現です。
 ホームからの転落を防止するために、ホーム柵、ホームドアの設置を義務づけることが必要です。さらに、車椅子での単独乗降を可能とするため、数値目標を定めて、ホームと車両とのすき間と段差の解消に努めることも必要です。
 大阪市営地下鉄千日前線は、一九六九年に開業した古い路線にもかかわらず、段差二センチ、すき間三センチ以下を目標に整備を進め、ほとんどの駅で実現し、車椅子での単独乗降が可能となっております。
 最後に、一九九〇年代まで日本は、駅にエレベーターはなく、バスも階段で、車椅子では公共交通機関はほとんど使えませんでした。しかし、今は都市部はほとんどの交通機関が使えるようになり、どこにでも自由に行けるようになりました。わずか二十数年で劇的に変わり、まるで別の国のようです。これはバリアフリー法の成果です。
 国交省の皆さん、国会議員の皆さん、事業者の皆さん、関係する皆さんに、改めて感謝申し上げます。
 バリアフリー法は、日本を変えるとても重要な法律です。地方を含め日本全国がユニバーサルな社会になるように、世界の基準を取り入れ、整備がおくれている分野を改善するなど、より一層の取組をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。拍手
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西
西村明宏#7
○西村委員長 ありがとうございました。
 次に、森参考人にお願いいたします。
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森すぐる#8
○森参考人 交通権学会理事、社会構想研究所代表取締役の森すぐると申します。よろしくお願いいたします。
 まず、お手元の資料のイラストをごらんいただきたいです。お手元の資料のイラストは、これはミスター・アベレージという架空の人物です。
 一九七四年に国連の障害者生活環境専門家会議がバリアフリーデザインという報告書を出したのですが、それがバリアフリーという言葉が広がるきっかけになったと言われております。そのレポートは、主にヨーロッパ各国の建物や街路などの設計基準が報告されているのですが、その冒頭にこのミスター・アベレージのイラストが添えられています。ミスター・アベレージというのは、日本語で言えば標準さん、あるいは、山口瞳風に言えば、エブリ・マン氏というふうに言えると思います。
 彼についてこのように記されています。肉体的に最もよく適応できる壮年期にある男性。女性ではない。これも、原文に注釈として「女性ではない」と書いてあります。その象徴であり、統計的に言えば、少数の人しかこのカテゴリーには属さない。そのような架空の人物の利便性を想定して設計しているから、世の中の公共の建物にはバリアが多く、とりわけ、身体などに何らかの障害がある人は使うこともできない。このような指摘が既に四十四年前になされていたわけです。
 先ほどもお話しありましたけれども、この二十年来、相当にバリアフリーが進んでいました。ただ、懸念されることは、さまざまなバリアフリー化が障害者、高齢者をこのミスター・アベレージに近づける、そういうような方向に進んでいないかということが懸念されると思います。
 本来はミスター・アベレージというものを解消して、一人一人が暮らしやすい、大切にされるまちづくり、そういったものに合わせるのが必要だと思われます。
 例えば、バリアフリー化でエスカレーターが整備されました。九四年に運輸省が出したガイドラインでは、上下とも設置できないときには上りを優先させるという一文が入ってしまった。そのために駅では上りエスカレーターが多くなって、本当は下りの方が転落の危険、膝への負担などがあるのに、上りしか整備されていないという状況が続いています。これも、つまり、ミスター・アベレージに近づけるというふうな方向性があったためだと思われます。
 あるいは、エスカレーターの片側あけ、それもやはり、片方の体に麻痺がある人、あるいは、何らかの状態で二人並んで乗りたい人にとっては非常に大きな障壁になっています。
 平成七年の障害者白書ではバリアを、物理的障壁、情報の障壁、心理的障壁、制度の障壁の四つに類型化しています。これは、バリアフリーということを考えるときに大変参考になる考え方ですが、ここではちょっと省略をします。
 さて日本では、この二十年間、バリアフリーが進んでいたと先ほど申しましたけれども、実は、このバリアフリーデザインが出た七〇年代ごろから、主に障害を持つ当事者によって、福祉のまちづくりであったり生活圏拡大運動だったり、そういう形でバリアフリー化を求める運動が進められてきています。
 一つは、上野裁判という裁判があります。これは、全盲の視覚障害者の上野孝司さんという方が国鉄の山手線高田馬場駅のホームから転落をして、ホームによじ登ろうとしたところに、到着した電車とホームの間に挟まれて即死したその事故がありました。その事故の責任、損害賠償を求めるという形で遺族が裁判を起こして、上野裁判という形でさまざまな支援をもって取り組まれました。
 そして、一九八五年に東京高等裁判所で和解となったのですが、その中に、国鉄は、公共の高速度交通機関であることに鑑み、今後とも視覚障害を有する乗客の安全対策に努力する、この一文が和解条項に盛り込まれた。そのことをもって、可動式ホーム柵の開発や普及に非常に役立ったとされています。
 可動式ホーム柵の問題も、当事者の死亡事故、それの責任を求める裁判から始まったというところはやはり明記しておきたいと思います。
 同じ時期に、車椅子利用者も公共交通利用を求める運動を繰り広げています。
 例えば有名なところでは、一九七六年から七七年にかけて、脳性麻痺の青年たちが青い芝の会というグループを持っていたわけですが、その人たちが、要するに車椅子に乗ったままでも路線バスに乗せてほしいという形で、当時は非常にいろいろな人が元気だったので、そういう形で運動し、一番激しいときには川崎市のバスターミナルが半日麻痺するような、ただ単に車椅子のまま乗せてほしいというだけの運動だったのに、運行する側がそれを拒否して、半日麻痺するような事件も起きています。
 また、交通権学会、私が理事をしておりますけれども、この成り立ちの原点は、一九八四年に国鉄が地方交通線に対して、格差運賃、ほぼ一割増しの運賃を設定したときに、それが不当であるとして求めた裁判がベースになっています。
 このような運動を契機にして、さまざまな法整備が進められて、本当に一歩ずつバリアフリーの環境が整ってきています。
 私も、一九九〇年ごろから車椅子利用者などの外出支援のボランティアなどに取り組んでいますけれども、そのころはほとんど、車椅子で利用しても、階段です。それで、階段で四人から六人みんなで集まって、おみこしという言い方をしていましたけれども、それで昇降していました。
 それが、九四年に運輸省のガイドラインがつくられて、あるいは、点字ブロックの整備が進んだり、バスもノンステップバスやワンステップバスが主流になってきました。このノンステップバスの普及に当たっては、東京都交通局とか横浜市交通局などの公営交通が、開発や、それから普及に対して大きく役立ったということです。
 一方で、都市部以外では、先ほども話に出ましたけれども、地方鉄道や民間バスが廃止される、減便される、あるいは駅が無人化される。駅が無人化されるというと地方の話と思われるかもしれませんが、東京都内でも、あるいは埼玉県の高崎線沿線などでも早朝、夜間の無人化が進められて、そういった支援が必要な人が困る状態になっています。
 そのような中で、今回のバリアフリー法に、「基本理念」として、「日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資すること及び全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情」、この「その他の事情」というのはこの後話します、「その他の事情によって分け隔てられることなく共生する社会の実現に資する」という文言が明確にされたということは、いわば、この四十年間あるいはそれ以上の長い歴史のある権利獲得の運動の到達点として、評価をしたいと思っております。
 最後に、ちょっとその本筋からは離れているところですが、気がかりに思っていることを二つ述べます。
 一つは、この交通の分野においても、外国人に対するヘイトと言われる、そういったことが最近明らかになっていることです。
 近年、案内板や車内表示などで、従来の日本語や英語のほかに、中国語やハングルが表示されることがふえてきています。これらについて、このような表示が不愉快だとか不要だとか、非常に攻撃的な意見がSNSなどで見受けられます。
 これは、単に利便性への注文というよりは、むしろ外国人差別、とりわけ中国や韓国などの人々への差別に根差した攻撃性だと考えられます。なので、むしろ外国人に対するヘイトを防止する、そういう観点が必要だと思っています。
 もう一つは、女性専用車両に対するバッシングも、これもひどくなっています。男性が乗車を強行したり、その様子をまた動画投稿サイトなどにアップしたりということが続いています。
 性暴力の被害というのは十分に明らかにはなっていない。私の手元にあるのは、二〇〇八年に大阪府立大学で大学院生がまとめた女性専用車両の学際的研究という資料なのですけれども、その中では、限られたアンケート調査であるけれども、約半分の女性がいわゆる痴漢被害に遭ったということを答えています。
 そのような被害に遭った方々が、痴漢を始めとする性暴力の被害者のシェルターとして女性専用車両を利用している。そのような状況にあるにもかかわらず、男性が、つまり加害者の側のグループに属する男性が乗車を強行するというのは、これは形を変えた性暴力である、そういうふうに捉えられなければならない。「その他の事情」という中には、つまり、もっと広いさまざまなことが含まれているのであるというふうに考えています。
 誰もが安心して鉄道を利用できる、とりわけ、鉄道利用に当たって大きな心的外傷を負った性犯罪の被害者がせめて安心して利用できるように、女性専用車両についてきちんと啓発と、それから、そういった性暴力の一つのあらわれである、そういう乗車の強行ということに対して、きちんとした対処をする必要があると思っています。
 バリアフリーというのは、このように、先ほど示したミスター・アベレージというものに人々を近づけるのではなくて、ミスター・アベレージではなくて、一人一人が大切にされる、一人一人がちゃんと利便性が保たれるものをつくろうということを考えなければいけないということを指摘して、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。拍手
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西
西村明宏#9
○西村委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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西
西村明宏#10
○西村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。盛山正仁君。
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盛山正仁#11
○盛山委員 自由民主党の盛山正仁でございます。
 きょうは、参考人の四人のメンバーの方、お忙しい中、こうやって国会までお運びをいただきましたこと、そしてまた、今皆様方それぞれからの御意見を伺わせていただきましたことに、まず心から感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、いろいろ伺いたいことがございますので、早速質問に入らせていただきます。
 今もお話がございましたが、基本的人権の問題というんでしょうか、移動に対する権利、こういったことが大事であるということが何名かの参考人の方からお話が出てまいりました。この辺についてまずお伺いをしたいと思います。
 今回法改正をしようとしておりますバリアフリー法は、広く健常者も対象にする、全ての人を対象にする法律でございます。これまで、障害者権利条約の締結に当たりまして、まず平成十九年に我々我が政府は障害者権利条約を署名をして、そして平成二十三年に障害者基本法を改正し、そして平成二十五年に交通政策基本法を制定し、そして、そういった国内法の整備を踏まえて、平成二十六年に障害者権利条約を締結する、こういう流れではないかなと思います。
 そんな経緯も含めまして、今、今回のこの平成三十年の段階で、障害者権利条約の締結に向けていろいろな国内法の整備を終わらせた。その段階で、今回、十二年ぶりにバリアフリー法の大改正をするというときに、移動の権利、森先生のお言葉で言うと交通権ということになるんでしょうけれども、こういうことを明記をするというのは、私は、時期尚早、まだこなれていないのではないかな、そんなふうに思います。
 私はむしろ、具体的にいろいろな方が利用するに当たって困難なこと、困っていること、それをどのように解消していくのか、具体的な施策を充実させていく、それが大事なことであり、それを進めるための法改正にしたいというふうに考えているわけでございますけれども、まずは森参考人、続きまして佐藤参考人から、具体的にどのような改善をお求めであるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
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森すぐる#12
○森参考人 ありがとうございます。
 今、権利と示すのは時期尚早ではないかという御発言でした。
 まず、権利といったときに、それと対立というか別の概念として、反射的効果ということを法学では習います。つまり、権利というのは誰もが固有に持っていて、それを行使することができるものです。それに対して反射的効果、つまり、そこに交通機関があるから移動ができる、そこに例えばエスカレーターがあるから上の方に行けるというのが、いわば反射的効果としてのものなわけです。だから、つまり、誰にでも、どこにでも行ける、それが実質的には誰もが持っている、それを確認するのが交通権という言葉、あるいは移動の権利という言葉です。
 それに対して、どういうふうに施設を整備しようか、では、整備するまでの間待っていてねなのか、その整備がなくてもきちんと移動させろということなのかにかかわってきます。
 だから、言ってみればこれは根本概念の問題なので、交通権という言葉、移動の権利という言葉はやはり大事にしていきたいと思いますし、実際に、それに基づいてきちんと施設整備が進められていくということは評価をしたいと思っています。
 ありがとうございます。
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佐藤聡#13
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。
 私は以前、昔、若いころ、全く鉄道がないころに電車に乗りに行くということは、本当に駅員さんに、何でこんなときに来たんだ、介助者も連れずに来たんだということをいつも言われておりました。そのときは、車椅子の者が電車に乗るというのは、誰もそこに権利があるとは全く思わなくて、すいているときに、人手があれば乗せてあげるという考え方がほとんどだったなというふうに今では思います。
 実態として、やはり、移動の権利というものが明確になければ整備が進んでいかない、置いていかれるんじゃないかというふうに思っています。
 権利条約の中でアクセスの権利、交通の権利というものを、移動の権利は障害者はあるんだということを明確に書いており、そういう視点をぜひこの法律に盛り込んでいただきたいと思います。
 以上です。
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盛山正仁#14
○盛山委員 ありがとうございました。お気持ち、大変よくわかります。
 森参考人、あるいはそのほかの参考人も御評価をされてありがたいと思うんですが、平成十年に、私が運輸省の課長のときに、駅にエレベーター、エスカレーターをつける補助制度、助成の制度を創設をいたしました。
 それまでは、運輸省のバリアフリーの予算は年一億でしかありませんでしたし、東京駅の新幹線のホームにエレベーターすらなかったという状況でございますので、全国ほとんどの駅にエレベーター、エスカレーターがなかったわけであります。
 それが、五十億の予算をとって、それともう一つ大事なことは、当時の自治省にも御協力をいただいて、補助をする仕組み、それを、国、地方公共団体、鉄道事業者が三分の一ずつ負担をするということをつくったがために動き出したということでございます。
 それがあったからこそ、平成十二年の交通バリアフリー法というものにつながるわけでございまして、差別の禁止、ヘイトスピーチの禁止の法律なんかもあるわけでございますけれども、なかなかなくならない。ちょっとほかのと比較するといかぬのかもしれませんが、法律で決めればいいという問題では決してないと思います。具体的にどうやって動かしていくのか。そしてまた、多くの一般の方の御理解をどうすれば深めていくことができるのか。私はそれが大事ではないかなと。
 つまり、きょうお見えの参考人の方、あるいは障害をお持ちの方、あるいは障害以外の高齢者、多くの方にとって暮らしやすい環境をつくるために、これ困った、あれ困るよというようなことを言わずに済むような環境を、どのように国、地方公共団体あるいは関係の者が整えていくか。それが私は大事なことではないかな、そんなふうに思っております。
 続きまして、竹下先生に伺いたいと思います。
 竹下先生は、本当に私にとっては信じられないことでございますが、全盲であるにもかかわらず、司法試験に通られる、大変な御努力を重ねられたことかと思います。
 また、竹下先生が働きかけられたおかげで、法務省の方でも司法試験の制度を変えたというふうに私は承知しておりますが、盲人会連合、あるいは、きょうここにはお見えでありませんけれども、ろうあ連盟の方々からは、情報へのアクセス、こういったことが強く求められているところでございます。
 こういったことについて、我々のこの法律の中でも、これまでも、音声による案内あるいは字幕その他による案内、こういったものも努めているわけでございますけれども、さらに、今後の取組として、あるいはいろんな計画をつくっていくということに対して、竹下さんの方でどんなふうにお考えかをお尋ねしたいと思います。
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竹下義樹#15
○竹下参考人 ありがとうございます。
 今回のバリアフリー法の改正の中で、バリアフリー化したさまざまな施設の情報提供というものが幾つかの規定が入りました。これは、私は非常に重要な規定だと思っております。
 表現が不適切だったかもしれませんが、幾らいいものをつくっても、それが利用されなければ本当に絵に描いた餅で終わるわけです。バリアフリー施設の一つだと思いますけれども、例えば障害者用のトイレ、これをせっかくつくっても、それがその駅にできたこと、あるいはどこにあるかがわからなければ、私たち視覚障害者は結局のところ不自由をするわけであります。
 そういうふうに、情報というものが私たち視覚障害者にとっては日常生活、社会生活の大きな支えになっているわけでありますから、今回のバリアフリー法の中においても、情報保障というものが重要な一つのポイントになっているのではないかと思っております。
 もう一つはやはり、一つ一つのバリアフリー化を進める上で、当然に、先ほど森先生の話にもありましたけれども、一人一人の障害者の程度というものが違うがために、重要なバリアフリー化という流れができているにもかかわらず、一部障害者が取り残されてしまうという現実が起こります。そうしたものをどういう形で救済していくかということもぜひ意識していただきたい。
 すなわち、先ほど冒頭で申し上げましたけれども、せっかくバリアフリー化されたものが本当に全ての障害者に自由な移動を保障する環境になったかどうかという形での点検をしていただくことによって、そうした弊害もなくしていけるのではないかと思っております。
 以上でございます。
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盛山正仁#16
○盛山委員 バリアフリーをスタートしたときの日本盲人会連合の会長が村谷さんでございまして、村谷さんから私が言われたことは、あんたな、トイレ行ってちょっとこうやって、どこにボタンがあるのかと思って、俺たちはよくわからぬものだから手をあちこちさわると、急にいろんなところから水が出てきてぬれたりいろんなことをして困るんだ。あるいは、今までボタン式だったのは、まだここを押せば、押した押さないがわかるけれども、最近タッチパネル式がふえて、何か変なところを押すと急にほかのところの声だとかいろんなものが出て困るんだ、俺たちの声を聞いてほしい、こういうことも言われました。
 あるいは、聴覚障害の方からは、災害のときが典型でございますけれども、あるいは事故が起こったとき、みんなが急に動き出す、それを見て、これは何かあったなと思って自分たちも動き出すんだけれども、やはり自分たちは、聴覚障害の方は一見すると周りから障害を持っているということがわからないので、目で見てわかるようなそういう情報提供もしてほしい、こんなことも伺っているところでございます。
 国土交通省に限らず政府の方も、障害者のお声を聞くような形に少しずつ、一歩ずつ進んできたと思いますし、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスという障害者権利条約の中での言葉も紹介されたとおりでございます。本当にそのとおりだろうと思います。やはり当事者でなければわからない。そういったところをどのようにカバーをしていけばいいのか。
 先ほどDPIの佐藤さんの方からもいろいろなお話がございましたけれども、交通事業者による計画の作成、あるいは移動を円滑に行うための面的な整備、動線の整備、こういったことについて、今後、市町村と協力をしながらということになるんですが、地域のバリアフリー化、これをどのように進めていけばいいのか。佐藤さんの目で、どういうことをお望みであるのか、お聞かせいただければと思います。
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佐藤聡#17
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。
 私は、日本の場合は建物関係の整備がおくれているというふうに感じております。それは先ほども述べさせていただきましたけれども、アメリカは本当にほとんどのお店が入れるんです。それは、ちゃんと入れるように配慮したつくりになっています。今ある建物を変えてバリアフリー化するのは非常にコストがかかります。それで今なかなか進まないんじゃないかと思います。
 ですので、私は、新規に、新しくお店をつくるときに、入り口に段差をつくらないとか、ドアの幅を八十センチ以上にするとか、椅子は動かせるようにしておくとか、そういう最低限の基準をつくって、それに基づいてつくるという仕組みが有効だと思います。
 本当にお店はどんどん新しいものができていきますので、最初であれば、バリアフリー化してもほとんどコストは変わらないというふうに聞いております。ですので、一定程度そういう基準をつくっていただきたいと思います。
 以上です。
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盛山正仁#18
○盛山委員 ありがとうございました。
 今、佐藤さんから、前々から伺っている話でもございます、アメリカと日本の違い。アメリカの場合には、ベトナム戦争、その他戦争があって、いわゆるベテランの方の扱い、あるいは公民権運動、そういったものが背景にあってのADA法が一九九〇年にできて、イギリスではDDA法が一九九五年にできた。そういったところと日本との国情の違いもありますけれども、誰にとっても暮らしやすい環境をつくるというのは、それはおっしゃるとおりでございます。
 ただ、この法律のスコープが、この法律は国土交通省、総務省が所管をする法律ということでございますので、今の焦点、こういったところにも私も対象を広げたいと思うわけでございますけれども、そうすると経済産業省ですとか他の役所との関係もあります。そういったことで、法律のたてつけの制約がある。それをどのようにまた変えていかなければならないのか、いくことができるのか。そういったことを引き続き考えていきたい、そんなふうに感じます。
 時間も大分なくなってまいりました。地域との関係ということで三星先生に伺いたいと思います。
 三星先生は、阪神大震災の後、神戸の旅客線ターミナルでありますとか阪急伊丹でありますとか、これをつくり直すときに、障害者のお声を聞こうということを率先して三星先生が進められ、そして地方公共団体との関係、いろいろやってこられました。
 そして、きょうのお話の中でも、首都圏と地域との格差、竹下参考人からもお話が出ました。私も選挙区が神戸なものですから、首都圏に比べて、特にホームドア、関西はおくれているな、そんなふうに感じるわけでございますけれども、国と地域との関係というんでしょうか、地方公共団体あるいは地域の交通事業者との関係、こういったものも含めて、地域によって、特に地方公共団体によって取組の温度差があるものですから、そのあたりをどのように進めていけばいいとお考えなのかを伺いたいと思います。
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三星昭宏#19
○三星参考人 三星でございます。
 私もやはり関西のことしかわかりませんので、正確なところ、全国各地の進展が、ここがなぜこんなにおくれているのか、ここがなぜここだけ進んでいるのか、これはやはりよくわからないところはあるんです。
 その前提の上で、どうしても感じで物を言うことになりますが、まず、関西の中には歴史、風土としまして、比較的弱者に優しい、あるいは外国人の方も多い、朝鮮からの方もたくさんいらっしゃいますし、被差別部落もあったり、そんな中で、多様な人々が共生するという点については割と寛容な社会であることが関係あるのか。しかし、それを言えば、同じ日本なので東京とそんなに差があるのか、そこのところはよくわからないです。
 それから、重要なのは、これは強調しておきたいと思うんですが、関西の中では、障害者の外に出よう運動、先ほどお話しありました青い芝の会を始めとする、外へ出よう、そよ風のように出ようという運動が長らくあったわけでありまして、その中で、運動と自治体が結びつきまして、八〇年代、九〇年代は、私、授業のないときはしょっちゅう大阪市でディスカッションしていたものであります。
 そういったことが背景にあったわけでありますが、そこから得られる教訓ですけれども、決してそれは大阪だけの特徴、特徴ではあるんですが、大阪でないとできないことではないので、今現在、札幌、仙台等で随分、障害当事者、あるいは大学の関係者、あるいは自治体、あるいは国の方々との共同作業が始まっております。
 これらは必ずや何年かしてきますとプラスになってまいりますので、多少の不均等発展については、そういう、繰り返し申しますが、当事者参画をしっかりやっていく中で克服されていくと思います。今のでお答えになるんでしょうか。
 あともう一つ、大阪府の役割は大きいです。役所レベルで言えば、府と、こう言うと、名を挙げると差しさわりがありますが、近畿の運輸局はよく頑張りました。そういう意味では、ちょっと言いにくいんですが、よその局のことも多少は私も知らぬでもないんですが、やはり行政が頑張ると進むということが言いたかったので。
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盛山正仁#20
○盛山委員 ありがとうございました。
 特に私が感じるのは、地域によって、ホームドアその他いろいろお金がかかる施設整備、取組の差がある。そういったところをこれから、こういった法律あるいは実際の予算づけその他でカバーをしていくことができればと思うわけでございますけれども、残念ながら昨年お亡くなりになった妻屋さんが私に、平成十年か十一年、おっしゃられたことがあります。
 あんたな、俺たちがありがとう、ありがとうと言わないといけないその気持ちがわかるかと。心のバリアフリーということで私たちが当時言い出したときだったんですけれども、ありがたいよ、でも、人に一々ありがとう、ありがとうと頭を下げないといけないこの悔しさを君はわかるかね。人にありがとうと言われずに済むように、自分の意思で自由に動けるようなそういう環境をつくってくれよ。こんなふうに妻屋さんから言われました。
 そして一方、松尾栄さん、当時の日身連の会長の松尾さんから言われたことは、あんたな、いろいろみんな言うよ。いろいろ言うけれども、一歩一歩進んでいこうじゃないか。いろいろなことを言う人はいるけれども、とにかく一歩前に進まないと次に進まないんだ。俺たちは、当時運輸省でしたから、運輸省を応援するよ。そしてまた次の段階に、そして次の段階にと、俺たちが住みやすい環境を実現できるようにあんたも手伝ってくれ。そんなことを言われた覚えがございます。
 これからも、きょうのこのバリアフリー法のスコープだけではなく、もっと広く、ほかの省庁にもまたがるような、そういう広い施策を進めていくことをこれから私も努力することを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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西
西村明宏#21
○西村委員長 次に、道下大樹君。
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道下大樹#22
○道下委員 立憲民主党の道下大樹と申します。
 本日は、参考人の皆様、お忙しいところを国会にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。また、先ほどは大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきたいというふうに存じます。
 まず、竹下様そして佐藤様にお伺いしたいんですが、きょう、お住まいのところからこの国会に来られるまでに、交通手段や、また、建物の面から何かバリアを感じられたものはございますでしょうか。実際に、この短い、たった午前中ですけれども、そういったバリアを感じられたことがありましたら、今ちょっと御感想を聞かせていただきたいというふうに思います。
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竹下義樹#23
○竹下参考人 私はきょうは東京のマンションから来たんですけれども、きのう移動しておりまして、その関係で二つだけ申し上げたいと思います。
 一つは、先ほど申し上げたトイレでした。きのうは妻と一緒に移動したんですけれども、トイレはどういう形になるかといいますと、付添いが妻ですから、一般のトイレへ行くときは私一人で行かざるを得ないわけです。そういうときはもちろん後ろをついていくんですが、なかなか複雑なトイレの中で迷ってしまうことがある。
 それでどうするかというと、障害者用のトイレを探すわけであります。障害者用のトイレですと、個室みたいなものですから、一人で入れるわけですが、東京駅には幾つかあるんですけれども、不思議と全部詰まっていたんです。中へ入っていたのは、障害者であれば仕方がないですけれども、全くそうではない健常者の方が出てくるわけです。そういうふうにして、トイレを使いたいと思うときに使えないという非常に身近な不便を感じたのが一つでございます。
 もう一点は、道路の問題でありますけれども、私たちは、御存じのとおり、点字ブロックとかそういう手がかりで一人で歩くことが多いわけでありますけれども、点字ブロックが非常に普及してきたことは私たちにとっては物すごく何か、この町は自分たちを受け入れてくれているなというほど温かみを感じるわけでありますが、残念ながら、その点字ブロックの上に物が置いてあるということが多いわけであります。そうすると、駅でいうと、自転車が置いてあることが一番典型的でありますけれども、そういうときに非常に危険であったり不便を感じるということがあります。
 以上でございます。
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佐藤聡#24
○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。
 私は三田線で来たんですけれども、三田線は、六両の編成で車椅子のスペースが二カ所あります。この二カ所の入り口のところは、全部の駅ではないんですけれども、ホームが一部スロープになっておりまして、私の場合は一人で乗ったりおりたりができます。
 きょうは早朝でしたので、混んでいなくて無事に乗れましたけれども、日中はこの二カ所にたくさんの人が来られます。車椅子ももちろん何人も乗っていきますし、ベビーカーを使った方も乗ってこられます。今、旅行されている、大きいスーツケースを持った方もたくさん利用されます。
 日中はこの場所に、フリースペースは車椅子二台しかスペースがないんですけれども、ここに、車椅子が二、三台、ベビーカーが三、四台、私が一番多かったときは、ベビーカー五台、車椅子三台というふうになりました。
 結局、今本当にこのスペースを必要とする人がふえていますので、一編成二カ所というのは非常に少ないです。大阪の地下鉄などは一車両に一カ所ずつというのを実現しておりますので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思っています。
 以上です。
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道下大樹#25
○道下委員 どうもありがとうございます。今本当に、お話を伺いまして、やはり当事者でなければわからないことが大変多くあります。
 私も以前ボランティアサークルに所属をしておりまして、車椅子利用者の介助などをして、これはするだけじゃなくて、もう一つは、車椅子に乗ってみる、そして階段を上りおりされてみる、さらには、アイマスクというんでしょうか、目の見えない状況にしてみて一人で歩いてみるという、当事者の立場に立って行動することによってわかってくること、そして、さまざまなバリアを感じてくるわけでございます。
 そうしたことを理解をした上で、こうした今回のバリアフリー法改正案についても議論を進めなきゃいけないなというふうに感じさせていただきました。
 そこで、竹下様にお伺いしたいというふうに思います。
 先ほど、今回のバリアフリー法改正案について、各事業者においてバリアフリー計画を策定することを明記しているということを評価されているというふうに伺いました。
 これはもう私も一定の評価をさせていただきますけれども、そうしたときに、この交通各事業者のバリアフリー計画のみならず、道路管理者や建築物の建築主などに対しても、こうしたバリアフリー計画の策定を求めたり、あと、そうした計画、そして推進、また実行に当たって、視覚障害者の方や障害当事者の方々の意見が反映される仕組みが必要ではないかなというふうに思っておりますけれども、御意見を伺いたいと思います。
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竹下義樹#26
○竹下参考人 ありがとうございます。
 今お尋ねあった件について、私の思いを二つだけ申し上げたいと思います。
 一つは、鉄道事業者であれ、あるいは商業施設であれ、そうした大きな施設が、このバリアフリー計画を立てたことは本当に僕はすばらしいと思うんです。
 そのときに、障害を持った人たちが特別な存在ではない、一人一人、他のお客さんと同じように利用してもらえる、あるいは利用する、そういう対象なんだということをぜひ意識していただきたい。そのことが、今先生が御指摘になったように、当事者の声というものを反映する出発点になると思うわけであります。
 すなわち、障害を持った者から声を聞いていただく、その障害を持った人たちが、鉄道、駅をどう利用しているのか、あるいは商業施設をどう利用しているのかということの視点を聞いていただくことによって、その計画が実のあるものになっていくのではないかなと思うわけであります。
 もう一点は、今道路のことを先生指摘していただいたので、非常に私はそこがポイントというか重要だと思っておりまして、その道路と施設、あるいは駅がばらばらで計画を立てられたり、物を考えてバリアフリー化されると、せっかくのものが何かつながらないという、非常にもどかしさを感じるわけであります。
 やはりその点をどうつないでいくか。例えば、地方公共団体に先ほど申し上げた推進計画を立てさせるにしても、あるいは道路管理者に、そうした視点に立った整備を進めていただくにしても、一定の共通した認識を持ちながら、そうした道路管理者や地方自治体にその思いが伝わるような、あるいはその事業に着手していただけるようなインセンティブも与えながら、それが一体となることをぜひ期待したいと思っております。
 以上でございます。
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道下大樹#27
○道下委員 ありがとうございます。
 やはり、その計画もつくる前だけとかそういったときだけにしか聞かない、若しくは、計画策定じゃなくて、その評価のときだけしか聞かないということではなくて、さまざまな点でその当事者の意見が反映される仕組みが必要かというふうなお気持ちだったというふうに思っております。
 次に、これは、基本的人権と移動の権利について皆様にお伺いしたいというふうに思っております。
 私ども立憲民主党は、この移動の権利の確保、そして、それらをこうしたバリアフリー法に関しては明記をすべきだという立場をとらせていただいております。
 国連の障害者権利条約において、障害者も含めた全ての人の基本的人権、また、移動の権利というものが明確にされております。また、この障害者権利条約をもとにしてつくられた国内の障害者基本法などについても、そういったものが、基本的人権が明記されているわけでありますけれども、そうしたものが、残念ながら、今回のバリアフリー法改正案には明記されておりません。
 明記しない理由としては、この移動権、移動の権利というものの内容が未確定であり、これを未確定のまま認めると、施設管理者に対する損害賠償請求権が発生したり、過大な財政支出にもつながるおそれがあるということだとか、障害者の基本的人権については障害者基本法に規定済みであり、この法案については、障害者のほか、高齢者など健常者を広く対象としていることから、基本的人権の規定はなじまないというような意見を出される方もいらっしゃいます。
 私は、これはちょっと違うのではないかなというふうに思っております。こうしたものはしっかりとそれぞれの個別の法案についても、基本的人権だとか、今回バリアフリー法でございますので、移動の権利、そういう権利をまず高らかに目標を掲げた上で、それに向かって諸施策の実現に全力を挙げて取り組んでいく。これは、省庁だけでなくて、我々政治に携わる者だけではなくて、全ての国民の皆様で取り組んでいく、進んでいくというこの流れが重要かというふうに思っております。
 時間も限られておりますけれども、三星様、竹下様、森様、佐藤様の順で端的に御意見をいただければ幸いに存じます。
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三星昭宏#28
○三星参考人 三星でございます。
 私は、日本国憲法における、国民はひとしく健康にして文化的な生活を送ることができるという権利を認めているわけでございますけれども、その一部として、少なくとも、移動ができないと働くことができないのと、それからやはり学校へ行くことができない。現代社会で、働けない、学校へ行けないというのは、大変大きな生存のための必要条件なんです。ですから私は、移動すること自体、これは権利だと考えております。
 ただ、それを法律の中でどう表現するか。交通権若しくは移動権という用語を使って、どういうところでどういう表現にするかにつきましては、これは私見ですが、関係する諸制度あるいは諸規定なんかとのバランスを考えますと、例えば、その上位における交通政策基本法では結局入らなかったんです、前回。
 そこらの流れの中で、突然今回の法律だけには入れにくいというあたりは理解できますけれども、それだけ申し上げておきます。
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竹下義樹#29
○竹下参考人 ありがとうございます。
 私は、視覚障害者だけではなくて、障害者全体にとって移動の自由というものをどういう形で実現していくかということが大事だろうと思っております。
 当たり前のことでありますけれども、憲法二十二条には移動の自由という規定があって、それの広い意味での移動の自由は、公共交通機関を自由に平等に利用できなければ、実質的な意味では、今の現代社会では移動の自由が確保されているとは言えないわけであります。
 そういう点に立ちますと、障害のある人たちも平等に、あるいは、障害のある人に配慮がされた利用の可能な公共施設あるいは公共交通機関になるための理念というものが大事だと思っております。
 障害者権利条約においても移動の権利というものは必携されているわけでありますが、私は、それらの規定は、日本でいえば、憲法二十二条や十四条を充填するそういう意味を持っているというふうに理解していますので、今後、そういう障害者の移動というものがどれだけ制限されているか、あるいは、逆に平等というものがどういう形で実現されているかという形で、人権が実現されていることを確認できるようになっていくことを期待したいと思っております。
 以上でございます。
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