小此木八郎の発言 (災害対策特別委員会)
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○小此木国務大臣 おはようございます。
国土強靱化担当、防災担当大臣の小此木八郎でございます。
第百九十六国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信を申し上げます。
我が国は、その自然的条件から、各種の災害が発生しやすい特性を有しております。こうした我が国の特性を踏まえ、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいる所存です。
いまだ記憶に新しい東日本大震災や熊本地震を始め、この一年間にも火山の噴火、台風、豪雨、大雪等による災害が発生しております。特に、昨年七月の九州北部豪雨やその後の台風、本年一月の本白根山の噴火、一月から二月にかけての大雪等により、多数の方々が被災されております。こうした災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
政府は、こうした災害に対して被害状況の早期把握及び被災者の救援救助活動に全力を尽くすとともに、生活、なりわいの再建、復旧復興対策等について、関係省庁一体となって対応してまいりました。
熊本地震については、間もなく発災から約二年が経過しますが、被災地ではインフラの復旧やなりわいの再建等、着実に復旧復興が前に進んでいる一方で、いまだ約四万人の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされておられます。熊本県とも連携しながら、一日も早くもとの生活に戻れるよう、政府としても引き続き全力で支援してまいります。
また、福岡県、大分県を中心に甚大な被害をもたらした昨年七月の九州北部豪雨については、発災直後から、被災者の救命救助活動や避難所の生活環境整備等に関係省庁が連携し対応に当たったほか、被災地の復旧の妨げとなっていた大量の流木等の処理等に政府一体となって取り組んでまいりました。また、激甚災害の指定を早期に行い、道路や河川等のインフラの復旧、被災者の生活再建等に引き続き取り組んでいるところです。
この激甚災害の指定については、被災した地方公共団体が安心感を持って迅速に復旧復興に取り組むことができるよう、被害が甚大になる蓋然性が高いと判断される災害については、関係省庁の協力のもと、指定の一層の早期化に向けた運用の改善を昨年末に行いました。
本年一月に発生した本白根山の噴火については、関係省庁が連携し、山頂付近に取り残された方々の救出活動に全力で当たるとともに、観測機器を新たに設置するなど、監視体制を強化したところです。また、今月六日に七年ぶりに爆発的噴火が発生した新燃岳の噴火については、地方公共団体により登山道の立入り規制、道路の通行規制等が実施されているところです。現在も活発な噴火活動が続いていることから、情報収集に努めるとともに、引き続き緊張感を持って対応に当たってまいります。
本年一月から二月にかけて、特に福井県福井市では、昭和五十六年の豪雪以来、三十七年ぶりの積雪を記録するなど、日本海側を中心に大雪となりましたが、自衛隊の災害派遣や除雪車の応援等のほか、災害救助法を適用するなど、地方公共団体による除排雪への支援を行ったところです。今後も、農業や中小企業の支援に関して、関係省庁と連携して対応を進めてまいります。
続きまして、防災対策等の主な課題と取組方針について御説明いたします。
まず、地震対策の強化についてです。
広範囲かつ甚大な被害が懸念される南海トラフ地震については、昨年九月の中央防災会議のワーキンググループでの取りまとめを受け、南海トラフで異常な現象が発生した際の避難等、とるべき対応について、関係地方公共団体等の協力を得ながら地域の住民や企業の方へのヒアリング等を行っています。これを踏まえ、有識者会議を設置し、新たな防災対応について検討を開始する予定です。
また、今後発生が懸念される首都直下地震についても、開催まで二年余りとなった東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据え、必要な対策を強化してまいります。具体的には、首都直下地震、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画について、広く関係機関と連携した各種防災訓練の実施により、実効性の確保、向上に向けた取組を進めてまいります。
南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害が発生した場合には、圧倒的な住宅不足により応急的、一時的な住まいでの生活が長期化すると予想されます。昨年八月には、有識者会議において、被災者の住まいの確保に当たっての課題等を取りまとめていただきました。今後は、応急仮設住宅の迅速かつ円滑な供給方策や住宅の応急的な修理の促進方策等について更に検討を進めてまいります。
大規模災害に対応するためには、国、地方、民間といった関係機関における情報共有が極めて重要です。このため、昨年四月に立ち上げた、国と地方・民間の「災害情報ハブ」推進チームにおいて、引き続きICTの活用等による官民での迅速な情報共有に向けた方策の検討に取り組みます。
また、大規模・広域的災害時に被災した地方公共団体による災害救助事務が迅速かつ円滑に実施されるよう、災害救助制度の検討を進めてまいります。
次に、水害対策の強化についてです。
気候変動等による大規模水害の発生に備え、中央防災会議のワーキンググループにおいて、首都圏等における洪水や高潮氾濫からの大規模かつ広域的な避難のあり方について検討を行い、どのような方々に避難いただくか、また、広域避難計画をどのように策定するか等を示した報告が取りまとめられました。今後は、東京都とともに、関係地方公共団体及び関係機関から成る検討の場を設置し、広域避難の具体化を進めてまいります。
さらに、頻発する火山災害の対策については、御嶽山の噴火を踏まえて改正された活動火山対策特別措置法に基づき、警戒避難体制の整備や火山専門家の育成、監視観測・調査研究体制の整備等、関係省庁と連携して進めてきたところでありますが、今般の本白根山の噴火も踏まえ、全国の避難計画策定に対する支援策の充実等、更に取組を推進してまいります。
また、雪害対策については、高齢化等に伴う除雪の担い手不足、立ち往生車両の発生等、この冬の大雪においてもさまざまな課題が見られたところです。今後とも、関係省庁と連携し、ソフト、ハード両面の対策を進めてまいります。
災害対策の推進に当たっては、公助のみならず、自助、共助の取組いずれもが重要であると考えております。そのため、各界各層において我が国を代表する団体により構成された防災推進国民会議を中心に、自助、共助の取組を国民運動として一層推進してまいります。
さらに、地区防災計画制度の推進を始め、災害教訓の継承、防災ボランティア活動の環境整備、企業におけるBCPの普及等の取組を進めるとともに、国民の皆様にも、日ごろから水、食料品等の備蓄や災害保険加入等の災害への備えに取り組んでいただけるよう、防災意識の啓発に努めてまいります。
また、平成二十九年三月の津波対策の推進に関する法律の改正により、世界津波の日が法律上位置づけられました。これを踏まえ、十一月五日の世界津波の日、津波防災の日を中心に、津波防災の啓発活動により一層取り組むとともに、総合防災訓練大綱を定めることにより、国や地方公共団体等において防災訓練を総合的かつ計画的に実施することで、多様な主体の連携による防災力の向上に努めてまいります。
また、国際防災協力については、国際的な防災の取組指針である仙台防災枠組に基づき、東日本大震災を始めとする幾多の自然災害から得られた我が国の知見や教訓、防災に関する取組等を世界に発信し、国際社会における防災の主流化に積極的に貢献してまいります。
国土強靱化につきましては、現行の国土強靱化基本計画が平成二十六年六月に策定されて以降、約四年がたつことから、近年の社会情勢の変化や災害から得られた教訓等を踏まえ、本年中の見直しを目指して検討を進めるとともに、国土強靱化アクションプラン二〇一八については、現行計画の総仕上げとして、その内容を充実させてまいります。
また、地方公共団体、特に市区町村における国土強靱化地域計画の策定を支援するほか、事業継続に取り組む企業等を認証する仕組みの周知やBCPの策定、運用に係るノウハウの普及等により、企業等の主体的な取組を促進してまいります。さらに、国土強靱化に対する国民の理解と関心が深まるよう、啓発活動に努めてまいります。
今後とも、施策の重点化、優先順位づけを行い、ハード、ソフトの対策を適切に組み合わせながら、国、地方、民間が一体となって、効率的かつ効果的に国土強靱化を進めてまいります。
以上申し上げましたとおり、一連の災害からの迅速かつ円滑な復旧復興のため、被災者に寄り添いながら、被災した地方公共団体と一体となって取り組むとともに、これらの災害を教訓とした災害対策の一層の充実を実現し、災害に強くしなやかな国づくりを進めるため、大きな使命感と責任感を持って全力を尽くしてまいります。
望月委員長を始め理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。
ありがとうございました。