國重徹の発言 (法務委員会)
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○國重委員 非常に限られた時間的制約の中でこの改正をしたということは、当時の議事録の中からもうかがえます。そして、今答弁されたように、「本法は、可及的速に、将来に於て更に改正する必要があることを認める。」との附帯決議が、これは全会一致でされました。
そして、昭和二十二年、一九四七年当時、次のような質問主意書が出されております。どういう質問主意書かといいますと、尊属、卑属という用語は、尊いものと卑しいものとの存在を意識するものであって、必然的に封建的身分観念を温存し、かつ国民平等の原則とも一致しないものであるから改正の必要があるという旨の質問主意書であります。
これに対しまして、当時の政府は、答弁書で、政府としても尊属、卑属という用語の可否に疑問を持っている、適当な用語があればこの次の民法大改正のときに改めよう、このように答弁書で答えております。
しかし、七十年以上たっても、この卑属という用語は改められておりません。
資料三をごらんください。
これは、昨年九月二十五日付の読売新聞から抜粋したものであります。ここには、「日本遺伝学会は、遺伝子の特徴の表れやすさを示す「優性」「劣性」を、それぞれ「顕性」「潜性」に改めると決めた。遺伝子に優劣があるという誤解や偏見を生む恐れがあるため」とした上で、「同学会は関連学会と協議してこれらを含む約百語を改訂し、一般向け用語集を出版する。」ことが書かれております。
また、「「色覚異常」は、「異常」に違和感を持つ人もいるため、「色覚多様性」という用語を新たに追加する。」とのことであります。
そして、日本遺伝学会の会長である小林武彦東京大学教授は、ゲノム、遺伝情報の多様性を優劣で表現するのは差別ととられかねない、改訂した用語を定着させたい、こう述べられております。
このようなことからしましても、他分野でこういったものが進んでいることからしても、しかもこれは、十年ぐらいかけてこの改正に持ってきたということなんですね。こういうことからしますと、私法の基本法である民法において、卑属という用語を放置したままでいいわけがない。尊属、卑属という用語は、戸籍法を始めほかの法律でも使われておりますが、これらは基本法である民法が変わらなければ変わりません。
これまでの国会において、もう何十年前とかにも、昭和二十二年以降にも質問した方が調べた限りではいらっしゃいました。ただ、そのときの政府の答弁は、適当な言葉がなかなか見つからないという答弁が見受けられましたが、その後、本当に真剣に悩んで検討してきたのかと私は疑問に思っております。
政治は、立法は、ベストではなくベターを選択するものでございます。尊卑を使った尊属、卑属に比べれば、例えば、先後を使った先属、後属、また、先後に属の字ではなくて親族の親をつけて先親、後親、こういった用語の方がまだましでございます。あるいは、祖先の祖を使った祖属と、末裔、後裔の裔の字を使った裔属、さらには、もう漢字二字にこだわらない、こういったこともあるかと思います。
より適切な用語は、今後しかるべき専門の方々が検討していただくとして、卑属の用語を私は改正すべきと考えますが、これについての上川大臣の見解をお伺いいたします。