小野瀬厚の発言 (法務委員会)

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○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 現行法には、危険物についての荷送り人の通知義務に関する規定はございません。個別の事案におきます具体的な事情のもとで、信義則上、荷送り人がそのような義務を負う場合があるというふうに解されるにとどまっております。
 しかしながら、現代では、危険物の種類が多様化しておりまして、封印されたコンテナによる運送が一般的になるなど危険物の取扱いが困難となる中で、船舶を始めとする運送機関の大型化等に伴いまして、危険物の取扱いを誤った場合の損害は極めて大きなものとなっております。
 そこで、改正法案では、危険物の適切な取扱いによる運送の安全確保を図るために、荷送り人の運送人に対する私法上の通知義務を新設いたしまして、荷送り人は、運送品が危険物であるときは、その引渡しの前に、運送人に対し、危険物の安全な運送に必要な情報を通知しなければならないとしたものでございます。
 今回のこの改正法におきましては、この通知義務違反による荷送り人の責任については特段の規定は設けておりません。これにつきましては債務不履行に関する民法の規定が適用されることとなっております。
 したがいまして、荷送り人は、通知義務違反によって運送人に損害が生じた場合には、原則として債務不履行による損害賠償責任を負うこととなりますが、例外的に、自分に帰責事由がない、こういうことを主張、立証したときはその責任を負わないこととなるというものでございます。
 この点につきまして、法制審議会における議論の過程では、運送の安全確保を強調する観点から、通知義務に違反した荷送り人は、自分に帰責事由がなくても責任を負うべきである、こういった考え方も検討されましたけれども、改正法案では採用はされておりません。これは、物流におきましては、製造業者、商社、利用運送事業者などさまざまな関係者が危険物の荷送り人となりますために、その賠償責任の有無、範囲については、それぞれの知識経験、運送品が危険物であることの認識可能性、こういったことを踏まえまして、各自の帰責性に応じた弾力的な判断ができるようにすべきである、こういったこと等の理由によるものでございます。

発言情報

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発言者: 小野瀬厚

speaker_id: 17320

日付: 2018-04-18

院: 衆議院

会議名: 法務委員会