法務委員会

2018-04-18 衆議院 全225発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 平口  洋君
   理事 大塚  拓君 理事 門  博文君
   理事 田所 嘉徳君 理事 藤原  崇君
   理事 古川 禎久君 理事 山尾志桜里君
   理事 井出 庸生君 理事 國重  徹君
      安藤  裕君    井野 俊郎君
      上野 宏史君    鬼木  誠君
      門山 宏哲君    神田  裕君
      菅家 一郎君    城内  実君
      黄川田仁志君    小林 茂樹君
      高木  啓君    谷川 とむ君
      中曽根康隆君    百武 公親君
      古川  康君    山下 貴司君
      和田 義明君    逢坂 誠二君
      松田  功君    松平 浩一君
      山本和嘉子君    源馬謙太郎君
      階   猛君    西岡 秀子君
      柚木 道義君    大口 善徳君
      黒岩 宇洋君    藤野 保史君
      串田 誠一君    重徳 和彦君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        葉梨 康弘君
   法務大臣政務官      山下 貴司君
   最高裁判所事務総局総務局長            中村  愼君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 大賀 眞一君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小島 裕史君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       金子  修君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    辻  裕教君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    富山  聡君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     松本 年弘君
   政府参考人
   (防衛装備庁調達管理部長)            辻  秀夫君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    —————————————
委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     高木  啓君
  神田  裕君     百武 公親君
  松平 浩一君     山本和嘉子君
  柚木 道義君     西岡 秀子君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  啓君     鬼木  誠君
  百武 公親君     神田  裕君
  山本和嘉子君     松平 浩一君
  西岡 秀子君     柚木 道義君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
     ————◇—————
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平口洋#1
○平口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官大賀眞一君、警察庁長官官房審議官小島裕史君、法務省大臣官房政策立案総括審議官金子修君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長辻裕教君、法務省矯正局長富山聡君、国土交通省総合政策局公共交通政策部長松本年弘君及び防衛装備庁調達管理部長辻秀夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平口洋#2
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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平口洋#3
○平口委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長中村愼君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平口洋#4
○平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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平口洋#5
○平口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。和田義明君。
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和田義明#6
○和田委員 皆様、おはようございます。自由民主党、北海道五区の和田義明でございます。
 本日は、法務委員会で初めての質問の機会を賜りまして、まことにありがとうございます。委員長、理事、委員各位、そして上川大臣を始め政府関係者の皆様方に心から感謝申し上げます。まことにありがとうございます。
 それでは、早速、本日の案件であります商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案について質問を進めさせていただきたいと思います。
 まず、一問目でございます。上川大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 改正法案は、約百二十年間にわたって実質的な改正の行われてこなかった商法の運送、海商分野の規定について大きな見直しを行うものであると承知をしてございます。この分野は国民生活に身近なものであるとともに、自由貿易の旗手である日本の企業活動としても重要なものであると考えております。元商社マンとしても大変重要なものだと思っております。
 まず、今回なぜこの分野について改正法案を提出したのか、お伺いできたらと思います。よろしくお願いします。
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上川陽子#7
○上川国務大臣 おはようございます。
 商法のうち運送、海商法制に関する部分につきましては、条約の批准に伴い、国際海上物品運送法等の特別法が制定、改正された以外は、明治三十二年の商法制定以来、実質的な見直しがほとんどされてきませんでした。
 また、商法におきましては、片仮名文語体の表記が多く残っている状況でございます。しかし、この間、陸上運送及び海上運送のほかに航空運送も普及をし、国民生活に大きな影響を持つ運送のあり方は一世紀前と比べて一変をしている状況でございます。
 また、船舶の衝突や海難救助などの海商分野につきましては、条約等の世界的な動向を踏まえまして規律のあり方を見直す必要がございます。
 加えて、基本的な法令は、可能な限りわかりやすく、一般にも参照が容易で予測可能性が高いものとすべきであるということでございます。
 そこで、この法律案でございますが、このように商法制定以来の社会経済情勢の変化に対応し、また運送、海商法制の現代化を図るとともに、商法の表記を平仮名口語体に改めるため、商法及び国際海上物品運送法の一部を改正しようとするものでございます。
 この改正によりまして、運送に関するルールが現代的、合理的なものとなり、かつ予測可能性が高まるものと考えられるところでございます。その結果、幅広い利害関係者におきましても、合理的な企業経営、また法的紛争への対応が容易となり、ひいては日本経済の成長に寄与するものというふうに考えております。
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和田義明#8
○和田委員 大臣、ありがとうございました。
 確かに、明治時代から変わっていない片仮名と文語調の法律というのはもう残り数少ないのかと承知しておりまして、まさに待ったなしの法改定だったというふうに理解をしております。
 二問目に移らせていただきます。
 今の御答弁にありました社会経済情勢の変化そして世界的な動きは、この百二十年間に少しずつ進行してきたものであると思います。この間、運送、海商法制について見直しがされなかったのにはどのような理由があったのか、御教示賜りたいと思います。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#9
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 商法の分野におきましては、これまで特に、会社関係につきまして、企業を取り巻く環境の変化等に伴う喫緊の課題が多く、幾度も大きな改正が行われてまいりました。また、保険関係につきましては平成二十年に全面的な見直しが行われたところでございます。これに対しまして、運送、海商関係につきましては、条約の批准に伴って特別法の制定等を行ってきたものの、実務におきましては定款等による対応が進んでいたことなどもありまして、見直しの着手がおくれてしまった、こういう面がございます。
 しかしながら、運送のような取引社会の基盤となる分野についてのルールが社会の実情に合わない状態にあるというのは相当ではございませんので、現代社会に適合したルールを明確化する必要があることから、規定の見直しをすることとしたものでございます。
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和田義明#10
○和田委員 率直な御答弁、まことにありがとうございました。
 今回の改正法案でございますけれども、具体的にどのような改正内容となっているか、御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#11
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 済みません、ちょっとその前に、先ほど私、定款と申し上げてしまいましたけれども、約款の誤りでございました。申しわけございません。
 今回の改正法案でございますけれども、まず、運送、海商改正の現代化を図る、こういった観点から、主な改正事項といたしましては、まず、陸上運送それから海上運送のほかに、新たに航空運送ですとか、一つの運送契約で陸上、海上等異なる種類の運送を行います複合運送についての規定を設けまして、これらいずれの運送についても妥当する運送契約についての総則的規律をつくることとしております。
 また、危険物についての荷送り人の通知義務に関する規定を新設しております。
 さらに、運送品の滅失等についての運送人の損害賠償責任は、一年以内に裁判上の請求がされないときは消滅するものとし、旅客の生命身体の侵害についての運送人の損害賠償責任について、これを減免する特約を無効としております。
 また、国内海上運送人の堪航能力担保義務、これは、発航の当時、船舶が安全に航海をするのにたえることを担保する義務、こういう義務でございますが、こういった義務の違反による責任を過失責任化することとしております。
 また、船舶の衝突に基づく不法行為による損害賠償請求権、財産権の侵害を理由とするものに限られますが、これにつきましては不法行為時から二年間で時効により消滅するものとしております。
 商法の表記に関しましては、運送、海商法制についての規定のみならず、片仮名文語体である商法第二編第五章以降の規定につきまして、全て平仮名口語体に改めることとしております。
 今回の主な改正点といたしましては、以上のようなものが挙げられます。
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和田義明#12
○和田委員 ありがとうございました。
 確かに、運送にかかわる人たちや旅客の安全、これは何よりも最優先でございますし、今回、必要な点が改正されたというふうなことで、高く評価申し上げたいと思います。
 それでは、四つ目の質問に参ります。
 今御説明いただきましたもののほかに、細かな改正点も少なくないと思います。そのような多くの改正事項について、どのような審議過程を経てきているのか、また、改正法案の提出に至る経緯などについて御教示賜りたいと思います。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#13
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 平成二十六年の二月に、法務大臣から法制審議会に対しまして、商法等のうち運送、海商関係を中心とした規定の見直しに関する諮問がされまして、法制審議会に商法(運送・海商関係)部会が設置されたものでございます。
 この部会では、平成二十六年の四月から検討を開始いたしまして、並行して、旅客運送に関する事項については、更にそのもとに分科会を設けて検討を進めました。平成二十七年の三月には中間試案が取りまとめられまして、パブリックコメントの手続も実施されております。
 部会での検討を経まして、平成二十八年二月十二日に法制審議会の総会において、全会一致で商法(運送・海商関係)等の改正に関する要綱が採択され、法務大臣に答申されております。
 法務省では、この答申に基づきまして法案作成作業を行いまして、平成二十八年の十月十八日に商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を国会に提出したわけでございますが、この法律案は、昨年の九月二十八日、衆議院の解散に伴いまして廃案となったものでございます。
 そのため、法務省では、本年二月六日に同じ内容を今国会に提出するに至ったものでございます。
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和田義明#14
○和田委員 ありがとうございました。
 幅広いステークホルダーから細かくヒアリングを行い、また、慎重に審議されたということで承知をいたしました。
 五つ目の質問に移らせていただきます。
 先ほど、世界的な動向への対応というお話がございました。確かに、この分野については世界的な動向を踏まえて対応することも重要であると思いますが、運送、海商法制に関する近時の諸外国の改正状況はどのようになっているか、御教示賜りたいと思います。
 この点は、日本の荷送り人、運送人、そして荷受け人の利益を守る点でも非常に重要だと思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。
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小野瀬厚#15
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 運送、海商法制に関します近時の諸外国における改正状況でございますけれども、例えばドイツにおきましては、一九九八年に、商法のうち海上運送を除く運送関係の規定が現代的なものに改正されております。その後、二〇一三年に、商法のうち海商法制が全面的に改正されております。
 また、フランスにおきましては、二〇一〇年に、陸上運送、河川運送、海上運送、海商、航空運送に関する規律を一つにまとめました運送法典が制定されております。
 そのほか、英国、中国、韓国などでも運送法あるいは海商法制が制定されておりまして、こういった諸外国におきましては一九九〇年代から二〇一〇年代にかけましてそういったような改正がされている、こういう状況でございます。
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和田義明#16
○和田委員 ありがとうございました。
 六つ目の質問でございますけれども、改正法案における主要な改正事項として、運送契約についての総則的規律の創設という点が挙げられております。このような規律を創設した理由、背景について御教示ください。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#17
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 現行法では陸上運送それから海上運送に関する規律はそれぞれ定められておりますけれども、航空運送、あるいは陸上運送、海上運送又は航空運送のうち二つ以上の運送を一つの契約で引き受ける複合運送、こういうものにつきましては規律が設けられておりません。しかしながら、現代におきましては、これらの航空運送あるいは複合運送は非常に広く普及しております。
 そこで、改正法案では、現行の陸上運送に関する規律を基本といたしまして、これに必要な改正を加えつつ、陸上、海上、航空運送に共通する運送契約についての総則的な規律を設けることとした上で、複合運送契約につきましてもこういった規律を適用することとしたものでございます。
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和田義明#18
○和田委員 ありがとうございました。
 続きまして、次の質問に移りたいと思います。
 ただいまの答弁にありましたとおり、改正法案では航空運送に関する規律の新設を行っていると承知いたしました。航空運送といいますと、近時は、新たな事業としてドローンを運送に利用する試みもあるようでございます。例えば、アメリカのアマゾンが荷物のデリバリーにドローンを使用するというふうな計画が発表されてございます。
 そこで、ドローンによる運送について、商法の規定の適用の有無、これがどうなっているかというようなことについて御教示いただきたいと思いますし、また、その理由につきましても御開陳いただきたいと思います。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#19
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 今回のこの改正法案でございますが、商法上の航空運送の対象となる航空機でございますが、これは、航空法第二条第一項に規定する航空機、すなわち、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船をいいまして、ドローン等の無人航空機を含めないこととしております。
 これは、ドローンによる運送のような新たな運送形態につきましては、輸送の安全の確保や事業の適正かつ合理的な運営等の観点からどのような公法上の規律を設けるかという議論が不可欠でございますけれども、このような議論がないまま商法上に新たな契約類型として規律をすることは相当でないと考えられることが理由の一つとしてございます。
 また、新たな運送契約形態につきましては諸外国における検討及び立法のあり方との調和も考慮する必要があること、こういったこともあわせて考慮したものでございます。
 こういったことから、今回のこの改正法案では、ドローンによる運送につきましては商法の運送営業に関する規律を適用しないこととしております。
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和田義明#20
○和田委員 ありがとうございました。
 確かに、まだドローンは商業ベースには乗っていない、とりわけ運送業におきましては商業ベースには乗っていないというふうなことでございますけれども、既に建設の現場等々では随分と活用され始めてございます。運送に活用されますのも時間の問題だと思いますので、法整備のおくれがこういったドローンの活用のおくれにつながらないように、ぜひとも早目の検討をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、次の質問に移りたいと思いますけれども、改正法案におけるもう一つの主要な改正事項として、危険物の通知義務に関する規律の新設という点が挙げられると思います。
 この点は、荷送り人と運送人の利害対立が先鋭化する場面の一つであると思われます。現に、通知義務に違反した場合は、荷送り人の責任のあり方をめぐり、法制審議会商法部会でもさまざま意見があったというふうに承知をしてございます。
 まず、危険物に関する通知義務についての改正の概要及びその理由について御教示ください。
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小野瀬厚#21
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 現行法には、危険物についての荷送り人の通知義務に関する規定はございません。個別の事案におきます具体的な事情のもとで、信義則上、荷送り人がそのような義務を負う場合があるというふうに解されるにとどまっております。
 しかしながら、現代では、危険物の種類が多様化しておりまして、封印されたコンテナによる運送が一般的になるなど危険物の取扱いが困難となる中で、船舶を始めとする運送機関の大型化等に伴いまして、危険物の取扱いを誤った場合の損害は極めて大きなものとなっております。
 そこで、改正法案では、危険物の適切な取扱いによる運送の安全確保を図るために、荷送り人の運送人に対する私法上の通知義務を新設いたしまして、荷送り人は、運送品が危険物であるときは、その引渡しの前に、運送人に対し、危険物の安全な運送に必要な情報を通知しなければならないとしたものでございます。
 今回のこの改正法におきましては、この通知義務違反による荷送り人の責任については特段の規定は設けておりません。これにつきましては債務不履行に関する民法の規定が適用されることとなっております。
 したがいまして、荷送り人は、通知義務違反によって運送人に損害が生じた場合には、原則として債務不履行による損害賠償責任を負うこととなりますが、例外的に、自分に帰責事由がない、こういうことを主張、立証したときはその責任を負わないこととなるというものでございます。
 この点につきまして、法制審議会における議論の過程では、運送の安全確保を強調する観点から、通知義務に違反した荷送り人は、自分に帰責事由がなくても責任を負うべきである、こういった考え方も検討されましたけれども、改正法案では採用はされておりません。これは、物流におきましては、製造業者、商社、利用運送事業者などさまざまな関係者が危険物の荷送り人となりますために、その賠償責任の有無、範囲については、それぞれの知識経験、運送品が危険物であることの認識可能性、こういったことを踏まえまして、各自の帰責性に応じた弾力的な判断ができるようにすべきである、こういったこと等の理由によるものでございます。
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和田義明#22
○和田委員 ありがとうございました。
 運送当事者、そして旅客の安全が何よりも大事でございますが、その一方で、運ばなければいけない危険物の種類、こういったものはどんどん新しいものが出てくるというふうに承知をしてございます。
 次の質問でございますけれども、荷送り人に危険物に関する通知義務を課す場合には、そこで言う危険物の範囲が大変重要になってくると思います。商法上の危険物の定義はどのようなものか、抽象的な定義では運送実務に混乱をもたらすおそれがあると思いますけれども、この点についてのコメントをよろしくお願いします。
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小野瀬厚#23
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 改正法案では、危険物につきましては、現行の国際海上物品運送法の規定と同様に、引火性、爆発性その他の危険性を有する物品と定義しております。
 このように危険物の定義を抽象的なものにいたしましたのは、技術革新等によりまして将来新たに危険物として把握されるべきものが生ずることが容易に想定されるために、こういったこれらの危険物にも対応する必要があること等を踏まえたものでございます。
 こういった商法上の危険物の該当性につきましては、基本的に公法的な規制、例えば消防法等の規制でございますが、こういった規制を参考にして判断することができますし、特に、新たに製造された化学薬品等につきましては、安全確保の観点から危険性の有無が慎重に判断されるべきことは当然でございまして、実務に混乱をもたらすことはないものと考えております。
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和田義明#24
○和田委員 ありがとうございました。
 科学や技術の進化とともに新しい危険物がどんどん出てくると思います。また、諸外国でいろいろな法整備が進むと思いますので、そういった科学技術の進歩に合わせて、また諸外国の法律の進化に合わせて、しっかりと日本の法律をアップデートしていただきたいと思います。
 時間の都合上、ちょっと質問を飛ばしまして、十二問目の質問に行かせていただきたいと思います。
 諸外国では、危険物に関する通知義務に違反した場合の責任を無過失責任と定めている国もあるようであり、運送の安全は最大限保護されるべきであります。このような観点から、危険物に関する通知義務に違反した荷送り人は帰責事由がなくとも責任を負うべきであるという考え方もあるのではないでしょうか。御意見を賜りたいと思います。
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小野瀬厚#25
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、危険物に関する通知義務に違反した荷送り人の責任につきましては、帰責事由がなくとも責任を負うべきである、こういった考え方もあったところでございます。
 しかしながら、この点につきましては、先ほども述べましたけれども、物流におきましては、製造業者、商社、利用運送事業者などさまざまな関係者が危険物の荷送り人となるわけでございまして、その賠償責任の有無及び範囲につきましては、それぞれの知識経験等を踏まえて、各自の帰責性に応じて弾力的な判断ができるようにするのがいいのではないかというふうに考えられました。
 また、荷送り人が帰責事由がなくても責任を負う、仮にこのような規律を設けるとした場合には、その予測可能性を確保しなければいけないということになろうかと思います。そうしますと、商法上の危険物を相当明確に定義づける必要がございますが、技術革新等により将来新たに危険物として把握されるべきものが登場する余地を踏まえますと、なかなかそういった明確な定義づけも困難でございます。
 また、荷送り人が帰責事由がなくても責任を負うといたしますと、中小企業、消費者、利用運送事業者等さまざまな荷送り人が相当額の賠償責任保険を付すということが想定されるわけでございますけれども、そのような状況は社会全体のコストの観点からも適当ではないというふうに考えられました。
 このようなことから、先ほど申し上げましたような考え方はこの改正法案ではとられていないというものでございます。
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和田義明#26
○和田委員 ありがとうございました。
 運送に携わる全ての関係者が危険物に関する厳しいチェックを行う、これが何よりも大事だと思いますので、できるだけ厳しいルール形成をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、保険に関する質問に移りたいと思います。十三問目でございます。
 運送、海商の分野は、特に保険が発達している分野の一つであり、実務上、保険によって対処されていることも大変多うございます。この分野の保険、海上保険については告知義務に関する改正が実務上重要であると伺っておりますけれども、その内容について承りたいと思います。よろしくお願いします。
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小野瀬厚#27
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
 海上保険の告知義務につきましては、現行商法には特段の規定がございません。
 一般法であります保険法の規律によりますと、いわゆる質問応答義務という規律がございます。保険契約者又は被保険者になる者は、損害保険契約の締結に際し、危険に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたものについて、事実の告知をしなければならない、こういうふうにされております。
 しかしながら、海上保険につきましては、火災保険などとは異なりまして、危険の個別性が強く、その内容及び程度を一般的に想定することが困難であります。また、契約の申込みをしてから保険期間が開始するまでの期間が短く、質問応答義務による対応が時間的に困難な場合が少なくございません。
 このような事情から、英国の海上保険法を始めとして、いわゆる自発的申告義務の規律が定められまして、保険者になる者が告知を求めることを前提とせず、保険契約者又は被保険者となる者は、みずから危険に関する重要な事項について事実の告知をしなければならないとされることが一般的でございます。
 また、近時の保険実務からは、自発的申告義務に関する明文の規定が存在しないと、国際的な再保険等の関係で支障を来すおそれがあるという懸念も表明されているところでございます。
 そこで、改正法案では、保険法の特則として、海上保険については今申し上げましたような自発的申告義務に関する規律を設けることとしたものでございます。
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和田義明#28
○和田委員 ありがとうございました。
 最初に御指摘申し上げましたとおり、この分野は一般国民にとっても大変身近なものでありますし、また企業活動にとっても重要でございます。その意味では、改正法案の成立後は、しっかりとした周知が何よりも大事だと思います。
 法務大臣始め関係各位にこの周知の徹底をお願い申し上げて、時間になりましたので、私の質問を終えさせていただきます。まことにありがとうございました。
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平口洋#29
○平口委員長 次に、國重徹君。
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