安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田克也議員にお答えいたします。
財政健全化についてお尋ねがありました。
二〇一九年十月に予定されている消費税引上げ分の使い道の見直しにより、プライマリーバランス黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となると判断しました。
ただし、財政健全化の旗は決しておろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。
大切なことは、プライマリーバランスを改善し、債務残高対GDP比を着実に引き下げることです。そのためには、経済成長を実現し、税収を上げなければなりません。
引き続き、経済再生を図りながら、歳出歳入両面からの改革を続け、プライマリーバランスを黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。
財政健全化を確実に実現するとは、御指摘の金利上昇に伴う利払い費の増加リスクも踏まえ、この目標を確実に達成していくことであります。
この目標の達成に向け、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、この夏までに、プライマリーバランス黒字化の達成時期と、裏づけとなる具体的かつ実効性のある計画をお示ししてまいります。
補正予算の緊要性等についてお尋ねがありました。
平成二十九年度補正予算は、災害対応を始めとする追加的財政需要に適切に対処するとともに、生産性革命や人づくり革命など、緊急性が高いものへの対応を講じるものであります。
お尋ねのものづくり補助金については、多くの中小企業、小規模事業者が人手不足に悩まされており、生産性の向上が喫緊の課題となっている中、緊急性が高いとの判断のもとで計上したものです。
公共事業については、今般の補正予算において、昨年の九州北部豪雨や台風などによる災害からの復旧や、全国の中小河川の緊急点検の結果等を踏まえた防災・減災対策など、緊急性の高い事業を積み上げたものであり、公共事業関係費を前年度並みに抑制していると言うための小細工といった指摘は当たりません。
来年度予算においては、薬価制度の抜本改革などの改革努力による社会保障費の伸びの抑制を始め、各般の歳出削減努力を行う一方で、雇用・所得環境の改善等を背景に、二十七年ぶりの高い水準の税収を見込んだ結果、公債の発行額が六年連続で減額することとなったものであり、今般の補正予算によって来年度予算案の見かけをよくしているとの指摘は当たりません。
ウラン濃縮会社の買収交渉に係る報道と原発の新増設についてお尋ねがありました。
まず、日本政府として、報道にあるような、ウラン濃縮会社の買収交渉に入ったという事実はありません。
その上で、原発政策については、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減するというのが安倍内閣の一貫した方針です。
その方針のもとに、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の考え方であり、原発の新増設については、現時点では想定しておりません。
使用済み燃料の貯蔵についてお尋ねがありました。
政府としては、三年前に策定した使用済燃料対策に関するアクションプランに基づき、御指摘の乾式貯蔵施設の建設、活用を促進しています。
既に設置されている東海第二発電所の施設に加え、現在、その他の原子力発電所においても設置に向けた取組が進められており、今後とも、地元の理解を得ながら、官民を挙げて取り組んでまいります。
憲法の平和主義と憲法改正についてお尋ねがありました。
我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできました。二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。平和主義は日本国憲法の基本原則の一つであり、憲法前文は我が国が平和主義の立場に立つことを宣明し、第九条はその理念を具体化した規定であると考えています。
政府としては、現行憲法のもとで、世界各国と同様の集団的自衛権の行使一般を認めるなど、平成二十六年七月の閣議決定を超えて自衛権を広げるような解釈を採用することは困難であると考えています。
憲法改正は、国会で発議し、最終的には国民投票で国民が決めるものです。各党が憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、岡田議員の御指摘のような点も含め、憲法審査会において議論を深め、前に進めていくことを期待しています。
なお、自民党は、さきの総選挙の公約でも、現行憲法の平和主義の基本原理は堅持することを明確にお約束しています。
トランプ政権の核政策についてお尋ねがありました。
米国は、日本が攻撃を受けた場合、日本と共同対処することを条約上の義務として約束している唯一の同盟国です。
このような観点から、政府としては、現在行われている米国の核政策の見直しに関する具体的な作業の動向を注視しており、米国と緊密に意思疎通を行っていく考えです。
米国の核抑止力と核軍縮の関係に対する政府の考えについてお尋ねがありました。
北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の進展は、我が国に対する現実の脅威となっており、政府としては、国民の安全を守るため、日米同盟のもとで米国の核抑止力を維持することが必要と考えています。
同時に、唯一の戦争被爆国として核兵器の非人道性を最もよく知る我が国は、核廃絶に向け、国際社会の取組を主導していく使命を有しています。
これらの観点を踏まえ、政府としては、米国の核戦力を含むあらゆる種類の軍事力による我が国の防衛へのコミットメント及び核軍縮による核なき世界の実現への道筋につき、米国と十分な意思疎通を行っていくことが重要と考えています。
私の広島での発言についてお尋ねがありました。
私がオバマ大統領とともに広島を訪問し、核なき世界を目指して努力すると世界に向けて発信した立場は一貫したものであり、この方針にいささかも変更はありません。
私とオバマ大統領が広島を訪問した翌年、北朝鮮は、広島に投下された原爆の十倍以上の威力を持つ核実験を強行し、日本列島を核爆弾で海の中に沈めるべきといった極めて挑発的な声明を発出していることは、岡田議員もよく御存じのとおりであります。
北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の進展は、我が国の平和と安定に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、政府には、何よりも国民の命と平和な暮らしを守り抜く責任があります。そのためには、日米同盟のもとで、通常兵器に加えて核兵器による米国の抑止力を維持していくことが必要不可欠であります。
政府としては、現実の安全保障上の脅威に的確に対処しながら、唯一の戦争被爆国として、米国を含む核兵器国と非核兵器国双方に働きかけて、双方の橋渡し役を務めることにより、現実的な観点から、核なき世界を実現するための努力を積み重ねてまいります。
天皇陛下の御退位について国会の果たした役割及び女性宮家の問題についてお尋ねがありました。
天皇陛下の御退位について、各党各会派が立法府の主体的な取組が必要であるとの認識で一致され、衆参正副議長による議論の取りまとめが行われたことは、憲法第一条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とされていることを踏まえた御判断であり、その御尽力に改めて敬意と感謝を申し上げます。
女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等に係る問題は、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題ですが、そのための方策については、いろいろな考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには、十分な分析、検討と慎重な手続が必要です。政府としては、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し、対応してまいります。
また、この問題の国会における検討については、国会で御判断されるべきと考えております。
支持率についてお尋ねがありました。
国民の皆様の厳しい声や御批判については、真摯に受けとめたいと思います。同時に、三カ月前の総選挙でいただいた国民の皆様の力強い負託、その責任の重さを胸に刻みながら、安定した政治基盤のもと、さまざまな政策に大胆に挑戦し、政治を前に進めていく決意であります。
私の政治姿勢についてお尋ねがありました。
森友学園への国有地売却については、私自身、さきの衆議院選挙における各種の討論会やこれまでの国会において、いただいた質問に丁寧に説明してきたところであり、今後ともしっかりと説明をしていかなければならないと考えています。
他方で、かねてから、国有地の売却価格については、会計検査院がきっちりと厳正に調査するものと思っているということを申し上げてきたところです。
その後、政府から独立した機関である会計検査院が検査を行い、さきの国会において報告が提出されました。その報告については真摯に受けとめる必要があると思っております。
さきの国会において、財務省から、この報告の内容を重く受けとめ、これをしっかり検証した上で、国有財産の管理処分の手続等について必要な見直しを行っていくことに尽きるという答弁がありました。
国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。
私としても、国有財産の売却について、業務のあり方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において、今後の対応についてしっかりと検討させているところです。
また、文書の管理、保存については各行政機関が責任を持って行っており、これまでも説明してきたところですが、今後、国会の場において、財務省など関係省庁からしっかり説明させていただきます。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
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