生方幸夫の発言 (本会議)

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○生方幸夫君 立憲民主党の生方幸夫です。
 立憲民主党を代表して、所得税法等の改正案並びに国際観光旅客税法案について質問いたします。(拍手)
 冒頭、大雪の被害に遭われている北日本、北陸の皆様にお見舞いを申し上げます。まだ大雪のおそれがあるようでございますので、政府として万全の体制をとるようにお願いをいたします。
 さて、今週の金曜日、十六日から確定申告が始まります。税務署の職員にとっては最も忙しい季節が始まるわけですが、ことしは、いつにも増して忙しいことが予想されます。なぜなら、ことしは申告の質問に加えて、自分たちの上司である佐川さんについても質問に答えなければいけないからです。自分たちの上司についての質問にも答えなければいけないからです。
 国税庁のトップは、前理財局長、佐川宣寿氏です。佐川氏は、国税庁長官に就任して以来、恒例となっております記者会見を一度も開いておりません。国会では、我々の質問に対して、書類は廃棄をした、面会記録はないを繰り返していた方が、今度は一転して、記者の質問には一切答えておりません。
 麻生財務大臣は、国税庁所管以外に関心が高まっていたから実施しなかったと、森友問題の追及を避けるために佐川長官が記者会見を開かなかったことを擁護するような答弁もしております。とんでもない話です。
 国税庁長官は徴税のトップです。その人に国会でうそをついたのではないかという疑惑がかけられていたのでは、部下がしっかり仕事ができるはずはありません。
 国有財産は財務省の財産ではありません。言うまでもなく国民の財産です。所管する財務省としては、財政が逼迫している折、少しでも高く売るというのが基本的な立場です。
 しかるに、森友学園への国有地の売却の過程を見ますと、高く売るどころか、買い主の要求に応じて価格を決めるという極めて不明確なことが行われていたことが明らかになりました。
 これまで国有財産の売却で一度もしたことがない定期借地権を与えるとか、随意契約で延納特約をつけたとか、売却額を非公開にしたとか、例外措置がずらっと並んでいます。その結果、最終的に、九億五千万円の価値がある土地を一億三千万円で売ってしまった。国民の側からすれば、八億円を超える損をしたことになります。
 会計検査院の調査でも、値引きについて、十分な確認ができていないという報告が出ています。書類を廃棄したと言っておきながら、九日にも、会計検査院に提出していなかった新たな書類が二十件も出てまいりました。このままいけば、更に隠されていた書類が出てくる可能性が高い。これでは財務省の言うことを誰も信用しなくなってしまいます。
 一般の法人は、確定申告の後、取引記録などの帳簿を七年間保存することが義務づけられております。確定申告で書類を求められた法人が、書類は軽微なものだったので廃棄しましたと言ったら、職員は一体どう答えるのでしょうか。
 佐川氏の証人喚問がなければ、国にとって大事な徴税義務に支障が出ます。麻生財務大臣、佐川氏にきちっと国会で説明するように要請をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 それができなければ、佐川氏には国税庁長官をやめてもらうしかありません。総理は適材適所だと言っておりますが、我々から見れば、不適材不適所以外の何物でもありません。総理、証人喚問に応じない場合には更迭をするべきだという私たちの要求について、お考えをお聞かせください。
 これに関連して、安倍昭恵さんについても触れないわけにはいきません。国有財産が不当な安値で売られた裏には、昭恵さんが森友学園の名誉校長だったということを抜きにしては考えられません。昭恵さんは、自分も真実を知りたいなどと他人事のように述べておりますが、真実を知りたいのは国民の方です。
 もう一方の当事者である籠池夫妻は、証人喚問をされ、詐欺容疑でもう半年以上も収監されたままです。真実を明らかにするためには、籠池氏にも再度国会に来ていただき、うそが言えない証人喚問の場で真実を国民の前に明らかにする必要があると考えますが、総理、いかがでしょうか。
 もう一つ、国民が納得していない事例があります。加計学園問題でございます。
 もう既に入試が始まっており、獣医学部が少ないということもあって、大変な倍率になっているようです。それはそれでいいのですが、加計学園に関する疑惑が晴れたわけではありません。肝心かなめの加計孝太郎理事長が一度も国民の前できちんと説明していないからです。
 ここでも例外措置を重ねて、友達のために国家戦略特区に今治市を指定し、獣医学部の新設を認めさせた疑念があります。問題なのは、行政が恣意的にゆがめられたおそれがあるということでございます。
 前川前文科事務次官は、あったことをなかったことにするわけにはいかないと発言をいたしました。総理の友人であることをそんたくして事が進められたことは疑いようがありません。
 行政府の長である総理大臣が、行政の公平、公正さに疑問符を、図ったとしたら、国民が誰も税金を払おうとはいたしません。真相解明のためには、加計学園理事長の証人喚問が欠かせないと思いますが、総理、友人として、加計氏に証人喚問に出るように説得をする気がありますか。御答弁ください。
 政党助成金も税金が使われております。その使途に疑問符がつけられれば、国民の納税意識に大きな影響を与えます。
 茂木財務担当大臣は、地元の有権者に線香や国会手帳を配ったそうです。茂木大臣は、政治活動の一環として政党支部の秘書が行ったと答えておりますが、これで納得する国民が一体何人いるでしょうか。
 過去にも、小野寺防衛大臣が有権者に線香を配ったという事例がありました。小野寺氏の場合は潔く議員辞職をいたしました。どうして茂木大臣は辞任をしないのか、総理、どう考えているのでしょうか。お答えください。
 ここから個別事項についてお尋ねをいたします。
 まず、給与所得控除についてですが、今回の改正では、控除額の上限について、年収が八百五十万円を超える会社員や公務員が対象となりました。しかし、なぜ八百五十万円を基準にしたのか、十分な説明がなされておりません。
 取りやすいところから取るということで八百五十万円が決まったという話もあります。根拠なく場当たり的に決めたと言われても仕方ありません。
 年収八百五十万円は、都市部では必ずしも高所得者とは言えません。中間層と言っても過言ではないのが実情です。消費が盛り上がらない景気環境の中で、消費性向の強い中間層を対象にした増税は、さらなる消費の落ち込みを招きかねません。どうして八百五十万円を基準にしたのか、消費への影響をどう考えているのか、財務大臣、お答えください。
 法人税制についてもお伺いいたします。
 大企業は高収益を上げているにもかかわらず、賃上げは十分に進んでおりません。一方、企業の内部留保は、二〇一六年度法人企業統計で四百六兆円超と、過去最高を更新いたしております。
 企業の行動を国が指図することはできませんが、税制改正を通じ、人への投資を促すことは可能です。今回の改正では、所得拡大促進税制を見直し、十分な賃上げも設備投資もしていなかった企業には税額控除の運用を停止することで、内部留保の活用を求めております。
 しかし、これまでの経験からして、本当に実効性があるのか、甚だ疑問です。所得拡大促進税制がどんな効果があったのか、また、さらなる賃上げを促すために、税率の引上げや租特の廃止を含む法人税制の抜本的な改正をするつもりがあるのかどうか、財務大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、金融所得税制について伺います。
 ここ数日、株価は乱高下していますが、年初から、株式市場はバブル以来の最高値を記録するなど、生活実感とかけ離れたところで盛り上がっています。
 しかし、来年度税制改正では、金融所得課税の引上げに向けた議論が十分に進むことなく、給与所得者を中心とした増税が議論されることになり、格差の固定化が一層進むのではないかという懸念があります。
 高所得者の所得源の多くは給与所得よりも金融所得であるという調査もあり、このままの状況が続けば、高所得者ほど所得税負担が小さくなるという逆転現象を生んでしまいます。さまざまな商品が乱立する金融市場の実態を鑑み、金融所得課税引上げが必要と考えますが、財務大臣はどうお考えでしょうか。
 また、最近、不正流出などの問題が発生している仮想通貨について伺います。
 十分な防御措置がとられないまま、仮想通貨が投資対象として活用されております。仮想通貨自体への規制のあり方、市場における健全性確保をどうするのかということについて、今後議論が必要です。税務当局として、課税対象の捕捉、課税のあり方など、どのように進めていく考えか、あわせて財務大臣にお伺いをいたします。
 国際観光旅客税について伺います。
 日本を訪れる外国人観光客が順調にふえていることは好ましいことです。しかし、観光客がふえたからといってすぐに税を課すというのは、やはり取りやすいところから取るという発想と言わざるを得ません。
 税額は、出国一回につき千円となっております。旅行者にとってそう負担になる額ではないと思いますが、これ以上ふやさないように要望をしておきます。
 この税の目的は、観光基盤の拡充強化を図るためとされております。そうであるならば、国税として国が全額を徴収するのではなく、空港や港が置かれている地方にも財源の一部を回す方が、より効果的と考えますが、財務大臣、いかがでございましょうか。
 今後の税制改革について伺います。
 さきの衆議院選挙で、総理は、社会保障と税の一体改革によって決定された消費税の引上げに伴う徴収増加分について、教育や子育て支援に転用するなど、使途を大きく変更いたしました。
 その結果、財政健全化目標も先送りになり、過日示された内閣府の中長期の経済財政に関する試算では、プライマリーバランス黒字化目標の達成は、当初の目標から二年おくれ、二〇二七年まで遠ざかることとなりました。何度も先送りしてきたこれまでの経過からいえば、この目標すら達成は難しいと言わざるを得ません。
 高齢化に伴い、今後も支出はふえ続けることが予想されます。それに引きかえ、税収が大幅にふえることは予想しづらい状況です。そうであれば、きちんとした将来像を示し、甘い見通しを繰り返すのではなく、真剣に、あるべき税負担について国民に示すことが責任ある政府の態度だと考えます。総理の見解をお伺いいたします。
 最後に、日銀総裁の任期は四月に迫っております。
 この間、デフレ脱却のためと称して、日銀は大規模な金融緩和を実施し、マイナス金利まで導入いたしました。
 しかし、目標とした物価上昇二%は、ついに見果てぬ夢と終わってしまいそうです。EUや米国では既に金融緩和から脱出しつつあります。ところが、日本では依然として二%目標を掲げたままで、真っ当な出口論争が行われておりません。
 財政規律がないがしろにされたまま超金融緩和政策を続けていけば、いつか、円が急落するとか国債が暴落するとか、不測の事態が起こる危険があります。
 いわばアベノミクスの後始末と言える出口戦略を、総理はどう考えているのか、また、巷間言われておりますように黒田総裁を続投させるかどうかを総理にお尋ねして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 119605254X00520180213_013

発言者: 生方幸夫

speaker_id: 13983

日付: 2018-02-13

院: 衆議院

会議名: 本会議