大河原雅子の発言 (本会議)

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○大河原雅子君 立憲民主党の大河原雅子です。
 立憲民主党を代表して、ただいま議題となりました森林経営管理法案について質問いたします。(拍手)
 質問に先立ち、どうしても一言申し上げなければなりません。森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書の改ざん問題です。
 一昨日、佐川前国税庁長官に対する証人喚問が行われましたが、五十回にも及ぼうかという佐川氏の証言拒否の結果、真相究明がなされたとは全くもって言えない状況です。
 決裁文書の改ざんは立法府に対する冒涜であり、国政調査権のじゅうりんです。いつ、誰が、何のために改ざんを行ったのか一切わからないままです。与党の大幹部は、疑いは晴れたなどと、どうしていけしゃあしゃあと言えるのでしょうか。立法府に身を置く政治家としての矜持を疑います。
 麻生大臣は、佐川氏が最終責任者であると主張されていました。しかし、麻生大臣の言うところの最終責任者が、一昨日、立法府に対して、そして国民に対して、その説明責任を放棄するような姿勢に終始したことは、まことに遺憾です。麻生大臣は、その佐川氏を適材適所とも言い続けてきました。今でも適材適所だったと本気で考えておられるのでしょうか。佐川氏に対する任命責任、特に理財局長に任命した責任について、改めて伺いたいと思います。
 また、佐川氏は、証人喚問で、財務省の調査について、中身を承知していない旨の発言をいたしました。財務省は、佐川氏に対して、今回の森友問題の件できちんと事情を聞いたのでしょうか。退職前に事務次官が事情を聞いたとの話はありますが、それだけなんでしょうか。今後、詳細なヒアリングを行う予定はあるのでしょうか。予定がないとすれば、それで調査が成り立つとでもいうのでしょうか。いずれも麻生大臣の答弁を求めます。
 この件でもう一点申し上げます。
 一昨日の証人喚問で佐川氏は、最後の最後になって、どういう経緯で、誰が、どう具体的に指示をしたかという点については答えず、その点については明らかになっていない、証人みずからがぬけぬけと述べるという前代未聞の事態が起こりました。何を今さらと思った国民の皆さんも多いと思います。やはり、真相究明は全くなされていないと言わざるを得ません。
 麻生大臣は、佐川証人がここまで言ったことを受けても、真相究明は一昨日の喚問で十分だと思われているのでしょうか。あわせて御答弁を願います。
 では、本題の森林経営管理法案について質問させていただきます。
 国土の七割が森林に覆われている日本は、世界でも有数の森林国だと言われています。森林面積は国土の三分の二に当たる約二千五百万ヘクタールを占めています。そのうち四割の約一千万ヘクタールが、木材生産を目的とした人工林です。戦後の復興のために大造林した木々が今や主伐期を迎えています。
 森林は、国土の保全、水源涵養、生物多様性の保全、地球温暖化防止、木材を始め林産物の生産など、多面的、公益的な機能を持っています。この多面的な機能が持続的に発揮されるために、林業の持続的な発展と、林産物の安定的な供給と利用が課題となってきました。
 国産材の価格は昭和五十年を境として長期的に下落傾向にあり、平成二十五年ごろからようやく価格に落ちつきが見られるようになりました。しかし、その木材価格はピーク時と比較するとおよそ三分の一に低下しています。そのため、伐採期に入った森林であっても、伐採後の再造林のコストの捻出が困難な事態に陥っています。
 先祖代々受け継いできた森林だからこそ、よりよいタイミングで伐採できるようにしたいと考える林家も多く存在しています。また、相続の中で所有者が不明となった森林も多く、荒廃が進行している事例も報告されています。
 林業は子育てに例えられます。苗木を植え、下草を刈り、雪で倒れれば綱をかけて起こし、除伐や間伐、枝打ちを行い、何十年、時には百年以上も、精魂込めた作業が続きます。
 こうした長年の努力が生み出してきた林業の価値が経済的な利益だけではないことを再認識し、次世代へと引き継いでいくことは大変重要なことです。
 これまでの先人の努力により、戦後造林された人工林を中心に、現在、本格的な利用期を迎えており、国内の豊富な森林資源の循環利用が大きな課題です。
 林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を実現するためには、低迷する国内林業の活性化を図り、森林整備を推進し、山村での雇用創出を実現する必要があります。
 このような中、平成三十一年度税制改正において、仮称、森林環境税等を創設することとされ、森林整備等の推進が期待されるところであります。
 そこで、まず、林業の成長産業化に向けて、この法律が果たす役割について伺います。
 また、林業の成長産業化のためには、木材自給率だけでなく、木材消費量を伸ばしていく必要があります。そのために、木材等の需要拡大、販売促進などの政策も必要ですが、これらについて、別途検討するのか、あわせてお答えください。
 本案により、これまで放置してきた森林所有者は、所有する森林に経営管理権が設定された場合には、新たな経済的損失なく、森林所有者の責務を果たすことになります。さらに、経営管理実施権が設定された場合には、販売収入の中から利益を得る可能性もあります。
 これまで熱心に林業経営に取り組んできた森林所有者が、みずから管理しなくとも利益が得られるのであれば、経営管理集積計画の作成を希望することもあり、逆に意欲をそぐ可能性があるのではないかと危惧されます。
 また、意欲があり、これまで長年の取組で培ってきた能力の高い経営者は、利益の一部を森林所有者に還元することが必要であり、手元に残る利益が減ることから、新しい森林管理システムを活用するインセンティブがわかりにくいと思われます。この点について、政府の考えを伺います。
 林業は、植林から伐採、収穫までに数十年を要します。長期間の経営管理を行える林業経営者を十分に確保できる見込みがあるのか、また、そのような経営者をどのように選定するのかも、あわせてお聞かせください。
 次に、所有者不明森林に係る措置についても伺います。
 所有者が不明の場合や共有者が不明の場合、相当な努力が払われたと認められる探索の方法は政令で定めることになっています。公簿での探索、登記簿上の所有者とその配偶者、また子までを範囲とする方向で検討されておりますが、政令で定める具体的な探索方法、また、事後に森林所有者があらわれた場合にどう対処していくのか、政府の考えをお聞かせください。
 日本の森林面積は二千五百万ヘクタール。このうち本案が対象とする民有林は七割であり、残り三割は国有林です。
 本案の対象を民有林に限った理由について御説明ください。
 また、民有林には私有林と公有林が含まれます。都道府県、市町村等が森林所有者である公有林について、経営管理権を設定することがあり得るのでしょうか。公有林に経営管理権を設定することがあるとすれば、公平性、透明性が求められます。
 市町村の場合には、公有林の管理を行う者と経営管理集積計画を作成する者が同じと想定されますが、その際の公平性、透明性はどのように担保されるのでしょうか。この点についても、政府の考え方を伺います。
 最後は、市町村の実施体制についてです。都道府県、市町村の責務について伺います。
 市町村は、本案によって、森林管理が円滑に行われるように必要な措置を講ずるよう努めることになっています。
 新たに創設される森林管理システムでは市町村が中心的役割を果たしますが、業務の増大が想定されます。市町村は、これまでの森林・林業政策にかかわる業務に加えて、経営管理集積計画の作成や、所有者や共有者不明森林の所有者の探索等、新たな業務が生じ、人員や活動経費などの体制整備が必須です。市町村の実施体制への支援について、政府の方針を伺います。
 また、市町村が中心的役割を担うとしても、都道府県の役割が不明確です。この点についてもあわせてお答えください。
 最後に、一言申し上げます。
 私は、三十年以上前に、水を汚さない暮らしを進める活動の中で、森は海の恋人という言葉に出会いました。以来、森と海は川で結ばれ、つながっていることを心に刻み、活動してまいりました。
 豊かな森林から供給される有機物は、川から海へ流れて、植物プランクトンは豊かな漁場をつくり、魚介類や海藻類など多彩な水産資源を私たちにもたらしてくれます。日本は太平洋、日本海に三万五千の川が注ぐ国ですが、山が荒れ、川にはダムや河口堰がつくられて、森、川、海の関係がずたずたになってしまったところでは、漁場が荒廃し、多くの水産資源が失われています。
 しかし、東日本大震災では、被害を受けた気仙沼のカキやホタテの養殖がいち早く復興しました。背後の川がきちんと整備され、森は海の恋人という考えのもとに、漁業者が植林活動を進めるなど、海、川、森のつながりをしっかりとつくってきたからだと言われています。
 ふるさとの風景にある、森、川、海のつながりを途切れさせず、食料、エネルギー、医療や介護などのケアの自給圏の拡大によって地域経済を循環させ、持続可能な地域をつくることが最も重要であることを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 119605254X01320180329_013

発言者: 大河原雅子

speaker_id: 30996

日付: 2018-03-29

院: 衆議院

会議名: 本会議