中谷一馬の発言 (本会議)
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○中谷一馬君 立憲民主党の中谷一馬です。
立憲民主党・市民クラブを代表して質問いたします。(拍手)
私は、自分自身が母子世帯の貧困家庭で育った原体験から、世の中の貧困と暴力を根絶したい、平和で豊かな社会がいつもいつまでも続く世の中をつくりたい、こんな思いで政治の道を志しました。
父と母は、私が小学生のときに離婚しました。母は、私と妹二人、きょうだい三人を何とか養っていこうと早朝から深夜まで働いてくれましたが、働いても働いても、生活は厳しくなるばかりでした。
一人親家庭のお母さんたちは、八一・八%の人が働いているにもかかわらず、平均収入は約二百万円にすぎません。そして、一人親世帯の相対的貧困率は五〇・八%に達します。この状態は、本人の努力が足りないのではなく、多数の一人親家庭のお父さん、お母さんが必死に働いても、ワーキングプア、貧困状態に陥るという社会的な構造に欠陥があることの証左です。
そして、働き続けた母は、ある時期に体を壊し、寝込むようになりました。その後、うちは生活保護を受けることとなりました。そのとき、子供だった私は、ただ無力で、そのことに悔しさを感じながらも、母のかわりに働きに出て家計を支える力はありませんでした。
そうした環境で育った私から見て、政府提出法案に足りないものは、市民生活に対する想像力と社会的弱者に対する共感力です。
そこで、総理に伺います。
総理は、今までの人生の中で、生活するお金がなくて困った経験はありますか。エピソードなどがあれば教えてください。
国民生活に大きな影響を与える立場にある者が、生活者の声を聞くことなく、そろばんだけをはじいて、実態を踏まえない、机上の空論で政策をつくれば、苦しむのは国民です。特に、本年十月から実施しようとしている生活保護基準の見直しでは、生活保護費を総額で百六十億円カットし、子供がいる世帯の四割の生活扶助が切り下げられる内容となっており、看過することはできません。
総理に基本認識を伺います。
生活保護は、憲法で規定されている健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障し、自立を助ける制度ですが、この健康で文化的な最低限度の生活に対する認識を安倍総理御自身はどのように捉えているのか、見解を伺います。
また、政府提案においては、生活保護受給者のみにジェネリック医薬品の使用を原則化するとのことでありますが、国民全体ではなく、生活保護受給者に対してのみ後発医薬品を原則化することは、明らかな差別であり、人権侵害であります。総理の所見は、これはどのように考えているのか、伺います。
今回の生活保護基準の引下げは、所得下位一〇%層と比較して生活扶助が算定されていますが、その層の経済状況は十年前と比べて悪化しており、アベノミクスの負の要素が格差を広げ、その大部分が相対的貧困線以下の水準です。最低賃金、介護保険料、就学援助などの基準にも直結することから、国民生活に広範な悪影響を与えます。
政府の経済政策における失敗を社会的弱者に押しつけるような政策は断じて許すことはできません。今求められているのは、切り捨てられている四割の人たちに寄り添う政策ではありませんか。
総理、今ならまだ間に合います。今回の引下げは、子供の貧困対策、貧困の連鎖解消に真っ向から反するものであり、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が脅かされる、受給者には厳しい内容です。生活保護基準の引下げは、安倍総理の決断で、この場で撤回していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
また、野党提案の子供生活法案では、水準均衡方式を見直すとありますが、この御趣旨を御説明ください。
生活保護基準を検討する部会では、利用当事者や関連制度で影響を受ける人たちからの意見聴取が全くないという専門家の指摘がありました。
二人の子供がいるお母さんが毎月十四万円の生活扶助で暮らすことが、七十五歳以上のおじいちゃん、おばあちゃんが約六万円の生活扶助で暮らすことがどれだけ大変か、総理は本当に理解されているのでしょうか。こうした方々の声に耳を傾けていれば、こんな政策決定はできないと思います。
そこで、安倍総理に伺います。
生活に困っている国民の人生に更に追い打ちをかけるような政策決定をするのなら、その人たちの声をしっかりと聞くべきです。この法案を国会へ提出するに当たって、総理はみずからが、生活に困窮している方々の話を五人でも十人でも聞かれたことがあるのか、教えてください。
また、政府として、利用当事者など影響を強く受ける人々の生活実態について大規模なインタビューや家計状況調査を実施し、現場の声に耳を傾けるべきであると考えますが、いかがでしょうか。総理の所見を伺います。
政府提案では、ゼロ歳から三歳未満児の児童養育加算を月額五千円も引き下げます。また、母子加算は月平均一万七千円に引き下げ、学習支援費も、実費払いへの変更と、上限を現行の支給額と比較して年額一万五千円以上も減額するとしています。子供たちが塾やクラブ活動を断念することにもつながりかねません。これで子供の貧困の連鎖を断ち切ると政府が口先だけのスローガンを掲げていることは、笑止千万であります。
子供の貧困対策を行っている公益財団法人あすのばの入学・新生活応援給付金を受け取った子供からはこんな声が寄せられております。自分は野球部のマネジャーを務めていました。けれど、母子家庭ということもあり、下に二人、妹と弟がいることもあり、部活動をやめざるを得ない状況になりました。母子家庭がこんなにつらくて苦しくて、父親がいないなんてこんなにつらいことだと初めて気づきました。母は毎日死ぬ気で働いて、朝もお昼も、お弁当も夜御飯もつくってくれて、母のありがたみが初めてわかりました。もし部活動をやめたら、家族のことを助けていこうと思います。この声を聞いて、総理はどう思われますか。
私は、子供たちを貧困から救い、平等な教育環境を整備し、健全な成長を支えて次世代へ送り出すことは、私たち当代の大人が担う責任であると思いますが、皆様いかがでしょうか。
総理が真に子供の貧困対策を行うのであれば、実態調査を行った上で進めてください。
また、児童養育加算、母子加算、学習支援費の引下げと実費支給への変更を撤回すべきと考えます。いかがでしょうか。
さらに、児童扶養手当を二十歳まで延長した上で、一世帯当たり月一万円増額し、支払い回数は、家計管理支援のため、毎月払いにすべきと考えますが、総理の所見を伺います。
そして、野党案でも児童扶養手当の提案がされておりますが、詳細について伺います。
全国大学生協連の調査によれば、受験や入学準備にかかる費用は、自宅生で約五十万円、自宅外生では約百三十万円程度かかるそうです。現在政府が提案している進学準備給付金は、自宅生が十万円、自宅外生が三十万円の支援であり、単純計算すれば、自宅生は四十万円、自宅外生は百万円を自分で用意しなくてはなりません。
そもそも、月十数万円の給付で子育てをしながらぎりぎりの生活をしている生活保護世帯が、どうやってこのお金を用意するのでしょうか。総理は、もし自分の立場だったら、本当にこれで、生活をしながら、子供一人当たり四十万から百万の進学準備費用を貯金できると思いますか。私は厳しいと思います。
安倍総理が、子供の貧困の連鎖を断ち切るため、大学、専門学校等への進学支援を本気で行うつもりなら、進学準備費用をしっかりと試算した上で進学準備金を給付すべきと考えますが、いかがでしょうか。総理の所見を伺います。
現行制度では、生活保護世帯の子供が高校を卒業すると、世帯分離が行われ、生活保護費の支給額が下がることから、大学等への進学の妨げとなります。
私も、専門学校に進学した際、授業や研修を受け、国家試験勉強をしながら、入学金の借金返済と卒業までにかかる授業料と生活費を確保しなければならず、平均して月五百時間程度を学業と労働関係に費やすといった生活環境でした。
給付型奨学金に関しては、成績不問とした上で、学ぶ意欲のある子供たちに範囲を拡大すべきと考えます。また、高校生への給付型奨学金は、格差をなくし、入学準備金制度を新設すべきです。授業料は減免制度を大幅に拡充するなどして、教育費用の無償化を推進し、経済的理由で進学を断念する子供をゼロにするような取組を進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
また、高校卒業後も世帯分離をしなくてよいと総理がこの場で明言すれば、貧困に苦しむ多くの子供たちが大学や専門学校などに進学できるようになります。
総理、貧困の連鎖を断ち切る、この言葉が本気なら、運用改善をこの場で御決断ください。見解を伺います。
そして、野党案においても世帯分離の運用改善について提案されておりますので、詳細について伺います。
与野党を超えた、皆様に訴えます。
今もなお、昔の我が家と同じような厳しい家庭環境で苦しんでいる親子がいます。特に子供たちは、自分の努力だけでは貧困から抜け出すことはできない。だからこそ、どんな家庭に生まれた子供であったとしても健やかに成長できる環境をともにつくりましょう。それが、私たち政治に携わる者へ与えられている使命です。
最後に、総理が御出席されている貴重な機会でありますので、森友問題について伺います。
刑事訴追のおそれを理由とした証言拒否が繰り返され、真相解明がされず、大変残念でありました。誰の言葉かと思ったら、籠池氏証人喚問後の総理御自身の答弁です。
しかし、先日、総理は、佐川氏の証人喚問について、政府の立場として一貫してコメントは述べないとうそぶきました。都合がよいとぺらぺらしゃべり、都合が悪いと逃げ回る。スーパー御都合主義ではないですか。
刑事訴追を理由にした証言拒否は、籠池氏は七回ほど、佐川氏は五十回にも及ぶとされます。
総理、籠池氏の証人喚問では、真相解明されないと明確に述べながら、籠池氏の何倍も刑事訴追を理由に証言拒否をした佐川氏の場合には、真相解明されないとなぜおっしゃれないのですか。納得できる理由をお示しください。
また、森友問題に総理や昭恵夫人は巻き込まれた、だまされた、私たちは被害者なのだとお思いですか。それとも、財務官僚が決裁文書の改ざんにまで手を染め、亡くなられる方まで出た、前代未聞のこの大問題の当事者の一人であるとお考えですか。御認識を伺います。
以上で私の質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕