山岡達丸の発言 (本会議)

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○山岡達丸君 国民民主党、山岡達丸です。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、政府から提出されました環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案及びその関連としてTPPをめぐる政府の考え方について御質問をいたします。(拍手)
 本題に入る前、柳瀬元首相秘書官について確認をさせていただきたいと思います。
 柳瀬氏は、これまで、加計学園幹部と面会したことについて、記憶がない、その一点張りで答弁を繰り返されてきました。この間、数々の文書記録が証拠として提示される中、最近ではその御記憶が戻られた、その御様子でございます。
 面会したことは思い出されたようでございますから、当然ながら、話した内容についてもきちんと覚えておられることと思います。会ったことは思い出されても、話した内容を覚えていないということは、この期に及んで、まさかないものだと確信をしているところでありますけれども、与党の皆様は、虚偽答弁に法的罰則がない参考人質疑にとどめたい、そんな意向だという話も聞こえてまいります。
 行政府の長の安倍総理が、うみを出し切る、こうして言っているにもかかわらず、うみを出す環境を立法府の議会として整えない、その姿勢はいかがなものでしょうか。
 総理は、こうした件に質問させていただくと、国会でお決めになることと繰り返し答弁をされます。この総理のうみを出し切るという言葉に、どうか与党の皆様は十分にそんたくをしていただき、今からでも遅くはありません、虚偽答弁を法的に許さない証人喚問の招致を行うべきだと考えます。
 与党の皆様の良識に期待を申し上げますとともに、安倍総理は自民党の総裁であります。この際、総理のリーダーシップのもと、党に、うみを出し切るためには証人喚問が必要であると強く指示されるべきではないかと考えております。野党は結束してこの問題に引き続き追及をさせていただきたいと思っておりますが、自民党を代表する安倍総裁としてのその良識にも御期待を申し上げさせていただきたいと思います。
 TPPに関連する議論を行うに当たっては、改めて強く指摘をしておかなければならないことがあります。それは、農林漁業者を始めとする、特に地方に暮らす国民に対する、この件をめぐる自民党の皆様の余りにも不誠実な対応についてです。
 TPPの交渉参加の是非をめぐって国論が二分され、民主党政権のもとではその議論が行われていたころ、野党の立場であられた自民党の皆様は、我が党の原口一博代表代行が調査した限りにおいても、実に八十五回にわたって審議拒否を行われるなど、それは盛んな国会活動を行っておられたころでもありました。
 その当時、自民党内にはTPP参加の即時撤回を求める会なるものが結成され、最終的に総勢二百人以上の自民党の議員の方々が所属、民主党政権においてTPP交渉参加をめぐる是非を議論している最中も、農林水産業の方々やあるいはその団体に対して、いかにもTPP交渉参加入りを断固反対するかのような姿勢をとり続けられました。
 二〇一二年冬に行われた総選挙においては、私は北海道で活動をさせていただいている身ではありますが、当時、北海道も含めて、農業地帯には、聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加には反対します、うそつかない、TPP断固反対、ぶれないなどという自民党のポスターをそこらじゅうに張りめぐらされました。さらに、街宣車などを使ってTPP断固反対など短いワードで宣伝を繰り返す中で、地域の農林漁業者の方々、あるいは団体の皆様は自民党はTPP交渉参加には反対なんだと思うに十分な運動を展開されてこられました。
 ところが、二〇一二年の十二月の選挙が終わって三カ月です。たった三カ月です。総理は、聖域がないわけではなかったというような趣旨を述べられた後に、TPPの交渉参加へかじを切りました。
 それでは、自民党の二百人以上の議員が参加しておられたTPP参加の即時撤回を求める会は、その後どうなったのでしょうか。総理がTPP交渉参加を表明してから、その活動をぴたりとやめられて、しばらく沈黙された後、何とその名称をTPP交渉における国益を守り抜く会と変え、みずからがTPP参加の即時撤回を求めていたことを全て忘れたかのように、総理の姿勢へ追従を始められたんです。
 こうした一連の姿は、全国の有権者にどのように映るでしょうか。この間、TPPはトゥエルブからイレブンとなり、対策法もそれに合わせて一部を改正するということで今回この法案が提出されてもいます。しかし、この間、有権者を惑わし、全国の農林漁業者の期待を裏切り、政治への信頼を著しく欠いたことについて、私が調べた限りにおいて、総理から一言も謝罪をされておりません。
 TPPの関連法案の審議を求める前に、まずこの一連の経過について、全国の有権者、特に全国の一次産業に従事する方々、団体の皆様に謝罪するべきではありませんか。総理、どうか全国の農林漁業者の気持ちに思いを寄せてください。この場で答弁を求めさせていただきますので、どうかこの機会にぜひお話しください。
 TPPは、アメリカが参加することが前提の中で議論が行われました。二〇一七年一月二十日に、当時はTPPにはアメリカを含めて十二カ国の協定でしたが、日本の国内措置の完了を通報したわずか三日後、一月二十三日に、米国のトランプ大統領はTPP離脱を正式に表明しました。
 総理は、先月十七日と十八日の日米首脳会談に向けて旅立つ前、アメリカにTPP復帰を働きかけることについて、また、過日、米国によって行われた鉄鋼、アルミニウムの輸入制限から日本を適用除外させることについて、強い意欲を示しておられたと聞いています。
 しかし、初日の十七日の会議が終了するや否や、米国のトランプ大統領は、ツイッターにおいて、日本は米国のTPP復帰を望んでいるが、米国には好ましくないと早々に表明されました。
 また、二日目の十八日の会談では、通商問題について集中的に議論が交わされたようでありますけれども、終了後に行われた共同記者会見において、米国トランプ大統領は、断れないほどのよい取引を持ちかけられれば復帰もあるかもしれないが、TPPには復帰したくない、日本とは二国間の取引の方がより好ましいと、今の内容におけるTPPには復帰しない旨をはっきりと明言しました。さらに、鉄鋼、アルミニウムの輸入制限についても解決には至りませんでした。
 安倍総理は、この二日間の会談において、米国トランプ大統領に何を話されたのでしょうか。鉄鋼やアルミニウムについて、日本の立場をどのように説明されたのでしょうか。日米首脳会談において、通商問題についてどのようなことが話し合われたのか、具体的な内容について安倍総理にお尋ねを申し上げます。
 鉄鋼、アルミニウムの輸入制限について、アメリカは、米国の安全保障を脅かすおそれがあるとして、その正当性を主張しています。しかしながら、日本とアメリカは同盟国ではありませんか。安倍総理によれば一〇〇%ともにある関係であるはずなのに、安全保障を脅かすと言われるその関係はいかがなものなんでしょうか。
 そもそも、鉄鋼、アルミニウムの輸入制限というのはWTO違反ではありませんか。日本政府としてWTOに違反する行為と認識されているのかどうか、答弁を求めます。
 さらに、米韓FTAにおいて、韓国の自主的な鉄鋼、アルミニウムの輸出制限を行うことで、アメリカの規制対象から外れたということも伝えられています。しかし、輸出の自主規制もWTO協定違反ではありませんか。日本が同じことを求められてもそうした対応はしない、そのことを断言していただきたいと思います。見解を求めます。
 また、日米首脳会談においては、日米二国間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議と呼ばれる新しい貿易協議を開始することが合意されました。この新しい貿易協議について、日本側は、必ずしも日米FTA協議につながるものではない、その立場に立っておられるようでありますけれども、しかし、二国間において、この相互的な貿易取引の協議というものは、素直に読み取れば、米国側の考えは日米FTAの協議入りを指しているということは十分に考えられることではありませんか。
 事実、米国ムニューシン財務長官は、先月二十一日の記者会見において、この新たな貿易協議の場で日米FTA締結を目指す考えを明確に表明しています。
 米国トランプ大統領も、就任当初から、我々はTPPは好まない、二国間の協定を好むとの立場をとっています。この方針が変わらない限り、米国はいずれ日米FTA交渉入りを強く求めてくるということは容易に想像ができることであります。
 日米FTAでは、特に農業分野において、TPP以上の自由化を米国が求めてくることも強く懸念されます。政府は、こうした質問をさせていただくと、常々、我が国としてはいかなる国とも国益に反するような合意は行うつもりはないと繰り返し答弁をされていますが、国益に反するとは、具体的にどのようなことを指しますか。
 聖域なき関税撤廃が前提である限りとしながら、聖域がないわけではなかったという趣旨を述べてTPPに交渉参加したように、今回も、国益に反するわけではなかったとその趣旨を説明され、方針を大きく転換されることも懸念されます。
 総理にお尋ねします。
 日米FTA交渉について、我が国として断固拒否するというその姿勢に変化はありませんか。国益とは何なのか、その意味するところを明確にしていただきながら、その決意について答弁をいただきたいと思います。
 日豪EPAの際、牛肉の現行の三八・五%の関税が、冷凍物で十八年目に一九・五%まで削減、冷蔵物で十五年目に二三・五%まで削減ということになったことを受けて、自民党の農林水産戦略調査会と農林部会、農林水産貿易対策委員会で、この関税率がぎりぎりの越えられない一線、いわゆるレッドラインだとする決議文をまとめた、そうした報道もなされました。
 しかし、TPPの交渉が終わってみたら、そのレッドラインはいとも簡単に破られて、牛肉の関税は現行の三八・五%から最終的には九%まで引き下げる、そのことを約束してきました。
 このほか、聖域であるはずの農林水産物の重要五品目について、我が党の玉木雄一郎代表が、二〇一六年四月十九日に行われた衆議院の特別委員会において、無傷なものはあったのか、その趣旨の質問をしたものに対し、当時の森山農林水産大臣は、あったかなかったかと問われれば、それはないなどと、無傷のものはなかったという驚きの答弁をされ、交渉の結果、聖域など守られていないことがわかりました。
 改めて、自民党の皆様が選挙のときに公約された、聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPPの交渉参加に反対するとは、何だったんでしょうか。それとも、聖域はあったと思ったけれども、交渉力が乏しかったがためにそれが守れなかった、そういうことなんでしょうか。
 一連の交渉の結果、農林水産大臣にまで無傷なものはなかったと言わしめた今回の農林水産業に関する交渉の結果について、総理はどのように評価されているのか、その見解を伺います。
 私は、単に批判をしたいわけではありません。ですが、このTPPをめぐる一連の件について、そしてこのTPPの行く末について、全国の農林漁業者が本当にすがる思いで、本当に固唾をのんで見守っています。
 私も、北海道の農林漁業の現場を歩かさせていただいている中で、本当にそうした皆様の痛切な声や怒りの声、こうした声を本当に聞かさせていただいてまいりました。そして、その声の向こうには一人一人の生活があります。どうか、業界団体だけを通じて聞こえる声だけではなく、そうした現場の声、そんな声を私も背中いっぱいでしょわさせていただいている中、その思いを凝縮して、今回の質問をさせていただいているところであります。
 どうぞ、総理の真摯なる御答弁に御期待を申し上げ、質問を終わらさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

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発言者: 山岡達丸

speaker_id: 30817

日付: 2018-05-08

院: 衆議院

会議名: 本会議