安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 森夏枝議員にお答えをいたします。
TPP11の経済効果についてお尋ねがありました。
TPP11の経済効果については、最終的に我が国のGDPを毎年八兆円押し上げ、四十六万人の雇用増につながるという大きな効果が見込まれています。
効果発現の時期について、一概には言えませんが、日本の工業品輸出額の約九割の関税は即時撤廃されるなど、発効直後から大きな経済効果が見込まれると期待されています。
政府としては、TPP協定の発効を視野に、農業者や中小・小規模事業者の皆さんの海外販路開拓や体質改善、商品開発などを支援し、経済効果ができる限り早期に発現されるよう、全力を挙げてまいります。
セーフガードの発効基準についてお尋ねがありました。
TPPは、八年間に及ぶ粘り強い交渉を経てつくり上げた協定であり、ゼロから再交渉を行う場合は、途方もない時間を要することとなります。
他方、近年、世界で保護主義への懸念が高まる中、このアジア太平洋地域に自由で公正なルールに基づく経済圏をつくり上げるとの意思を世界に示すことは、自由貿易を推進する観点から画期的な意味があります。
十一カ国全てがこうした思いを共有する中で、TPP交渉で生まれたモメンタムを維持すべく、御指摘のセーフガードなど、物品市場アクセスの内容を含めた協定の修正は行わず、米国が離脱したことに伴う一部のルールのみを凍結することで、早期合意を目指したものであります。
ただし、米国を含めたTPPが発効する見込みがなくなった場合等には、協定第六条において、締約国の要請に基づき、協定の見直しを行うと規定しています。
この点、米国からの輸入量も念頭にTPP協定で合意された個別のセーフガードについては、第六条に基づく見直しの対象と考えています。こうした我が国の考えについては、閣僚会議の場も含め、繰り返し各国に明確に伝えており、これに対し各国からも特段の異論がなかったものであり、十分各国の理解を得ていると考えています。
なお、TPPは、参加国のさまざまな利害関係を綿密に調整してつくり上げたハイスタンダードかつバランスのとれた、いわばガラス細工のような協定であり、一部のみを取り出して再交渉する、変えることは極めて困難であると考えています。いずれにしても、我が国としては、いかなる国とも国益に反するような合意を行うつもりはありません。
アジア太平洋地域における自由貿易の推進についてお尋ねがありました。
我が国は、自由貿易の旗手として、アジア太平洋地域における自由貿易推進の流れを確固たるものとするための取組をリードしていく決意です。
我が国の主導でTPP11が合意に至ったことは、FTAAP実現に向けた大きな一歩であり、アジア太平洋地域での自由貿易推進に対する我が国の強いリーダーシップを示すものです。FTAAP実現へのもう一つの道筋であるRCEPについても、質の高い協定を早期に妥結できるよう、精力的に交渉を進めてまいります。同時に、APECにおいて、我が国は、FTAAPのための能力構築の取組も引き続き実施してまいります。
我が国としては、中国やロシアを含むAPECメンバーと、引き続き、自由貿易の意義について率直な議論を深め、アジア太平洋地域における自由貿易の推進、そして質の高いFTAAPの実現のため、尽力してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣齋藤健君登壇〕