源馬謙太郎の発言 (本会議)

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○源馬謙太郎君 国民民主党の源馬謙太郎です。(拍手)
 まず初めに、昨日大阪で起きた地震によって、九歳の小さな命を含め、とうとい命を落とされた方々の御冥福を心からお祈りし、また、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復興のために、国を挙げて、一丸となっての対応をお願いいたします。
 ただいま議題となりましたいわゆるIR整備法案につきまして、会派を代表して、反対の立場から討論を行います。
 私が今回このIR法案に反対する理由はただ一つ。IR施設の中に必置施設としてつくられ、またIR全体の収益を左右する肝心かなめのカジノ施設について、不安が払拭し切れていないことに尽きます。
 カジノはギャンブルです。このギャンブルにお金を使ってもらうことがIR施設成功の前提です。しかも、表向きは、海外からの誘客や、日本の魅力の世界への発信などと、海外からの観光客に焦点を絞っているような言葉が並びながら、実際には多くは日本人客だろうと想定していることが明らかになっています。IR施設全体の収益を上げるには、その中核であるカジノでお金を使ってもらわなくてはならず、しかも、その対象の多くは日本人ということです。
 ゲーミングの一つとしてカジノを楽しむことにお金を使うことまでも、全てを否定するつもりはありません。パチンコや公営ギャンブルである競馬など、それそのものを楽しむ人もいるからです。
 問題なのは、そこにのめり込んでしまう要素をいかに排除するかということです。
 カジノをめぐる不安は幾つかありますが、私は、その中でも特に、このギャンブルにのめり込んでしまう要素を排除するという観点から、特定金融業務についての不安を取り上げたいと思います。
 ギャンブルにはまってお金をどんどん使ってしまう人が陥る典型例は、負けが込んだら取り返そうとして更にお金を使ってしまうという連鎖です。貸金業法でいわゆる総量規制を導入したのは、ギャンブルに限らず、こうした連鎖に陥り、お金を際限なく借りてしまうという多重債務の問題に対処するためと理解しています。つまり、そうしたことが起きないように法律でキャップをしているのだと思います。
 にもかかわらず、カジノ事業者がギャンブル客にお金を貸すことができるというこの法案には、はっきり申し上げて驚きしかありません。手持ちのお金がなくなった客にその場でお金を貸すことは、常識的に考えて、ギャンブル依存や多重債務に直結するように思えます。
 これまでも、外国人と一定の預託金を預けられる富裕層のみが対象だから問題ないのだという政府からの説明がありましたが、果たして本当にそうでしょうか。
 ギャンブルで負けが込んだ人が陥るのは、あと少しやったら取り返せるんじゃないかという気持ちです。これは、その人が裕福かそうでないかは関係ありません。逆に言えば、一般の人にとっての限界金額よりも富裕層の限界金額は高いわけですから、はまり込んでしまったときの被害額は大きくなります。
 しかも、そのカジノ事業者は、どこの国の企業が担うのでしょうか。今有力と言われているのは海外の事業者だと聞いています。つまり、海外の事業者がやってきて、カジノに来る日本人の富裕層に対して、顧客ごとに自分たちで決めた限度額まで金を貸し、二カ月以内に返せなかったら、一四・六%の遅延損害金をつけて、債権を第三者に委ねて取り立てるという恐るべき貸金業務が行われることになるのです。しかも、この遅延損害金については、つい二カ月ほど前に急につけ加えられました。
 政府は、委員会で、なぜこの貸金業務が盛り込まれることになったのかという質問に対し、利用者やカジノ事業者に個別具体的に聞き取りはしていないが、海外のカジノ事業者はどこでもやっていることなので、当然事業者のニーズがあると考えて盛り込んだという答弁がありました。事業者が多分必要だからということで盛り込んだということです。
 日本人のために、日本の魅力を発信し、日本にたくさんの観光客に来てもらい、日本全体の経済成長につなげていくためのIR施設であったはずが、これではよその国のカジノ事業者のために日本人がお金を使う仕組みになっていませんか。
 私は、保守の先輩の皆様にこそ訴えさせていただきたいと思います。
 IR施設の経済的基盤はカジノ事業であり、そのカジノ事業の対象は日本人です。その日本人に対して、海外からカジノ事業者がやってきて、その事業者が、この人には幾ら、この人には幾らと好き勝手に決めてお金を貸す。しかも、その事業者がカジノ管理委員会のメンバーに入る可能性もある。日本の国益の観点から、本当にこれで大丈夫なんでしょうか。日本人の生命と財産を守ることは、保守政治家の大切な価値観の一つではないでしょうか。
 細かな点を加えれば、カジノ施設内にはATMの設置はできないことになっています。しかし、IR施設内にはATMを設置することができ、また、クレジットカードで現金を引き出すことができるATMが設置されることもあり得ると、政府参考人の発言がありました。
 そうなったら、そもそも、いわゆるマスと言われる普通の日本人客は対象でないから大丈夫という理屈が覆されませんか。預託金を預けられる富裕層はカジノ施設でお金を借り、一般人は同じIR施設内のホテルかどこかでクレジットカードを使ってお金を借りる。ほとんど同じではありませんか。
 多くの国民が反対し、不安を持っているカジノ、それを含むIRを、今すぐにどうしても決めなくてはいけない理由は見当たりません。
 せめて、カジノ事業者が貸し出す金額を事業者みずから自由に決めるのではなく、法律で上限を定められないか、貸金業務を行うカジノ事業者への外資の参入を規制できないか、カジノにおいてマックスベットを定めたり、みずから上限金額を設定する仕組みにできないかなどしても、IR施設にとって困ることはないのではないかと思います。
 日本人の富裕層が海外のカジノ事業者から金を借り、そのお金が海外に流れていくのは、日本の政治家として、私は見たくありません。
 議員の皆様にはもう一度立ちどまってこの法案に反対していただくことをお願いし、討論といたしますが、最後に一言申し上げます。
 この法案に限らず、まだまだ議論し修正する余地があるのに、いつの時代も与党が採決を急ぐのは、国会に会期があるからのように、新人の私には思えます。会期に限りがなければ、少なくともこのIR整備法案のようなそう緊急性が高くない案件は、もっと時間をかけて議論をすることができるのではないかと思います。
 どの政権の時代にも当てはまりますが、これまで繰り返されてきた与党による強行採決と野党による抵抗戦術は、全てこの限られた会期の中での時間の奪い合いではないかと思います。
 与野党を超えて国会改革を実現し、通年国会が実現すれば、この不毛な時間の奪い合いは与野党ともにできなくなるはずです。そして、問題がまだ残っていると思われる法案については、今よりもじっくりと議論することができるのではないでしょうか。
 この国会改革も、与党の皆さんが反対すればできません。ぜひ、国会改革を行い、議論すべきことは徹底的に議論できる国会にしていただくことを心からお願いし、私の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 源馬謙太郎

speaker_id: 17006

日付: 2018-06-19

院: 衆議院

会議名: 本会議