枝野幸男の発言 (本会議)

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○枝野幸男君(続) 安倍総理の頭の中は、二十年以上時間がとまっておられるんだと心配をせざるを得ません。
 七つ目の問題点を申し上げます。それは、官僚システムの崩壊です。
 日本は、政治は二流とか三流とかやゆされても、官僚システムが一流だからしっかりしているんだということが言われていた時期がありましたが、安倍内閣はこの官僚システムを破壊しています。
 森友、加計問題や、自衛隊日報の改ざんや隠蔽の問題、厚生労働省の働き方データの捏造問題など、既に述べてきた官僚の皆さんの不祥事は言うに及びませんが、こういうところで使う言葉ではありませんが、本当に省庁横断的に、さまざまな役所で考えられないような不祥事が相次いでおります。
 福田財務事務次官は女性記者にセクハラ発言をしたと報道され、音声も公表されました。しかし、次官はセクハラを認めないまま辞任をされました。財務省の対応も、被害者に二次被害を生じさせかねない不適切なものでありました。セクハラということでは、厚生労働省局長による、厚生労働省女性職員に対する、セクハラと疑われるようなメールを複数回送付していた問題もありました。
 厚生労働省という点では、私はこれが深刻な問題だと思っていますが、東京労働局長が記者会見の場で取材記者に対し、皆さんの会社に行って是正勧告をしてもいいんだけどと発言し、十二日後に、局長職は更迭されましたが、軽い処分で済んでいます。報道機関の皆さんの労働条件というものの実態も、しっかりと各種労働法制を守ってやっていただきたい。厳しい状況であることも知らないわけではありませんが、公権力が恣意的な運用を公言したんです。考えられない不祥事です。
 労働行政において是正勧告をするというのは相当強い公権力の行使ではありませんか。税務署が、例えば財務省の言うことを聞かなければ税務調査に入るぞと公言したらどうなりますか。警察が、言うことを聞かないんだったら逮捕するぞと言ったら、犯罪を犯してもいないのに、家宅捜査に入るぞと言ったらどうなりますか。これに匹敵するような公権力の行使を恣意的に使うぞということを記者に向かって公言をする。私は、公務員失格であり、やめていただかなければならない、それぐらいに匹敵する処分をすべきである問題だったと思います。
 外務省では、先ほど申しましたが、公表されているのは、国家公務員として信用を損なう行為があったということで停職九カ月の処分がなされた職員がいらっしゃいます。セクハラ疑惑は報道されていますが、詳細は未公表のままです。
 セクハラについては二次被害の防止というのが大変重要であり、被害者保護の見地から詳細を公表できない場合があることは私は理解をいたします。とはいいながら、公文書を組織的とも言えるような形で改ざんした佐川前理財局長が停職三カ月です。その三倍の停職九カ月です。よっぽどひどいセクハラをしたんでしょうね。セクハラじゃないなら、よっぽどひどい信用を損なう行為について、一定の説明があってしかるべきではないですか。
 会期末になって、文部科学省の局長が裏口入学という受託収賄容疑で逮捕をされました。森友、加計問題も学校にまつわる問題です。学校用地を裏口で安く取得しようとした問題であり、設置認可を裏口で受けようとした疑惑でありますので、魚は頭から腐るという言葉もあるように、総理を見習って裏口入学をしようとしたのかなと疑わざるを得ません。
 あまたいる国家公務員の中に、残念ながら不祥事を犯す者がいるからといって、内閣の政治責任を問うものではありません。確かに、たくさんいる国家公務員の中にある不祥事に対して一々政治責任をとろうとしていたら、どの内閣も一週間もたないかもしれません。
 今回はそういう問題ではありません。安倍内閣発足から五年半、内閣人事局制度を悪用し、官僚人事を専断し、官の世界にも安倍一強体制を築いてきた中での相次ぐ不祥事であります。
 そもそも、モリカケや自衛隊の改ざん、隠蔽は、幹部公務員の組織的とも言える大規模な不祥事です。そして、今申し上げた一例を並べるだけでも、末端の公務員の中に不届きな人間がいたという案件ではありません。内閣人事局制度に基づく一元管理下のもとに置かれるような幹部の人たちだけでも、これだけの相次ぐ問題を生じさせているのであります。
 まさに、魚は頭から腐るという話の中で、官僚システムが崩壊をしているのではないか。こうした状況を一日も、とめなければならない。官僚の皆さんが、官邸をそんたくするのではなくて、国民の皆さんの思いをそんたくする、それが本来の公務員の皆さんの仕事、役割であり、官邸や与党をそんたくせざるを得ないような今の政治状況を変える。その中で、官僚の皆さんが入省時に思ったであろう、国家国民のために働きたいという本来の思いを実現できるような官僚システムを実現するために、一刻も早く安倍内閣には退陣していただきたいと思っています。
 以上、七項目挙げました。まだまだ、不信任の理由は数え切れないほどあります。
 いずれにしても、この国会は、民主主義と立憲主義の見地から……(発言する者あり)大丈夫です。さすがに、売り言葉に買い言葉はやりませんので。この国会は、民主主義と立憲主義の見地から、憲政史上最悪の国会になってしまったと言わざるを得ません。
 それでも、災害対応の見地から、不信任の提出にはためらいがあったことを冒頭に申し上げましたが、災害よりもギャンブル解禁、災害よりも党利党略の定数六増を優先する内閣を信任して災害対応させるよりも、そして、うそとごまかしと開き直りを重ねる内閣を信任して災害対応をさせるよりも、よりましな内閣のもとで再出発して災害対応に当たる方が適切であると考えます。
 民主主義の本質を理解しない皆さんには何とかに念仏かもしれませんが、最後に申し上げたいと思います。
 今のような姿勢で政権運営を続けることは、もし政治が与党対野党の戦いというものであるならば、目先の野党との戦いという意味では成功してきたし、これからも一定期間は成功するかもしれません。そして、政治に権力闘争という側面があり、与党が野党との戦いに勝とうとする、そういう思いを持つことは否定しません。
 私も、権力闘争という側面が政治にあることは否定しないし、そうした側面から、与党に勝つために全力を挙げてまいりましたし、更に全力を挙げてまいりたいと考えています。
 しかし、それは一側面でしかありません。
 政治の本質は、与党と野党の戦いではありません。それは、目的ではなく、あくまでも手段であります。権力闘争に勝つという目的のために、社会のモラルや秩序を壊してしまう。本来、民主主義の前提としてなされなければならない、国会でうそをつかない、国会には正しい文書を出す、情報を隠し、ごまかしはしない、こうしたことを壊してしまったのでは、国民生活の、より豊かな暮らし、生活をつくり上げていくという本来の目的に反することになってしまいます。
 これ以上、目先の権力闘争ばかりを重視して、国民生活の将来に禍根を残し、うそやごまかしや開き直りを蔓延させてモラルハザードを生じさせれば、必ずや歴史に断罪されると私は確信をしています。
 第二次世界大戦、日中、日米戦争に至る経緯の中でも、目先の権力闘争には勝ったけれども、結果的に我が国を破滅的な状況に追い込んだ政治リーダーが、残念ながら少なからずいらっしゃいました。このまま安倍政権の横暴を許していけば、残念ながらそういった道へ入り込んでしまい、後戻りができなくなってしまうのではないかということを強く危惧をいたしています。
 安倍総理も、せっかく五年半も総理をやられたんですから、後の歴史に断罪されるようなことがないように、一刻も早く身を引かれることをお勧め申し上げます。
 良識ある議員の皆さんが、次の内閣改造で大臣になれるか、副大臣になれるか、政務官になれるか、次の選挙で公認されるかとか、そういうことを頭から取っ払って、みずからの信念と歴史への謙虚な姿勢、その歴史というのは未来の歴史に対する謙虚な姿勢であり、保守を称するならば、我が国の過去の失敗の歴史も含めた我が国の長い歴史に謙虚に向かい合い、この内閣不信任決議案に賛同されることをお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

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発言者: 枝野幸男

speaker_id: 10425

日付: 2018-07-20

院: 衆議院

会議名: 本会議