岸本道弘の発言 (環境委員会)
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○政府参考人(岸本道弘君) 海外展開についてお答えします。
気候変動の適応市場につきましては、例えば国連環境計画の二〇一六年の試算では、世界の適応ビジネス市場は二〇五〇年時点で約五十兆円の市場規模に拡大すると言われています。一部の日本企業は、自社の新たな物やサービスを生み出すグローバルな事業機会と捉え、海外の適応ビジネスを積極的に進めています。
他方、多くの日本企業では、適応ビジネスのグローバル展開が進んでいるとは言えない状況と認識しております。これは、途上国での適応ビジネスが軌道に乗るまでの長期間にわたる経営層の関与が十分に得られていないこと、国内を中心にこれまで取り組んできており海外での事業ノウハウが十分蓄積されていないこと、相手国側に自社の売り込みが十分できていないことなどの理由があると認識しております。
このため、経産省といたしましては、国内企業向けに適応ビジネスの認知度向上を図るセミナーの開催、海外での成功モデルを横展開していくための日本企業の活動事例をまとめたグッドプラクティス事例集の作成、途上国政府向けに日本企業の適応ビジネス製品・サービスを紹介するための国際セミナーの開催に取り組んでおります。国内企業向けのセミナーについては、当省やジェトロ、環境省等において昨年度延べ五回開催し、企業を中心に約四百五十人が参加するなど企業の関心が高まっていると評価しております。
一昨年度からグッドプラクティス事例集を策定、拡充し、横展開していく上でのヒントとなり得る日本企業の海外ビジネスでの適応事例の事例を取りまとめて公表しております。一例を申し上げますと、気候変動による海水面上昇による浸食、河川や地下水を通じた塩水侵入で塩害が深刻化している国が出てきておりますが、ある企業では、バングラデシュにおける塩害地域で自社が持っている適切な栽培管理に基づく農業技術を導入して、豆、リョクトウの栽培に二〇一〇年から取り組んでおり、三千五百人の農民が本プロジェクトに参加するなど、現地雇用機会の創出、栄養価の高いリョクトウの収穫量、品質向上による貧困削減、収入増加に貢献しております。
また、水害の増加につきましては、水源の汚染を拡大させ、人々の健康状態の悪化により病人数が増加し、社会経済開発を阻害するという状況にございます。ある企業では、ベトナムを始め東南アジアにおいて、現地政府やNGOなどを通じて、病院、学校、村に小型浄水装置を導入をいたしまして、人々の健康状態及び社会経済環境の改善に貢献しております。
また最後に、途上国政府向けのセミナーといたしましては、昨年十一月にドイツ・ボンで開催されましたCOPにおけるサイドイベントを主催いたしまして、複数の途上国の政府関係者など約五十名近くに御参加いただき、日本企業の適応関連技術の紹介を行いました。
引き続き、環境省とも連携しながら、適応ビジネスの海外展開の推進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。