環境委員会

2018-05-29 参議院 全121発言

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会議録情報#0
平成三十年五月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     鴻池 祥肇君
     渡辺 猛之君     佐藤 信秋君
     渡邉 美樹君     関口 昌一君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     関口 昌一君     元榮太一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                滝沢  求君
                森 まさこ君
                宮沢 由佳君
                片山 大介君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                高野光二郎君
                二之湯武史君
                元榮太一郎君
               渡辺美知太郎君
                河野 義博君
                浜田 昌良君
                柳田  稔君
                芝  博一君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   国務大臣
       環境大臣     中川 雅治君
   副大臣
       環境副大臣  とかしきなおみ君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  笹川 博義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       牛尾  滋君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局研究総務官  大角  亨君
       経済産業大臣官
       房審議官     岸本 道弘君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       高科  淳君
       国土交通大臣官
       房審議官     首藤 祐司君
       環境省地球環境
       局長       森下  哲君
       環境省総合環境
       政策統括官    中井徳太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○気候変動適応法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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斎藤嘉隆#1
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、進藤金日子君、渡邉美樹君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君、佐藤信秋君及び元榮太一郎君が選任されました。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#2
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 気候変動適応法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官牛尾滋君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斎藤嘉隆#3
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#4
○委員長(斎藤嘉隆君) 気候変動適応法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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渡辺美知太郎#5
○渡辺美知太郎君 自由民主党の渡辺美知太郎です。
 気候変動適応法案について質問をいたします。
 我が国の平均気温は百年当たりで一・二度のペースで上昇をしていると言われています。この一・二度というのは、世界平均を上回る上昇率だそうです。そして、将来は更に現在の気温よりも一・一度から四・四度ほど上昇すると予測をされています。
 この気温上昇の対策、一つは、根本的な原因である温室効果ガスを長期的な目標で二〇五〇年までに八〇%削減をするという温暖化の緩和の部分も非常に重要でありますが、一方で、現実に今進んでいる温暖化の適応について、本法案にも盛り込まれておりますが、この適応について対策を進めていかなければなりません。豪雨の多発、農産物の品質の変化や悪化、動植物の生息域の北上など、既に気候変動は農林水産業や天候、そして私たちの生活基盤に大きな影響を及ぼしています。
 このような気候変動や温暖化の適応について本法案は非常に重要なものになってくると思いますが、まず、本法案に込めた大臣の意気込みをお聞きしたいと思います。
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中川雅治#6
○国務大臣(中川雅治君) 気候変動の影響は、様々な分野におきまして全国各地で現れております。今後更に深刻化するおそれがございます。こうした気候変動の影響に対処し、国民の生命、財産を将来にわたって守るためには、関係省庁等と連携しながら適応策の一層の充実強化に取り組むことが重要でございます。
 こうした認識の下で、本法案により、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明確化し、新しい法定の気候変動適応計画を作って、関係者が一丸となって適応策を強力に推進したいと考えております。また、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備を図り、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づく適応策を展開してまいります。さらに、広域協議会による国と地方公共団体の連携の促進等を通じて、地域レベルでの適応策についても強化してまいります。
 本法案の下で、国を挙げて適応策の充実強化を進めてまいる決意でございます。
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渡辺美知太郎#7
○渡辺美知太郎君 大臣の御答弁をいただきました。
 大臣の意気込みからもありましたとおり、この気候変動というのは非常に広い分野にわたって影響を及ぼすものでありますから、本当に多省庁にわたって連携をしていかなければならない。そして、我が国というのは非常に南北に長い地形をしております。その地域ごとによって実情が異なりますので、広い地域、広域でしっかりと連携をしていかなければならないと思っております。
 この今回の法案の肝は、国立環境研究所への情報の一元化と地域での適応の対策と実施、この二つだと私は思っております。そこで、まず地域の適応対策についても伺っていきたいと思います。
 先ほどからございますが、我が国は非常に南北に長い地形をしております。沖縄では例えばサンゴの白化が懸念をされている一方で、これまでは台風が来ないと言われていた北海道ではおととし三回は大きな台風が来たということで、かなり地域によって差がございます。また、私の地元栃木県など海がない都道府県もございますが、そういった地域でも、豪雨が増えた、それから竜巻や突風といったこれまで余り想定してこなかったような災害が多発をしております。
 このように、地域によって気候や地形が全く異なる、そしてまた産業も大きく異なるのが我が国の特徴であります。地域における適応の取組を国がしっかりと支援をする必要がありますが、環境省はこれまでどのように地域の適応策を支援してきたのか、また、地域の取組を支援するために本法案ではどのような仕組みを設けているのか、伺いたいと思います。
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笹川博義#8
○大臣政務官(笹川博義君) もう委員の御指摘のとおりでありまして、まさに気候変動の影響は地域によって様々でありますので、やはり地域によっての災害対策、さらには農業政策との連携というものが大変重要になってくるというふうに思っております。
 環境省はこれまで、地域適応コンソーシアム事業として、農水省、国交省と連携をしながら、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査や科学的知見に基づく適応策の検討を進めるなど、それぞれの地方公共団体の取組を支援をしてまいりました。
 地域における適応策の更なる充実強化のため、本法案では、地域の実情に応じて地方公共団体が計画策定に努めること、そして国立環境研究所が地方公共団体に対して技術的サポートを行うこと、地域の関係者による連携協力を推進するための場として、いわゆる複数の自治体とそれから国の機関が入ります広域の協議会を組織できることを規定をさせていただきました。
 環境省としては、こうした規定の下での計画策定マニュアルの作成、提供、国立環境研究所による技術的サポート、広域協議会を通じた地域の関係者の連携強化等を通じて、地域の実情に応じた計画策定の当初の段階からしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えております。
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渡辺美知太郎#9
○渡辺美知太郎君 笹川先生から御答弁をいただきました。
 自治体の中では、適応はまだまだこれからというところも多々あると聞いております。現在、四十三の都道府県と十八の政令市が適応に向けた計画を策定しておりますが、数字上、この四十三都道府県、十八の政令市というのはまずまずなことだと思いますが、内容としてあるいは具体的な中身としてはこれから進んでいくところが大半と聞いておりますので、是非とも環境省からしっかりとした支援をお願いしたいと思います。
 今回の法案、地方公共団体が計画を策定することとなっていますが、この計画を策定することというのは、今回は一律義務ではなく、努めることとするという努力義務となっています。今回、なぜ努力義務になったのか、環境省に伺いたいと思います。
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森下哲#10
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。
 地方公共団体が計画を策定するに当たりましては、地域レベルでの気候変動影響の科学的知見の充実や適応策の優良事例の共有が必要でございます。こうした取組は、現在、環境省が農林水産省、国土交通省と連携をして実施をしております地域適応コンソーシアム事業等によって後押しをしておるところでございます。
 こうした中、お話がありますように、現在、地方公共団体におきましては、既存の計画に適応策の重要性を記載するなど、自主的な計画の策定が進んでいるところでございます。一方、具体的な適応策の検討はこれからの段階であるところが多いことから、計画策定を一律に義務付けるのではなくて、現時点では努力義務とさせていただいております。
 環境省といたしましては、今後、本法案の下、国立環境研究所による技術的サポート、広域協議会を通じた地域の関係者の取組共有を推進をしてまいります。さらには、環境省としても積極的に各地域に足を運びまして、本法案に関する説明会を開催することなどを通じて、地方公共団体の計画策定を促してまいりたいというふうに考えてございます。
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渡辺美知太郎#11
○渡辺美知太郎君 気候変動の適応というのは、まだまだ科学的に因果関係が明らかになっていない部分も多い。そのため、今現在、ある意味この気候変動の適応という部分については、研究と実地が同時進行で進められているような状況だと私は思っております。技術の、テクノロジーの進歩によって、その都度制度を柔軟に変えていく必要があるのではないかと私は思っております。
 今回は国交省と農水省からもお越しをいただいております。この環境行政全般、先ほど来も申し上げました気候変動の影響が余りにも広いため、環境省だけでは完結をしません。そこで、国の地方行政機関の積極的な参加について伺っていきたいと思います。
 自治体を始め様々な主体が連携をして地域の適応策を推進することは、非常に重要であると思っています。先ほどから御答弁にあります、本法案では気候変動適応広域協議会というのが位置付けられておりまして、気候変動について他省庁との協力体制が必要不可欠であります。地方環境事務所はもちろんのこと、国交省、農水省も広域協議会に是非とも積極的に参加をしていただきたいと思っておりますが、各省庁の御見解、環境省と国交省と農水省から伺いたいと思います。
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森下哲#12
○政府参考人(森下哲君) 御指摘のように、非常に重要なことだと思っております。
 気候変動の影響でございますが、地域の気候や社会経済状況により異なりますため、地域レベルで幅広い関係者が連携協力して適応策を強力に推進していくことが重要でございます。
 こうした観点から、先ほど申し上げましたけれども、農林水産省さんあるいは国土交通省さんと連携を取ってきておりまして、国の地方出先機関や地方公共団体等の関係者から構成をされます地域協議会を全国六ブロックに設置をいたしまして、優良事例の共有や地域における気候変動影響の将来予測に関する調査など実施をしてきておるところでございます。
 今回の法案におきましては、こうした地域における関係者の連携を更に強化をするために広域協議会に関する規定を盛り込んだところでございまして、地域レベルでの連携協力を推進するための場としての役割を期待しております。
 今後は、この既に設置をしております全国六ブロックの地域協議会を土台といたしまして、この法案に基づく広域協議会に発展をさせ、そして地方環境事務所が旗振り役をさせていただいて、地域の幅広い関係者の連携協力の下、将来予測に関する調査ですとか情報の共有、優良事例に関する意見交換なども行いまして、地域レベルでの適応策の充実強化を後押しをしていきたいというふうに考えております。
 その際には、引き続き、農林水産省さん、国土交通省さん等の関係省庁としっかりと連携協力体制を構築してまいりたいというふうに考えてございます。
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首藤祐司#13
○政府参考人(首藤祐司君) 気候変動の影響に対応していくためには、御指摘のとおり、地域レベルにおいても適応策を進めていくことが重要でありますので、国土交通省におきましても、必要に応じまして、地域の現場に近い地方整備局、地方運輸局及び気象台が地域における推進主体に積極的に助言、支援等を行っていくことが重要であると認識をしております。
 このため、現在、地域において科学的知見に基づく適応策の具体的な検討を行っております地域適応コンソーシアム推進事業におきましても、地方整備局、地方運輸局及び気象台が地方協議会に参加をしているところでございます。
 本法案に基づく広域協議会におきましても、環境省を始め関係省庁や地方公共団体等と連携を取りつつ、地域の適応に積極的に貢献してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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大角亨#14
○政府参考人(大角亨君) 農林水産分野では、気候変動の影響を受けやすい分野でございまして、既に我が国でも高温による米や果実の品質低下、豪雨による農業被害など、地域の気候条件ごとに様々な気候変動の影響が顕在化しているところでございます。
 このため、農林水産省では、地方行政機関でございます地方農政局等におきまして、地方公共団体等と連携して、地域における気候変動による影響や適応技術等について情報共有等を図っているところでございます。
 今後は、本法案に基づく広域協議会に地方農政局等が積極的に参画し、地域の実情を踏まえ、都道府県、市町村や国の地方行政機関等と連携協力してまいりたいと考えております。
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渡辺美知太郎#15
○渡辺美知太郎君 農水省は農作物ということで非常に大きな影響を受けると思っておりますし、また、国交省は災害や水資源に関して本当に大きな影響を受けると思っています。環境省は、是非とも横串を通していただいて連携をしていただきたいなと思っております。
 また、今回はお呼びはしていないですけど、この気候変動というのは気候変動リスクに関する保険といった金融にも関わってくるので、本当に広い分野でこれから連携が必要になるのではないかと思っております。
 国交省と農水省の方々は、質問は終わりですので、これでお戻りになられて結構です。
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斎藤嘉隆#16
○委員長(斎藤嘉隆君) それでは、大角研究総務官、首藤審議官については御退席いただいても結構です。
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渡辺美知太郎#17
○渡辺美知太郎君 続いて、国立環境研究所についてお聞きをしたいと思っています。
 この国立環境研究所、これから情報を一元化するということで、非常に大きな役割を担ってくると思います。環境の適応について、先ほども申し上げました、その影響であったり、その現象が本当に気候変動によるものなのかという原因の分析と評価が非常に難しいと思っておりますが、今回の法案では、適応策について科学的な調査から評価まで国立環境研究所が一元的に情報管理をして地方公共団体へアドバイスをするという役割となっていきますが、これまでの国立環境研究所の取組と今後の対策や役割についてお聞きをしたいとともに、また、従来の国立環境研究所の調査研究業務がおろそかにならないようなどのような取組を考えているのか、環境省に伺いたいと思います。
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中井徳太郎#18
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 国立環境研究所は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護、整備などに関する調査研究を実施する国立研究開発法人でございます。
 適応に関しましては、これまで、環境に関する調査研究の一分野として、気候変動による影響予測手法の開発等を行ってきました。加えまして、平成二十八年から、適応の情報基盤であります気候変動適応情報プラットフォームの事務局を務めてございます。このプラットフォームでは、地方公共団体の気候変動の影響評価や適応計画の策定支援などを行ってきてございます。
 本法案を可決、成立いただきましたならば、国立環境研究所の主要な業務の一つといたしまして、研究段階から一歩踏み出しまして、予測手法の精度や解像度の向上などを行うことで、より実用的な影響予測を実施してまいります。
 また、この成果を活用いたしまして、地方公共団体への計画策定支援や地域気候変動適応センターに対する技術的支援をより的確に行うとともに、国や地方の研究機関との連携協力体制の構築を進めていきたいと考えております。
 本法案に基づく新たな業務を着実に進めることができるよう、国立環境研究所の組織、人員を含めまして必要な体制の整備を進めてまいります。環境省といたしましても、引き続き国立環境研究所の体制整備を支援してまいります。
 また、本法案の成立に伴い適応に関する業務が国立環境研究所に追加されますと、独立行政法人通則法に基づきまして、環境省が中長期目標を改定し、国立環境研究所がそれに基づいて中長期計画を改定することになります。このプロセスにおきまして、従来進めている調査研究も引き続き着実に進めることができるよう留意してまいります。
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渡辺美知太郎#19
○渡辺美知太郎君 御答弁にもありました、研究段階だけではなくて、これから実用的な業務が増えるということ、そして自治体へのコンサルティングのような業務がこれから増えていくと思っております。また、中長期計画の策定など様々な業務が増えてくると思いますので、是非ともその辺りしっかりと取り組んでいただきたいなと思っております。
 次に、適応ビジネスについてちょっと伺いたいと思っています。
 気候変動への適応、ある面ではこれはピンチだから適応しなければならないんですが、ビジネスの面においては、ある意味でそれは同時にビジネスのチャンスになる可能性もあります。気候変動の影響によって、これまで作れなかったところに新しい作物が作れるようになると。じゃ、例えば、その作物向けに新しい土壌を改良しましょうとか、乾燥や高温に強い品種を作って導入をしましょう、それから、今世界的に水不足になるのではないかと言われておりますので、この水資源の確保、新しい技術によって例えば海水を真水に変えましょうといった、そういった適応についてはビジネスの促進も焦点が当てられると思っています。
 適応策の世界的なニーズを考えれば、その基となる基礎情報を提供して民間活力を引き出すような取組が重要だと考えています。政府も活力を引き出せるよう積極的に関わっていただきたいと思っておりますが、どのように適応ビジネスを促進をしていくのか、また、国内だけではなく、適応ビジネスをどのように海外へ展開していく方向か、環境省と、今日は経産省も来ていただいております、国内の促進と海外展開について環境省と経産省にお尋ねしたいと思います。
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森下哲#20
○政府参考人(森下哲君) 委員御指摘のとおり、気候変動への適応を推進していくためには、国や地方公共団体による適応策や民間事業者が自ら気候変動のリスクに対応することにとどまらず、民間事業者が有する適応に関する技術、サービスを提供する適応ビジネス、これを促進することが重要だと考えてございます。
 こうした観点から、環境省では、平成二十八年に構築しました適応の情報基盤であります気候変動適応情報プラットフォームにおきまして、関係省庁の皆様方とも連携をしまして、国内や海外における適応ビジネスの優良事例を広く発信するなど事業者の適応の取組を支援してきたところでございます。
 また、特に気候変動に脆弱な開発途上国が適応能力を向上していくためには、我が国の民間事業者が有する適応技術やサービスが非常に有効でございます。開発途上国においてその積極的な活用を図ることは、我が国の国際協力にもつながるということでございます。
 このため、環境省としては、適応の情報基盤を国際的に展開することで、アジア太平洋気候変動適応プラットフォームという枠組みを二〇二〇年までに構築をいたしまして、開発途上国における将来の気候変動影響に関するリスク情報と併せまして、我が国の民間事業者が有する適応技術・サービスに関する情報を積極的に発信してまいりたいというふうに考えております。
 また、関係国との様々な協議の場におきましても、開発途上国の適応能力の向上に資する適応技術・サービスを紹介することなどによりまして、適応ビジネスの促進や海外展開を図ってまいりたいというふうに考えております。
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岸本道弘#21
○政府参考人(岸本道弘君) 海外展開についてお答えします。
 気候変動の適応市場につきましては、例えば国連環境計画の二〇一六年の試算では、世界の適応ビジネス市場は二〇五〇年時点で約五十兆円の市場規模に拡大すると言われています。一部の日本企業は、自社の新たな物やサービスを生み出すグローバルな事業機会と捉え、海外の適応ビジネスを積極的に進めています。
 他方、多くの日本企業では、適応ビジネスのグローバル展開が進んでいるとは言えない状況と認識しております。これは、途上国での適応ビジネスが軌道に乗るまでの長期間にわたる経営層の関与が十分に得られていないこと、国内を中心にこれまで取り組んできており海外での事業ノウハウが十分蓄積されていないこと、相手国側に自社の売り込みが十分できていないことなどの理由があると認識しております。
 このため、経産省といたしましては、国内企業向けに適応ビジネスの認知度向上を図るセミナーの開催、海外での成功モデルを横展開していくための日本企業の活動事例をまとめたグッドプラクティス事例集の作成、途上国政府向けに日本企業の適応ビジネス製品・サービスを紹介するための国際セミナーの開催に取り組んでおります。国内企業向けのセミナーについては、当省やジェトロ、環境省等において昨年度延べ五回開催し、企業を中心に約四百五十人が参加するなど企業の関心が高まっていると評価しております。
 一昨年度からグッドプラクティス事例集を策定、拡充し、横展開していく上でのヒントとなり得る日本企業の海外ビジネスでの適応事例の事例を取りまとめて公表しております。一例を申し上げますと、気候変動による海水面上昇による浸食、河川や地下水を通じた塩水侵入で塩害が深刻化している国が出てきておりますが、ある企業では、バングラデシュにおける塩害地域で自社が持っている適切な栽培管理に基づく農業技術を導入して、豆、リョクトウの栽培に二〇一〇年から取り組んでおり、三千五百人の農民が本プロジェクトに参加するなど、現地雇用機会の創出、栄養価の高いリョクトウの収穫量、品質向上による貧困削減、収入増加に貢献しております。
 また、水害の増加につきましては、水源の汚染を拡大させ、人々の健康状態の悪化により病人数が増加し、社会経済開発を阻害するという状況にございます。ある企業では、ベトナムを始め東南アジアにおいて、現地政府やNGOなどを通じて、病院、学校、村に小型浄水装置を導入をいたしまして、人々の健康状態及び社会経済環境の改善に貢献しております。
 また最後に、途上国政府向けのセミナーといたしましては、昨年十一月にドイツ・ボンで開催されましたCOPにおけるサイドイベントを主催いたしまして、複数の途上国の政府関係者など約五十名近くに御参加いただき、日本企業の適応関連技術の紹介を行いました。
 引き続き、環境省とも連携しながら、適応ビジネスの海外展開の推進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
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渡辺美知太郎#22
○渡辺美知太郎君 これまで、ビジネスに余り一見関係がないようなことがビジネスにつながっていくような事象が見られています。気候変動ではないんですけど、先日、気象ビジネスについてのお話を聞きまして、気象データを利用して生産性を向上していこうとか、そういった取組もあります。
 適応ビジネスについては、例えば先ほど事例にもございましたけれども、水不足に対してのビジネス展開、小さい話で言うと、例えばハマダラカの北上によって蚊帳を、新しい糸を使って蚊帳が作れないかとか、そういった話もありますので、是非とも民間の活力に資するような取組をしていただきたいと思っております。
 時間が余りないので最後に質問させていただきたいなと思っておりますが、ちょっと質問を飛ばしまして、カーボンプライシング、ESG投資など、民間活力の最大化について伺いたいと思います。
 先ほど緩和についても触れましたが、適応も緩和も民間活力を用いることが重要だと思っています。適応ビジネスのみならず、緩和についても低炭素技術、サービスが選択をされ、企業の投資が低炭素に向かうような仕組みが必要であります。そのために、カーボンプライシングやESG投資の二つの取組を進めることが必要であると考えますが、それぞれについて導入に向けた決意を伺って、私の質問を終えたいと思います。
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中川雅治#23
○国務大臣(中川雅治君) パリ協定やSDGsをきっかけに、世界は脱炭素で持続可能な経済社会に向けて大きくかじを切っております。我が国でも、こうした経済社会に向けて、資金を始め、あらゆる資源の配分を行っていくことが重要でございます。
 このためには、社会の隅々まで価格シグナルを送ることであらゆる主体の創意工夫を促すカーボンプライシングが有効と考えております。環境省といたしましては、本年三月に取りまとめていただきました有識者検討会の提言も踏まえながら、前向きに更に議論を深めてまいります。
 また、ESG投資は、環境課題に戦略的に対応している企業を経済の血流である金融の側から後押しするものでございまして、現在、金融業界の主要なプレーヤーが一堂に会する環境省に設けたESG金融懇談会において、それぞれが今後期待される役割について意見交換を行っているところでございます。同懇談会での議論も踏まえ、環境省が旗振り役となってESG投資の更なる促進を図ってまいる所存でございます。
 脱炭素化に向けた民間の動きを加速化し、持続可能な経済社会が実現できるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
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渡辺美知太郎#24
○渡辺美知太郎君 私の質問を終えます。ありがとうございました。
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河野義博#25
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 今回の気候変動適応法案でございますけれども、気候変動対策というのは車の両輪と言われておりまして、一つが緩和策、これは言うまでもなく二酸化炭素の排出量をどう減らしていくかということでございまして、これまでも国際的な議論の中心を占めてまいりました。もう一つが適応策でございまして、今般新たに法制化をし、法律の位置付けを持った計画を策定し、それを実行していくということでございます。
 前者の緩和策については、これまで累次にわたって様々な議論がなされてきましたし、我が国も地球温暖化対策推進法に基づいて地球温暖化対策計画が策定されておりまして、その下、計画が推進されているわけでありますが、この適応策に関しては、従来、国際社会でも余り議論の中心ではありませんでしたけれども、二〇〇〇年代に入ってこの議論が高まりを見せ、次第として国際会議でも取り上げられるようになり、各国で適応計画が策定されてきました。
 我が国でも、法律上の位置付けは持たないものの、気候変動影響への適応計画というものが二〇一五年制定されまして、気候変動影響への防止、軽減のための備えというのが、取組進められております。一方で、やはり、法律的な位置付けを明確にした上でこれを進めていこう、各省連携で進めていこうという立場から、我が党公明党からも昨年七月、適応策の法制化を含む提言を申入れをさせていただきました。その過程を受けまして、今回法整備に至ったというふうに承知をしております。
 内容に早速入らせていただきたいと思っておりますけれども、そこで、第十五条関連で伺います。
 今般、法的な位置付けを明確にしまして、環境省がその旗振り役となり、各省を巻き込んで連携をし、また地方公共団体にもその計画策定を努力義務として位置付けることによって日本全体として政策を進めようとしているわけでございます。
 十五条には、国及び地方公共団体は、施策の推進に当たって防災関連施策、農林水産業振興関連施策、生物多様性保全関連施策と、こういった連携が図れるよう努めるというふうに記されておりますけれども、環境大臣として、各省連携のリーダーシップをどのように発揮していかれるおつもりでしょうか、御所見をお聞かせください。
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中川雅治#26
○国務大臣(中川雅治君) 気候変動の影響は、自然災害、農業、生物多様性など、様々な分野に及ぶものでございまして、適応策を推進するに当たっては、関係省庁等との連携協力が不可欠でございます。
 まず、環境省としては、国立環境研究所を中核とした適応の情報基盤を充実させ、将来の気候変動影響に関する、より精緻な情報を積極的に提供することで、関係省庁による科学的知見に基づく適応策の推進を後押ししてまいります。
 また、適応計画の案を策定する際には、関係省庁の農業や防災等の幅広い施策に適応の観点を適切に組み込み、具体的な適応策として明記していくよう、精力的に働きかけてまいります。
 さらに、地域におきましても、広域協議会の場を活用し、地方環境事務所が旗振り役となって、国の出先機関同士の情報共有や連携強化を促進してまいります。
 本法案には、ただいま申し上げましたような、環境省が中心となって広い関係者の連携協力を推進していくための根拠となる規定をしっかりと位置付けております。本法案の下で、環境大臣としてのリーダーシップを発揮し、政府一体となって実効性の高い適応策を推進してまいりたいと考えております。
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河野義博#27
○河野義博君 まさに政府一体となった取組が大変重要なんだろうというふうに思いますので、しっかりとよろしくお願いします。
 環境省だけではなくて、各省庁との連携が肝要だというふうに思います。法案の中にもありますけれども、国土交通省は自然災害に、農林水産省は農業への影響、そして厚生労働省は感染症に対して、これ、どのように具体的に取り組んでいかれるおつもりか、方針を各省、確認しておきたいというふうに思っておりますが、また、この法案を受けまして、環境省とはどのように連携をして取組を強化していくおつもりか、各省の方針を聞かせてください。
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首藤祐司#28
○政府参考人(首藤祐司君) 気候変動の影響によりまして、自然災害の頻発化、激甚化や、気温上昇による国民生活への影響が懸念をされておりますので、適応策を進めることは極めて重要と認識をしております。
 このため、国土交通省におきましては、平成二十七年十一月に国土交通省気候変動適応計画を策定し、この計画に基づきまして、水害等の自然災害分野、渇水等の水資源・水環境分野や交通インフラ等の国民生活分野など、幅広い分野において適応策を推進しているところでございます。
 その実施に当たりましては、自然災害による頻発化、激甚化に対応するため、施設整備等のハード対策と住民への情報提供、情報伝達等の訓練といったソフト対策を適切に組み合わせまして総合的な対策を推進するほか、環境省や農林水産省と連携しつつ、地域適応コンソーシアム事業に参画し、地域における適応を支援しているところでございます。
 今後につきましても、法に基づく適応計画の策定や気候変動影響評価の実施の際の協議、地域レベルの適応策の推進に当たっての国土交通省の知見の提供等を通じまして、環境省を始め関係省庁等としっかりと連携をしつつ、適応策を展開してまいりたいと考えております。
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大角亨#29
○政府参考人(大角亨君) 農林水産分野におきましては、気候変動の影響を受けやすい分野でございまして、既に我が国でも、降雨による米や果実の品質低下や豪雨による農業被害など、気候変動の影響が顕在化しているところでございます。
 このため、平成二十七年八月に策定いたしました農林水産省気候変動適応計画に基づきまして、まず米につきましては、高温でも白濁などの品質低下が起きにくい品種や技術の開発や普及、ミカンにつきましては、高温により皮が浮いて品質低下することを防止する技術の普及、ブドウにつきましては、高温下でも着色不良が起こらないシャインマスカット等の導入、また、温暖化がもたらす機会を利用したアボカド等の亜熱帯・熱帯果樹等の導入実証、さらには、農地の湛水被害等の防止のためのハザードマップの策定や排水機場、排水路等の整備等に取り組んでいるところでございます。
 また、気候変動適応法の下、リンゴの栽培適地マップの作成など、農業分野における気候変動の影響評価あるいは広域協議会への参画による情報交換など、環境省を始めといたしまして関係府省庁との連携を一層推進してまいりたいと考えております。
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