岡田直樹の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。ありがとうございます。
自民党は、目下、憲法改正の優先的なテーマとして、自衛隊、緊急事態、合区解消・地方公共団体、教育充実の四項目を優先的なテーマとして検討を進めておりますが、二月十六日には、そのうち一つの合区解消・地方公共団体のテーマについて、憲法四十七条及び九十二条の改正のたたき台素案というものを提示して議論を行い、基本的な一致を見たところでございますので、この点について申し上げたいと思います。
言うまでもなく、現在の日本では、人口の減少と一極集中が進み、過疎と過密が極端になり、人口の偏りが国の姿をもゆがめようとしております。このような中で、投票価値の平等はもちろん大切な普遍的な価値観でありますが、人口比例を唯一の尺度とする場合には、地方の民意を代弁する議員の減少、行政区画と選挙区のずれの拡大、参議院選挙区での合区、また、衆議院小選挙区の都市部選挙区においても市や区を分割するような細分化、複雑化などの問題が生じ、かえって民意の反映や政治へのアクセスの面での地域間格差、地域住民の不平等感や不満などをもたらすことにもつながるおそれがあります。
今後の日本社会を展望しながら現代及び将来の代表民主制やその根幹である選挙の在り方を考えた場合に、果たして人口一辺倒でよいのでしょうか。地方と都市部を問わず、選挙において地域が持つ意味に改めて目を向け、地域の民意の適切な反映、あるいは多様な地域における代表の実質的な確保と投票価値の平等の要請との間で調和を図っていくことが重要と考えます。
そのような基本的な認識、考え方を基に、我が党は、両院議員の選挙に関する憲法四十七条の改正を検討しております。また、それと同時に、その基盤となる基礎的な地方公共団体、これは市町村を想定し、広域の地方公共団体、現状は都道府県でありますが、分権型社会の構築ということも念頭に置きながら憲法九十二条に明記し、地方自治の強化にもつなげたいと、このように考えております。
四十七条の改正について申し上げます。
まず、衆参両院議員の選挙について、選挙区を設ける場合の原則的な規定として、投票価値の平等の要請につき、人口を基本としという形で規定する一方で、人口だけではなくて、行政区画、地域的な一体性、地勢等の要素も総合的に勘案して選挙区等を定める旨の規定を置くことを考えております。これは、選挙区や定数を定める上で人口を基本的な基準とすることまでは変えるものではありません。あくまでも、投票価値の平等と地域の民意の適切な反映との調和という観点から、そのような定めを考えております。
ちなみに、最高裁も、投票価値の平等について、選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準ではなく、国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的、理由との関連において調和的に実現されるものと解釈をいたしております。
また、参議院議員の選挙について、合区を解消して各都道府県から代表者を出せるように、広域の地方公共団体の区域を選挙区とする場合には改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙することが可能となるようにすることを考えております。
なお、憲法上そのように規定したことによって、参議院議員が直ちに憲法四十三条、全国民の代表者と矛盾するというわけではないと思います。最高裁も述べているように、四十三条の全国民の代表については、その選出方法にかかわらず、特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく全国民を代表するものであって、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有することを意味する、このように最高裁でも解釈されておりまして、そのような解釈を前提にする限り、事実上、都道府県代表的な意義ないし機能を有する要素が加わったからといって、これにより、選出された議員が全国民の代表であるという性格と矛盾、抵触することはないと考えております。
時間に限りがございまして、終わりますが、これ以外の教育の充実、自衛隊、緊急事態などについても、いずれこの憲法審査会等で議論を深めてまいりたいと、このようにお願いをいたします。
ありがとうございました。