加藤勝信の発言 (厚生労働委員会)

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○国務大臣(加藤勝信君) まず、所信に入る前に一言申し上げさせていただきます。
 働き方改革に関して、一般労働者と裁量労働制で異なる仕方で選んだ数値を比較して答弁したことは不適切でありました。また、平成二十五年度労働時間等総合実態調査のデータに不整合が指摘され、原票との突合など精査が必要な状況にあります。さらに、このような裁量労働制のデータは、国民の皆様に今回の裁量労働制の改正について疑念を抱かせることになりました。
 この間、国会の皆様、国民の皆様に御迷惑をお掛けいたしましたことにつきまして、深くおわびを申し上げます。
 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。
 国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。
 働き方改革は、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けた喫緊の課題です。
 一人一人の意思や能力、置かれた事情に応じた多様な働き方の選択を可能とするため、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を始めとする改革を総合的に推進するための法案を今国会に提出します。
 具体的には、働き方改革を総合的かつ継続的に推進するための基本方針を定めるとともに、罰則付きの時間外労働の上限規制、専門性の高い仕事における時間によらず成果で評価する制度の創設、勤務間インターバル制度の普及促進、産業医、産業保健機能の強化、さらには、雇用形態に関わらない公正な待遇を確保するため、非正規雇用労働者について不合理な待遇差を解消するための規定の整備なども盛り込みます。
 違法な長時間労働など不適切な働き方が行われている企業に対する監督指導を徹底します。また、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善等に取り組む企業に対する支援を進めます。さらに、地方の中小企業まで働き方改革の取組が浸透するよう、全都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、関係機関等とも協力しながら、中小企業・小規模事業者の個別の相談に応じるなど、きめ細かく支援します。
 昨年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに基づき、人づくり革命、生産性革命の実現に向けた取組を進めます。
 待機児童の解消に向けて、子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備するとともに、そのために必要な保育人材の確保や処遇改善等を更に進めます。幼児教育、保育の無償化については、二〇一九年四月からの段階的実施に向けて、関係省庁とも緊密に連携した上で検討を進めます。
 放課後児童対策については、引き続き、量的拡充を進めるとともに、社会のニーズに応じ、子供の自主性、社会性を育む観点などから、放課後子ども総合プランの進捗状況も踏まえ、今後の在り方について検討します。
 家族の介護のために離職せざるを得ない状況を防ぎ、働き続けられる社会の実現を目指します。このため、介護の受皿五十万人分の整備を進めるとともに、他の産業との賃金格差をなくしていくための更なる処遇改善のほか、介護分野へのアクティブシニア等の参入を促すための入門的研修の普及、介護の仕事の魅力の全国的発信など、介護人材の確保に総合的に取り組み、二〇二〇年代初頭までに介護離職ゼロを目指します。
 また、介護、生活衛生分野等におけるICT化や業務改善を進めるとともに、中小企業等による賃金引上げや生産性向上に向けた取組への支援、働く方の希望や能力に応じた転職や再就職支援等を進めます。
 人的投資を強化するため、リカレント教育への支援の抜本的拡充などにより、生涯にわたる学び直しと新しいチャレンジの機会を確保します。また、二〇二三年の技能五輪国際大会の我が国への招致を通じた技能尊重機運の醸成に取り組むとともに、我が国産業の基盤である物づくり技能の一層の向上に努めます。
 また、駐留軍関係離職者等の雇用の安定を図るため、所要の措置の継続を内容とする法案を今国会に提出しました。
 近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、生活保護受給世帯数や高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。こうした状況を踏まえ、生活保護に至る前の段階における支援を含め、生活に困窮する方等への一層の自立支援を図るため、包括的な支援体制の強化、生活保護世帯の子供の大学等への進学支援、一人親家庭に対する児童扶養手当の支払回数の見直し等を内容とする法案を今国会に提出しました。
 生活保護基準については、健康で文化的な最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものとして適切なものとなるよう、定期的に見直しを行う必要があります。このため、現行の生活扶助基準額における年齢、世帯構成、地域のそれぞれにおけるバランスと、一般低所得世帯の消費実態でのそれぞれにおけるバランスの乖離を是正します。
 自殺対策については、自殺総合対策大綱に基づき、関係府省と連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を一層強化します。また、座間市における事件の再発防止に向けて、若者向けSNSを活用した相談機会の確保等、関係閣僚会議で取りまとめた再発防止策に基づく取組を進めます。
 今後とも、地域住民が抱える様々な生活課題を解決につなげていくための包括的な支援体制の構築等を進めることで、地域共生社会の実現を目指します。
 受動喫煙対策については、国民を望まない受動喫煙から守るため、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて対策を徹底することが必要です。望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、子供や患者等に特に配慮しつつ、施設の類型や場所ごとに、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙場所にはその旨の掲示を義務付けることなどを内容とする法案を今国会に提出しました。あわせて、各種支援策の推進、普及啓発の促進など、総合的かつ実効的な取組を進めます。
 がん対策については、第三期がん対策推進基本計画に基づき、がんゲノム医療の実現や希少がん、難治性がん対策の充実、がん患者の就労支援の推進等、総合的な対策を進めます。
 団塊の世代が全員七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、地域包括ケアシステムの構築を一層推進していくことが必要です。四月からは、医療計画、介護保険事業計画、障害福祉計画の新たな計画期間や、国民健康保険の財政運営の都道府県単位化が始まりますが、これらの準備を着実に進めるとともに、六年に一度となる診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定等を通じて、質が高く効率的なサービス提供体制の整備や自立支援、重度化防止に資するサービスの実現など、国民一人一人に必要なサービスが提供され、地域で安心して暮らすことができる体制の構築を目指します。
 また、薬価制度の抜本改革についても着実に実施します。
 さらに、健康、医療、介護に関するデータ利活用基盤の構築を軸に、被保険者の予防、健康づくりなど保険者が果たすべき役割の強化やゲノム医療、AI等の最先端技術の活用など、データヘルス改革を戦略的、一体的に推進するとともに、審査支払機関の改革を進めます。
 人生百年時代を見据え、健康寿命の延伸等を目指し、予防、健康づくりを推進していくことが重要です。第二次健康日本21に基づき、疾病の発症予防や重症化予防に向けた取組を進めるとともに、保険者による特定健診、保健指導や糖尿病の重症化予防などの取組について、インセンティブも活用しながら進めます。少子高齢化に伴う多様な医療ニーズに対応するとともに、質が高く効率的な医療提供体制の構築に向けて、地域医療構想の達成に向けた取組を一層進めます。
 医師の働き方改革については、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえ、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、時間外労働規制の具体的な在り方、労働時間短縮策等に向けた検討を進めます。
 医師の地域偏在、診療科偏在については、二〇〇八年に医学部定員を増加させたものの、依然として格差が広がっており、その解消が急務です。このため、医師の偏在を可視化できる指標を整備し、都道府県が主体的に医師確保対策を推進する体制を構築するとともに、医師の地方勤務を後押しすることなどを内容とする法案を今国会に提出しました。
 医薬品、医療機器産業については、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに、後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します。
 また、医薬品等の製造、販売における法令遵守の徹底、医薬品等の品質、有効性、安全性の確保を図るとともに、制度見直しに向けた検討を進めます。
 さらに、危険ドラッグの撲滅や大麻を始めとした薬物乱用防止に向けた啓発等に取り組みます。
 国際保健の分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、薬剤耐性菌を含む感染症対策等のグローバルな課題に的確に対応します。
 水道施設の老朽化の進行、人口減少等が課題となる中、水道事業の基盤強化を図るため、水道施設の計画的更新、広域連携の推進などを内容とする法案を今国会に提出しました。
 また、我が国の食を取り巻く環境変化等を踏まえて、食品の安全を確保するため、国際標準との整合性を確保した食品衛生管理の制度化、広域的な食中毒事案への対策強化などを内容とする法案を今国会に提出しました。
 さらに、昨年十二月に成立した改正旅館業法に基づき、いわゆる民泊サービスの制度化に併せた旅館業の規制緩和を進めるとともに、無許可の民泊に対する取締りの強化等を着実に行います。
 障害のある方々が自らの望む地域生活を営むことができるよう、生活や就労の支援を充実させるほか、グループホームの整備などに取り組みます。
 また、精神障害のある方々が地域で安心して生活できるようにするため、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を受けられる仕組みづくりを進めます。
 アルコール健康障害対策や依存症対策については、専門医療機関の選定や相談体制の整備、民間団体の活動支援等を総合的に推進します。
 本年四月から精神障害者が雇用義務の対象となり、障害者の法定雇用率が二・二%に引き上がります。障害者の雇用促進、職場定着に向けて、経営トップへの働きかけを含めた企業等への一層の周知啓発等に加え、新たに就労定着支援事業所による支援等にも取り組みます。
 女性活躍推進法に基づく女性活躍に関する企業情報の見える化の推進、育児休業制度を始めとした両立支援制度の普及等、女性が輝く社会の実現に向けた取組を進めます。
 また、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する子育て世代包括支援センターの全国展開、産後ケアの充実、不妊治療への支援等にも取り組みます。
 全ての子供には、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される権利があります。地域における児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策を推進するとともに、新しい社会的養育ビジョンの内容を受け止め、里親委託等を推進し、家庭養育優先の理念の実現に向けた取組を進めます。
 さらに、さきに述べた児童扶養手当の支払回数の見直し等に加え、一人親家庭を支援し、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当の全部支給の所得制限限度額を見直すとともに、就職に有利な資格の取得支援等に取り組みます。
 年金制度については、引き続き、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進や年金積立金管理運用独立行政法人の体制強化などを着実に進めるとともに、次期財政検証とその結果を踏まえた制度改正に向け、受給開始時期の選択肢の拡大など人生百年時代を見据えた年金制度の在り方を含めて検討を進めます。
 また、個人型確定拠出年金や五月から施行される簡易企業型年金制度など、私的年金制度の一層の普及を図ります。
 年金事業運営については、引き続き、昨年八月から施行されている年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮の周知等に万全を期すとともに、日本年金機構改革を着実に実施し、事務処理誤り等の総点検で把握した事項を確実に改善するとともに、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進、情報セキュリティー対策等に着実に取り組みます。
 援護施策については、戦没者遺骨収集推進法に基づき、国の責務として、可能な限り多くの御遺骨を収容し、御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くします。
 また、慰霊事業に着実に取り組むとともに、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策について、引き続き、きめ細かく実施します。
 東日本大震災の発生から七年が経過しましたが、引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識の下、被災者の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用のミスマッチへの対応などに全力で取り組みます。
 また、全国各地で発生する自然災害からの一日も早い復旧復興に向けて、関係省庁とも連携しつつ、スピード感を持って全力で取り組みます。
 委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

発言情報

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発言者: 加藤勝信

speaker_id: 5843

日付: 2018-03-20

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会