猪口邦子の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○猪口邦子君 ありがとうございます。
 本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」、とりわけ日本とASEAN、また日本とロシア関係等という観点から、大変有意義で参考になる御意見と分析をいただいたところでございます。三人の参考人に感謝申し上げます。
 それぞれにお伺いしたいのですが、まず共通にお伺いしたいことは、国家間における信頼醸成、つまり行動の予測可能性の大切さということでございます。
 信頼醸成及び信頼醸成措置、コンフィデンス・ビルディング・メジャーズ、CBM、これは安全保障の基本であり、平和の基本。私は、かつて軍縮大使をジュネーブで務めていたことがありますけれども、軍縮外交の第一歩は何といってもこの信頼醸成にほかなりません。つまり、主権国家平等を基本とする国際社会において、主権を持つ国民国家の行動の自由の幅は非常に広いので、互いに予測可能性を高め、互いに秩序と行動規範を共有するために国際法の発展があり、それこそが永続的平和の基礎を成すと考えられ、積み重ねられてきたわけでございますけれども、国際法の生成に至るかなり手前の段階でも、信頼醸成、様々な外交努力の方法はあります。
 例えば、首脳の定期的な往来、ホットラインの敷設、こういうことによる安定した連絡手段の確立、又は、ASEANのお話ありましたけれども、地域統合による経済的な交流や人の移動についての枠組みの推進、あるいは国際会議、国際交流の発展、そして人材育成、キャパシティービルディング、こういうことへの努力、この全ては信頼醸成につながるものであると思います。さもなければ、荒野のような国際社会において、主権国家同士が何とか互いに予測可能性を高めて合理的で安定して平和な環境を築いていく、こういう考えが平和を求めていくときの基本にあると思いますけれども、その場合に、外交ももちろんですが、政治も、あるいは専門家も、あるいは市民社会も、様々な観点から寄与することができる。
 この共通認識を持った上で、お一人お一人に伺いたいんですけれども、まず兵頭参考人には、日ロ関係、今後予測可能性を高めていく、このためにどういうことが必要か。例えば共同経済活動、これは、そういう予測可能性を高めるのに寄与するという考えをロシア側に分かってもらう、またそういうふうにロシアとしても発展してもらう。兵頭参考人はアンビバレントという言葉を使いましたが、それはまさに予測可能性が少ないという状況を意味するわけで、クリミア併合などはそういうことでやって、そういうことを超えて、大国、GDPの規模についておっしゃいましたけれども、そういうことを超えて、予測可能性が強い、率先垂範できるような、それはインドについても言えることなんですけれども、そういう国家でありたいというような働きかけをするべきであると思いますし、そういう理解をしてもらうにはどうしたらいいか。
 あとは、ロシアについては、選挙が、今後、プーチンさんは今回の選挙を越えたらないということで、場合によっては北方領土について少し妥協をする余地というのがあるのかということもちょっとお伺いしたいと思います。
 また、北極圏の航路ですね。これについての中国の分析、非常に興味深くお伺いしましたけれども、ロシア一国でそのような流れを防ぐことができないと考えたときに、そこは、じゃ、誰と結んでということを考えれば、北方領土について日本の求める解決を促すことにより、日本の関与ということも求める、こういうことについて何か御意見があればお伺いしたいと思います。
 それから、福永参考人、本当にありがとうございます。
 インドが新たなパワーとして台頭している中、まさに今ロシアについても述べました、自ら率先垂範して問題解決メカニズムをつくるとか、対話の枠組みをつくるとか、そういうふうにすることこそが常に大国を志向するという分析を福永参考人なさったわけですよ。まさにそれこそが大国への道であるというような交流を、知的交流をしてもらいたいなと。
 そして、次、熊岡参考人の話にもつながるんですけれども、本来、国家間の予測可能性を高めるという場合に、その国の中に住んでいる市民が予測可能性のある社会に住んでいないとなかなかうまくいかないだろうと思うので、インド自身の国内の社会発展、これをもっと市民にとって予測可能性高いものにする必要があるんじゃないかというのが私のコメントです。
 それから、熊岡参考人には、やはりソーシャルキャピタルのような教育の機会などを充実させることによって、今申し上げたような市民の社会における自分の予測可能性も高めることができるから、そういうことがその国の対外的な予測可能性を高める可能性もつくっていくんではないかなと思いますので、その観点からよろしくお願いします。

発言情報

speech_id: 119614305X00320180221_009

発言者: 猪口邦子

speaker_id: 4512

日付: 2018-02-21

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会