猪口邦子の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○猪口邦子君 ありがとうございます。
本日は、アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方のうち、信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題、多国間協力枠組みの在り方等について、三人の参考人から、大変有意義で、また参考になる御意見、分析をいただきまして、まず感謝申し上げたいと思います。
先回、会長、私はここでやはり申し上げましたけれども、この信頼醸成ということは、基本的に国家間、主権平等で、お互いの予測可能性をできるだけ高めていきたい。主権平等でありますから、それぞれ非常に大きな権限を持って国際場裏で行動しますので、予測可能性を高めていく。そして、そのようなことを担うのは人ですから、そういう人材育成、キャパシティービルディングなどについても非常に熱心にやっていく。これが信頼醸成の基本ではないかと思います。
元々、軍縮外交から来ている言葉で、ホットラインを開設するとか、そういうことからの流れで、今日、広い意味で経済連携あるいは地域統合の動きなどもこのような信頼醸成の枠と考えられるようになっています。
そこで、三人の参考人の皆様に、共通するところもありますので、お伺いしてまいりたいと思いますけれども。
まず、経済連携につきましては、元々EUは、大庭参考人そうおっしゃったんですけれども、EUとASEAN、似ているようで、ASEAN流という非常に緩やかな、がちっとした制度化ではなく、よってブレグジットのような激しい退出もまだ予定今のところされていないということでもあると思うんですが、元々そのような経済連携は安全保障上の理由から発生したと思われます。
EUは、史上最大の戦争の結果、戦争が起こることを防ぐには戦争資源である石炭と鉄鋼をその中心のメンバーが共同管理すればいいのではないかということから始まっており、ASEANは、大庭先生がおっしゃったとおり、ベトナム戦争の脅威から発生しているかもしれません。今日、ASEANが軍事的に脅威を感じているとすれば、どういう点に今あるのか。
そして、むしろ非常に懸念していた日本が全く逆の、非常に生まれ変わった心優しい能力の高い国として、また、後方支援という言葉を石戸先生おっしゃいましたけれども、非常に適切な感じのポジショニングをしていくという、そういうことについて、今後ASEANが、安全保障認識、脅威認識と、それから石戸先生のおっしゃった空間経済的なスケールメリットと、あとある程度集積効果で効率がいいということと、そういうことの合わせ技が元々安全保障のことからのみ多分発生したと思われる二十世紀型の地域統合とは違う二十一世紀型の発展をする、こういう可能性について、それぞれ石戸先生、大庭先生、どう考えるかちょっと伺いたいと思います。
それから、大庭先生が説明の中で経済と政治とカルチャーの交流でとおっしゃった。ここが非常にちょっと微妙で、人間社会の発展には私は三つあると思うんですね。まず政治発展、経済発展、そして社会発展なんですね。社会発展ではなくてカルチャーのこと、文化の交流になったということは、じゃ、社会発展とは人権、人道、平等、社会的公正、そういうことの発展の時期というのをASEANという共同体はどのぐらい今後重視したり共通項として持っていくのか。それを余り話さないことによって統合性を維持していくという、そういうちょっとアンビバレントな、しかし非常に課題としては彼らが直面しなきゃならない、そういうことがあるだろうということをちょっと指摘しておきたいと思います。
あと、マルチのこのような枠組み、アメリカはマルチ疲れが出ているわけですね。それは、公共財を提供するとき自分ばかりが負担を負っていると。そういうトラップにASEANが陥らないためにどうしたらいいのかということをそれぞれお伺いしたいと思います。
それから、増山先生には、こういう信頼醸成、そして予測可能性を国家間が高めていくというとき、私が思うのは、重層的な交流及び会議形態が国家間、諸国家間及びマルチの枠にあることが大事で、知識人は知識人、学者は学者、文化人は文化人でいろいろ交流される、そして、経済人はもちろん、大企業だけでもなくというのが石戸先生の話に出てきているわけですね。生産性だから別にベンチャー企業だって輸出のしやすい社会になるというお話でした。ですから、そういうふうになる。
議会人はどうなのかというと、この民主主義の非常に大事な枠組みの中で機能している我々として、なかなかやはり国際交流や国家間の議員団会議などに参加できる機会が制約もされるんですね。そういうのをどう乗り越えて、もちろんお互いに協議すれば、このテーブルのこちらと向こうで協議すればいいことではありますけれども、見識をお伺いしたいと思います。
それで、最近私が思いますのは、年齢も非常に、昔はやっぱり若者交流とか、あるいは生産年齢、でも、これから高齢化する社会の中で、高齢者も国際交流や、そういうですから非常に多層的な交流の中で信頼醸成というのを、じゃ、既に枠のあるASEANとかASEANプラスであるとか、そういうものがあるかなと思います。
お願いします。