赤石千衣子の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(赤石千衣子君) しんぐるまざあず・ふぉーらむの理事長をしております赤石です。
今日はこういった機会を与えてくださり、本当に感謝しております。二十分お話しさせていただきます。
まず、スライドに沿って、私どものしんぐるまざあず・ふぉーらむの活動を少しだけ御紹介させてください。(資料映写)
今、会員数が千百人、これはインターネットを通じてメルマガをお取りになる方が大変増えておりますので、日々一人とか三人とか会員数が増えております。
会員に限らず、電話相談を実施しております。今日も相談日ですので私は駆け付ける予定なんですけれども、本当に地域の中で困り事を抱えている方が、どこにも相談先がなくて、兵庫からも熊本からもいろんなところから御相談が入っております。生活保護を受けることに抵抗があり、御出産を控えて、私どもが赤ちゃんの用品を送ったりしております。こういう中で、グループ相談会というのもやっておりまして、社会的に孤立している方たちが自ら同じ立場の方とお会いすることでエンパワーして元気になられ、その先に進むということで、各地でやっております。
また、お困り事の方には食料支援、お米をお送りしておりまして、年末には二百世帯以上の方にお送りしました。
学習支援は、小規模ながらやっております。
また、交流事業は、クリスマス会とかバーベキューパーティーとか、ここにも写真があります、おいしそうに食べてくれているんですけれども。クリスマス会では、この間は百人規模でやったんですけれども、本当多くてどうしようかと思ったんですが、子供たちからの声として、今日は特別なすごくいい一日だったねとお母さんに言ってくれたということです。私たち、ただ集まってプレゼントを差し上げて、そして企業さんからもお菓子などいただいたので、とてもうれしかったと思います。
このお母さんから後で言われたのは、十二月はインフルエンザに子供が二人ともかかったので就労日数が少なくて、六万円の収入しかなかった、休まなければ十数万の収入があるんだけれども、なので、キャッシングを使ってやっぱりカードでローンをしていると。なので、十二月に入った児童扶養手当は全部返済になってしまい、子供のプレゼントを買うのでやっとであったと。なので、ほかのお祝い何もできなかったのでクリスマスパーティーに参加してとてもよかった、自分が初めて応援してもらえていると実感しましたと言っていただきました。それまでは何か怪しい団体だと思って、なかなか信用していただけなかったみたいなんですけれども、支えていただいているという実感をしましたというふうにおっしゃっていました。
また、支援者養成や就労支援やっております。これが化粧品会社と連携した就労支援のチラシの一部でございます。日本ロレアルという世界最大手の化粧品グループと連携しまして、四か月半のプログラムでお母さんたちに出口のある就労支援、美容部員さんになる、正社員採用につながるんですが、あと、人材会社のスーパーバイザー職の正社員採用のチャンスのある、そういったプログラムを実施しております。お配りした資料の中にも、「シングルマザーに正社員の未来」という、そういう新聞記事を付けておきました。これは有効なんですけれども、ただやはりワーク・ライフ・バランス、土曜日に美容部員さんのお仕事とか入りますので、そういったところで、なかなかやりたくてもやれない方もいらっしゃるのが現状でございます。
また、入学時の支援も、あすのばさんの十分の一ぐらいの範囲で三万円のお祝い金を渡す事業をやっております。
では次、続いて、日本の一人親世帯の貧困の状況というのをお話ししたいと思います。
先ほどもお話があったんですけれども、小河さんから、日本の一人親家庭の相対的な貧困率というのは先進国で最悪となっております。今このグラフの中で赤いところが日本ということになります。なぜここまで日本で一人親が貧困なのでしょうか。それなりに教育も福祉も充実している国なのにという思いに皆さん駆られるかと思います。
一人親の現状は、十二月に平成二十八年のひとり親世帯等調査結果、名前が今回変わったわけですけれども、母子世帯等ではなく一人親世帯になってそれは良かったと思うんですけれども、こういう数になっておりまして、離婚による母子が八割、死別の方は若干減ってきて八%、非婚、未婚の方が九%というふうになっております。
その方の就労状況なんですけれども、非正規で働く方が約五割ということで、母子世帯の就業率自体は八二%と非常に高いわけです。高いにもかかわらず非正規で働く方が多く、その方の平均就労年収百三十三万円。百三十三万円でお母さんと子供、平均で一・五人ですけれども、お暮らしになっています。これがやっぱり貧困の原因ということになります。正規になりますと三百万円ぐらいの年収になるわけですけれども、先ほども、正社員に登用されるチャンスのあるプログラムをやっていて思うのは、そうであっても、なりたいと思っていてもなかなかなれないという方がいらっしゃいます。
母子世帯の収入階層から見た暮らしをちょっと何か円で作ってみたんですけれども、ゼロから百万円の方が二二%、百万円から二百万円の年収の方が、ここに四割近くの方がいらっしゃるんですね。この方たちは、多分、日々の暮らしは何とかなるかもしれない、食べていくだけ。しかし、教育費とか、何かお祝い事とか修学旅行とか高校進学とか、こういうことになると困ってしまう。安定していかれるのは、やっぱり三百万、四百万の収入がないとなかなか安定しないのかなというふうに思っております。
また、親族の御支援がある方は比較的いいわけですけれども、今、御親族の同居率は四割を切っております。ですので、なかなか御親族の支援も受けられない方という方がいらっしゃるかと思います。ちなみに、父子家庭の方は六割が御親族と同居されております。
ということで、例えば、御相談であった方ですけれども、月収十万円のお母さん、こんな方がいらっしゃいます。工場のパートで十万円で暮らしています。そうすると、児童扶養手当は満額支給で四万二千九百九十円今現在入っているわけですけれども、私ども、やはり、中学生のお母さんですので、もう少し収入を上げてみませんかということを御相談のときに言ってみます。でも、この方は離婚のときにDV被害を受けておられて、お子さんにもちょっと学校となじめないような時期があったり、そういうことがあって、職場の人間関係もやっと良いところに就職したし、子供にもお帰りと言ってあげたい、これは親としては普通の気持ちなんですけれども、この両立ができなくて、なかなか仕事を転職というところに踏み切れなそうな感じで御相談が終わったということになりました。
正社員になると長時間働くことになり、子育ての方では次に、ちょっと放置されていますみたいなことにもなりがちと。このはざまの中で苦しんでいるのがシングルマザーあるいはシングルファーザーであるかと思います。
また、お父さんの方はもっと大変でして、男性の仕事というのはなかなか子育てを前提につくられておりません。ですので、私どもがお話聞いたお父さんでも、トラックの運転手で朝五時頃出かけていく、そうすると、もうお子さんが学校に出かける時間には全然いない、だからお子さんはもう忘れ物がちであると、学校ではいろいろ言われてしまうと、それなのにPTAの役員に選ばれてしまって、仕方なく仕事を休んでいたら一番最初に解雇されてしまったというようなお父さんがいらして、本当にお父さんの仕事と子育ての両立ってもっと更に過酷になっておられるな。
また、相談をしていいというお気持ちになられない。やっぱり男性ってなかなか相談ができないので、私ども、明石市でも、御相談のときにはお父さんを狙って必ずお話を聞くようにしていたような状況でございます。
そういう中で、お子さんの進学率も低いということになります。
あと、もう一つの問題が、公的支援制度があるんですけれども、いろいろ変化していたり、数が少ないのでなかなか広報もされていないというような状況がありまして、結果的には周知率が非常に低い制度が多いということがございます。例えば、高等職業訓練促進費給付金というのは、看護学校や介護福祉士学校に三年間通う場合には生活費を住民税非課税世帯には十万円、それから課税世帯七万五百円ということで、かなり助かる制度なんですね。これを三年間、月額出してくださるわけですけれども、知られていないです。チラシがない自治体もありました。こんな状況でございます。また、短期入所生活援助事業なども余り知られていないというような状況がございます。
それから、もう一つ気になることは、無業の母子世帯のお母さん、半数が抑うつ状態であるということです。お仕事をしていない母は二人に一人がうつ、抑うつという指標で測っているんですが、私どもも、来てくださるママたちの中に、うつ傾向があるということで孤立していたり、他人からどう見られているかということを気にされてなかなか御自分の評価が上がらない、自己肯定感が低い、そして子供にもそれが悪い影響があるというようなことが起こっております。
こういうことがございますけれども、では、なぜ日本の一人親世帯は貧困なのかということを少しだけ、今日は根本的な問題も考えていいということでしたので、お考えいただきたいと思います。
母子世帯は就労していないから貧困なのでしょうか。それは、先ほど言ったデータから違うということが分かります。八二%、これは、スウェーデンよりもイギリスよりもアメリカよりも就労率が高いです。では、それは違うとしたら、就労収入が低いということがあります。もう一つは、母子世帯を支えるのはその周りの家族であるべきなのでしょうか。もちろん家族も支え合っているんですけれども、家族だけでは支え切れないのが今の現状でございます。この二つの誤解があってなかなか先に進まないのかなと思っております。
私が思うには、お母さんが働いているパート収入の、先ほどの月収十万円のお母さんのことを考えてみてください。その同じ職場には多分パートの主婦、夫さんがいらっしゃる主婦の方が働いていると思います。そして、そういう方のためのお仕事にシングルマザーも就いておられるということなんです。となると、やっぱり男性の稼ぎ主がいらっしゃる家庭であったらそれでちょうどバランスが取れます。しかし、シングルマザーは、そこに働いていたら貧困に陥るわけです。
ですので、女性の働き方が、やはり男女とも子供を抱えながら働ける社会というのをつくっていかないと、なかなかこの貧困問題というのは解決しないのではないかなというふうに思っております。何かすごい単純な図を作ってしまったんですけれども、やっぱり今、男性が長時間働いて女性は短時間働くというのが主流の社会でございます。これをやっぱり、それ望む方はちゃんと子育てしながら働けて賃金も平等に得られる、こういう社会でないと、なかなか根本的にはシングルマザー、それからシングルファーザーさんも同じです、貧困問題は解決しないだろうと思います。
ですので、長期的なことを申し上げますと、男女が子供を育てながら働ける、同一価値労働同一賃金という原則をきちんと社会の中に定着させることが必要かと思います。また、女性が出産で仕事を辞めなくていい社会、WLB、ワーク・ライフ・バランスが整った社会というのをつくることが必要。これは長期目標ですからなかなかここにすぐには届きませんけれども、それと同時に、充実した子育て教育費の支援、また、養育費の取得率が二割、二四%ということですので、児童扶養手当と引換えではない立替払制度などが充実していくことが必要かと思っております。
しかし、これはちょっと長期の目標を言ってしまったので、もう少し中期的な目標を申し上げます。
それは、私ども、団体としては三十数年の歴史がありますので、一九八〇年代から一人親、母子世帯の支援の変化を見てきて思うことでございます。それは一人親支援の政策に評価検証を入れるということです。やはりなかなかここがきちんと行われていない。思い付きといったらちょっと申し訳ないんですけれども、そういった政策がちょっとぽっと出てきてしまう。この検証が行われていないために、果たしてこれ役に立っているんでしょうかということがございます。在宅就労支援などもその一例でございました。そのほかにもいろいろな就労支援事業の検証がなかなか行われていないので、日本の政策に評価指標の導入というのを必要かと思います。
また、これが中期目標として皆さんの中に定着していただけるといいかなと思っておりますが、短期的には、既にもうあすのばの小河さんも言ってくださったので、それ以外のことを申し上げますと、相談の質の向上、利用者の声を聞く工夫というのをどうやってフィードバックを受けるのか。また、広報、周知、先ほども申し上げました情報が届いていないということがございます。
私ども、児童扶養手当の現況届時に一人親の一斉相談を明石市で受けてまいりました。そういったこともありますし、私ども、現況届のとき、これ全員が役所にいらっしゃいますので、そのときに無料の新聞配布というのを、去年は五万五千部配布することができました。
そのときに窓口に来るママたち、パパたちは、残念ながら窓口は嫌いなんですね。なぜなら、窓口というのは審査するところだからです。あなたの収入は、まあこれはいいですね。男はいないですか、男性とお付き合いしていないですか、やっぱり聞かれるんです、窓口で。そうすると、逃げるように窓口を去っていって、ほかの応援していただける施策に結び付かない、こういう現状があります。なので、窓口の信頼関係をどうやってつくっていくのか、とっても大事なところがなかなかまだ改善がなされていないなと思っております。
そのほか、本当に御努力いただきまして、児童扶養手当の支給回数は、隔月、奇数月になるところですが、毎月になるといいなと思っております。そのほか、児童扶養手当二十歳までの延長などもあるといいなと思っております。そのほか書かせていただきました。
あと、今話題になっております面会交流支援の法律などがありますが、是非、DV世帯に配慮し、親子の交流がいい場合もあるけれども、危険な場合もある、死亡事故もある、こういうことを念頭にした法律を作っていただきたいと思っております。
また、非婚、未婚の母への寡婦控除の適用も是非お願いしたいと思っております。
あとはちょっと読んでいただきたいと思っております。
しんぐるまざあず・ふぉーらむとしては、これからも就労支援、力を入れていきますが、また、エンパワープログラムなど、評価指標を入れたプログラムとして皆さんに御利用いただけるようなものを作っていただきたいと思っております。
以上です。