黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、この金融政策の運営に関しましては、個人、いわゆる家計部門に対する影響というものを、先ほど申し上げたような金利の低下が家計収入の減少あるいは個人消費を押し下げる要因になり得るということ、これは十分考慮していく必要があると思いますが、他方で、先ほども申し上げたとおり、個人消費に対する金融緩和の効果を評価する際には、特に金利が低下することによって経済活動が刺激される、あるいは雇用・所得環境が改善され、そうしたことを通じて個人消費を押し上げる方向に働くということも考えられるわけであります。
実際、強力な金融緩和の下で、失業率は先ほど申し上げたとおり二%台半ばまで低下しておりますし、五年連続でベースアップが実現するということで、賃金も緩やかに上昇しております。こうしたことを背景として、最近では、個人消費は振れを伴いながらも緩やかに増加をいたしております。
また、先行き、経済全体が更に一段と改善いたしますと、その影響は、年金収支の改善あるいは将来不安の軽減なども通じて、国民各層の消費活動にプラスに作用していくというふうに考えております。
したがいまして、こういった両面を十分考慮しながら、現在の金融緩和を粘り強く続けて二%の物価安定の目標を実現し、それを通じて、日本銀行法にもありますとおり、物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資するということでありますので、そういったことを実現するべく、あらゆる金融政策の手段を考慮しつつ、また、委員御指摘のような言わば副作用としての金融機関、特に地域金融機関に対する影響なども考慮しつつ、金融政策を運営してまいりたいというふうに考えております。