芳川恒志の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○参考人(芳川恒志君) ありがとうございます。
 御紹介をいただきました芳川と申します。おはようございます。よろしくお願いいたします。
 私は、本日は、我が国の取るべきエネルギーミックスの在り方について、これを十五分で話せというふうに言われていまして、到底私の能力を超えるものですから、本日はこのようにお話を申し上げたいというふうに思っております。先生方は高い立場から、高い視点から政府のエネルギー政策についてアドバイズをされ、御指導をされるというお立場から、このエネルギーミックスを検討するためにどういうことが基本になるのかということを、その基本的な要素、私が考える重要な基本的な要素はどういうことかということをお話をしていきたいと思っております。
 ただ、資料は以下の三部構成になっております。(資料映写)
 まず最初が、基本的なこととは何か、それを幾つか解説をしております。
 それから二つ目が、これは、我が国のエネルギー政策、エネルギーの構造を見るに当たって、これを現実に当てはめるとどういうことかということを十五ページ以降、解説をしております。
 最後に、ちょっと私、後でも申し上げようと思うんですけれども、グローバルな視点が非常に重要だということから、昨年の末に発表されました、国際エネルギー機関、IEAの毎年の著作でありますワールド・エナジー・アウトルック最新版を、日本語版を付けております。これは、事務局長のファティ・ビロルの代わりにグールドさんという課長が来て発表したものをそのまま付けさせていただいております。
 以上申し上げた上で、今、保坂さんがおっしゃったことも言及しながら、ちょっとお話を進めたいと思います。
 それでは、お話を十五分でさせていただきたいと思いますけれども、私が重要だと思うこと、このようなことであります。
 ちょっと二つ目から申し上げますと、この三つのE、今お話があったエネルギー安全保障、環境、それから経済性、経済成長であります。この三つのEがすごく大切だと。特に福島以降はセーフティーが重要だということで、三つのEプラスSという議論もありますけど、伝統的にはこの三つのEのバランスを上手に取っていこうというのが基本中の基本であります。あらゆるエネルギーに関する著作、特に政策に関する著作はこのことが頭の当然の前提として入っておりますので、これを強調したいと思います。
 二つ目が、一番最初になりますけれども、エネルギーというのは、今の三つのE等々を含めて様々なこと、安全保障とか外交とか健康とか様々なことにタッチをするんですけれども、特に最近のCOP以降、COP20、パリ協定以降は、このエネルギーとCO2の排出問題がすごく強調をされてきます。それをちょっと最近のトレンドとして強調をさせていただきたいと思います。
 あとは、エネルギー政策といって、政策が全てが解決するんじゃなくて、やっぱり市場と対話しながらエネルギー政策を進めていくことが極めて重要だということと、そのためにも価格指標を絶えず注目していくことが大切だし、そのためにもその価格を上手にファンクションさせることが重要だと。ここに書いてあります、ゲット・ザ・プライシーズ・ライトということと、下にちょっと出てきますエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、これ、私がOECDで勤務していたときに、二つ非常によく言われた標語みたいなものであります。だから、正しくそのマーケットでプライスが反映されるように、それに注目していこうと、こういうことであります。
 それから、特に、また繰り返しになりますけれども、パリ協定以降はイノベーションということがすごく強調されています。エネルギー政策と地球温暖化政策とこのイノベーションというこの三つの輪っかが、できるだけこれを同じように解決していこうというのが世界的なトレンドであります。
 それから、あと、ここまでが私が今日特に強調したい四つの話でありまして、もし時間がありましたら、政策ツールの問題、特に炭素税をめぐる問題、割とずうっと日本だけやや特殊な議論をしておる話が一つ。それから、いろんな時間軸、この温暖化問題も含めると非常に長い時間軸の中で物事を見ていく必要がありますよということと、やっぱりグローバルの視点が重要ですよと、こういうことをちょっと強調して、各論を時間の許す限りお話を申し上げたいと思います。
 まず、この六ページを御覧をいただきたいと思います。
 もう皆さんよく御存じで、こんなこと知っているよということだろうと思います。ただ、改めて申し上げたいと思います。エネルギー政策の基本は、この安定供給、エネルギーセキュリティーと、環境性、特にCO2の排出、温暖化ガスの排出問題です、それから経済性、経済成長にいかに貢献していくか。この三つの輪っかをできるだけ大きくバランスを取っていくということであります。
 この発想は、特に一個一個、例えば石炭は経済性はいいけれども、安定供給はいいけど環境性は悪いとか、そういう議論とともに、より以上に、将来のエネルギーミックスを考えるときに、全体としてこの三つができるだけ大きくなるにはどうしたらいいのかということを考えるときに特に重要になります。
 一個一個ちょっと見ていくと、この安定供給、エネルギーセキュリティーというのは、保坂参考人もおっしゃったように、日本のエネルギー供給構造、グローバルなエネルギー供給構造を見て、これまでは、まあ今もそうですけれども、中東依存度が高いじゃないかとか自給率が低いじゃないかと、こういう議論になってきています。今日はちょっと詳しくお話しする時間が多分ないと思いますけれども、このワールド・エナジー・アウトルックを見ますと、世界はすごい変わっていますよと。それは、一次エネルギー供給から電力の安定供給になっているんですよ、こういうとば口に我々は立っていますよということが言われています。
 したがって、このエネルギー安全保障の問題も、中東依存度ももちろん重要ですけど、電力の安定供給ということがより重要になっているぞと、こういうこともちょっと踏まえていただきたいというふうに思います。
 それから、この環境性ということについては、CO2、温暖化ガスの排出問題なんですけれども、これも今のSDGの議論を踏まえますと、この中に、CO2排出だけじゃなくて、いわゆる中国で話題になっていますいわゆる環境問題なんかももちろん重要だということになっていますし、この最後の経済性のところは日本だと電気料金の問題等々に還元していくということになります。
 これ一ページめくっていただくと、ちょっと私がまとめてみたんですけれども、従来のエネルギー政策は、三つのEといいながら、むしろこの二つのE、特に安全保障と経済性、これが中心に議論されてきて、特に、どうでしょう、二〇一六年までの例えば十年ぐらい、この安全保障と経済性が特に強調されてきていると思います。御覧いただいたように、ロシアも米国も自らの安全保障と競争力を特に重視してやってきたんです。私は、特にパリのCOP以降、少しずつ風向きは変わってきているかなという感じがちょっとしています。環境という問題、特にCO2、温暖化問題が重要性が増してきていますし、これを競争力とくっつけて、セキュリティーとくっつけて議論しよう、特に中国、そういうことになってきているんじゃないかなという気が実は強くしています。
 最後にちょっと書きましたけれども、このドイツの例、脱原発、二〇二二年全部原子力はやめますということですけれども、FITでどんどんリニューアブルを進めていますが、彼らは、産業用の電気料金は比較的安く、家庭用は比較的高く、これは彼らのよって立つ産業をサポートし、同時に、何というんですか、国民所得も高いので、意識の高い消費者に割と負担を寄せていっている、それを支える消費者がいると、こういう前提になっています。
 日本は、私、ちょっと最近来た私に対するビルを持ってきたんですけれども、先生方もエネルギーの御専門の先生方ですからこれよく御覧になると思うんですけど、これ実は東京ガスでやっているんですけれども、私の場合は、電気も、七千四百円です、電気料金。そのうちの再エネ促進賦課金、お幾らだと思いますか、大体。七百二十八円です。一割、大体一割。これがどんどんどんどん将来増えていくんじゃないかと、こういう議論ですね。これFITのレベルの問題ですけれども、こういうことにもちょっといろいろと御注意をいただくといいかなというふうに思います。
 ちょっと戻ります。
 今、三つのEの話をしたんですけれども、繰り返しになりますけれども、パリ協定以降、やっぱりグローバルな課題、経済成長、エネルギー消費と温暖化問題って重要じゃないかということがすごく言われています。
 ちょっと振り返ると、非常に古い話なんですけれども、人類が東アフリカで、ホモサピエンスが出てきてずっと、十万年前ですか、それから産業革命まで、これがエネルギー消費ですね、産業革命が終わってぐらいから消費がどんどん増えています。これが一八〇〇年ですから、ここぐらいから化石燃料の消費とともにこうやって増えているということです。
 これちょっとまず頭に入れていただいて、その上で、GDPとエネルギー消費とCO2排出量、大体同じように、大体リーマン・ショックと同じようにこれが伸びているというのがよく分かると思います。これは、GDPの対エネルギー消費あるいはCO2の弾性値がほぼ一定だということになります。今の課題は、経済成長は当然したい、しかしCO2の排出は削減しようということになっていて、この間を切りましょう、デカップリングしましょう、こういう議論なんです。これをしないと地球がどんどん温暖化していきますと、こういうことであります。
 そのためにはどうしたらいいのかということであります。一つはちょっと、もう一回戻りますと、済みません、すごく端的に言うと、これを切るためには一番有効なのは省エネする、つまりエネルギーを使わない経済構造をつくっていく。このエネルギー消費とCO2の関係を切るためには、保坂先生もおっしゃいましたけれども、化石燃料を使わないようにすると、こういうことであります。こういうことをこれからしていきましょうというのが世界の流れになってきています。
 ちょっと時間も押してきていますので、この辺を全部飛ばして、ここだけ最後にお話をしたいと思います。あとは御質問をいただければというふうに思いますが。
 これは、実はいろんな似たようなグラフが世の中にあるんです、特にパリ協定以降ですね。これはIEAが作った割と有名な四五〇ppmシナリオ、二度シナリオというやつです。二度というのは、世紀末において地球の平均気温の上昇が二度以内に収まるように大気中のCO2濃度を管理しましょうと、こういう目標です。いつから二度か御存じでしょうか。冒頭申し上げた産業革命前です。人類がそんなにCO2を排出していなかった時代に比べて二度上昇にとどめましょうといったあれです。
 これが、ざっと言うとCOPで日本も含めてコミットした、措置をとった場合のルートです。これがあらまほしき二度にするためのCO2の排出です。こんなにギャップありますよと、このまま行くと二度どころでは済みませんということです。
 日本もそのためには温暖化対策計画を閣議決定しておられますし、そのためには二〇三〇年二六%減、二〇五〇年八〇%減、これをコミット、ディクレアしておられるわけですけれども、このぐらいのことを達成するためにはイノベーションが必要だと。冒頭申し上げたように、エネルギー政策と温暖化政策とイノベーション、この三つを統一的に実施するような政策環境をつくっていくということであります。
 したがいまして、三つのEを達成しながらこの新たなファクター、イノベーションも含めて、皆様方に問題意識を持っていただいて日本国をリードしていただきたいというのが私の最後のメッセージであります。
 大変失礼しました。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 芳川恒志

speaker_id: 27143

日付: 2018-02-07

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会