とかしきなおみの発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○副大臣(とかしきなおみ君) 環境副大臣のとかしきなおみでございます。
 我が国の地球温暖化対策と再生可能エネルギー施策、気候変動問題への効果的な国際協調の在り方について、資料に沿って御説明させていただきます。着座にて説明させていただきます。
 まず、一ページ目を御覧になってください。
 二〇一五年の十二月、COP21におきましてパリ協定が採択をされました。パリ協定は、先進国も途上国も全ての国が合意、参加する歴史的な枠組みであります。そのポイントは、産業革命前から気温の上昇幅を二度以内に抑える、あと、今世紀後半に温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す、低炭素ではなく脱炭素を目指すというところが重要であります。
 パリ協定を受けまして、各国、各主体が脱炭素化に向けて大きく動き出しました。パリ協定は脱炭素化に向けた転換点となったわけであります。昨年のCOP23では、カナダやイギリスなどが中心となりまして、温室効果ガスの排出係数が高い石炭火力からの脱却を進めるアライアンスを設立いたしました。こちらには二十六か国、カリフォルニアの八の地方政府も参加しております。
 私も、昨年の十二月、パリで開催されました気候変動サミットに出席いたしましたが、脱炭素化に向けて世界が、大きな流れが出てきているというのを肌で強く感じたところであります。
 二ページ目を御覧ください。
 世界は脱炭素化への取組を加速させております。パリ協定は二〇一六年の十一月に発効し、実施に向けたルールの策定を着実に進めております。昨年のCOP23では、実施指針をCOP24で策定するための土台が準備され始めております。
 一方、御存じのように、アメリカのトランプ大統領が、二〇一七年の六月、パリ協定からの脱退を表明いたしました。しかし、これを受けても世界各国及びアメリカ国内の脱炭素化の流れは止まっておりません。
 具体的には、米国以外のG20の各国は、二〇一七年の七月、ドイツのハンブルクで開かれましたG20のサミットにおきまして、パリ協定に対する強いコミットメントを再確認いたしました。さらに、アメリカ国内でも、州政府や企業など現場レベルでは積極的な気候変動対策を続けることを表明。参加メンバーは二千七百を超えております。現場では脱炭素社会への流れは変わらないと、こういう動きになってきております。
 三ページ目を御覧ください。ここでは、主要各国が打ち出している脱炭素化への高い目標、これを一覧表にさせていただいております。
 各国も競い合うように高い目標値を打ち出しております。欧米の先進国は、石炭火力からの脱却、そしてガソリン車等の新車販売禁止など、従来のライフスタイルの大変革を必要とする目標を掲げております。そして、先進国のみならず、下の方に見ていただきたいんですが、中国、こちらの中国も気候変動対策を強化しております。昨年の十二月、排出量取引市場の設立を発表し、すぐに世界最大の市場となってきております。
 次の四ページ目を御覧ください。
 脱炭素化の流れは、国レベルの目標のみならず、ビジネスの世界にも確実に波及してきております。石炭関連や化石燃料に対する新たな投資の減量のみならず、投資の引揚げが進んでいる、ここが大きなポイントになります。
 具体例を申し上げますと、まず、ノルウェーの政府年金基金、これは二〇一五年に石炭火力関連株への投資を中止、そして関連株約八千億円の売却を決定いたしました。アクサも、これは保険会社でございますけれども、石炭からの新規保険を引き受けないというふうに発表いたしました。保険が付かないわけでありますから、ビジネスが非常にやりにくい環境になってきております。そして、世界銀行では、石炭だけではなく、石油、天然ガスの探索及び掘削の融資を二〇一九年以降停止するということを発表いたしました。
 ダイベスト・インベストという化石燃料の投資を引き揚げるというグローバルネットワークにコミットする資金及び投資家は、こちら右の表を見ていただきたいんですけど、年々増加しておりまして、このオレンジの折れ線グラフを見ていただきますと、二〇一七年の十二月の時点で約五・六兆ドルに上ってきております。
 五ページ目を御覧ください。
 再生可能エネルギーにつきましても、世界ではビジネスとして成立する域に既に達してきております。
 国際再生可能エネルギー機関、IRENAが今年一月に世界の再生可能エネルギー発電コストをまとめた報告書を発表いたしました。この報告書では、二〇一〇年と二〇一七年の発電コストを比較いたしますと、太陽光では約三分の一までコストが低下している。さらに、現在商用化されている再生可能エネルギー発電は、二〇二〇年までに化石燃料の火力発電のコストと競争する域に達し、多くが化石燃料のコストの下限やそれ未満になると予測をしているわけであります。一方、我が国でも導入量が多い太陽光発電コストは、左の図のとおり、他国に比べて残念ながら、比較してかなり高い水準になっております。
 右の図の方に御覧になっていただきますと、世界の再生可能エネルギーの導入量、これが、色が付いている方でありますけれども、グレーの部分がこれ火力発電とか原子力を含んでおりますが、再生可能エネルギーの量がどんどん増えて導入量が増えてきているということで、再生可能エネルギーの割合の拡大が続いているというのが世界の動きであります。当然、コストの低減により導入量が増大するとともに、導入量が増大すればコストが更なるコストダウンにつながるという相乗効果が生まれてきておりまして、世界では再生可能エネルギーは十分採算が取れる、ビジネスとしても成り立つという流れが出てきております。
 では、我が国の削減目標について説明をさせていただきます。
 世界的なこの脱炭素化の流れの中で、我が国も地球温暖化対策計画、温対計画に基づいて対策を進めております。温対計画では、環境、経済、社会の統合的な向上をうたい、温室効果ガス排出削減と諸課題の同時解決を理念としております。
 表を見ていただきますと、二〇三〇年度、二〇一三年比で二六%削減、その先には二〇五〇年度で八〇%削減という高い目標であります。表を見ていただきますと、ずっと一九九〇年からほぼ横ばいになっておりまして、私たちの掲げている目標値がかなり厳しい状況であるということで、従来の取組の延長上ではとても実現するのが不可能であると、私たちの生活スタイルや社会システム、これを根本的に考え直していかないとこの目標は達成できないということが容易に想像ができます。
 七ページ目を御覧ください。
 パリ協定におきましても、我が国は長期戦略の策定、提出が求められております。G7では、未提出の国はイタリアと今や日本のみとなってしまいました。我が国も早期に策定する必要があります。
 環境省では、審議会での議論を踏まえまして、今年の三月十六日に基本的な考え方を取りまとめさせていただきました。それをまとめまして、三つのポイントを挙げさせていただいております。一つ目が、ビジネスチャンスをしっかり獲得する、そして二つ目は、イノベーションを創出していく、そして三番目は、施策を今から講じて大幅削減の基礎を確立していくということであります。気候変動対策とそして経済成長、これ両方をつなげていくという考え方が政府の共通認識としてうたわれております。
 成長戦略におきましては、本年度の早い段階から政府全体での検討を開始できるように調整を進めております。括弧書きの中に総理の予算委員会での答弁もございますけれども、来年はG20の議長国でございますので、世界の脱炭素化を牽引していく決意で長期戦略をつくり上げていくと、こういう思いで取り組んでおります。
 八ページ目を御覧ください。
 脱炭素社会に向けて、経済社会の変革は重要であります。環境、社会、ガバナンス、この三つの要素を考慮したESG投資は、今世界で大きく拡大をしてきております。二〇一六年では二十二・九兆ドル、過去二年で二五%増加してきております。企業の気候変動対策が資金獲得にもつながって、環境への取組はビジネスに直結してきております。我が国におけるESG投資の伸び代はかなり大きいものがあります。表を見ていただきますと、ヨーロッパ、アメリカ、日本と、日本の市場はまだ小さいわけですけれども、まだまだ頑張れば伸びる可能性があります。
 これを受けまして、環境省といたしましては、脱炭素化社会の実現に向け、ESG投資の更なる普及拡大に取り組んでおります。金融業界の主要プレーヤーを集めたESG投資懇談会を開催し、そして環境情報を企業、投資家間で共有、そして直接システム上で対話できるESG対話プラットフォームを整備しております。プラットフォームに参加する企業は、右側の表を見ていただきましたとおり、この五年間で企業は約七倍、投資家等は約二十倍と、参加する主体の数が飛躍的に増加をしております。このような取組を通じ、ESG投資を促進して、持続可能な社会の構築に向けたお金の流れをしっかりとつくり出そうというふうに考えております。
 九ページ目を御覧ください。
 脱炭素社会の実現に向け、エネルギー起源のCO2排出削減は重要な課題であります。中でも石炭火力発電所は、最新鋭の技術であってもLNG火力発電の約二倍の排出係数となります。従来技術と比較いたしましても、頑張っても削減量は約二割というところであります。ということで、現在多数の新増設の計画が上がってきておりますけれども、仮にこれを全部実施されるとすると、我が国の削減目標の達成は困難になってしまいます。石炭火力発電からの排出を抑制していくこと、これが大切であります。
 スライド十を御覧ください。
 環境省といたしましては、環境アセスメント、そして電力レビューを通じまして、石炭火力発電に対して厳しく対応させていただいております。また、環境アセスメントにおいても、本年三月の大臣意見を発表させていただいております。これらを通じ、二〇三〇年の目標の着実な達成に向けて取り組んでいくということでございます。
 十一ページ目を御覧ください。
 脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーは大きな鍵を握ってまいります。環境省では、再生可能エネルギーの最大限導入に向け、環境省再エネ加速化・最大化促進プログラム二〇一八年度版を発表させていただきました。このプログラムの中では、消費者、企業、自治体が主役となって再エネを導入する、あと、地域固有の資源である再エネを地域で活用することで地域内の経済を循環させるための三つのアプローチを示しました。
 まず一つ目が、住まい、オフィスにおける再エネ、省エネ、蓄エネの活用。二つ目が、地域の再エネ、蓄エネ、省エネでの地域の循環経済を活性化していくこと。そして三つ目は、地域の大規模再エネ活用、これに取り組んでいくと。これらを軸に再エネの最大限の導入を進めていこうというふうに考えております。
 十二ページを御覧ください。
 日本の再エネの特徴、これを考えたときに、再エネにさらに災害時に強いというこの技術を掛け合わせていくと日本の特徴が出るのではないかということで、今、この災害に強い再エネの取組が地域で進んできております。
 事例として三つ御紹介をしたいと思います。
 まず一つ目が、長崎県五島市沖の浮体式洋上風力発電であります。これは、我が国では大変な技術でありまして、巨大な台風にも耐えて災害にも強い、そして我が国が世界に誇れる技術であります。環境省といたしましては、低コスト化に向けた技術開発、実証を実施しているところであります。
 そして二番目に、東松島スマート防災エコタウン。これは再エネと蓄電池を組み合わせた全国初のマイクログリッドでございます。災害時に系統電力が遮断しても電力供給が可能であるということで、実際、昨年の七月に起きた大規模な停電のときも電力供給が途絶えませんでした。
 そして三番目が、みやまスマートエネルギー。これは、自治体主導で株式会社を設立し、再生可能エネルギーを使って家庭向けの電力を小売サービスとして提供させていただいております。売上げは約今十億円、雇用も地域で四十人程度創出をしております。ここで上がった利益は、高齢者の見守りとか家事代行サービスなどの地域に還元をするというビジネスモデルができ上がりつつあります。
 最後の十三ページ目を御覧ください。
 気候変動対策は、我が国のみならず国際協調も大変重要であります。我が国の質の高い技術を輸出して、世界の温室効果ガス大幅削減に最大限貢献していくことが大切であります。
 環境省といたしましても、JCMを活用した技術輸出に関する補助金で企業の海外展開を後押しをしております。企業のビジネスの拡大、温室効果ガスの排出削減を同時に達成する、そして相手国と我が国の協働を通じて共に利益が得られるイノベーションを創立していくコ・イノベーションを推進しております。国際社会では我が国の強みを生かして世界の脱炭素化を牽引していきたい、このように考えております。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: とかしきなおみ

speaker_id: 26449

日付: 2018-05-09

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会