桜田照雄の発言 (内閣委員会)
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○参考人(桜田照雄君) 私の先生が宮本憲一という市大の公害研究の第一人者で、私、先生の下で勉強を始めたときにこのソーシャルコストの問題を教えてもらったんです。東京大学の亡くなられた宇沢弘文先生がちょうど「自動車の社会的費用」という本をお出しになられておって、あの当時、一台百万円ぐらいで売られている自動車なんだけれども、実はそのコスト面では三百万円も社会が負担しているんだよというような、こういうような議論がございました。それを思い出しているんですけれども。
公害問題を解決するときに、カップの持っていたソーシャルコストという考え方を援用したんですけれども、あのときいろんな本当に議論が混迷したのは、因果関係が、もう日本の場合、民法七百九条ですけれども、不法行為の認定をする際のその因果関係を厳密に立証しなければならないという制約がございまして、それがやっぱり、社会的費用だとか何だかんだ言うけれども、どこに因果関係があるんだと、依存症のこの問題にしてみても、どこに因果関係があるんだという言い方で、そのことの費用を否定する見解というのはずうっとあったわけですね。それを、水俣病もそうですけれども、あるいはイタイイタイ病もそうなんですけれども、様々な公害被害の中で、無過失責任という考え方をつくってその費用の因果関係性を乗り越えてきたという、こういう歴史を持っているわけなんです。
今、鳥畑先生の方からニューハンプシャーの事例がありましたけれども、アメリカでは、そのニューハンプシャーの事例ですけれども、因果関係の話をやっぱりやらない、議論にならない、それではということで、彼らは税収というところに物すごい焦点を絞ったんですね。カジノから得られる税収と、カジノが設けられたことによってその州当局が負担しなければならない予想される税収、これを比べてみようじゃないかということで分析を始めた結果、その結果、カジノで得られる税収よりも、カジノを開くことによって恐らく、例えばアルコール中毒患者の発生率であるとか、あるいはそれに伴う州の財政負担であるとか、こういうものを比べてみたときに、やっぱりこれ言うほどの効果はないぞと、こういう形で結論が出たと思うんです。
で、今申し上げたそのカジノの税収ということに絞って議論しようとしても、今、僕が意見のところで申し上げたように、それが日本の法律の枠組みの中では公益性と射幸心とのトレードオフ関係になってしまうんですね。これがどうも絶対的な壁になってしまって、じゃ、その税収ということに絞って一度コスト・ベネフィット・アナリシスをきちんとやろうじゃないかという議論も実はできないんですね。これがまさに八方塞がりのところに実はもう追い込められてしまったというのが今のこの現状ではないかと思うんです。
このことが明らかになった以上、やっぱりきちんと法案を撤回して、改めてきちんと組み直すべきだと、このことをやっぱり強く感じます。
以上です。