上野達弘の発言 (文教科学委員会)
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○参考人(上野達弘君) 御質問ありがとうございます。
ただいま委員から御指摘いただきました。大変重要な点だというふうに思っております。
国際的にも、著作権法の権利制限規定をどのように設計すべきかというのは非常に大きな課題になっております。これは我が国と問題意識を共有しているものです。数年前にも国際的なシンポジウムがこの権利制限をテーマにして数回行われました。その中では、やはり新しい時代に、新しい技術にどうやって対応するのか、そのときに権利制限規定をどれだけ柔軟なものにするのかというのが大きなテーマになっています。
もちろん、英米法系の諸国であれば、アメリカ型のフェアユースであったり、あるいはイギリス型のフェアディーリングであったり、柔軟な規定というのは元々あるわけですけれども、特に大陸法系諸国においてどのように権利制限規定を柔軟化していくかということについて悩んでいるわけであります。私もそれで随分議論に参加してまいりました。大陸法系諸国でアメリカ型のフェアユース規定を導入している国というのは、私の知る限り、韓国と台湾ぐらいしかないと思います。
したがって、どういう形で柔軟な規定を導入するかというのが問題となっている中、今回の日本の新しい規定は、明確性と柔軟性を兼備したような新しい形の権利制限規定を提案するものでありますので、これはかなり国際的に注目を浴びるものだと思っております。ただ、難しいのは、先ほど委員からも御指摘がございましたように、これを英語に訳すときに、表現の享受をするとかというのはこれどのように訳すのかと。これは平成二十一年の報告書のときからありましたので、私もドイツにおりましたときにそれをどのように翻訳しようかというふうに悩んだことがございますけれども。
いずれにいたしましても、そうした今回の改正がもし実現しましたときには、国際的な発信というのも是非前向きに検討していいのではないかと思っております。
以上です。