小野瀬厚の発言 (法務委員会)
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○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
先ほど申し上げました船舶の先取特権及び抵当権に関する一九九三年の国際条約におきましては、締約国は国内法において船舶抵当権に劣後する他の船舶先取特権を定めることができることとされております。
そういったことから、御指摘のとおり、法制審議会における議論の過程でも、船舶金融を害さないようにする、こういった観点から、航海継続の必要によって生じた債権、それから船主責任制限法所定の物の損害に関する債権について、船舶抵当権に劣後させると、こういった考え方が検討されたところでございます。
しかしながら、これらの債権、具体的には、燃料油の代金債権、運送品の損傷等による賠償請求権、漁業被害等による賠償請求権などにつきましては、債権回収ないし被害者救済の観点から、現行法のように船舶先取特権が認められていることに大きな意義がある、こういった一方で、これらの船舶先取特権を船舶抵当権に劣後させることとしても、現実に船舶金融の円滑化をもたらすかどうかは必ずしも明らかでないとの指摘がされております。
また、パブリックコメントの結果におきましても、銀行関係団体はこれらの船舶先取特権を船舶抵当権に劣後させる考え方を支持されておりましたけれども、荷主団体、船主団体、保険関係団体、漁業関係団体、燃料油供給業者などからは現行法の規律を維持すべきであるとの意見が示されたところでございます。
こういったことから、改正法案ではこの点に関する見直しを行わず、船舶先取特権が船舶抵当権より優先するという現行法の規律を維持することとしているものでございます。