坂東俊矢の発言 (法務委員会)
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○参考人(坂東俊矢君) 先生から御指摘いただいたことに私も同感をいたします。
つい先週ですか、私、アメリカの消費者法をどう教えるかという学会に四日間ほど行ってまいりました。その学会でアメリカの先生方がおっしゃっていたことは何かというと、いやね、消費者法を教えるということは二つだよと、一つはあなたにどんな権利があるかということを教えることだ、二つ目はその権利をどう使ったら具体化できるのかということを教えることだと。もちろん、アメリカという国は、我が国と違ってやや個人が権利を主張しなければ社会が成り立たないという場であるのも事実ではありますが、しかし、その権利を教えるということの意味は、あなたにはこんなカタログの権利があるよだけでは駄目ですよねと。したがって、社会人向けの消費者教育の現場では、具体的な問題を出して、弁護士が一緒に相談に乗りながら、それを実現するためにはどんな証拠が必要で、どういうところに相談に行って援助をしてもらったらいいのかというところまで教育するんだということをおっしゃって、ああなるほどな、権利を教えるというのはそういうことなんだなというのを感じて帰ってきたばかりでございます。
一方、日本で、これはもう三年ぐらい前でしょうか、インターナショナルスクールで、アメリカの消費者の権利に関する映画をある先生がお作りになって、それをみんなで学生さんたちと一緒に見た経験がございます。そのとき学生さんが何言ったか。インターナショナルスクールの学生ですから、海外経験のある大変優秀な、そういう子たちですけれども、その子たちがこの映画を見て、消費者の権利というのがいかに社会にとって大切だということはよく分かった。ただ、もし自分が被害に遭ったときに、そうしたら、どこまで言っていいの、声をどうやって上げたらいいの。例えば、一歩間違ったら何か社会から声のでかい変なやつだと見られるよね。先生、要するに、権利を教えるだけじゃなくて、どういうやり方をしたらいいか教えてくださいと私に言われて、私は、弁護士しているくせにううんとうなって、それは難しい問題だねというふうに答えてしまった恥ずかしい経験がございます。
つまり、私たちはまだ、その権利というものをどう行使していくかということについて、それこそ高校や中学できちんと習っていませんし、裏を返すと、ちゃんと自分の権利を主張するためにはどんな準備をしなきゃいけないかというところも知りません。それをきちんと教えるという仕組みを機能させていくことによって、実は今議論しているような、先生方が御議論しているようなことが実現に向かって動き出すのではないかなと考えております。