小野瀬厚の発言 (法務委員会)
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○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
委員今御指摘のとおり、現行法の下では、遺留分権利者の権利行使によりまして物権的効果が生ずるとされておりますから、遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に無効になりまして、遺留分権利者は減殺された遺贈又は贈与の目的財産について所有権又は共有持分権を取得することとなります。このため、遺留分権利者、遺留分権者は、受遺者又は受贈者が破産した場合でありましても取戻し権を行使することができるということになります。
これに対しまして、この法律案の施行後は、遺留分権利者の権利行使によって生じる権利が金銭債権となりますが、この金銭債権が受遺者又は受贈者に対する破産手続の開始前に生じたものである場合には破産債権となるというように考えられます。したがいまして、この金銭債権につきましては、免責不許可事由がない限り免責され得るということになります。
このように、受遺者又は受贈者が破産したような場合を想定しますと、今回の改正により、今申し上げた点では遺留分権利者の権利は弱められるということとなります。もっとも、受遺者又は受贈者が経済的に破綻している場合を除きますれば、遺留分権利者はその金銭債権に基づいて受遺者又は受贈者の固有財産に対しても強制執行することができることとなりますので、その意味では遺留分権利者の権利の実効性がより高まるといったような評価もできるように思われます。
このように、今回の改正により遺留分権利者の権利が弱められたかどうかという点につきましては、どのような場面を想定するかによっても異なり得ますものですから、一概にお答えすることは困難であるように思われます。