法務委員会

2018-07-05 参議院 全177発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十年七月五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     岡田 直樹君
     進藤金日子君     柳本 卓治君
 七月四日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     松川 るい君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     朝日健太郎君
     松山 政司君     徳茂 雅之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川 博崇君
    理 事
                中西 健治君
                山田  宏君
                若松 謙維君
                有田 芳生君
    委 員
                朝日健太郎君
                徳茂 雅之君
                福岡 資麿君
                松川 るい君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                櫻井  充君
                小川 敏夫君
                仁比 聡平君
                石井 苗子君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  山下 貴司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    大泉 淳一君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       国税庁課税部長  山名 規雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○法務局における遺言書の保管等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
石川博崇#1
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、佐藤啓君及び進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として柳本卓治君及び松川るい君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
石川博崇#2
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小野瀬厚君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
石川博崇#3
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
石川博崇#4
○委員長(石川博崇君) 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#5
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。
 民法については、昨年の約百二十年ぶりの債権法の改正、並びに約百四十年ぶりに今国会では成年年齢の引下げということで、最近改正が続いておりますが、今回は相続制度ということで、こちらは四十年ぶりということです。多くの国民が必ずと言ってもいいほど直面する身近な相続法の改正ということですので、しっかり質問してまいりたいと思いますが、私は、今回大きな見直しが行われました遺留分制度について伺ってまいりたいと思います。
 今回の遺留分制度についての改正の中でも特に大きいものは、遺留分権利者の権利行使によって生ずる権利、いわゆる遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化することだと思っておりますが、この金銭債権化についての改正の理由を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
上川陽子#6
○国務大臣(上川陽子君) 現行法上は、遺留分権利者がその権利、これを行使いたしますと、遺贈又は贈与の一部が当然に無効となり、遺贈等の目的財産は遺留分権利者と遺贈等を受けた者との間で共有になることが多いのでございます。
 しかしながら、このような帰結は、遺贈等の目的財産が事業用財産であった場合に円滑な事業承継を困難にし、また、共有関係の解消をめぐって新たな紛争を生じさせることになるとの指摘がされております。また、現行の遺留分制度は遺留分権利者の生活保障等を目的とするものでありまして、このような制度趣旨に照らしても、遺留分権利者に遺留分侵害額に相当する金銭を取得させることで十分であると考えられるところでございます。
 そこで、本法律案におきましては、遺留分権利者がその権利を行使することにより金銭債権が発生することとしたものでございます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#7
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 この遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化したことについて伺ってまいりますが、まず、この遺留分減殺請求権から生じた金銭債権ですが、遅延損害金はいつから発生するんでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#8
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど大臣からの答弁もありましたとおり、現行法の下では、遺留分権利者がその権利を行使しますと、遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に無効になるという物権的効力が生ずるというふうにされておりますが、この法律案では、遺留分権利者の権利行使により遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることとしております。
 この遺留分権利者の権利行使の意思表示は、遺留分侵害額に相当する金銭債権を発生させる形成権の行使でございまして、その行使に当たりましては、必ずしも金額を明示して行う必要はないものと考えられます。また、その形成権の行使によって客観的に生じました金銭債務は、期限の定めのない債務となるものと考えられます。したがいまして、遺留分権利者が具体的な金額を示してその履行を請求した時点で初めて履行遅滞に陥ることとなるというふうに考えられます。
 もっとも、遺留分権利者が当初から具体的な金額を示して金銭の支払を求めていた場合には、遺留分に関する権利を行使する旨の形成権の行使と金銭債務の履行請求とを同時に行ったことになりますから、その時点から金銭債務は履行遅滞と陥ることとなります。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#9
○元榮太一郎君 では、この金銭債権は時効に掛かるのでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#10
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 遺留分に関する権利行使によって生じました金銭債権につきましては、通常の金銭債権と同様に消滅時効に掛かることになります。
 したがいまして、いわゆる債権法改正の施行前におきましては十年間、その施行後においては五年間の時効に掛かることになります。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#11
○元榮太一郎君 時効に掛かるということでありますが、この遺留分権利者の行使によって生じる金銭債権は受遺者や受贈者が破産した場合は免責されてしまうのかという点について伺っていきたいと思いますが、免責されてしまう場合には、元々物権的効果を生じていたこの遺留分減殺請求権が改正によって権利が弱まるということにはなるでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#12
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員今御指摘のとおり、現行法の下では、遺留分権利者の権利行使によりまして物権的効果が生ずるとされておりますから、遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に無効になりまして、遺留分権利者は減殺された遺贈又は贈与の目的財産について所有権又は共有持分権を取得することとなります。このため、遺留分権利者、遺留分権者は、受遺者又は受贈者が破産した場合でありましても取戻し権を行使することができるということになります。
 これに対しまして、この法律案の施行後は、遺留分権利者の権利行使によって生じる権利が金銭債権となりますが、この金銭債権が受遺者又は受贈者に対する破産手続の開始前に生じたものである場合には破産債権となるというように考えられます。したがいまして、この金銭債権につきましては、免責不許可事由がない限り免責され得るということになります。
 このように、受遺者又は受贈者が破産したような場合を想定しますと、今回の改正により、今申し上げた点では遺留分権利者の権利は弱められるということとなります。もっとも、受遺者又は受贈者が経済的に破綻している場合を除きますれば、遺留分権利者はその金銭債権に基づいて受遺者又は受贈者の固有財産に対しても強制執行することができることとなりますので、その意味では遺留分権利者の権利の実効性がより高まるといったような評価もできるように思われます。
 このように、今回の改正により遺留分権利者の権利が弱められたかどうかという点につきましては、どのような場面を想定するかによっても異なり得ますものですから、一概にお答えすることは困難であるように思われます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#13
○元榮太一郎君 今回の改正によりまして、弱められたと評価できるような部分もありつつも、権利の実効性が高まったという評価もできるということですので、今後の運用も含めまして注意深く見守っていき、適切な対応をしていただきたいと思います。
 続きまして、遺留分減殺請求権から生じる権利が金銭債権になるということですので、遺留分権利者から請求を受けた者、受遺者、受贈者はすぐに弁済しないと遅延損害金が発生することになります。
 しかし、例えば主な相続財産が土地や建物だけという場合はすぐには支払えないような額の金額を請求されることも当然ありますが、このような場合、遺留分減殺請求を受けた者に酷な結果となるようなこともあるように思われますが、今回の改正でこの点についての配慮は何かなされているのでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#14
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、遺留分権利者から金銭請求を受けた場合に、受遺者又は受贈者が直ちには金銭を準備することができない、こういうことがあり得ます。そのような場合に備えまして、この法律案では、受遺者又は受贈者の請求によって、裁判所は、金銭債務の全部又は一部の支払について相当の期限を許与することができることとしております。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#15
○元榮太一郎君 支払について相当の期限を許与することができるということですが、具体的にはどのような場合なのでしょうか。また、許与される相当の期限とはどういった期間でしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#16
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、裁判所は、受遺者又は受贈者の請求によりまして、相当の期限を許与することができるというふうにしておりますが、これは、遺留分権利者から金銭請求を受けた受遺者等において直ちに金銭を準備することができない場合の不都合を解消することを目的としたものでございます。
 したがいまして、最終的には個々のケースにおきます裁判所の判断ということになりますものの、例えば、先ほど委員の御指摘もありましたけれども、遺贈等の目的財産が直ちには換価することが難しい財産であって、しかも受遺者等に十分な資力がないといったような場合には、先ほど申し上げましたこの期限の許与の規律の適用があり得るものと考えられます。
 また、許与されます相当の期限につきましても、個々のケースにおける裁判所の判断ということになりますが、受遺者等の資力や遺贈の目的財産等を売却するなどして資金を調達するのに要する通常の期間、こういったことなどを考慮した上で適切な期間が定められることになるものと考えられます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#17
○元榮太一郎君 期限の許与は、改正案では千四十七条第五項に規定されていますが、この条文には「負担する債務の全部又は一部の支払につき」というふうに書かれておりますが、この「一部の支払」というのは複数回許与されること、つまり分割払というものが想定できるのでしょうかということなんですが、そもそも、事業用の財産を相続した場合には、遺留分減殺請求によって生じた権利の支払を事業から生み出される金銭によって支払うことがこの分割払が認められますと可能になりますので、まさに事業用の財産を売却しなくても済む、こういうようなことになってくると思います。
 元々、物権的効果から債権的効果に改正した理由がこういうような事業承継を円滑にしようという点もあったことからしますと、やはりこの相当の期限の許与についても分割払を認めることがまさに事業承継の促進につながるかなというふうに思っております。解釈として是非認めるべきではないかと思うのですが、御答弁をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#18
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のその改正後の民法千四十七条五項でございますけれども、裁判所が金銭債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができることとしておりまして、明示的に分割払を許容する規定にはなっておりません。
 もっとも、最終的には個々のケースにおける裁判所の判断ということになるものの、先ほど申し上げましたとおり、その一部の支払について相当の期限を許与することができるというふうになっておりますので、例えば、一千万円の金銭債務のうち五百万円については平成三十二年の四月末日まで期限を許与すると、そしてまた残りの五百万円については平成三十三年の四月の末日まで期限を許与すると、こういったような裁判をすることも規定上否定はされておりません。
 したがいまして、このような手法を取ることによって事実上分割払と異ならない支払を命ずる余地があるものと考えられます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#19
○元榮太一郎君 複数回、二回を超える分割払が認められるかどうかというのは非常に重要なところだと思いますので、是非ともそのような運用が認められるように配慮を、取組をお願いしたいと思います。
 続きまして、遺言について伺っていきますが、今回、相続法が改正されるだけでなく、法務局における遺言書の保管等に関する法律も制定されますが、この保管した遺言書の後に保管制度を活用しない遺言書が作成された場合、保管遺言による遺産分割の後に保管制度を活用しない遺言が見付かってしまうとやはり遺産分割がやり直しとなると、こういうようなリスクがあります。
 これは相続をよく扱っている弁護士から出た意見でもあるんですが、そもそも、この自筆証書遺言の保管を義務付けて、それを遺言の有効要件とするのはどうでしょうかということなんですが、自筆証書の保管を義務付けることで、後から遺言が見付かって遺産分割をやり直すというリスクはゼロになってきますし、遺産分割をめぐるトラブルも激減する効果が期待できると考えておるのですが、御見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#20
○政府参考人(小野瀬厚君) 自筆証書遺言につきましては、公正証書遺言や秘密証書遺言に比べて簡易に作成することができるという、そういった利便性にメリットがあるものでございます。したがいまして、遺言書保管制度の利用を義務付けるなどその有効要件を厳しくいたしますと、そのような自筆証書遺言の利便性を損なって遺言制度の利用促進というこの改正の目的に反することにもなりかねないように思われます。
 自筆証書遺言の保管方法につきましては特段の定めがないものでございますので、相続人等が自筆証書遺言の存在に気が付かないおそれというものもございます。したがいまして、この法律案が成立した場合には、できるだけ遺言書保管制度を利用していただけるように、パンフレットやポスターの作成、配布、さらには全国各地における講演会などを通じてこの制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#21
○元榮太一郎君 新しい遺言が後から見付かるというのは結構相続の現場ではありまして、やはり本当にトラブルの原因になっているわけであります。今回の保管の義務付けというのは役所に出向くということなんですが、ほかの行政手続でも当たり前のことでありますから、その有効要件として厳しいということではないのかなと思っております。
 ほかの先進国を見てみましても、例えばイングランドですと二人以上の証人の関与が必ず必要ということで有効要件となっておりますし、フランスの場合は相続において公証人の役割が非常に重要で、相続税の申告書の作成、相続財産の管理など、あらゆる局面に公証人が関与するということで、これはある意味ハードルが高いのですが、しっかりと運用されているわけです。
 このような諸外国の実情を踏まえますと、単独で遺言ができるという点においては日本の遺言制度が厳し過ぎるという評価は当たらないと思いますので、本当にこの遺産分割トラブルをゼロに持っていくということでありますと、この保管を義務付けるというのも一つ有効な選択肢なのではないかなというふうに御提言したいと思います。
 続きまして、この自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度を設けるとともに、この遺言書の画像データの管理も行うというふうに聞いておりますが、昨今のIT化の進展が著しい現代の社会経済情勢に鑑みますと、更に一歩進めて、紙の遺言書を必要としないで電子情報だけで完結するデジタル遺言ということがあるべき未来の姿ではないかなというふうに思っております。
 このようなデジタル遺言の時代になりますと、例えば相続が開始すると、スマート遺言執行と言っていいのか分かりませんが、全部又は一部の遺言が即時執行されるというような可能性も出てきますし、あと遺言書の保管スペースが不要になるということもあります。さらには、遺言の存在やその内容等々についての検索や管理の利便性向上、こういったものも期待できると思いますが、諸外国ではデジタル遺言を導入している国はあるのでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#22
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 遺言の方式に関する諸外国の状況につきまして詳細に把握しているわけではございませんが、例えばドイツやフランスにおきましては、我が国の自筆証書遺言のように第三者が関与することなく作成することができる遺言について、御指摘のようなデジタル遺言書といったような方式は認められていないものと承知しております。
 他方、アメリカにおきましては、一部の州においてビデオ録音や電子署名の付されたコンピューターファイルの形式の遺言が認められておりまして、また、韓国や中国におきましては、録音による遺言が認められているものと承知しております。ただ、これらの方式におきましては、いずれも証人の関与が必要とされているものと承知しております。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#23
○元榮太一郎君 我が国においては、デジタルガバメントということで、本年の一月十六日にはeガバメント閣僚会議においてデジタル・ガバメント実行計画というのが決定されまして、利用者にとって行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完結されること、行政サービスの一〇〇%デジタル化というものが掲げられております。この計画には、死亡・相続ワンストップサービスということで、オンラインでどこからでも手続を可能とするワンストップ化も掲げられております。
 デジタル遺言ということで、行政サービスということではないのかもしれませんが、このデジタル・ガバメント実行計画及び未来投資戦略二〇一八というものの趣旨に一致するものであると思いますが、現在どのような検討がされているのでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#24
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、このデジタル・ガバメント実行計画におきましては、死亡相続に関連する行政手続、こういうものにつきまして、オンラインでこれらの手続を可能とするなどのワンストップ化を実現するというようなことが掲げられておりますし、未来投資戦略二〇一八におきましても、来年度からワンストップ化のサービスを順次開始することとされております。
 法務省といたしましても、関係各府省と連携して、死亡相続に関連した行政手続のオンライン化、ワンストップ化に向けた検討を行っているところでございますが、デジタル遺言書の導入につきましては、先ほど委員も御指摘もありましたとおり、行政手続とは直接の関連性がございませんのでこれらの計画には含まれておりませんで、具体的な検討は行っていないというのが現状でございます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#25
○元榮太一郎君 私としては、必ずそう遠くない未来にこのデジタル遺言の時代が来るのではないかというふうに思っておりますが、我が国にデジタル遺言書を導入するとした場合、どのような問題が考えられますでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#26
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 この法律案におきましては、自筆証書遺言の方式を緩和して、自筆証書遺言に添付する財産目録については自書することを要しないこととしておりますが、遺言書の本文については、現行法どおり遺言者本人による自書を必要とすることとしております。
 これは、遺言書につきましては、その成立の真正等が争いとなった場合でも、本人はもう既に亡くなっているために、本人の筆跡など遺言書自体から本人が書いたものであるかどうかや遺言者の真意により作成されたものかどうかを判断することができるようにする必要性が高いことなどを考慮したものでございます。
 したがいまして、遺言者が第三者の関与なくして記録、録音等により遺言書を作成することができる制度を導入する場合の主な問題点といたしましては、その遺言書が遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みを設けられるかどうかということではないかというふうに考えられます。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#27
○元榮太一郎君 遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みが設けられるかどうかということでありますが、こういった真意の適正性担保という問題を解決してデジタル遺言書を導入する予定というものはございますでしょうか。
この発言だけを見る →
小野瀬厚#28
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、デジタル遺言書の制度につきましての主な課題は、その遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みをいかにして設けるかという点が挙げられます。
 したがいまして、将来的な技術の確立によりまして、例えば、遺言者本人しか入力することができず、またそのことが客観的に明確となるようなシステムを導入するなどの方法により当該遺言書が本人の真意により作成されたものであることが担保されるのであれば、デジタル遺言書の導入についても将来的な課題として検討の余地はあるものと考えられます。
 今回の相続法の見直しは、社会経済情勢の変化等に鑑み、昭和五十五年以来の大幅な見直しをするものでございますが、今後のデジタル技術の進歩等を含め、この法律案施行後の社会経済情勢の変化を注視しながら、必要に応じて見直しの要否等について検討してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
元榮太一郎#29
○元榮太一郎君 この遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みというものは、テクノロジーが早晩解決するかなというふうに思います。アラブ首長国連邦のドバイでも、ブロックチェーン技術を活用した電子遺言書というものも実証実験等々も含めて検討しているということであります。
 世界に先駆けて我が国日本は超高齢社会を迎えているわけでありますから、この分野においては世界に先駆けてデジタル遺言という時代を切り開いて世界へ示すことも有効ではないか、有益ではないかということを訴えまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
← 戻る