安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小池晃議員にお答えをいたします。
森友学園への国有地売却に係る文書管理等についてお尋ねがありました。
森友学園への国有地売却や加計学園の獣医学部新設に関しては、今後ともしっかりと説明をしていかなければならないと考えています。
文書の管理、保存については、各行政機関が責任を持って行っており、これまでも説明してきたところですが、今後、国会の場において、財務省など関係省庁からしっかり説明させていただきます。
国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。私としても、国有財産の売却について業務の在り方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応についてしっかりと検討させているところです。
国税庁長官の人事については、他の全ての人事と同じく、適材適所の考え方に基づき行ったものであります。
生活保護基準の見直しなどについてお尋ねがありました。
今回の見直しでは、年齢、世帯人員、地域を組み合わせた世帯特性ごとに、一般低所得世帯の消費の実態と生活保護基準額との乖離を是正するため、基準額が上がる世帯、下がる世帯が生じるものです。一方、モデル世帯では、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、生活扶助基準を全体として引き下げるものではありません。
なお、減額となる世帯への影響を緩和するため、減額幅を最大でも五%以内としつつ、三年を掛けて段階的に実施することにしています。
金融所得課税についてお尋ねがありました。
金融所得課税については、平成二十六年から上場株式等の配当及び譲渡益について軽減税率を廃止したところですが、これにより、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られます。所得再分配機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えています。
金融所得に対する課税の在り方については、平成三十年度与党税制改正大綱において、「家計の安定的な資産形成を支援するとともに税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度のあり方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討する。」とされているところであり、丁寧に検討する必要があると考えています。
健康格差と貧困、経済的格差との関係についてお尋ねがありました。
安倍内閣発足後の格差、貧困を示す指標の動きを見ると、長期的に上昇傾向にあった相対的貧困率については、政権交代後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、低下に転じました。特に子供の相対的貧困率については、総務省の全国消費実態調査によれば、ずっと上昇し続けてきたものが、平成二十六年の調査、これは安倍政権ができて初めての調査でありますが、この調査において、集計開始以来初めて低下しました。
また、所得再分配後のジニ係数は、近年の雇用・所得環境の改善や社会保障、税による所得再分配が機能した結果、おおむね横ばいで推移しています。こうしたことから、安倍政権の五年間で貧困と格差の広がりがあったとの御指摘は当たりません。
また、平成二十七年に成立した労働者派遣法改正法については、正社員を希望する方にその道が開けるようにするとともに、派遣を積極的に選択している方には待遇の改善を図るものであり、非正規雇用を取り巻く環境について、不本意ながら非正規の職に就いている方の割合が低下しているなど、着実に改善しています。
さらに、社会保障の見直しでは、所得の低い方々が必要なサービスを受けられるようにきめ細かな配慮を行うこととしているほか、保険料軽減などの充実を図っていくこととしています。こうしたことから、これらの政策が公的医療、介護へのアクセスを妨げ、健康格差を一層拡大させたとの御指摘は当たらないものと考えます。
引き続き、アベノミクスを更に加速させながら、成長と分配の好循環をつくり上げることで、格差が固定化しない、許容し得ない格差が生じない社会の構築に向けて取り組んでまいります。
社会保障についてお尋ねがありました。
少子高齢化が進行し、社会保障費の伸びが引き続き見込まれる中、社会保障の持続可能性の確保は成長と分配の好循環を実現していく上で不可欠なものです。
医療、介護の提供体制改革や、保険者のインセンティブ改革を通じた予防、重度化防止の強化等に取り組むとともに、公平な負担の在り方についても検討し、社会保障制度の持続性確保に向けた不断の改革を進めてまいります。
こうした持続可能性確保の取組とともに、昨年十二月に閣議決定した新しい経済政策パッケージに基づき、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、我が国の社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換していくことで、安心できる社会基盤を確立し、成長と分配の好循環を実現してまいります。
高度プロフェッショナル制度や裁量労働制についてお尋ねがありました。
働き方改革は、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するための、労働基準法制定以来、七十年ぶりの大改革です。
働く方の健康の確保を大前提に、ワーク・ライフ・バランスを改善し、子育て、介護など、様々な事情を抱える方々が意欲を持って働くことができる社会に変えていく。こうした社会を実現するために、労働時間法制の見直しが急務です。
このような問題意識の下、昨年三月二十八日、私自身が議長となり、労働界と産業界のトップと有識者にお集まりいただいた働き方改革実現会議において、働き方改革実行計画を決定しました。働き方改革は、この実行計画に基づいて行う改革であり、財界の要求そのものであるとの御指摘は当たりません。
また、今回の見直しにおいて、裁量労働制度の対象に追加するのは課題解決型の開発提案業務であって、単純な営業は対象になりません。そのことについては、昨年七月に連合の神津会長からいただいた要請を踏まえ、従前お示ししていた案を修正し、より明確な規定とすることとしています。
高度プロフェッショナル制度の創設、裁量労働制の見直しや時間外労働の上限規制は、いずれも、健康を確保しつつ、誰もがその能力を発揮できる柔軟な労働制度へと改革するものであり、低賃金と過労死の温床を広げるだけのものではありません。
残業時間の上限についてお尋ねがありました。
過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない。強い決意で長時間労働の是正に取り組みます。
そのため、労使が合意すれば上限なく時間外労働が可能となる現行の仕組みを改めます。史上初めて、労働界、経済界の合意の下に、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働の限度を設けます。具体的には、時間外労働の上限は、月四十五時間、かつ、年三百六十時間と法律に明記します。その上で、労使が合意した場合でも上回ることができない上限を年七百二十時間とし、その範囲内において、複数月の平均では八十時間以内、単月では百時間未満と定めています。
さらに、労使合意を踏まえ、可能な限り時間外労働を短くするため、新たに労働基準法に基づき時間外労働を適正化するための指針を定め、国が使用者及び労働組合等に対し必要な助言、指導を行えるようにすることを予定しています。
このように、今回の改革は長時間労働に対する規制を強化するものであり、過労死の合法化という批判は全く当たりません。
無期転換ルールについてお尋ねがありました。
無期転換ルールを意図的に避ける目的を持って雇い止めを行うことは望ましくありません。無期転換ルールへの対応が円滑に行われるよう、引き続き都道府県労働局における相談対応や企業への周知に取り組んでいくとともに、望ましくない事案を把握した場合には、労働局において必要な啓発指導をしっかりと行ってまいります。
また、無期転換ルールについては、改正労働契約法において見直し規定が設けられており、施行状況を勘案しつつ対応してまいります。
米軍機の事故と飛行停止についてお尋ねがありました。
米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはなりません。米軍機の事故後の飛行再開については、我が国としても、米側の事故調査や再発防止策について自衛隊の専門的知見も活用して検証を行い、その合理性を判断してきています。
米軍機の事故や予防着陸、緊急着陸が相次いでいる中、在日米軍の全ての航空機について徹底的な整備、点検を確実に実施し、徹底した再発防止のための対策を講ずるよう米側に強く求めています。
また、米軍機の飛行停止については、事故の態様等を踏まえ、個別に判断の上、米側に対して求めているところであります。
今後とも、安全の確保については最優先の課題として日米で協力して取り組んでいきます。
基地外での日本の警察権の行使と日米地位協定についてお尋ねがありました。
米軍や米軍人に関する事件、事故については、日本の関係当局において所要の調査や捜査を行っており、基地の外での日本の警察権の行使が拒否されているとの御指摘は当たりません。(発言する者あり)