安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松村祥史議員にお答えいたします。
災害からの復旧復興についてお尋ねがありました。
今週も全国各地で大雪となり、また、群馬県の本白根山が噴火しましたが、我が国は、その自然条件から、場所を問わず様々な自然災害が起こりやすい環境にあります。
政府としては、大規模災害に対して、応急段階から復旧復興段階まで政府一丸となって取り組んできておりますが、御指摘のとおり、発生した災害を検証し、将来の災害に備えた災害対策、復旧復興の枠組みを構築することも大変重要です。
例えば、熊本地震の際には、東日本大震災の教訓を踏まえて構築した災害応急対策や復興の基本的な枠組みを適用することにより、被災自治体からの要請を待たないプッシュ型の物資供給や、県道及び村道の災害復旧事業の国による代行等を初めて行うことができました。熊本地震後には、それまでの経験を踏まえ、従前まで災害ごとに措置されていた災害関連の税制上の措置を常設化いたしました。
熊本地震については、国の代行事業による村道の開通などにより、南阿蘇村では昨年十月に長期避難が解除されました。復興のシンボルである熊本城についても、平成三十一年には天守閣を復旧するとの熊本市の取組を、天守閣の耐震化等に対する防災・安全交付金や技術的助言により支援してまいります。
今後とも、被災者に寄り添いながら、一日も早い被災地の復旧復興に全力で取り組むとともに、その経験を今後の災害対策に生かしてまいります。
日中関係及び自由で開かれたインド太平洋戦略についてお尋ねがありました。
日中平和友好条約締結四十周年である本年を、日中関係が大きく改善したと両国の国民が認識できるような一年にしたいと考えています。そのためにも、早期に日中韓サミットを開催して李克強首相を日本にお迎えし、その後、私が適切な時期に訪中し、その後に習近平主席に訪日していただきたい。このようなハイレベルでの往来を重ねる中で、日中関係を新たな段階へと押し上げていきたいと考えております。
法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を全ての人に分け隔てなく平和と繁栄をもたらす公共財とするため、米国はもとより、欧州、ASEAN、豪州、インドなどと共に協力してまいります。こうした考え方に賛同してもらえるのであれば、中国を含め、いずれの国とも協力していけると考えており、関係国と連携しながら、自由で開かれたインド太平洋戦略を推進していきます。
防衛計画大綱見直しと中期防衛力整備計画策定の方針についてお尋ねがありました。
国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは、政府の最も重要な責務です。北朝鮮がこれまでにない重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっているなど、我が国を取り巻く安全保障環境は現在の防衛大綱を策定した際に想定したよりも格段に速いスピードで厳しさを増し、今や戦後最も厳しいと言っても過言ではありません。
このような認識の下、新たな中期防衛力整備計画の策定と併せ、防衛計画の大綱についても見直すこととしたものです。見直しに当たっては、まず何よりも、現実から目をそらすことなく、真正面から向き合うことが不可欠です。
その上で、サイバー空間や宇宙空間など、新たな領域の活用が死活的に重要になっていることを踏まえれば、もはや陸海空という従来からの区分で発想するだけでは不十分です。これまで進めてきた南西地域の防衛態勢や弾道ミサイル防衛の強化にとどまらず、新たな領域分野について本格的に取り組んでいく必要があると考えています。
防衛力を支える生産、技術基盤や人的基盤の維持強化についても重要な検討課題と考えています。従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めてまいります。
中小・小規模事業者の生産性向上に向けた支援についてお尋ねがありました。
賃金上昇、景気回復の温かい風を全国津々浦々へと広げていくためには、地方経済の中核を担う中小・小規模事業者の皆さんの生産性向上が極めて重要です。深刻さを増す人手不足の問題に対応するためにも、攻めの投資を力強く支援してまいります。
今後三年間で百万者のIT導入を支援するほか、持続化補助金を活用して、商工会、商工会議所のお力も借りながら、来年度、二万者の小規模事業者の皆さんの生産性向上に向けた努力を応援してまいります。
さらに、赤字など厳しい経営環境の下で新たな設備投資にチャレンジする中小・小規模事業者の皆さんを後押しするため、自治体の判断により、固定資産税をゼロにする新しい制度を設けます。国としては、自治体の理解と協力を得るべく丁寧な説明に努めるとともに、固定資産税ゼロに取り組む自治体にはものづくり補助金などによる支援を重点的に実施してまいります。
国と地方が一体となってオールジャパンであらゆる政策を総動員することで、全国津々浦々、我が国の宝である中小・小規模事業者の皆さんの生産性革命を実現してまいります。
農林水産業改革についてお尋ねがありました。
安倍内閣においては、農業を成長産業化させ農家の所得向上を実現するため、米の生産調整の見直しや輸出促進など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてまいりました。また、中山間地域に対しても、日本型直接支払制度による地域の共同活動への支援や、中山間地農業ルネッサンス事業による地域の特色を生かした取組の支援など、地域を元気にする施策を展開してまいりました。
これにより、四十代以下の若手新規就農者が統計開始以来初めて三年連続で二万人を超え、農林水産物・食品の輸出は五年連続で過去最高を更新するペースで伸び、生産農業所得も過去二年で約九千億円も伸び、直近で三兆八千億円になるなど、着実に成果が表れ始めています。
こうした農政改革に加え、意欲ある林業経営者に森林経営を集積、集約させる森林バンクの創設など、戦後以来の林業改革に挑みます。水産業についても、資源管理と成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上を実現する改革を確実に実行してまいります。
さらに、農林漁業者の方々の不安や懸念にもしっかり向き合い、TPPや日EU・EPAによる新たな国際環境の下でも安心して再生産できるよう、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき十分な対策を講じてまいります。
安倍内閣では、引き続き、農林漁業者の皆様と真摯に向き合い、改革の成果も丁寧に説明しながら、農林水産業全般にわたって改革を力強く推し進めます。若者が夢や希望を持てる農林水産新時代を構築してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕