安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 藤巻健史議員にお答えをいたします。
 日本経済の長期的な動向についてお尋ねがありました。
 二〇一七年の名目GDPの自国通貨建て金額を一九八八年と比較すると、アメリカ三・七倍、イギリス三・七倍、オーストラリア五・二倍、シンガポール八・四倍、中国五十三・〇倍となっており、我が国の名目GDPが他の先進国、新興国と比べて低い伸びにとどまっていることは事実であります。
 この背景には、我が国がバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレによる停滞の二十年を経験してきたことがあります。
 この間の経済対策を始めとする財政政策や各種の金融政策は、一定の景気下支え効果を有していたものと考えられますが、企業は賃金を抑制し、消費者も将来への不安などから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷、デフレを加速するという悪循環から抜け出せずにいました。
 この経験を踏まえ、安倍内閣では、政権交代後、長引くデフレから脱却し、日本経済を力強く成長させていくため、これまでとは次元の違う政策として、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢に一体として取り組んできました。
 こうしたアベノミクスの取組により、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは一一・七%、五十八兆円増加し、過去最高となりました。
 今後も、デフレ脱却、そして力強い成長のため、三本の矢の政策を継続していく考えに変わりはありません。働き方改革、生産性革命、人づくり革命など、あらゆる政策を総動員し、名目GDP六百兆円経済の実現を目指してまいります。
 また、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、引き続き、経済再生を図りながら、歳出と歳入、それぞれの面から改革を続け、プライマリーバランスを黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。
 給与所得控除の見直しについてお尋ねがありました。
 給与所得控除については、主要国の概算控除額と比べて過大となっていること等を踏まえ、控除が頭打ちとなる給与収入を八百五十万円超に引き下げることとしたところです。
 ただし、子育て世帯等に配慮することにより、九六%の給与所得者は負担増とならない見込みとなっており、負担増となる者についても、給与八百五十万円超から急激に負担が増加するわけではなく、段階的に増える仕組みになっております。
 また、給与所得控除等から基礎控除への振替については、働き方に左右されない税制に向けた見直しであり、国の活力につながるものと考えております。
 このように、国の活力にも十分に配慮しつつ、個人所得課税の仕組みを見直すこととしていることを御理解いただきたいと思います。
 なお、御指摘の土地改良予算については、我が国の農業の競争力強化や農村の防災・減災対策の観点から必要なものであると考えております。
 賃上げについてお尋ねがありました。
 賃上げについては、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施、パートで働く方々の時給は、統計開始以来、最高の水準となるなど、正規の方、非正規の方、それぞれで所得環境に改善が見られ、二〇一四年春以降、賃金は増加傾向にあります。
 また、有効求人倍率について、史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率も、調査開始以来、初めて一倍を超えるなど、労働力に対する需要は高まっています。
 また、安倍政権では、生産性の向上や雇用の創出をもたらすとの観点から、対日直接投資の促進に向けて、法人税改革や岩盤規制改革等の事業環境の改善に取り組むとともに、私自ら我が国への投資を呼びかけてきました。
 引き続き、あらゆる施策を総動員することにより、経済の好循環を加速させ、労働需要の増加、賃金の上昇につなげてまいります。
 なお、四年連続での高い水準の賃上げは、所得拡大促進税制も一つの大きなきっかけとなって実現したものと考えており、平成三十年度税制改正においては、賃上げ等に積極的な企業の税負担を更に引き下げることとしております。
 ブロックチェーンや仮想通貨についてお尋ねがありました。
 ブロックチェーン技術については、御指摘の仮想通貨のほか、金融に限らず、様々な分野において利活用の可能性があると指摘されております。
 技術の安全性の確保など、なお課題はあるものと考えられますが、企業の生産性向上や様々なサービスの利便性、安全性向上につながるよう、様々な主体がその活用にチャレンジしていくことが期待されます。
 また、仮想通貨については、資金決済法の改正によって取扱業者を登録制とするなど、法制面や税制面での対応を図ってきたところですが、御指摘のとおり、問題となる事例も生じており、そのような状況も踏まえつつ、引き続き適切に対応してまいります。(拍手)

発言情報

speech_id: 119615254X00620180309_009

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2018-03-09

院: 参議院

会議名: 本会議