杉尾秀哉の発言 (本会議)
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○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉です。
ただいま議題となりました消費者契約法改正案について質問する前に、まず目下の政治情勢について伺います。
私は、テレビ報道の世界で長年歴代政権を取材してまいりましたが、この政権ほどひどい政権を見たことはありません。
新たに国会に提出された森友、加計文書。あれだけ、ない、ないと言い続けた書類が、通常国会終盤になって次々と魔法のように現れ、それでも何事もなかったかのように重要法案が数の力によって相次いで成立させられようとしている現実。これはまさに議会への侮辱であり、議会制民主主義の否定そのものであります。
これらの文書さえあれば、とうの昔に真相究明がなされたはずが、何と一年以上も国会審議が浪費されました。この間、森友関連の質疑があった委員会、本会議は衆参合わせて四百五回、その全ての責任は政府・与党にあります。失われた時を返してください。
あからさまなうそをついてまで真実を隠し、国民が忘れるまで、なかったことにしよう、そんな意図が見え見えです。
最近、社会問題にもなっている日大アメフトの悪質タックル問題で、先日、渦中の日大選手が記者会見をしました。私も、大学時代、アメフト部に所属し、日大とも同じリーグで何度も戦いましたが、二十歳そこそこの学生が自らの責任を赤裸々に語る一方で、自己保身しているとしか見えない指導者の姿に、責任を官僚に押し付けて逃げまくる我が国のリーダーの姿をダブらせて見た国民も少なくなかったのではないでしょうか。
そこで、菅官房長官に伺います。
森友文書改ざんと廃棄に手を染めた財務省のトップである麻生大臣、そして安倍総理の責任は果てしなく重く、内閣総辞職以外に国民の行政への信頼回復の道はないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
次に、福井大臣に伺います。
まず、冒頭申し上げますが、あなたは消費者担当大臣として不適格です。
就任以来、大臣は週刊誌のターゲットとなってきました。火のないところに煙は立たない。福井大臣をめぐる様々な報道。週刊誌に掲載された恥ずかしい写真や、異性関係のトラブルの数々。そして、関与が指摘された出資金詐欺では、裁判で大臣に対する賠償責任は否定されたものの、出資者に問題の事業への支援を呼びかけていたことが認められました。
この一事をもってしても、消費者問題の担当大臣としてお任せできないと思いますが、大臣自身のお考えはいかがでしょうか。
さらに、大臣は、二〇一四年の解散・総選挙で、自民党報道局長としてテレビ局に圧力を加える文書を出しました。憲法で保障された言論、表現の自由をどう考えているのでしょうか。
それでは、議題となっています消費者契約法について伺います。
本法案の衆議院の審議では、いわゆる困惑類型の追加に、それまで出てきていなかった、社会生活上の経験が乏しいという要件が唐突に書き加えられたことが最大の争点となりました。
そもそも、本法案は、前回の法改正では盛り込まれなかった、合理的な判断ができない事情を利用し、高齢者や若年成人などの知識、経験、判断力不足を不当に利用して、過大な不利益をもたらす契約をさせた場合の取消し権などが消費者委員会での検討課題でした。そこに、成人年齢の十八歳引下げに必要な対応が加わり、消費者契約法専門調査会で検討された事項を受けて法案が提出されました。
ところが、その専門調査会の議論では全く出てきていなかったこの要件が新たに付け加えられたことで、社会生活上の経験が乏しい若者の救済が中心となり、高齢者や障害者などが置き去りにされるのではないかという強い疑念が浮上。衆議院の審議では多くの委員や参考人からも削除を求める意見が相次ぎました。
しかし、修正協議を経ても、結局、この要件が削除されなかったのはいかなる理由があるのでしょうか。また、社会生活上の経験が乏しいとは、具体的にどのような事例について、どのような経験が乏しいことをいうのか、逆に、対象とならないのはどのような事例なのか、なるべく具体的にお答えください。
さらに、経験の有無という客観的要素はどう証明するのか。条文は余りに曖昧かつ抽象的で、限定的に解釈されかねません。
これらの指摘について、大臣は、衆議院本会議でもとむら議員の質問に対して、高齢者であっても契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で本要件に該当する場合があると、このように答弁されましたが、なおこの答弁を維持されますでしょうか。
近年、結婚式場など、キャンセル料をめぐるトラブルが多発しています。これは、新郎新婦が慣れていない、契約期間が長い、そして見積りが不透明など、様々な理由があります。ところが、業界のガイドラインを見ますと、三か月前にキャンセルしても二〇%程度取られるのが普通のようです。結婚式は一生に一度か、あるいは数少ない晴れ舞台、キャンセル料もおのずと高額になります。
こうしたキャンセル料は、現行の法律では平均的な損害額の立証責任が消費者側に課されておりますが、本来は事業者側が立証すべきものです。このため、衆議院送付の附帯決議二では、消費者側の立証責任の負担軽減に向け早急に検討し、二年以内に必要な措置を講ずることを求めています。この附帯決議についての大臣自身の考えをお聞かせください。
先ほども述べましたように、本法案では、デート商法や霊感商法などの困惑類型が追加されましたが、それでも判断力不足などを不当に利用して相手の弱みに付け込み過大な不利益をもたらす契約について幅広く消費者の取消し権を認める、いわゆるバスケットクローズ型の規定を設けるべきとの意見が根強くあります。
衆議院送付の附帯決議三でもその点が言及され、これも二年以内に必要な措置を講ずることとされていますが、大臣自身は、二年という期限を切って包括的な受皿規定を設けることについてどのようにお考えでしょうか。
国民生活センターの統計を見てみますと、二十歳を境に消費者被害の相談件数が急増します。特に、ローン、サラ金やエステ契約など、民法が変われば十八歳、十九歳が新たなターゲットになるおそれがあります。そこで、こうした被害に対する十分な対策が講じられているのか。また、今回の法改正でもカバーできる範囲は限られ、キャッチセールスやマルチ商法の被害が救済されない可能性が指摘されていますが、いかがでしょうか。
私は、長年テレビ報道の場に身を置き、様々な悪徳商法や消費者被害の現場を取材し、放送してまいりました。悪いやつは眠らないという言葉がありますが、そうしたやからは次々に新手の手口を繰り出し、消費者被害はまさにイタチごっこの状態です。
また、高齢者被害が増加する背景に、被害に遭っても相談する人がいない孤独な高齢者の姿があり、消費者被害に対する啓蒙啓発やPR活動と併せて、高齢者を孤立させないための施策が求められていると思います。
こうした点について、政府はどのような対策を取っているのでしょうか。
最後に、衆議院消費者特の質疑を見ましても、政府側の答弁がぶれたり、極めて抽象的な内容に終始するなど、国民にとって極めて分かりにくい議論が続きました。また、消費者の救済範囲を狭めるような方向で答弁を修正しようとし、委員会が紛糾したこともありました。こうしたことを見ても、消費者庁が真に国民の方を向いているとは到底思えません。
事業者の側ではなく、あくまで弱い立場の消費者の側に立ち、そうした人たちを守るための充実した法案審議をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕