安倍晋三の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三浦信祐議員にお答えいたします。
 働き方改革の意義等についてお尋ねがありました。
 働き方は、日本の企業文化そのものであり、日本人のライフスタイルに根付いたものです。長時間労働についても、その上に様々な商慣行や労働慣行ができ上がっています。それゆえ、多くの人が働き方改革を進めていくことは、ワーク・ライフ・バランスにとっても生産性にとっても良いと思いながら、実現できなかったものです。もはや先送りは許されません。
 人生百年時代においては、新卒で皆が一斉に会社に入り、その会社一社で勤め上げて、定年で一斉に退職して老後の生活を送るという単線型の人生は、時代に適合しなくなっています。それを一斉にみんなで送るということではなく、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択ができるようになるべきと考えます。
 私の目指す働き方改革は、誰もが、幾つになっても、学び直しをしながら新たなチャレンジをする選択肢を確保できるようにすることです。日本的雇用慣行には人を大切にするという優れた点があり、これを大切にしながら、時代の変化を踏まえ、働く人々の視点に立って、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現していきます。
 高度プロフェッショナル制度についてお尋ねがありました。
 この制度の対象者となるには、第一に、年間平均給与額の三倍を相当程度上回る水準、現状では千七十五万円以上の方であること、第二に、専門性があり、通常の労働者と異なり、雇用契約の中で職務の記述が限定されていること、いわゆるジョブディスクリプションがあること、第三に、何より本人が制度を理解して個々に書面等により同意していることが必要です。加えて、対象業務は、企業、市場等の高度な分析業務など、高度な専門的知識等を必要とし、従事した時間と成果の関連性が高くない業務としています。
 これらの要件は本法案に規定されており、法改正することなく要件を変更することは不可能となっています。
 また、高度プロフェッショナル制度においても長時間労働を防止し健康を確保することは重要であり、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けることとしています。
 仮にこれらの要件に違反すれば、制度の適用は認められないこととなります。また、法定労働時間に違反していれば、罰則の対象となります。制度を導入した事業場に対する指導監督に万全を期してまいります。
 働き方改革に伴う取引環境の整備についてお尋ねがありました。
 働き方改革を進めるに当たり、現場の中小企業・小規模事業者からは、大企業の働き方改革の影響によって短納期発注などのしわ寄せ、生産性向上やコストダウンといった努力の大企業や親事業者による吸い上げに対する懸念や不安の声も聞こえており、取引条件の改善が重要であると考えます。
 大企業と中小企業の間で公正な取引が行われるよう、関係法令の厳格な運用に加え、主要産業界に自主行動計画の策定とその実行を要請し、今後は、策定業種の拡大やフォローアップを行うとともに、下請Gメンの体制を増強し、継続的に取引実態の把握を行い、商慣行の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推進してまいります。
 二〇二三年四月の割増し賃金率の猶予措置の廃止後も、中小企業が働き方改革に前向きに取り組むことができるよう、ものづくり・商業・サービス補助金やIT導入補助金、固定資産税の減免措置などの生産性の向上に向けた取組と取引適正化の取組を車の両輪として進めてまいります。
 非正規雇用労働者の処遇改善についてお尋ねがありました。
 まず、正規、非正規という雇用形態によって不合理な待遇差がある場合には、その是正を求める労働者が裁判で争えることを保障する規定を整備します。
 また、事業主に説明義務を課すことにより、裁判や労使の話合いにおいて待遇差の是正を求める労働者が不利にならないよう、企業側しか持っていない情報を知ることができ、労働者が待遇の異なる理由の説明を確実に受けられるようにします。
 さらに、実際に裁判に訴えるには経済的負担を伴うため、裁判外の紛争解決手段、いわゆる行政ADRを整備し、労働者が身近に無料で利用できるようにします。
 こうした措置を講じることで、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の理由のない待遇差を埋め、多様な働き方を自由に選択できる社会を実現してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119615254X02520180604_009

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2018-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議