安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東徹議員にお答えをいたします。
 法案審議についてお尋ねがありました。
 厚生労働省における種々の問題により、国会、そして国民の皆様に御迷惑をお掛けしたことについては、行政の長として深くおわび申し上げます。
 国民の皆様から厳しい目線が向けられていることを真摯に受け止めながら、厚生労働省において再発防止に取り組むとともに、厚生労働大臣にはその責務をしっかりと果たしてもらいたいと思います。
 一方で、働き方改革は、誰もがその能力を発揮できる労働制度へと抜本的に改革するものです。戦後の労働基準法制定以来七十年ぶりの大改革であり、これを実現する本法案の成立に向けて、安倍政権として全力を傾注してまいります。
 労働生産性についてお尋ねがありました。
 少子高齢化に立ち向かい、経済成長を実現していくためには、労働生産性を向上させていかなければなりません。
 今般の働き方改革により、史上初めて、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働の限度を労使トップの合意により設けます。長時間労働を是正すれば、経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性が向上します。
 無論、安倍内閣が取り組む働き方改革は、労働生産性の向上を長時間労働の是正のみで実現しようとするものではありません。
 同一労働同一賃金を実現し、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の理由のない待遇差を埋めることで、自分の能力を評価されているという納得感や働くモチベーションを高め、労働生産性を向上させます。
 さらに、高度プロフェッショナル制度を導入し、高度専門職の方々が意欲や能力を有効に発揮することによって、新しい産業が発展し、ひいては日本全体の生産性向上につながっていくものと考えます。
 働き方改革こそが労働生産性を改善するための最良の手段です。安倍内閣として、働き方改革の実現に全力を尽くしてまいります。
 雇用の流動化についてお尋ねがありました。
 人生百年時代においては、新卒で皆が一斉に会社に入り、その会社一社で勤め上げて、定年で一斉に退職して老後の生活を送るという単線型の人生は、時代に適合しなくなっています。
 私の目指す働き方改革は、誰もが、幾つになっても、学び直しをしながら新たなチャレンジをする選択肢を確保できるようにすることです。途中で学び直しをし、その学び直しによって更にキャリアアップできる、当然、会社も変わることができる、職種も変わることができる、そういうことが可能な社会を実現していきたいと考えております。
 また、第四次産業革命と呼ばれるIT分野における急速な技術革新が進展する中、企業内での人材育成も難しくなっています。
 このため、リカレント教育の充実を図るとともに、企業の採用も変わる必要があり、中途採用に積極的な上場企業を集めた協議会を設置し、中途採用の機会を拡大してまいります。
 誰もが、幾つになっても新たなチャレンジができる環境整備に取り組んでまいります。
 少子化対策との関係についてお尋ねがありました。
 我が国の慣行である長時間労働の問題は、健康確保だけでなく、仕事と生活との両立を困難にし、少子化の原因になっています。
 長時間労働を是正すれば、ワーク・ライフ・バランスが改善し、子育て中の女性も仕事に就きやすくなり、男性も子育てを行う環境が整備されます。
 また、同一労働同一賃金の実現を通じて、正規と非正規の労働者の不合理な待遇差を是正していけば、中間層が厚みを増し、より多くの方が豊かな家庭を持てるようになり、日本の出生率改善にも貢献すると考えています。
 高齢者の方や病気の方が働くことについてお尋ねがありました。
 働き方改革によって、高齢者や病気を抱える方など、誰もが生きがいを持ってその能力を最大限発揮できる社会をつくることが必要です。
 このため、働き方改革実行計画に基づいて、高齢者については、六十五歳以降の継続雇用の延長等を行う企業への支援、病気を抱える方については、治療と仕事を両立するための総合的な支援を担う人材の育成や企業の受入れ体制の整備等に取り組んでまいります。
 高度プロフェッショナル制度のメリットについてお尋ねがありました。
 高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択できることができるものです。労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越え、自らの創造性を発揮できるようにするための制度です。
 働く方にとっては、時間や場所にとらわれない、自律的で創造的な自由な働き方の選択が可能となります。
 また、今日、活力ある日本を維持していくためには、高い付加価値を生み出す経済を追求していかなければなりません。高度専門職の方々が、その意欲や能力を最大限発揮し、創造的に付加価値を生み出していくことは、企業にとっても我が国の経済にとっても大きなメリットになると考えます。
 同一労働同一賃金についてお尋ねがありました。
 御指摘の正社員制度に関する年功序列賃金といった雇用慣行の在り方については、基本的に、各社の労使で話し合い合意して選択すべき事項と考えています。
 人生百年時代においては、新卒で皆が一斉に会社に入り、その会社一社で勤め上げて、定年で一斉に退職して老後の生活を送るという単線型の人生は、時代に適合しなくなっていると考えます。それを一斉に皆で送るということではなく、誰もが、幾つになっても、学び直しをしながら新たなチャレンジをする選択肢を確保できるようにすべきと考えています。
 こうした中で、どのような雇用形態を選択しても納得が得られるよう、得られる処遇を受けられる、多様な働き方を自由に選択できる社会を実現していく必要があります。今回の法案を通じて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の理由のない待遇差を埋め、非正規という言葉を一掃してまいります。
 今後の労働政策についてお尋ねがありました。
 私の目指す働き方改革は、働く方一人一人がより良い将来の展望を持ち得るようにすることです。長時間労働を是正すればワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者が仕事に就きやすくなり、労働生産性の向上につながります。同一労働同一賃金を通じて、正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば、自分の能力を評価されているという納得感につながります。
 年功序列賃金、終身雇用といった日本型雇用慣行には人を大切にするという優れた点があり、これを大切にしながら、先ほど申し上げたように、人生百年時代を迎えているという時代の変化を踏まえ、働く人々の視点に立った労働政策を着実に進めていきます。
 多様な正社員や税、社会保障制度についてお尋ねがありました。
 正規、非正規という働き方の二極化の解消を図るため、職種や地域を限定した多様な正社員制度を導入する企業への助成等を実施しています。
 また、働きたい人が就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築することが重要です。こうした観点から、税制については、平成二十九年度改正において、配偶者控除の見直しを行いました。
 さらに、社会保障については、個人の働き方は多様であることから、働き方に中立とし、女性も含め短時間労働者の労働参加を促進するため、被用者保険の適用拡大を進めていくことが重要と考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2018-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議