加藤勝信の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(加藤勝信君) 浜口誠議員にお答えを申し上げます。
 受動喫煙防止に対する所見についてのお尋ねがありました。
 受動喫煙による健康被害については、議員御指摘のとおり、累次の研究やWHOの報告などにより科学的に明らかになっております。このため、受動喫煙対策を強化するため、今回の法案により、多数の者が利用する施設等について原則屋内禁煙とする規制を設けることとしております。
 この法案は、我が国の受動喫煙対策について、これまで努力義務による自主的な対応によっていたものから、新たに設ける義務の下で段階的かつ着実に前に進めるものであり、その意義は大きいと考えております。
 国及び地方公共団体の責務についてのお尋ねがありました。
 今回の健康増進法の改正案では、国及び地方公共団体に対して、望まない受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努める責務を課すこととしております。
 こうした規定に基づき、国民や施設の管理権原者などに対する受動喫煙による健康影響等についての周知啓発や、喫煙専用室等の設置に係る予算や税制を通じた支援措置、屋外における受動喫煙対策を行う自治体への支援などを行うことにより、国と地方公共団体が一丸となって受動喫煙対策に取り組んでまいります。
 昨年三月の厚生労働省案と今回の改正案の比較等についてお尋ねがありました。
 昨年三月に厚生労働省において、面積が一定規模以下のバー、スナック等を経過措置の対象とすることなどを内容とする基本的考え方の案を公表しましたが、経過措置の範囲など、望まない受動喫煙への対応をめぐり、政府・与党内での議論がまとまらなかったところであります。
 このため、今回の法案では、新たに開設する店舗は原則屋内禁煙、喫煙可能な場所への二十歳未満の方は立入禁止等とする一方、直ちに喫煙専用室の設置等を行うことが事業継続に影響を与えることが考えられる一定規模以下の飲食店には配慮を行うことが必要と考え、バーやスナックに限らず、経過措置を設けることとしております。この改正案は、受動喫煙対策が段階的に進む実効性のある案になっていると考えております。
 東京都の受動喫煙防止条例についてお尋ねがありました。
 今回の法案について、各自治体の条例において法律に上乗せの規制を課すことは制度としてあり得るものであり、法案の中でも、地方自治体は受動喫煙対策を総合的かつ効果的に推進するよう努める責務を有することとしております。
 こうした中、東京都におかれては、オリンピック・パラリンピックの開催都市としてのお立場から受動喫煙に関する条例についての内容を検討され、先般、条例が成立されたものと承知をしております。
 政府としては、受動喫煙対策を進める観点から、東京都を始めとする関係自治体と、その円滑な施行に向けて、引き続きよく協力連携してまいります。
 二十歳未満の方の立入りについてお尋ねがありました。
 本法案では、多数の方が利用する施設について、法律上、原則屋内禁煙とするとともに、喫煙可能な場所には健康影響が大きい二十歳未満の方の立入りを禁止することとしておりますが、二十歳未満の方の立入禁止については罰則は設けておりません。
 このため、まずは新しいルールを混乱なく社会に定着させていくことが重要であると考えており、二十歳未満の方の立入禁止という新しいルールも含め、広く国民に理解いただけるよう周知徹底を図ってまいります。その上で、問題がある事例については、各都道府県等に相談窓口を設置するなどして把握するとともに、個別に事業者に改善を促すことにより、こうした新しいルールの定着を図ってまいります。
 従業員への受動喫煙対策についてのお尋ねがありました。
 今回の法案では、望まない受動喫煙を防止するため、施設の類型、場所ごとに禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙可能な場所には掲示を義務付け、高校生などを含めた二十歳未満の立入りを禁止することとしております。
 その上で、既存の小規模飲食店など喫煙可能場所のある施設で働く従業員については、事業者等に対し従業員の受動喫煙を防止するための措置を講ずる努力義務規定を設けるとともに、対応の具体例を国のガイドラインで示すこと、事業主が求人を行う際の明示事項に職場における受動喫煙対策の状況を追加することなどにより、望まない受動喫煙が生じないように対応してまいります。
 いわゆる嫌々受動喫煙への対応についてのお尋ねがありました。
 本法案において、望まない受動喫煙を防止するため周囲の状況への配慮義務を課していることや、労働安全衛生法において事業主に労働者の受動喫煙防止の努力義務を課していることを踏まえ、受動喫煙を望まない方を喫煙可能な場所に連れていくことは避けるべきであることなどの留意事項をガイドラインとしてまとめ、自治体や経済団体などとも連携し、国民や企業、事業主にもしっかりと周知をしてまいります。
 このほかにも、受動喫煙による健康影響なども含めて広く国民に周知するなど、御指摘の嫌々受動喫煙を防止するための環境整備に努めてまいります。
 違反事例への対応及び保健所の体制についてお尋ねがありました。
 本法案においては、違反している事例があった場合には、保健所が指導や勧告、命令を行い、それでも改善が見られない場合については罰則を適用することとなります。こうした業務を円滑に進めていくためには保健所の体制を整備していく必要があり、そのための支援については、今後、自治体の意見も伺いながら、関係省庁と調整してまいります。
 今後の加熱式たばこへの規制についてのお尋ねがありました。
 加熱式たばこについては、その主流煙に健康に影響を与える物質が含まれていることは明らかですが、現時点の科学的知見では、受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難であります。
 このため、紙巻きたばこと同様の規制は行わないものの、仮に将来、受動喫煙による健康影響が明らかになった場合には大きな問題となることなどを踏まえ、喫煙専用室又は加熱式たばこ専用の喫煙室内でのみ喫煙を認めることとしております。
 また、加熱式たばこについては、受動喫煙を受けてから健康影響が生じるまでには、比較的短期間で症状が現れる呼吸器系疾患では数年程度である一方、肺がんでは二十年から三十年掛かると想定をされております。引き続き研究に取り組み、その結果に基づいて必要な対応を検討してまいります。
 成人の喫煙率、未成年者の喫煙防止対策及び禁煙支援の状況についてのお尋ねがありました。
 成人喫煙率は平成二十八年時点で一八・三%と、近年ほぼ横ばいとなっており、未成年者の喫煙率は男女共に減少しているところであります。
 禁煙を希望する方々に対しては、より効果的な禁煙支援が行えるよう禁煙支援マニュアルを策定しております。また、診療報酬において、ニコチン依存症と診断された患者のうち、禁煙の希望がある者に対する禁煙指導を評価するニコチン依存症管理料を設けているところでもあります。
 今後とも、第二次健康日本21に定めた二〇二二年度時点での目標値である成人喫煙率一二%に向けて、周知啓発イベントの実施や、自治体が行う子供やその父母等向けの喫煙防止に関する講習会やキャンペーン等への補助等に取り組んでまいります。
 FCTC条約に基づく受動喫煙防止対策の推進についてのお尋ねがありました。
 たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約、いわゆるFCTCにおいて、締約国は、屋内の公共の場においてたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な措置を、既存の国の権限の範囲内で採択、実施することとされており、今回の法案はこれにのっとって提案しているものであります。
 また、法案が成立し、施行された後には、受動喫煙対策の実施状況について調査を行うこととしており、定期的に法律の施行状況をしっかりと把握し、その課題を整理してまいります。
 さらに、今回の新たなルールや受動喫煙による健康影響等については、国や自治体が一丸となって、ポスター、パンフレットの作成、配布、講習会の開催、ホームページ等を通じて、国民や事業者等に周知啓発をしてまいります。
 以上です。(拍手)
    ─────────────

発言情報

speech_id: 119615254X03220180704_011

発言者: 加藤勝信

speaker_id: 5843

日付: 2018-07-04

院: 参議院

会議名: 本会議