真山勇一の発言 (本会議)

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○真山勇一君 立憲民主党・民友会の真山勇一です。
 ただいま議題となりました健康増進法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 まず、申し上げておきたいことがあります。
 安倍政権の皆さん、中でも加藤厚生労働大臣、政治は誰のためにあるとお考えでしょうか。多数の議席を占めている者、力の強い者、お金をいっぱい持っている者のためでしょうか。
 さきに成立した働き方改革法、もとい、働かせ方改悪法は、でたらめなデータで作られた天下の悪法です。高度プロフェッショナルといっても、年収要件などは何の根拠もなく、ほとんど曖昧。たった十二人へのヒアリング、しかも、その大半は後付け調査というずさんさ。きちんとした立法事実は結局示されないまんま。多くの労働者の不安や過労死の御遺族の懸念に、最後まで何一つ誠実な答弁をせずに成立させてしまいました。四十七項目もの附帯決議が付けられたことは、この法律が欠陥だらけという証拠です。その実態は定額働かせ放題ですから、そりゃ企業は喜ぶでしょう。しかし、私は納得できません。
 力の弱い者、お金を持っていない者から搾り取り、犠牲にするのが政治でしょうか。自分とは違う意見、自分に都合の悪いことを言う人間は圧殺することが政治でしょうか。
 図らずも、この受動喫煙をめぐって、政治家の本性があらわになった出来事がありました。自民党の穴見陽一衆議院議員は、六月十五日の衆議院厚生労働委員会で、病を押して出席されたがん患者の参考人に対して、いいかげんにしろと暴言を吐きました。その参考人の方は、招かれて行った場でやじを浴びせられ、悲しく残念な気持ちになったとおっしゃったそうです。
 私は、国会議員の一人として、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。今この場においでの議員の皆さんの中にも私と同じ気持ちの方はいらっしゃると思います。
 やはり、また、同じく自民党の大西英男衆議院議員は、昨年五月、受動喫煙に絡んで、がん患者は働かなくていいと、とんでもない発言をしました。
 権力を持つ者が弱い立場にある者の異なる意見を排除する、圧殺することがまかり通るなら、この世は闇です。
 いいかげん、こんなことはやめにしませんか。多くの横暴を防ぎ、弱い者、貧しい者、少数の意見を尊重するために議会制民主主義は発達したのではないでしょうか。多くの議席を取ったことを錦の御旗にして、質問にはまるで答えず、その一方で、虚偽、捏造、隠蔽、改ざん、偽証、そして強引な採決を連発して悪法を次々に通す政権がこれ以上居座れば、やはりこの世の中は真っ暗闇になります。厳重に、厳重に抗議いたします。
 さて、今回の法案について伺います。
 私自身のことを申し上げて恐縮ですが、私は喫煙者ではありません。マスコミに就職し、社会人になってほんのしばらく吸っていた時期もありましたが、すぐにやめました。しかし、私の記者時代の記憶はたばこと密接に結び付いています。報道局の机やテーブルの上のどの灰皿も吸い殻が山と積まれ、部屋中にもうもうと煙が立ち込めていました。たばこを吸いながら原稿を書く先輩記者も多かったですし、格好よく煙をくゆらす姿はマスコミ人の一つのスタイルでした。また、映画の中では二枚目スターがたばこを吸う場面も多く登場しました。たばこは動くアクセサリーというテレビコマーシャルが一世を風靡したこともありました。
 そういう時代にメディアの世界で生きてきた私は、喫煙には少なからず寛容なつもりでおります。事実、たばこがかつて文化の一部だったことは否めませんし、今も喫煙する人には喫煙の権利もあると考えています。
 しかし、時代は大きく変わっています。受動喫煙は死亡と障害をもたらす深刻な原因であり、スモークフリーの社会をつくるべきという理解が現在では世界標準になっています。喫煙者に喫煙の権利があるとしても、吸わない人の望まない喫煙は絶対に避けるべきであるというのが世界的な常識です。
 とりわけ、全面禁煙は国際的な潮流です。WHOも、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の締約国会議も、受動喫煙を防止するためには一〇〇%の全面禁煙の必要があるとしています。喫煙室を設けたり空気清浄機を設置したりするのではなく、完全な全面禁煙です。既に、昨年時点で五十五か国が全面禁煙と聞いています。ニューヨーク州やカリフォルニア州は早くから全面禁煙が徹底され、今やアメリカの半数以上の州が全面禁煙です。ハリウッド映画を見ても、限られたシーンを除いて、二枚目スターがたばこを吸うシーンはまず見られなくなりました。時代とともに文化も変化するのです。
 そんな中で政府は本法案を提出したわけですが、どうも世界の潮流とは大きく異なるようです。客席の面積が百平方メートル以下とか資本金五千万円以下とか、様々な抜け道を設けて喫煙を可能としたことについて、加藤厚生労働大臣に端的な説明を求めます。これでは世界的な全面禁煙の流れに逆行するという認識はおありなのでしょうか。
 この規定では五五%のお店が喫煙可能になると言われています。二〇一九年にはラグビーのワールドカップが開かれ、また、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。二〇一〇年にWHOとIOCがたばこのないオリンピックの原則に合意したことを考えると、訪日する旅行者のほとんどは、開催国の日本は当然全面禁煙だと思ってやってくるのではないでしょうか。日本では、子供が入るお店でもかなり高い確率で受動喫煙になる可能性があることを訪日客にあらかじめ告知しておくことが必要なのでしょうか。また、外国人の方が間違って受動喫煙の被害に遭わないようどんな措置を講じるのか、お答えください。
 本法案は、また、屋内の受動喫煙防止が基本となっていますけれども、屋外の対策はどうなっているんでしょうか。子供を受動喫煙から守ることや歩きたばこの被害を防止することを考えるならば、屋外ルールも整備すべきと考えますが、実態は各自治体の条例などに任せられているのが現状です。屋内ルールは国が作り、屋外ルールは自治体任せというのはどういう理由でしょうか。
 本法案によりますと、第一種施設は原則として敷地内は禁煙となりますが、完全な全面禁煙ではありません。喫煙が可能な特定屋外喫煙場所の設置が認められます。学校や病院でも喫煙が可能になるとは驚きです。特定屋外喫煙場所については省令で定めるとのことですが、どのような基準が想定されているのでしょうか。
 さらに、第二種施設では喫煙専用室の設置が認められるといいます。さきに挙げたWHOや諸外国の全面禁煙の考え方からすれば、喫煙専用室を認めても受動喫煙の被害は防げないはずです。第二種施設における喫煙専用室の基準も省令で定めるとのことですが、これについても詳しい説明をお願いいたします。
 また、政府は、加熱式たばこの他人への健康被害について、明らかでないとしています。それはいつ明らかになるのでしょうか。明らかにする努力をしているんでしょうか。
 また、現時点で加熱式たばこは他人の健康に被害を与えないという確固たる証拠はあるのでしょうか。健康被害のおそれが完全に否定されていないにもかかわらず、紙巻きたばこと違う扱いにする理由は何なのか。僅かでも健康被害の疑いがあるのであれば、安全が確認されるまで紙巻きたばこと同様の扱いにすべきではないでしょうか。
 ところで、加藤大臣御自身は喫煙者でしょうか。また、大臣が喫煙されるかどうかにかかわらず、本法案をどなたの利益のために提出されたのか、お聞かせください。
 確かに、喫煙者には喫煙する権利があります。しかし、それは、吸わない人の望まない喫煙を絶対に避けることが前提条件です。ですが、本法案では、喫煙する権利は守られる一方で、非喫煙者の望まない喫煙を防止することは十分でありません。半数以上のお店で喫煙が可能であり、第一種施設や第二種施設でも予期せぬ受動喫煙が起こり得ます。
 よもやと思いますが、加藤労働大臣、お金をたっぷり持っているたばこ産業や、喫煙者が多いとされる自民党の方々の利益に配慮する一方、非喫煙者の健康がリスクにさらされることはないのでしょうか。
 弱い者が犠牲になる政治は真っ平です。今からでも遅くありませんから、本法案の抜本的な再考を強く求めて、私、真山勇一の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 真山勇一

speaker_id: 19724

日付: 2018-07-04

院: 参議院

会議名: 本会議