矢田わか子の発言 (本会議)

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○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 私は、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、希望の会の各会派共同提出の国務大臣石井啓一君問責決議案について、提案の理由を説明いたします。
 まず、決議の案文を朗読いたします。
  本院は、国務大臣石井啓一君を問責する。
   右決議する。
 本決議案の提案理由を申し上げる前に、今回、西日本豪雨災害で犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様に対しまして、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、家屋の被害などに遭われました方々、避難生活を余儀なくされている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、本決議案を提案するに至った理由を以下申し上げます。
 特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるIR整備法案について、最近の世論調査では、カジノ法案の成立は不要としている国民の方々七六%、自民党の支持の方々でも六四%に及びます。広く国民の理解が得られていない、これは周知の事実であります。
 カジノ解禁に伴う違法性の阻却が十分に措置されているのかどうかの問題に加え、ギャンブル依存症の対応、治安対策、カジノ場内での賭け金の貸付けの問題など、課題は山積しており、国民の皆さんが持っている不安や疑問は一向に解消されていません。
 しかも、公益性確保にとって重要な経済効果も不透明であり、ギャンブル依存症対策や治安対策など、社会的な負のコスト、この負担も懸念されております。さらに、カジノの運用や規制に関する多くの項目が政省令やカジノ管理委員会規則に委任されており、この詳細を明らかにすべき国会審議が十分に行われていません。
 委員会で、この明らかになっていない内容、是非提示をしてくださいとずっと求めてきましたが、この三百三十一項目にも及ぶ内容が出てきたのは土曜日の朝五時三十五分です。正式に委員会に、理事会に提出されたのは昨日の朝の理事会なんです。こんな昨日出てきたものをどうやって昨日一日で審議せよというのでしょうか。このまま、国民の理解が十分に得られない状況で、数の力だけによって性急に法案成立を図ることは、立法府としての責任を果たせず、将来に大きな禍根を残すことになります。
 そもそも、私たちは、西日本各地で豪雨災害の発生直後から、その被害の甚大さを認識し、被災地に寄り添うことを一番に考えるべきと判断してきました。しかし、何ですか、自民党の皆さん、自民党赤坂亭で宴会が行われていたその時刻、多くの被災者が、多くの被災者が恐怖で震えていたのは事実であります。
 政府・与党、とりわけ石井国務大臣には、災害対応に専念していただくよう、繰り返し繰り返し、何度も要請してきました。委員会は開くべきではない、こんなことをしている場合ではないんです。カジノ法案なんて求めている人は少ない。カジノ法案の審議よりも、石井大臣には被災地対応に集中してほしいと、私たちは内閣委員会の理事会で何度も要請をしてまいりました。委員会を開けば石井大臣は出てこられるんです、IR担当大臣として。でも、IR担当大臣よりも、今は国土交通大臣として被災地に向き合うことが必要なんだと私たちは訴えてきたんです。
 しかし、残念ながら、内閣委員会は開催され続けました。私たちは、じくじたる思いで、委員会審議にそれでも出なければならないという使命感だけで臨んできました。当然のことながら、開かれれば私たちは座らなければならないからです。でも、IRの審議だけで終わるわけにはいかない、そういう思いで、国土交通大臣としての石井大臣に災害関係の質疑も含めて質問を行うということを理事会の中で承認いただき、そういった質疑も行ってきました。
 しかしながら、審議の中で石井大臣からは、災害対応は万全の体制で行っているとの答弁があるのみで、災害対応へのリーダーシップやその危機意識を感じることはできませんでした。当然、被災地にも大臣の誠意ある姿勢は届いていないと思います。
 大臣におかれては、豪雨の災害の被害が拡大する中で、IRの国会審議を一時中断し、国土交通大臣として災害対応を俺は優先したいんだと一度でも与党や国対関係者に対して意思表示をされたんでしょうか。週末に行われた世論調査、その中でも、豪雨災害に対する政府の対応を評価しないと回答した人は四割を超えています。
 今日もこの被災地、酷暑の中です。自衛隊、警察、消防、自治体職員、被災者の皆さん、そして全国から多くのボランティアの皆さんが駆け付け、被災者の生活再建に向けた懸命の復旧復興活動を続けておられます。
 本日までに災害による死者は二百名を超え、いまだ行方不明の方々も大勢おられます。
 一昨日、広島で新たに男子高校生と思われる遺体が発見されました。できることなら生きて帰ってきてほしいと話しながら息子さんを捜し続けたお母さんの姿、他人事とは思えず、涙があふれました。御家族の皆さんは大きな悲しみと今後への不安で夜も眠れない日々を今も過ごされていると想像するだけで胸が締め付けられる思いです。
 加えて、熱中症などによる複数の死者や、また、医師の手当てを受けるケースも相次いでいます。行方不明者の捜索や災害からの復旧も、より過酷な条件での作業が余儀なくされている状態です。
 被災者の多くの方々は、日中は、自宅の片付けなど生活再建に向けた作業、そして役所での手続も行わねばなりません。いまだ約五千人の方々、避難所での生活を送られています。避難所では、プライバシーの確保は難しく、ストレスによる不眠が続き、また、約八万戸余りで断水が続く中、お風呂にも入れない、十分な食事も取れない状況にあり、大変厳しい不便な生活を強いられており、今後は子供たちや高齢者への医療体制も強化する必要があります。
 被災された皆さん、現場で活動している皆さんが今どのような思いなのか、石井大臣、考えたことはありますか。石井大臣からは、その気持ちに寄り添う姿勢が残念ながら私たちには感じられないんです。被災地の復旧復興支援よりもIR整備法の国会審議を、ではなぜ優先されるのですか。もし今国会で成立しなくても、与党の皆さん、すぐに臨時国会開けばいいじゃないですか。その中でIR法案可決されればいいじゃないですか。どうして、一旦ストップする、その決断ができないんでしょうか。こんな被災の中で毎日委員会が開かれている、その報道をテレビで見られる被災地の方々、どんな思いでいらっしゃると思いますか。到底、国民の皆さんは理解できないでいるんです。
 国民の声をくみ上げ、そこに寄り添うのが私たち政治に身を置く者の責務です。被災者への医療体制、心のケア、ライフラインの復旧、住宅の確保と再建など、国や自治体は幾つもの課題に並行して取り組んでいかなければなりません。被災者が必要とする支援は時間の経過とともに刻々と変化し、その都度そのニーズを正確に把握しつつ、適切な対処をしていく必要があります。
 IR担当の石井大臣、国土担当大臣として、今後も集中豪雨や台風災害が発生しやすい時期が続くことが想定される中で、土砂崩れ、河川の氾濫、堤防の決壊など、国としてその警戒を強め、事前の対策を打つことを主導していかなければなりません。とりわけ、道路の寸断、まだ五百か所以上で道路寸断されているんです。鉄道の不通、物流も滞る中で、猛暑や台風による二次災害の発生を防ぎ、一日も早い復興に向けてその陣頭指揮を執るのが何よりも国土交通大臣の最大の使命です。
 しかし、これらを後回しにしてIR整備法案の審議促進を優先する石井大臣の姿勢には、驚き、あきれるばかりです。国民の生命、財産を守ること以上に、誰も認めていない、誰も求めていないカジノ解禁を最優先で進めようとする政府・与党の姿勢は絶対に許すことができません。
 さらに、石井大臣は、昨年来問題となっている森友学園疑惑に関しても、国土交通大臣としての説明責任を果たさず、この問題を解明しようとする姿勢が見えません。
 国土交通省は、決裁文書の改ざん依頼に関する調査結果で、改ざんの依頼を受けた職員はいなかったと結論付けました。しかし、後になって、航空局長と財務省の理財局長の意見交換概要という文書が明らかになりましたが、石井大臣、逃げ回る答弁、時間稼ぎの答弁を繰り返してこられています。国有地払下げに伴う不当な値引きについて、いまだ、いまだです、疑惑が解明されない中、このような石井大臣の姿勢は国民の政治不信を広げるばかりであります。
 国民の生命を守るための災害対策よりもカジノ解禁に関する法案審議を優先させ、その一方で、安倍総理大臣を守るために国民が求める疑惑解明に関する説明責任は放棄する石井大臣に、国務大臣としての資格はありません。
 以上、国務大臣石井啓一君問責決議案を提出する理由を申し述べさせていただきました。
 議員の皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119615254X03520180718_003

発言者: 矢田わか子

speaker_id: 21767

日付: 2018-07-18

院: 参議院

会議名: 本会議