小川敏夫の発言 (本会議)
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○小川敏夫君 立憲民主党・民友会の小川敏夫です。
国務大臣石井啓一君問責決議案に賛成の立場で意見を述べさせていただきます。
まず、この度の西日本を中心とした豪雨災害、被災者の方々に深くお見舞いを申し上げます。
さて、その豪雨災害の復旧、これは国民の悲願、国民全体の思いでありますが、大変残念なことに、石井大臣は、国交大臣としてその陣頭指揮に当たるべき立場であるにもかかわらず、この賭博場設置法案の審議を優先したと。誠に残念な対応であります。国民に対する救助、復旧活動を行うべき職責を放棄していると言わざるを得ないことであります。
さて、今回審議しているのは、カジノ法案、特定複合観光施設整備法案という法案でありますが、そもそものこの法案がいかにまやかしの法律案であるかということを述べさせていただきまして、そうしたまやかしの法律案を提出したこと自体が国務大臣に値しないということを述べさせていただきます。
まず、皆さん、与党の方も含めて、カジノを認めるけれども、IR施設、特定複合観光施設というものが整備されるんだと、当然この法律はそういうIR施設が整備されることを義務付けていると考え違いされていませんか。
この法律には、どこにもそういうIR施設を整備しなければならないとは書いてありません。非常に巧妙な仕組みですが、結論から言えば、カジノ事業者は、施設を新たに造るんではなくて、既にある既存の施設を用いて行うことができるんです。既存の施設を用いて使うんなら、新たな整備にはなりません。
法律では、このIR施設の運営事業者は、施設を設置するという言葉を使っていますが、設置するという言葉は新設ではないんです。カジノ事業者にカジノを認める代わりにIR施設がどんどん整備されるよというのは、実はこの法律ではそういうふうになっていません。この法律では既存のものを複合施設として認めておるわけでありまして、更にもう一つ、その既存の施設はカジノ事業者が所有するものでなくていいんです。他の事業者が所有しているそうした施設、これを賃借するだけでもいいのがこの法律の仕組みであります。
すなわち、整備法案、整備法案というけど何にも整備しない、今ある既存の施設が法律の要件に当たれば、それでカジノ免許を与えることができるというのがこの法律の仕組みであります。
では、このIR施設のその要件、もう一回おさらいしてみましょうか。
例えば会議場、まあ私の話を聞く前に、皆さん、大きな大型ホテルやあるいは各地にあるテーマパーク、リゾート施設、それを思い浮かべてください。今この五つがあるかどうか当てはめながら、どうぞ皆さんが思い浮かべる施設を想定してください。会議場がある、展示スペースがある、民俗・伝統芸能、これを催す場がある、宿泊施設がある、観光案内をする部門があると。例えば東京でも大型ホテルが幾つもありますが、今言った五つの要件に当たるじゃないですか。
今、日本の国内にある大きなホテルやテーマパークやリゾートセンター、そうした施設の中で、この特定複合観光施設、法律が定めた要件に当たる施設は随分たくさんあるんです、既存のものが。そして、既存のものを運営する者にカジノ免許を与えることができるというんであれば、何にも整備にはならないじゃないですか。
再三申し上げていますように、こうした法律の正しい説明をしないで、あたかも国民が誤解するような説明の下にこのようなあしき法案を提出していること自体が第一に不適切であるということを申し述べているわけであります。
ですから、他人が所有している整備要件に当たるホテルやリゾート施設やテーマパークを借りて、その一角にカジノをつくることが実はできるというのがこの法律の中身でありまして、あたかもカジノ業者がIR施設、これを新設して、その赤字を全部しょい込んでというような説明がなされていますが、それはカジノを新設したい人間が殊更吹聴しているでたらめな話でありまして、少なくともこの法律はそうではなくて、既存の施設のままそこにカジノ場を設けることができるというのがこの法律の中身であります。
しかも、カジノ事業者はこのIR施設を運営する、IR施設を運営する者がカジノ事業者になるということになっていますけれども、IR施設の運営を第三者に委託することも認められています。であれば、今既存の大きなホテルがある、そのホテルをホテル事業者から借りて、そして今度はホテルの運営をそのホテルに全部丸投げしてしまえば、何にもしなくてもいいんです。そして、そうすることによってそのホテルの一角にカジノ場をつくることができるというのがこの法律案の中身なんです。
カジノ推進法案に与党の方で反対された方がいましたが、今回は賛成に回っています方もいらっしゃいます。その反対から賛成に回った方が、万一、いや、カジノは悪いけれども、認める代わりに、立派なIR施設が当然できることが義務付けられている、赤字も補填することが義務付けられているということが理由で賛成に回ったのであれば、それは大きな間違いであります。今からでも遅くありませんから、しっかりその点を議論していただきたい、このように考えております。
次に、このIR法案のまやかし。
カジノを認める代わりに、依存症に陥る人がないように、あるいは少しでも少なくなるように、万全な依存症対策を講じるということがカジノを設置する上での約束事であったはずであります。
ところが、どうでしょう。この法案での依存症対策、週三回の入場制限であります。ところが、この三回というのが、我々が日常的に使う言葉の三回とはどうやら違うようであります。三回、我々、日常的には出入りすることが三回で三回ですけれども、この法案では一回は二十四時間、これが一回でありまして、二十四時間の間、何回出入りしようとそれは一回と考え、数えるというのがこの法律であります。
そうしますと、週三回ですから、二十四時間を三回、もっと具体的に言えば、連続する二十四時間ですから、月曜日のお昼から火曜日のお昼まで一回、水曜日の夜八時から木曜日の夜八時まで二十四時間いて一回、金曜日のお昼から土曜日のお昼まで一回、すなわち、週七日間のうち六日間を連続して、一日平均十二時間、ずっとカジノ場に浸っていて、それで三回、そこまでは認めるというものなんです。
週六日間、一日平均十二時間もやらせることを認めておいて、なぜこれが依存症対策に効果的な入場制限だと言えるんでしょうか。例えば、今ある公営競技、昼間しかやっていません。あるいは、少なくとも夜通しやるような公営競技はありません。それでも依存症が生じております。今度は、カジノはまさに二十四時間営業の中で週六日間、一日平均十二時間を連続して入場させることができるということで、何でこれが効果的な依存症対策なのでありましょうか。まさに、週三回に入場を制限したから依存症対策は十分講じているというのは、まやかしの説明でございます。
この点、大臣に、政府に質問しましたところ、いや、こういう入場規制をしている例は外国にはないという答弁をいただきましたが、そもそも入場規制ではなくて自国民を入場禁止にしているというところが多いわけですから、入場を禁止していれば、禁止しているんですからそもそも入場を制限する規定なんか要らないわけでありますから。そういう例を無視して、諸外国にない例外規定だと、入場規制だと言うのは、誠に的を外した議論でございます。
最後に、私は別に時間稼ぎをしているわけではなくて、どうしてもこの法案のまやかしで訴えなくてはいけないことを、そのポイントを取り上げてお話ししているわけでありまして、もう一つ訴えさせていただきます。
このカジノは、日本人を対象とするのではなくて、海外から来日する観光客を主として対象とするというお話でした。ただ、どうも理解し難い。
賭博場の中で賭博資金を貸し付ける仕組みがございます。それが認められています。一定のお金を預けた方に無制限でお金を貸し付けるという、それ自体大変に好ましくない仕組みでありますけれども、よく考えてみてください。海外から観光に来る方があらかじめカジノにお金を預けていますか。あるいは、カジノは、ぷらっと海外から来た観光客にお金を貸しますか。すぐに国に帰っちゃって回収できるかどうか。貸出しはしません。
すなわち、言葉では何とでも言えます。観光客が相手で、日本人に対しては主たる相手とはしていませんと言葉では言えるけれども、しかし、仕組みは、やはり観光客相手でなくて、お金を借りるのは、日本にいてカジノ業者から見れば債権が回収しやすい人が対象だと。結局、ここに、このカジノは観光客という名目を使っているだけで、実際には日本人を主たる顧客とするカジノ業者ということがこの法律の規定の中に表れているのではないでしょうか。
そもそも、我が国では賭博は禁止されております。犯罪であります。とりわけ、賭博をする人よりも、賭博をさせて金もうけをする、そうした賭博場の経営者が、これは許さないというのが我が国の賭博に対する一貫した姿勢でございますが、まさに三月以上五年以下という厳しい重罰があるのが賭博開張罪でございますが、しかし、例えば競輪、競馬などの公営競技、法律では認めておりますが、これは全て利益が公に還元されるものでありまして、民間事業者が利益を上げるというものではございません。その限りにおいて違法性が阻却されるということで例外的に扱われておるわけでありますが、このカジノ事業は、利益がカジノ事業者の、私企業の利益になるという仕組みでありまして、我が国の賭博に対するこの刑法の基本原則、すなわち賭博を相手にした金もうけはさせないというその趣旨を著しく踏みにじる、まさに違法性が阻却されていないものでございます。
このような、るる述べましたが、問題が多い許し難い法案について、まやかしの説明も伴って提案したということは、この法案を提出した責任自体、石井国務大臣が大臣にふさわしくない問責に当たるものだと考えておりまして、まさに、日本の勤労意欲を損なう賭博は許さないという、そうした我が国国民の良心を外国の賭博場営業者に売り渡すような、まさに亡国の法律ではないでしょうか。
最後に、石井国交大臣の職責に関しては、森友事件に触れざるを得ません。
大変に国民が森友事件の真相解明を求めているにもかかわらず、石井国交大臣は反対に消極的でございます。例えば、平成二十九年九月七日付けの財務省理財局長と国交省航空局長の打合せメモがございました。まさに国会を冒涜するような答弁の打合せが行政間でなされていた。その文書について、石井大臣は、存否の調査すらしないという拒絶の答弁をしております。まさに、国民が真相の解明を求めているその森友事件に対してこれを隠蔽しようとする、そう思われても仕方がないような対応でありまして、これは大臣失格でございます。
以上述べたとおり、石井大臣が大変見識の高い方だと私は思っておりますが、ただ、残念なことに、大臣としての職責は国民の期待に背くものでございまして、当然、問責に値するものであります。そのことを述べまして、私の意見とさせていただきます。(拍手)