東徹の発言 (本会議)

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○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、内閣提出の健康増進法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 平成二十八年の国立がん研究センターの推計では、受動喫煙が原因で、肺がんが二千四百八十四人、虚血性心疾患が四千四百五十九人、脳卒中が八千十四人など、一年で約一万五千人の方が亡くなったとされております。徹底した受動喫煙対策が求められます。
 また、来年のラグビーワールドカップ、再来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、世界各国から多くの観光客が我が国を訪れることが予想されます。しかし、残念ながら、今回の政府案は世界水準から大きく見劣りしています。日本はいまだ受動喫煙対策が不十分であると世界に示すようなものです。
 以下、具体的に反対の理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、飲食店の特例の範囲が広過ぎることです。
 厚生労働省は、小規模飲食店における経営への影響を緩和するため、一部の飲食店を喫煙可能とする特例を設け、その基準として、資本金のほか、客席面積百平米以下と定めました。このような特例は経過措置として必要ではありますが、飲食店には家族客も多く訪れることから、一番弱い立場にある子供たちを受動喫煙から守るため、特例の範囲は最小限にすべきであります。
 日本維新の会は、希望の党と共同で、より厳しい受動喫煙対策を内容とする対案を参議院に提出いたしました。我々の案でも飲食店の特例を設けていますが、基準を施設面積三十平米以下とすることで、その対象を一五%程度に抑えています。
 一方、政府案では五五%の飲食店が特例の対象となり、規制として骨抜きにされています。これでは、望まない受動喫煙をなくすという目的は達成できません。
 また、厚生労働省は、この面積基準を決めるに当たって神奈川県の条例も参考にしたとしています。しかし、厚生労働委員会で、維新・希望案の発議者であり、前の神奈川県知事である松沢議員から、神奈川県は百平米以下の飲食店を対象から外して努力義務にしたのが大失敗だったと、百平米というのは余りにも広過ぎるという答弁もありました。
 東京都や大阪府を始め多くの自治体で、政府案より厳しい内容の条例を定めたり、これから定めようとしています。国の規制では不十分であるとして、地方自治体が先行して受動喫煙対策を進めており、このような地方の動きこそ、国は参考にしなければなりません。
 反対の第二の理由は、子供や患者など、守られるべき人が守られていないことです。
 昨年三月に厚生労働省から示された受動喫煙防止対策に関する基本的な考え方では、学校や病院は敷地内禁煙とされていました。子供や患者などを受動喫煙から守る上で必要な対策が取られていると評価できるものでした。
 しかし、今年の三月に提出された今回の政府案では、子供が集まる学校や患者のいる病院も、敷地内での喫煙が可能とされています。また、親子連れも多い運動施設も、健康のためにスポーツをする場所であり、スタンド席にはたくさんの観客が訪れるにもかかわらず、喫煙可能となっています。明らかに昨年の内容より後退しており、政府案では、守られるべき人たちを守ることができていません。
 我々の対案では、学校や病院は敷地内禁煙としています。国民の命と健康を守るために何が重要かを考えなければなりません。
 反対の第三の理由は、厚生労働省は、飲食店の特例について、一部の反対の大きな声しか聞いていないことです。
 飲食店にヒアリングをした団体の数は少なく、ヒアリングをした団体自体も、その業界の意見をまとめられているか不明確です。事業が継続できないと一部の反対の大きな声もあるかもしれませんが、厚生労働省としては、国民の命と健康を守る立場から、世界標準に見合った法案にすべきであります。
 反対の第四の理由は、実施時期が遅く、施行されてからも段階的に受動喫煙対策を進めるとするなど、全くスピード感がないことです。
 政府案では、全面実施が再来年の四月一日とされています。せめて来年秋のラグビーワールドカップの開催までに全面実施すべきであります。
 また、法律が施行されてからも段階的に対策を進めていくとの説明でありましたが、では、いつ頃までに世界標準に見合った制度にするのかも全く見えてきません。そこからは、一日も早く国民を受動喫煙から守ろうという姿勢や責任感は感じられません。
 我々の案でも受動喫煙を完全になくすところまでは行きませんが、子供や患者など、特に配慮が必要な人たちを守る上で政府案より厳しい規制を内容としており、世界の流れに沿うものとなっています。ただ、委員会で採決いただけなかったことは残念でなりません。
 確かに、国会議員の中には喫煙者もいます。国会内の控室や議員会館の事務室など、今まで自由にたばこを吸っていた場所でも吸えなくなってしまうことに抵抗を覚える国会議員も多く、自民党の中でも、一部に受動喫煙防止に対する反対の大きな声があったと聞いております。そのため、政府の受動喫煙対策は昨年の案から大幅に後退してしまいました。
 冒頭にも申し上げましたように、平成二十八年の国立がん研究センターの推計では、受動喫煙が原因で一年で約一万五千人の方が亡くなっているとされています。国民の命と健康を守ることが厚生労働省の最も重要な任務であるにもかかわらず、年間一万五千人の救える命を、世界標準から劣る骨抜き法案を提出する、本当に厚生労働省はこれでいいと考えているのでしょうか。
 世界的にも受動喫煙に対する視線は厳しく、徹底した受動喫煙防止を求める声は年々大きくなっています。世界に恥じない受動喫煙対策を早急に実現するよう要請し、国民の命と健康を守る厚生労働省や担当大臣であるべきと強く申し上げ、反対の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 東徹

speaker_id: 17811

日付: 2018-07-18

院: 参議院

会議名: 本会議