黒田東彦の発言 (財務金融委員会)
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○黒田参考人 私どもも、最近、企業に対するヒアリング調査などを行っておりますけれども、現時点で米中の貿易摩擦の影響が大きく出ているということではなくて、限定的、一部の産業に中国への輸出の受注がやや低下してきているというような話はありますけれども、いわゆるハードデータというかそういうものに摩擦の影響が明らかに出ているというところは余りないようであります。
ただ、企業に聞きますと、現在は東アジア全体のサプライチェーンというのが非常に複雑にできていまして、そういうものに米中貿易摩擦がどうやって影響してくるかというのはなかなか正確に見積もることが難しいということで、不安を感じているということがあるようであります。
また、この先、貿易摩擦が長期化するようなことがありますと、単に貿易だけではなくて、企業や家計のマインド、あるいは金融市場の不安定化といった経路を通じて影響が広がる可能性もあるということは懸念をしております。
今のところ、我が国経済は先行き緩やかな拡大を続けると見ておりますけれども、こういった貿易摩擦の帰趨、その影響を始めとして海外経済をめぐるリスクについては引き続き注意深く点検してまいりたいというふうに思っております。
特に、米中のことにつきましては、御案内のとおり、先日のブエノスアイレスにおける米中の首脳会談において、九十日間停戦と言ったら怒られるかもしれませんが、関税率の追加の引上げはしないということで交渉をするということになっていますので、私どもとしては、できるだけ早くこの問題が解決されることを期待しているということでございます。