安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。
冒頭、先ほどの、徴用工問題に関する、韓国、大韓民国大法院の日本企業に対する判決について御質問がございました。
本件については、一九六五年の日韓請求権協定によって、完全かつ最終的に解決をしています。この判決は、国際法に照らして、あり得ない判断であります。日本政府としては、毅然として対応してまいります。
行財政改革についてお尋ねがありました。
安倍内閣においては、例えば薬価制度の抜本改革など、改革努力や歳出削減努力を積み重ねることにより、一般歳出や社会保障費の伸びについて、経済・財政再生計画の目安を達成してきたところであり、今後とも、徹底的な重点化、効率化など、歳出削減努力に取り組んでまいります。
行政改革についても、これまでも行政事業レビューなどの取組を不断に進めてきたところであり、引き続き取り組んでいきます。
なお、政治に要する費用の問題は、議会政治や議員活動のあり方、すなわち民主主義の根幹にかかわる重要な課題であり、国会において国民の代表たる国会議員が真摯に議論を行い、合意を得る努力を重ねなければならない問題であると考えております。
消費税率引上げに関する対策についてお尋ねがありました。
来年十月に予定されている消費税率引上げに当たっては、前回の三%引上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応してまいります。
具体的には、消費税率引上げ分の税収のうち半分を国民の皆様に還元します。子育て世代に大胆に投資し、来年十月一日から幼児教育を無償化します。軽減税率を導入し、家計消費の四分の一を占める飲食料品については、消費税を八%のまま据え置きます。引上げ後の一定期間に限り、中小小売業に対し、ポイント還元といった新たな手法による支援を行うなど、引上げ前後の消費を平準化するための十分な支援策を講じます。自動車や住宅といった大型耐久消費財について、来年十月一日以降の購入にメリットが出るように、税制、予算措置を講じます。
二〇一九年度、二〇二〇年度の当初予算について臨時特別の措置を講ずることとしており、その具体的な内容等については、各年度の予算編成過程において検討してまいります。財源等については、今後、年末に向けて、税制改正及び予算編成のプロセスにおいて検討してまいります。
公務員の給与についてお尋ねがありました。
労働基本権が制約されている国家公務員の給与については、その代償措置としての人事院勧告制度を尊重するとの基本方針のもと、民間の水準を踏まえて決定されております。
こうした中にあっても、安倍政権においては、厳しい財政事情を踏まえ、国家公務員の総人件費に関する基本方針に沿って、給与制度の総合的見直しの実施や定員合理化等を行うことなどにより、人件費の抑制に努めてきたところであります。
今後も、国家公務員の給与については、人事院勧告制度を尊重し、国の財政状況、経済社会情勢など国政全般との関連を考慮しつつ、しっかり検討を進めてまいります。
憲法改正による教育無償化への取組についてお尋ねがありました。
憲法改正の内容については、私は今、内閣総理大臣として答弁しており、今後、国会の憲法審査会において議論されるであろう御党の提案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、お尋ねですのであえて申し上げますと、自民党が示した改憲四項目の中にも教育の充実が含まれておりますが、私は、子供、若者こそ我が国の未来であり、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちが夢に向かって頑張ることができる日本、政権などのいかんにかかわらず、それが保障される国でありたいと考えています。
いずれにせよ、憲法改正は、国会が発議し、最終的には国民投票により決められるものです。憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示すことで、国民の皆様の理解を深める努力を重ね、与党、野党といった政治的立場を超えて、できるだけ幅広い合意が得られると確信しています。
日系四世の受入れ制度、高度人材と技能実習生、外国人材の受入れ拡充についてお尋ねがありました。
本年七月一日から開始した日系四世の受入れ制度は、若年層の日系四世の方を受け入れ、日本文化を習得する活動等を通じて日本に対する理解や関心を深めてもらい、もって、日本と現地日系社会との結びつきを強めるかけ橋になる人材を育成することを目的としています。
そのため、一定程度の期間、日本に在留していただいた後、帰国して御活躍いただくことが期待されることから、最長五年間在留できることとしたものですが、今後、本制度の実施状況を踏まえ、本制度で受け入れた日系四世の方々の将来の在留資格のあり方について検討してまいります。
高度人材に関しては、専門的、技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材として受入れを促進しているものであります。
また、技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人材、人づくりに協力することを目的とする制度ですが、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じている等の指摘があることから、制度を見直し、昨年十一月に技能実習法が施行され、制度の適正化を図っているところです。
新たな受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を就労の資格で我が国に受け入れようとするものです。
政府として、これまで積極的、継続的に検討を重ねてきたものであり、本制度の趣旨や内容について広く御理解いただけるよう取り組んでまいります。
人口減少時代を見据えた地方の活性化、統治機構改革についてお尋ねがありました。
地方の活力なくして日本の再生なし。安倍内閣は発足当初から、人口減少の克服と地域活性化を一体として実現することを目指す地方創生を政策の柱として取り組んできており、今後ともあらゆる施策を総動員してまいります。
その上で、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革である道州制の導入については、現在、引き続き与党において検討がされており、政府としても連携しつつ取り組んでまいります。
また、市町村合併後のあり方については、他の市町村と連携して行政サービスを提供する取組も含め、市町村みずからが最も適したものを選択できるように進めていくことが重要であると考えています。
いずれにせよ、地方分権改革、さらには国と地方のあるべき姿については、御党の御主張などを含め、引き続き建設的な議論を続けてまいります。
ふるさと納税についてお尋ねがありました。
ふるさと納税は、ふるさとや地方団体の取組を応援する納税者の気持ちを橋渡しするとともに、地方団体がみずから財源を確保し、さまざまな施策を実現するために有効な手段となっています。
一方で、一部の地方団体が過度な返礼品を送付し多額の寄附を集めていることが制度そのものに対する批判につながっていることから、制度の見直しの検討を始めたところです。
一定のルールの中で、地方団体が切磋琢磨できる環境を整えることにより、ふるさと納税制度を健全に発展させていきたいと考えています。
NHK受信料についてお尋ねがありました。
受信料は、公共放送が社会的使命を果たすために必要な財源を、広く国民・視聴者全体に公平に御負担いただいているものであります。
その上で、NHKにおいては、その経営が、国民・視聴者が負担する受信料により支えられているとの強い認識を持ち、徹底して国民・視聴者目線に立った、業務の合理化、効率化、ガバナンス改革に全力で取り組んでもらわなければなりません。
そうした努力を重ねることで、NHKには、値下げを含む受信料水準のあり方について不断に検討を行ってもらいたいと考えています。(拍手)