吉川貴盛の発言 (本会議)

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○国務大臣(吉川貴盛君) 緑川議員の御質問にお答えいたします。
 農政の評価についてのお尋ねがありました。
 御指摘の報道は承知をいたしておりますが、特定の報道機関が独自に行った調査一つ一つについてコメントすることは差し控えさせていただきます。
 その上で、我が国の農業は、人口減少に伴うマーケットの縮小、高齢化の進行、耕作放棄地の増加など、大きな曲がり角に立っており、その活性化は待ったなしの課題と認識しています。
 この認識のもと、安倍内閣では農政全般にわたる改革を行い、その結果、生産農業所得が過去十八年で最高となり、四十代以下の新規就農者が四年連続で二万人を超えるなど、着実に成果があらわれ始めています。
 引き続き、現場の農業者の皆様と真摯に向き合い、政策の内容も丁寧に説明しながら、農業の成長産業化の実現に向けて取り組んでまいります。
 日本の水産業の発展についてのお尋ねがありました。
 我が国では、その周辺水域に形成された豊かな漁場を活用し、さまざまな水産物を食卓に届けてきました。
 一方、我が国の漁業生産量が長期的に減少しており、地域の漁業を担う漁業者の減少、高齢化も進んでいます。こうした状況に終止符を打ち、全国各地で個性を生かした多様な漁業が持続的に営まれていくことが、将来の我が国水産業のあるべき姿であると考えています。
 このため、水産資源の維持、回復を図るとともに、漁業者が将来展望を持って積極的に経営発展に取り組むことができるようにするため、資源管理措置と漁業の許可制度、免許制度などの漁業生産に関する基本的制度を一体的に見直すこととしたところです。
 今回の制度改正も含めて水産政策を総動員することにより、漁業者の所得を向上させ、我が国の水産業を若者にとってやりがいのある魅力的な産業にしたいと考えています。
 所得向上の目標についてのお尋ねがありました。
 今般の水産政策は、我が国周辺の水産資源や漁場を十分に活用することを通じて、意欲ある漁業者や漁業従事者を確保し、漁業、漁村の活性化や漁業所得の向上を目指していける環境をつくることを目指すものです。
 我が国の漁業は多種多様であり、農林水産省としては、漁業所得の具体的目標や達成年限は定めておりませんが、多様な漁業種類等の特性を踏まえた漁業生産力の向上の取組や流通機構の改革等を進めることにより、漁業者の所得の向上を目指す考えです。
 資源管理の目標とする水準についてお尋ねがありました。
 現行の資源管理法においても、漁獲可能量の設定に当たっては、MSYを実現できる水準に資源を維持し又は回復させることを目的とすべきと定められております。今回の法改正においては、より確実にこの実現を図るため、目標管理基準等を導入することとしています。
 なお、MSYの設定については、その精度の向上により信頼性を高める一方で、欧米における柔軟なMSYの設定の例も参考に、我が国の水産資源の実情や漁業秩序に即した運用を行います。
 TACの拡大や漁獲割当ての導入についてのお尋ねがありました。
 TAC対象魚種の拡大や漁獲割当て制度の導入については、昨年四月の水産基本計画においても検討の必要性を位置づけるとともに、これまで、水産政策審議会、地方説明会などさまざまな機会を通じて、漁協や漁業関係者等との意見交換を行っており、法案の内容についても、全国漁業協同組合連合会や大日本水産会等の全国団体の理解をいただいていると承知をしております。
 法案が御審議の上、成立した暁には、現場の漁業者の皆さんの不安や不満の声にもしっかり向き合い、引き続き丁寧な説明に努力をしてまいりたいと考えます。
 漁獲割当ての移転による寡占化の可能性についてお尋ねがありました。
 本法案では、船舶等とともに設定された漁獲割当てを譲り渡す場合等であって、農林水産大臣や都道府県知事の認可を受けたときに限り、漁獲割当ての移転をすることができることとしたところです。
 また、このような船舶の譲渡が行われる場合、漁業の許可の承継についても、農林水産大臣や都道府県知事の許可を受ける必要がありますが、本法案では、許可の不当な集中に至るおそれがある場合には、この許可をしてはならないこととしています。
 漁業権の寡占化について、歯どめが不十分ではないかとのお尋ねがありました。
 本法案については、海区漁場計画の策定プロセスの透明化や海区漁業調整委員会における意見聴取などに加え、既存の漁業権者が水域を適切かつ有効に活用している場合には、その者に優先して免許することを法律で定めることとしています。
 また、漁業権の不当な集中に至るおそれがあるときには、漁業権の免許をしてはならないことを法定することとしています。
 漁業権の優先順位の法定制についてお尋ねがありました。
 現行法の優先順位制度については、羽織漁師とも言われた、みずから漁業を営まない者による漁場利用の固定化を防止する観点から導入されたものですが、こうした法制定当時の課題は既に解消されています。
 一方、現行制度については、漁業権の存続期間満了時に、優先順位のより高い者が申請してきた場合には、再度免許を受けられないため、経営の持続性、安定性を阻害しかねません。
 また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのような沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっています。
 このため、本法律案においては、法律で詳細かつ全国一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 こうした改正は、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
 漁業の免許における、適切かつ有効の判断基準についてのお尋ねがありました。
 適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況と考えております。
 具体的には、個々の事案ごとに、地域の漁場に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますが、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的助言を定め、適切かつ有効の考え方を示していく考えであります。
 地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者の判断基準についてのお尋ねがありました。
 地域の水産業の発展に最も寄与するとの判断は、例えば、漁業生産がふえて、地域の漁業者の所得向上につながる、地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の水産業の発展に寄与する度合いによって判断されることとなりますが、地域の実情に応じて総合的に行われるものと考えております。
 実際には、各地域のさまざまな条件のもとで多様な漁場の活用実態があり、地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますが、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的な助言として考え方を示していくこととしました。
 密漁対策の強化についてのお尋ねがありました。
 沿岸地域での密漁対策については、都道府県、海上保安庁、警察及び水産庁等の関係機関が関係漁業者等と連携して実施することが効果的であると認識しています。
 今般の罰則の強化による密漁の抑止効果を最大限生かすためにも、関係者が密接に連携し、情報共有、合同取締り等の漁業取締りの強化、漁業者による監視、パトロール等を行うとともに、密漁対策への支援を行うことで、総合的な密漁対策を推進してまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 吉川貴盛

speaker_id: 8487

日付: 2018-11-15

院: 衆議院

会議名: 本会議