吉川貴盛の発言 (本会議)
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○国務大臣(吉川貴盛君) 森議員の御質問にお答えいたします。
漁業分野における外国人労働者についてのお尋ねがありました。
漁業につきましては、農林水産省といたしましても、設備投資、技術革新、新規就業者の育成、確保などによる生産性向上や国内人材の確保を引き続き強力に推進していくこととしておりますが、なお人手不足の状況を直ちに解消することは困難であると考えております。
このため、現時点で、制度導入初年度が六百人から八百人、その後五年目までの累計で七千人から九千人の受入れを見込んでおります。
漁業法の改正の目的についてのお尋ねがありました。
今回の漁業法の改正は、我が国の漁業生産量が長期的に減少し、漁業者の減少、高齢化も進む中で、漁業者の所得を向上させ、我が国の水産業を将来を担う若者にとってもやりがいのある魅力的な産業とするため、水産資源の維持、回復を図るとともに、漁業者が将来展望を持って積極的に経営発展に取り組むことができるようにすることを目指すものであります。外国人労働者の収入向上を目的とするものではありません。
IQの導入についてお尋ねがありました。
IQ制度は、確実な数量管理が可能となるとともに、効率的な操業と経営の安定が促されるといったメリットがあると認識しており、漁業法案において、今後進めていく資源管理の大きな方向性として位置づけております。
お尋ねの平成二十年に開催されたTAC制度等の検討に係る有識者懇談会においては、IQ制度を全面的に我が国に導入した場合には、漁獲量の迅速かつ正確な把握のため多数の人員が必要となり、管理コストが多大なものとなる等の課題が考えられることから、漁船隻数や水揚げ港数が多い我が国の漁業実態を踏まえ、その時点では適切ではないとの結論に至ったものであります。
その後、ITの飛躍的発展により、低コストで漁獲量や操業状況を把握することは技術的に可能となりつつあることから、漁獲量の把握体制等の準備が整った漁業種類、漁業区域等の管理区分から順次IQ方式を導入するという方針に転換するものであります。
漁業権の優先順位の法定制についてのお尋ねがありました。
現行法の優先順位制度については、羽織漁師とも言われた、みずから漁業を営まない者による漁場利用の固定化を防止する観点から導入されたものですが、こうした法制定当時の課題は既に解消されています。
一方、現行制度については、漁業権の存続期間満了時に、優先順位のより高い者が申請してきた場合には、再度免許を受けられないため、経営の持続性、安定性を阻害しかねません。
また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのように沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっています。
このため、本法案においては、法律で詳細かつ全国一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改めて、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
こうした改正は、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
漁協の監査についてのお尋ねがありました。
全漁連においては、これまで、公認会計士や水産業協同組合監査士を設置した上で信漁連等の会計監査を実施しており、漁協系統の信用事業や事業運営の健全性の確保に貢献してきたものと考えています。
一方で、今後、国際的な金融規制の強化や会計基準の高度化等にこれまで以上に適切に対応していくためには、より専門的な知識、ノウハウを持つ監査体制が求められています。
また、他の金融機関については既に公認会計士監査が導入されている中で、全漁連監査から公認会計士監査への移行により、より一層の信用事業や事業運営の健全性の確保に資することとなると考えております。
東シナ海における資源管理についてのお尋ねがありました。
東シナ海では、多数の中国漁船が操業し、水産資源に影響を及ぼしています。このため、日中漁業協定に基づき毎年開催している漁業交渉において、中国漁船の操業隻数や漁獲量上限の削減などを強く求めています。
中国政府は漁船隻数や漁獲量を段階的に削減しつつありますが、依然として過剰な状況にあると認識をしており、引き続き、資源の回復に向け、毅然とした姿勢で対応してまいります。(拍手)